恐怖心で現状維持をした結果～妹からもパーティーからも捨てられて～

13話

　休憩している間いろいろなパーティーが入っていった。大体は僕より少し若いか少し上かくらいの年齢の人が多かった。受付の人が言う通り、浅い階層はまだまだ低ランクでも狩りやすいという感じなのだろう。
　人数も似たり寄ったりで3、4人ほどが一番多かった。たまに僕たちと一緒の2人や最大の人数の6人のパーティーもあったが数組だけだった。1回だけ1人で入っていった人もいたが、きっとランクが高いのだろう。

　そんな感じでダンジョンに入っていく人たちを眺めながら体を休めていると街から見知った顔の人たちがやってきた。

「やぁラウル君。こっちで会うなんて珍しいね」

「アランさんお久しぶりです。これからはこっちで活動しようと思ってこっちにきました」

「なるほどね。この街にもダンジョンができて、大賑わいだしね」

「アランさんもダンジョンですか？」

「そのつもりさ。いつも護衛が終わると暇だったし、楽だからいいんだけどね。それでもたまには魔物を狩らないとと思ってね」

「なるほど。気を付けて行ってくださいね」

「ああ。ありがとう。それじゃあね」

　僕は手を振りながらアランさんを見送る。アランさんはこの街を拠点に活動する護衛専門のパーティーのリーダーだ。いつも穏やかで僕のパーティーとは真逆のパーティー。これからの僕たちはあんな風になれたらなと思った。