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17最終話
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汽笛のような大きな音が鳴り響いた。
ピーピー
その音とともに会場は大きな拍手に包まれたのだった。
私は胸が高鳴るのを感じながらも緊張が走る。
「フレアちゃん緊張しているの? 体カチカチだよ」
ジョージ様は私の肩を揉んでくる。
「はい、ありがとうございます」
「ほら深呼吸してごらん」
「あ、スーハ―、スーハ―。少し落ち着きました」
「それじゃあ行くよ」
私は舞台の上で待機を始めた。
※※※
「フレアーヌ、僕は真実の愛を見つけたんだ。よって君とは婚約破棄することにする」
ジョージ様の伸びる声とともに劇が始まる。
「マ、マイク殿下……ありがとうございます。わたし……わたくしにも、お慕いしております人がいるのです」
しまった。
速攻で噛んでしまった。
顔が真っ赤になるのと同時に、思わず観客席の方に目を向けてしまった。
一番前の席にマルク殿下が座っているのを見つけてしまった。
なんだか自分も同じような婚約破棄を申し出たことを思い出して、なおさら気まずくなってしまい動揺を隠せない。
パニックになってしまった。
次のセリフを全く思い出すことができない。
どうしよう……
固まってしまっていると会場内もざわついてきてしまった。
今度は体温が下がり真っ青になっていくのがわかる。
「フレアーヌ!!」
「フレア!!」
二人の声が重なる。
舞台の上には2人、いや、3人の男性の姿が立っていた。
私を隠すように抱きしめに来てくれたのはルーベルトだった。
「フレアーヌ。これで僕たちは幸せになることができるんだ」
あっ、私のセリフを飛ばした後のセリフだということに気づく。
「はい、これでチャールズと結婚できるわね」
練習していた甲斐あって今度はセリフはスッと出た。
だけど、これは本来抱きしめられていない予定だ。
きっとセリフを忘れたことに気づいたルーベルトがフォローしてくれたのだろう。
内心感謝しつつもこのカオスな状況にどうしていいのかわからないでいた。
それに目の前には本物のこの国の王太子であるマルク殿下がいるので会場はもはや悲鳴と混乱が生じていた。
ざわざわとし始めていたのだけれどジョージ様のセリフを皮切りに一気に静まり返った。
「フレアーヌ、そいつが真実の相手なのか?」
重く低い声に全身が痺れる。
ずっと棒立ちでいたマルク殿下が、抱きしめられている私の目の前にいきなり跪いた。
「フレア、ずっと君を愛していた。演劇だとしても……俺は……他の男の腕に抱かれているフレアなど見たくない。俺と結婚してくれ」
いったい何が起きているというのだろうか。
混乱している私をよそに今度はジェニファーが舞台へとやってきた。
「マイク殿下、いえジョージ様、いつになったらわたくしと結婚してくださるのですか?」
ジェニファーのセリフは似たようなセリフだった気もするけど今ジョージ様って言わなかった?
「あぁ、私の真実の相手は……」
そう言うとジョージ様は天を仰いだ。
その瞬間レオがボソッと呟いた。
「おかあ……さん? そっか、この人は少しお母さんに似ているんだね」
きっと聞こえていたのは舞台に立つ者だけだっただろう。
空を見れど何も見えない。
この人って私のことだろうか?
再び舞台上の人たちは私を眺めるとみなが一瞬で笑顔になる。
どういうこと?
レオのお母さんが私に似てるってこと?
理解できそうなところでジェニファーが怒り口調で述べる。
「ジョージ様はまだあの女を好きなのですか? 早くお忘れください。私は……絶対に婚約破棄はいたしませんよ」
「あの女だと?! 彼女は……私の生涯愛すると決めた女性なんだ!!」
ジョージ様の怒った姿やこんなにも取り乱す姿を初めて見た気がする。
感情をこんなにも出しているのが正直意外である。
だとしてもだ!!
もう私には全く頭が追い付かない。
劇なのか事実なのかもはや何が正しくて何が正解かわからない。
私が困惑しているとルーベルトが言った。
「フレアーヌ、今がチャンスだ。このままこの国を出て二人で、ふたりだけで幸せに暮らそう」
ルーベルトがどうやら軌道修正に入ってくれたようだ。
私はこのまま彼とともに舞台から下りれば私の出番はもう終わりだ。
だけど目がマルク殿下から離せなかった。
悲し気な表情で私を見つめているし、さっきから何度となくため息を吐いている。
どうしよう。
また幸せが逃げていく。
ってちょっともしかして……
私は重大な事実に気づいてしまった気がする。
マルク殿下のため息は全部私が原因だったのではないだろうか。
そんなことに気づいてしまえば、演劇だというのにこのままルーベルトと駆け落ちなんかしたくなくなってきた。
責任もって私がマルク殿下のため息をつく癖を直させて、頭が痛いときにはよしよししてあげたい。
誰にもあの役割は渡したくない。
この気持ちって……好きってこと?
自分の気持ちに気づいた私はもう一度マルク殿下の透き通った瞳を見つめる。
「フレア、頼む……行かないでくれ。俺から離れないでくれ。俺にはもう君しか、フレアしか考えられないんだ。好きじゃなくてもいい。そばにいてほしい。それ以上はもう何も望まない。だから……」
マルク殿下の熱い想いに答えたい。
私はルーベルトから離れようとしたが彼は私を離さなかった。
「フレアーヌ? 君がモテるのは知っているし、僕はただの幼馴染で王族でも名の知れた高位貴族でもない。けれど、僕たちの愛は永遠だと思うんだ」
こんなセリフなんかなかった。
ジョージ様には圧を感じるけどルーベルトの声質は私を包み込むような優しさがある。
役に入っているとはわかっているけれど、私まで一気に再びフレアーヌという役に引き込まれてしまっていた。
「は、はい。わ、私たちはあれほど何度も愛を誓い合った仲ですものね。でも……」
途中まではフレアーヌとしての意識が入ってきて自然とセリフが出た。
けれどすぐさまマルク殿下へと目をやると、座り込んで元気のないいつも以上に小さくなった丸い背中が見えた。
マルク殿下を早く抱きしめたい。
「チャールズごめんなさい」
私はマルク殿下のそばへと駆け寄ると、ルーベルトは笑う。
「そうだよね、君はいつだってそうだ。コロコロそうやって毎度毎度男を誑かすんだ。ずっと……僕はそんなフレアーヌを愛し続けていた。なのに……もうこれで僕の我慢も限界だよ。さよなら、幸せにね」
ルーベルトは舞台袖へとはけて行った。
「フレア悪かった。劇をぶっ潰すつもりなど毛頭なかったんだ。しかし君が他の男と結ばれるシーンなど見たくなかったし許せなかった。小さくて情けない男ですまない。だけど俺にはフレア、君だけだ。愛している」
「マルク殿下……今まですみませんでした……この劇を通して色々な思いや感情を学ぶことができました。そしてやっと気づいたのです。私はマルク殿下をずっと……どうやら……お慕いしていたようです……」
「なんだって……うそだろっ? ヤバイ。嬉しすぎる!!」
「ちょっと殿下、言葉遣いが……」
マルク殿下は私を抱きかかえるとお姫様抱っこをしていた。
「国民のみなさま、ここにてルクス王国の王太子であるマルク・レオナドルフとフレア・カートリの婚約が決まった」
「婚約は元からですよ?」
「お前が婚約破棄するとか言うからだろう」
「あ、そうでしたね……」
私は思わず突っ込まれてしまい苦笑いしているとマルク殿下はフッと笑みを浮かべる。
「来月の今日17日ここにてこの場所にて挙式を挙げることを宣言しよう。お前たちが承認であり、招待客である。ご馳走を準備して待つのでぜひ来てほしい」
観客は盛大な拍手と喜びの声で賑やかになる。
「勝手なこと言っていいんですか?」
「大丈夫だ。俺を誰だと思っている? 未来の国王だからな!!」
「そうでしたね」
「でフレア、君は王妃になるのだからな。よそ見はするなよ」
マルク殿下は私を抱きかかえながらチュッと口づけると、段々と舌を絡ませて大人のものへと切り替わっていく。
恥ずかしいのになんだか求めてくれるのが嬉しくて拒否できない。
気付いた時には幕が下りていたのだった。
~end~
最後までお読みいただきありがとうございました♪
ピーピー
その音とともに会場は大きな拍手に包まれたのだった。
私は胸が高鳴るのを感じながらも緊張が走る。
「フレアちゃん緊張しているの? 体カチカチだよ」
ジョージ様は私の肩を揉んでくる。
「はい、ありがとうございます」
「ほら深呼吸してごらん」
「あ、スーハ―、スーハ―。少し落ち着きました」
「それじゃあ行くよ」
私は舞台の上で待機を始めた。
※※※
「フレアーヌ、僕は真実の愛を見つけたんだ。よって君とは婚約破棄することにする」
ジョージ様の伸びる声とともに劇が始まる。
「マ、マイク殿下……ありがとうございます。わたし……わたくしにも、お慕いしております人がいるのです」
しまった。
速攻で噛んでしまった。
顔が真っ赤になるのと同時に、思わず観客席の方に目を向けてしまった。
一番前の席にマルク殿下が座っているのを見つけてしまった。
なんだか自分も同じような婚約破棄を申し出たことを思い出して、なおさら気まずくなってしまい動揺を隠せない。
パニックになってしまった。
次のセリフを全く思い出すことができない。
どうしよう……
固まってしまっていると会場内もざわついてきてしまった。
今度は体温が下がり真っ青になっていくのがわかる。
「フレアーヌ!!」
「フレア!!」
二人の声が重なる。
舞台の上には2人、いや、3人の男性の姿が立っていた。
私を隠すように抱きしめに来てくれたのはルーベルトだった。
「フレアーヌ。これで僕たちは幸せになることができるんだ」
あっ、私のセリフを飛ばした後のセリフだということに気づく。
「はい、これでチャールズと結婚できるわね」
練習していた甲斐あって今度はセリフはスッと出た。
だけど、これは本来抱きしめられていない予定だ。
きっとセリフを忘れたことに気づいたルーベルトがフォローしてくれたのだろう。
内心感謝しつつもこのカオスな状況にどうしていいのかわからないでいた。
それに目の前には本物のこの国の王太子であるマルク殿下がいるので会場はもはや悲鳴と混乱が生じていた。
ざわざわとし始めていたのだけれどジョージ様のセリフを皮切りに一気に静まり返った。
「フレアーヌ、そいつが真実の相手なのか?」
重く低い声に全身が痺れる。
ずっと棒立ちでいたマルク殿下が、抱きしめられている私の目の前にいきなり跪いた。
「フレア、ずっと君を愛していた。演劇だとしても……俺は……他の男の腕に抱かれているフレアなど見たくない。俺と結婚してくれ」
いったい何が起きているというのだろうか。
混乱している私をよそに今度はジェニファーが舞台へとやってきた。
「マイク殿下、いえジョージ様、いつになったらわたくしと結婚してくださるのですか?」
ジェニファーのセリフは似たようなセリフだった気もするけど今ジョージ様って言わなかった?
「あぁ、私の真実の相手は……」
そう言うとジョージ様は天を仰いだ。
その瞬間レオがボソッと呟いた。
「おかあ……さん? そっか、この人は少しお母さんに似ているんだね」
きっと聞こえていたのは舞台に立つ者だけだっただろう。
空を見れど何も見えない。
この人って私のことだろうか?
再び舞台上の人たちは私を眺めるとみなが一瞬で笑顔になる。
どういうこと?
レオのお母さんが私に似てるってこと?
理解できそうなところでジェニファーが怒り口調で述べる。
「ジョージ様はまだあの女を好きなのですか? 早くお忘れください。私は……絶対に婚約破棄はいたしませんよ」
「あの女だと?! 彼女は……私の生涯愛すると決めた女性なんだ!!」
ジョージ様の怒った姿やこんなにも取り乱す姿を初めて見た気がする。
感情をこんなにも出しているのが正直意外である。
だとしてもだ!!
もう私には全く頭が追い付かない。
劇なのか事実なのかもはや何が正しくて何が正解かわからない。
私が困惑しているとルーベルトが言った。
「フレアーヌ、今がチャンスだ。このままこの国を出て二人で、ふたりだけで幸せに暮らそう」
ルーベルトがどうやら軌道修正に入ってくれたようだ。
私はこのまま彼とともに舞台から下りれば私の出番はもう終わりだ。
だけど目がマルク殿下から離せなかった。
悲し気な表情で私を見つめているし、さっきから何度となくため息を吐いている。
どうしよう。
また幸せが逃げていく。
ってちょっともしかして……
私は重大な事実に気づいてしまった気がする。
マルク殿下のため息は全部私が原因だったのではないだろうか。
そんなことに気づいてしまえば、演劇だというのにこのままルーベルトと駆け落ちなんかしたくなくなってきた。
責任もって私がマルク殿下のため息をつく癖を直させて、頭が痛いときにはよしよししてあげたい。
誰にもあの役割は渡したくない。
この気持ちって……好きってこと?
自分の気持ちに気づいた私はもう一度マルク殿下の透き通った瞳を見つめる。
「フレア、頼む……行かないでくれ。俺から離れないでくれ。俺にはもう君しか、フレアしか考えられないんだ。好きじゃなくてもいい。そばにいてほしい。それ以上はもう何も望まない。だから……」
マルク殿下の熱い想いに答えたい。
私はルーベルトから離れようとしたが彼は私を離さなかった。
「フレアーヌ? 君がモテるのは知っているし、僕はただの幼馴染で王族でも名の知れた高位貴族でもない。けれど、僕たちの愛は永遠だと思うんだ」
こんなセリフなんかなかった。
ジョージ様には圧を感じるけどルーベルトの声質は私を包み込むような優しさがある。
役に入っているとはわかっているけれど、私まで一気に再びフレアーヌという役に引き込まれてしまっていた。
「は、はい。わ、私たちはあれほど何度も愛を誓い合った仲ですものね。でも……」
途中まではフレアーヌとしての意識が入ってきて自然とセリフが出た。
けれどすぐさまマルク殿下へと目をやると、座り込んで元気のないいつも以上に小さくなった丸い背中が見えた。
マルク殿下を早く抱きしめたい。
「チャールズごめんなさい」
私はマルク殿下のそばへと駆け寄ると、ルーベルトは笑う。
「そうだよね、君はいつだってそうだ。コロコロそうやって毎度毎度男を誑かすんだ。ずっと……僕はそんなフレアーヌを愛し続けていた。なのに……もうこれで僕の我慢も限界だよ。さよなら、幸せにね」
ルーベルトは舞台袖へとはけて行った。
「フレア悪かった。劇をぶっ潰すつもりなど毛頭なかったんだ。しかし君が他の男と結ばれるシーンなど見たくなかったし許せなかった。小さくて情けない男ですまない。だけど俺にはフレア、君だけだ。愛している」
「マルク殿下……今まですみませんでした……この劇を通して色々な思いや感情を学ぶことができました。そしてやっと気づいたのです。私はマルク殿下をずっと……どうやら……お慕いしていたようです……」
「なんだって……うそだろっ? ヤバイ。嬉しすぎる!!」
「ちょっと殿下、言葉遣いが……」
マルク殿下は私を抱きかかえるとお姫様抱っこをしていた。
「国民のみなさま、ここにてルクス王国の王太子であるマルク・レオナドルフとフレア・カートリの婚約が決まった」
「婚約は元からですよ?」
「お前が婚約破棄するとか言うからだろう」
「あ、そうでしたね……」
私は思わず突っ込まれてしまい苦笑いしているとマルク殿下はフッと笑みを浮かべる。
「来月の今日17日ここにてこの場所にて挙式を挙げることを宣言しよう。お前たちが承認であり、招待客である。ご馳走を準備して待つのでぜひ来てほしい」
観客は盛大な拍手と喜びの声で賑やかになる。
「勝手なこと言っていいんですか?」
「大丈夫だ。俺を誰だと思っている? 未来の国王だからな!!」
「そうでしたね」
「でフレア、君は王妃になるのだからな。よそ見はするなよ」
マルク殿下は私を抱きかかえながらチュッと口づけると、段々と舌を絡ませて大人のものへと切り替わっていく。
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