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22話 相談

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 街につくととりあえず二手に分かれた。僕は皮の処理と熊のもの以外の魔石の換金。ミレティアは魔法使いの宿に向かった。
 処理も換金もギルドで済ませれるので、僕の方の用事はすぐに終わり宿の方でミレティアを待つことにした。
 しばらくすると部屋の扉が叩かれた。

「遅くなった。とりあえず飯にいこう」

「そうですね」

 神妙な面持ちで僕を誘う。なんとなく言葉数の少ない道中。昨日と同じ店だが、お互い酒は頼まなかった。

「まあとりあえず今日も無事ってことで乾杯」

「はい」

 一口水をのんでミレティアは切り出した。

「なあ目標とかあるのか?」

「目標ですか?」

 僕は少し考えた。パーティーを抜けて街を飛び出して。なんとなくついてきて、今ダンジョンに入って魔石を売ってる。贅沢をしなきゃ生きていけるだろう。街を出た時は生きていくことが目標だった。それはここでなら当分は達成できそうだ。
 
「ほら有名になりたいとか。何とかランクになりたいとかさ」

「そういうのはないかもしれないですね」

「そうか、ならまあよかったか。実はサラ。あの魔法使いだけど。あの子からちょっとした依頼を受けちゃってな。勝手で悪いんだが」

「依頼?ですか。どんな内容なんですか?」

「実は3層には穴があるらしい」

「穴?」

「まあ滅多にない現象だから簡単に説明すると普通は帰る階段と進む階段があるだろ?」

「はい」

「たまにそれ以外ができることがある。それが穴だ。それは階段とは違う見た目をしてるし、入っても次の層に行けないし、当然戻ることもできない」

「全く別のところに行っちゃうってことですか?」

「まあそうだな。そうだと思う。3層2みたいな感じだな。そこに行きたいんだそうだ」

「そこで僕たちの助けが欲しいということですか?」

「そうだ。もちろん嫌なら断ってくれてもいいぞ。そうなれば私一人で行くからな。ただその場合は一時的にパーティーは解散だ」

「そんな。そうはいってもすぐ見つかるでしょう?あることがわかってるなら大体の場所もわかってそうですし」

「すぐ見つかるかはわからないな。知っての通りダンジョンは入る人によって中身が違う。条件は同じ、つまり1層とか2層の環境は同じだけど部屋は違う。みたいな感じだ」

 僕が考え込んでいると続けて説明をくれる。

「うまく説明できないけど、100人が同時にダンジョンに入るとばらばらに飛ばされるのはわかるな?その100人が同じ場所に集まろうとして集まっても100人同じ場所にはいないんだ。せいぜい30人かすくなければ10人とかしか集まれない。中の魔物や環境が同じだけで違う空間に飛ばされてるんだ。つまり3層に穴がある。これはわかってるがどこかはわからない。3層は広いしダンジョンは端がない。下手をすればただぐるぐる同じ場所を周るだけで時間がつぶれるだろう」

「なるほど」

 僕は少しだけ考えるふりをしてすぐに答えを出した。

「それでも行きますよ。一緒に探しましょう」
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