箱入り娘は結婚式ドタキャンされるも今度は王太子に求婚されてどうしていいかわかりません

SORA

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クラリス様とテルの関係

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 頭を抑えながらクラリス様が出てくると申し訳なさそうに言った。

「実は……昨夜心配で部屋に忍び込み眠るアリーを襲いそうになってしまったんだ。あまりの可愛さに我慢が……で自分を戒めるためにこのテーブルに入ったもののいつの間にか寝てしまっていた。母上の声で起きたのだけど……まさかこんなことになるなんてすまない」

「いえ……こちらこそお父様が犯罪者だと……この度は申し訳ありませんでした」

 私は床に膝をつき謝罪をする。

「おいおいやめてくれよ。アリーとあの父親は別物だ。けれど血は争えないと考える奴らも出てくるだろう。なので僕はアリーに未来の妃としてふさわしいと世間に見せつけるためにテルに教育を頼んだのだが……まさかフィナまでも巻き込んでしまうとは……」

 クラリス様の声のトーンが小さくなりながらも私の手を取り立たせる。

「ありがとうございます。ですが犯罪者の娘と本当に結婚されるとおつもりなんですか?」

 クラリス様に引き寄せられいつの間にかがっつりホールドされてしまっていた。

「僕はアリーを愛している。それだけではダメかな?」

 美しい顔でこんな愛を囁かれてしまえば自分の状況だとかそんなこと関係なく頷いてしまっていた。

「はい……」

「かわいいなー。おいっ。キスしたい。抱きたい。僕のものに今すぐしたい」

「ゴホンっ。クラリス殿下、そのお恥ずかしい顔をおやめなさい。いつからそんな鼻の下を伸ばすようなおっさん貴族たちと同じようになってしまったのですか。テルは悲しゅうございます」

 テルは泣く素振りをしているので、なんだかその光景がおもしろくて私は笑ってしまう。

「ふふふ。お二人は昔からのお付き合いなんですね」

「はい。クラリス殿下が小さい時から面倒を見させていただいております」

「アリー、テルは最高の侍女であり教育するのが上手い。時間もないがフィナに勝ってくれ。フィナは手ごわいと思うが……」

「はい。頑張ります」

「ってそんな真っ赤な顔でかわいらしい笑顔を振る巻くなよ。理性がもたないよ」

「そうですか? 私はクラリス様に身も心もお預けするつもりで戦うつもりですけど……」

 クラリス様は私から手を離すと両手で顔を覆っていた。

「おい、アリー? 意味わかっているのかな?」

「えっ? あの……えっ?」

 クラリス様に聞き返されたことで自分が体を差し出しているということに気づく。

「いや、いいんだよ。むしろ今すぐ身も預けてほしいんだ」

「あの……申し訳ありません。体を売るような意味ではなかったのですけど……」

「うんうん。わかっているよ。アリーは素直だね」

 チュッ

 クラリス様にまたキスをされてしまっていたのだった。

「これ以上はテルに怒られるからね。続きはまた今度ね」

「クラリス殿下、続きはありませんよ。これからは本格的に教育をはじめますから邪魔をなさらないでくださいね」

「あぁわかったよ。夜には毎回会いに来るからね。アリーそれまでいい子で頑張るんだよ?」

「あっ、はい」

 テルのため息を横目にクラリス様は出て行ったのだった。
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