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街ゆく人が私達、いや、ジョージ様を見て興奮を隠せないようだ。
「キャー、ジョージ様よ」
「素敵だわ。いつも以上に美しい」
「見ているだけでクラクラしちゃう」
「隣にいる女は誰よ?」
「確かあの子……唯一ファンサービスをしなかった昨日の子じゃないの?」
「どういうことよー!!」
感嘆の声、抗議の声が混ざり合っているようだ。
そこにひときわ目立つ大きな声が聞こえてきた。
「何でもいいわ。ジョージ様!! 私を見て下さい。抱いてー-!!」
すごいことを叫ぶ女性もいるものだとそちらの方向を見るとその顔に見覚えがあった。
「あ、あのときのお姉さんだ」
すると隣にいたジョージ様は肩をすくめて言った。
「またあの女性なのか。逃げるよ」
そう言ってジョージ様は私の手を強く握りしめると走り始めた。
「待ってくださーい。みんな追いかけますわよー!!」
その声を皮切りに女性たちが追いかけてきたのだった。
なかなか振り切れなくてどうしようかと体力も正直きつくなっていた。
「フレア、令嬢をこんなに走らせてしまいすまないね。あそこで休憩しようか?」
汗1つかかずに綺麗なお顔で指さしていた先は、高級宿であった。
「えっ……やっ、あの……んっ、さすがに……あそこは……ん、っと……はっ、まずいのでは……はぁっ、あっ、ないでしょうか?」
体力がなくなっているせいなのか、宿に誘われたことの息切れと動機なのかわからないけどやけに体温が急上昇して胸が痛い。
「そんな妙な声だされたら……そんな気はなかったけどね。うん、男心をくすぐるのが上手だね。よしっ、行こうか」
「いやっ……ちょっ……んぅ、あっ、はぁっ、無理っ!!」
「フレア? ちょっと大丈夫?」
私は断らなければならないと思いつつも、だんだん思考が衰えていく。
体の感覚もなくなってきた。
そういえば最近、運動をサボっていたから体力が衰えていたのかもしれない。
そんなことを今さら後悔してももう遅いようだ。
私はそのまま意識を失ってしまっていた。
「キャー、ジョージ様よ」
「素敵だわ。いつも以上に美しい」
「見ているだけでクラクラしちゃう」
「隣にいる女は誰よ?」
「確かあの子……唯一ファンサービスをしなかった昨日の子じゃないの?」
「どういうことよー!!」
感嘆の声、抗議の声が混ざり合っているようだ。
そこにひときわ目立つ大きな声が聞こえてきた。
「何でもいいわ。ジョージ様!! 私を見て下さい。抱いてー-!!」
すごいことを叫ぶ女性もいるものだとそちらの方向を見るとその顔に見覚えがあった。
「あ、あのときのお姉さんだ」
すると隣にいたジョージ様は肩をすくめて言った。
「またあの女性なのか。逃げるよ」
そう言ってジョージ様は私の手を強く握りしめると走り始めた。
「待ってくださーい。みんな追いかけますわよー!!」
その声を皮切りに女性たちが追いかけてきたのだった。
なかなか振り切れなくてどうしようかと体力も正直きつくなっていた。
「フレア、令嬢をこんなに走らせてしまいすまないね。あそこで休憩しようか?」
汗1つかかずに綺麗なお顔で指さしていた先は、高級宿であった。
「えっ……やっ、あの……んっ、さすがに……あそこは……ん、っと……はっ、まずいのでは……はぁっ、あっ、ないでしょうか?」
体力がなくなっているせいなのか、宿に誘われたことの息切れと動機なのかわからないけどやけに体温が急上昇して胸が痛い。
「そんな妙な声だされたら……そんな気はなかったけどね。うん、男心をくすぐるのが上手だね。よしっ、行こうか」
「いやっ……ちょっ……んぅ、あっ、はぁっ、無理っ!!」
「フレア? ちょっと大丈夫?」
私は断らなければならないと思いつつも、だんだん思考が衰えていく。
体の感覚もなくなってきた。
そういえば最近、運動をサボっていたから体力が衰えていたのかもしれない。
そんなことを今さら後悔してももう遅いようだ。
私はそのまま意識を失ってしまっていた。
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