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2、初音
八
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頭が重い。前髪を掻き毟りながら、何度目か分からない寝返りを打つ。
昨晩からずっと床に伏しているせいで、体のあちこちが痛い。姿勢を変えた程度では痛みが落ち着く気配はなかった。
「う……っ」
枕に頭を預け、初音は掻巻に包まり吐息を漏らした。
何度も眠りの世界には誘われる。しかし、うつらうつらすればその都度、頭を打ち据えられたような激しい痛みにより、眠りを妨げられる。これが何日も続いているのだから、当然睡眠不足が積み重なっており、体調は日に日に悪化の一途を辿っていた。
昨日、とうとう昼間に立ち上がれなくなってしまった。黙っていたかったのに、うずくまっていたところを同輩達に見つかってしまい、それは帰蝶の耳にまで入る事態となった。
『そなた、しばらく休め』
『いえっ!』
初音は当初、その命令を拒んだ。
眠れないのは、初音自身の管理が足りていないだけだ。わざわざ数日の暇をもらうのが申し訳なかった。
なにより、侍女としての務めすら果たせない不甲斐なさが強かった。役に立てなかったら、何のためにここにいるのか分からなくなってしまう。
だが、初音の願いが帰蝶に聞き入れられることはなかった。
『初音。そなたは、川並衆が頭領・蓮見どのより預かった大切な娘じゃ。それを病で動けなくなるまで働かせたなぞと知られては殿のお顔を汚すことになる。……ひいては殿の正室であるわらわの、奥の管理についての責も問われるであろう。そなたは、わらわに無能の烙印を押したいか』
そうまで言われてしまえば、引き下がるしかなかった。
昔から、こうした頭痛は度々あった。
しかし、ここまでひどく、命の危機を感じるほどの痛みははじめてのことであった。
(昔は……どうしていたっけ……)
幼い頃も、眠れないほど頭が痛い日はあった。熱を出して寝込んでしまうことも。
(そうだ――こういう時は……)
こういう置きは――いつも異母姉がこっそりと布団に潜り込んでくれていた。
風邪が移る、父さまに怒られる。そう言って止める初音に「良いから」と強引に押しとおしていた。
異母姉は眠れない初音の頭を撫でて抱き締めてくれた。異母姉の掌で撫でられると、頭の痛みも体の不快感も嘘のように消えて、ぐっすりと眠れるのだった。
初音は枕元に置いていた文箱を手繰り寄せた。
岐阜に来てからは、何年も会っていない。だが、文のやり取りだけはずっと続けている。異母姉が描いた文を抱きしめると、少しだけ体が楽になるような気がした。まるで、こっそり二人で抱き合って眠った頃を思い出すことができる。
文面から、異母姉が真面目で優しい人に育っていることは何となく察せる。異母姉は今、どうしているのだろう――。
「――はつね」
「……え?」
初音は思わず目を開けた。
玲瓏で、少し舌足らずな優しい声音を、忘れるわけがない。今、考えていた相手。初音にとって大切な家族。
だが――ここにいることはあり得ない。
妾腹の生まれである初音と違い、異母姉は正室腹の一の姫。初音の比ではないほど深窓の姫君として、父に大切に育てられた。簡単に出かけることなどできるはずもない。
そんな姫が、信長が命じたのでなければ、城に来ることはないだろう。仮に異母姉が城に来ることがあったなら、信長か、あるいは帰蝶が何かしら教えてくれるはずだった。
「初音」
もう一度名前を呼ばれ、初音はとうとう体を起こした。ふらつく思考をまとめながら、声がした戸の向こう側をにらみつける。
(菫さま……?)
異母姉である菫姫の声を、間違うわけがない。
何年も会っていないが、初音にとっては一番心を許せる相手だ。大好きな姉の声を忘れた日はないし、再会できる日をずっと楽しみにしていた。
(……おかしい)
だからこそ、分かる。
初音が実家の蓮見家を出たのは、7年前。8歳の時だ。
3つ上の菫姫は、当時11歳。そして今は、18歳。
1年程度の間ならばともかく――あるいは、当時、既に成人していた女性であったのならばともかく――7年経って子どもから大人になったはずの菫姫が、記憶にある声と同じ声音や話し方をするなどあり得ない。人は成長とともに変わっていくものだというのに。
「初音。なぜ出てきてくれないの」
声音が悲しい色をまとった。
「初音。名前を呼んで」
菫姫の声音が、耳朶にじっとりと絡みつく。蛞蝓が這い回ったかのような感覚が襲いかかる。
初音は、菫姫からもらった文を胸に抱き締めた。
「初音。わたくしの可愛い妹。――さあ、私の名を頂戴」
(だめ)
呼んではならない、と初音は思った。
(だめ。――絶対、だめ)
この声に、姉の名を与えてはいけない。そんな直感があった。
もし呼んでしまったら、取り返しのつかないことになる。菫姫にまで危害が及ぶことになる。
だが、そんな自制心を奪い取ろうとするかのように、頭痛が激しさを増す。吐き気を堪えるように――あるいは口から無意識に菫の名が出ないように、口元を両手で覆い隠す。
「初音、さあ、早く――熱いのはつらいだろう? さあ、早く、そなたの姉の名を我に捧げよ――」
何かが焦げ付くような臭いがする。まとわりつく熱さに震えながら、初音は口元に掌を押し付け続けた。
昨晩からずっと床に伏しているせいで、体のあちこちが痛い。姿勢を変えた程度では痛みが落ち着く気配はなかった。
「う……っ」
枕に頭を預け、初音は掻巻に包まり吐息を漏らした。
何度も眠りの世界には誘われる。しかし、うつらうつらすればその都度、頭を打ち据えられたような激しい痛みにより、眠りを妨げられる。これが何日も続いているのだから、当然睡眠不足が積み重なっており、体調は日に日に悪化の一途を辿っていた。
昨日、とうとう昼間に立ち上がれなくなってしまった。黙っていたかったのに、うずくまっていたところを同輩達に見つかってしまい、それは帰蝶の耳にまで入る事態となった。
『そなた、しばらく休め』
『いえっ!』
初音は当初、その命令を拒んだ。
眠れないのは、初音自身の管理が足りていないだけだ。わざわざ数日の暇をもらうのが申し訳なかった。
なにより、侍女としての務めすら果たせない不甲斐なさが強かった。役に立てなかったら、何のためにここにいるのか分からなくなってしまう。
だが、初音の願いが帰蝶に聞き入れられることはなかった。
『初音。そなたは、川並衆が頭領・蓮見どのより預かった大切な娘じゃ。それを病で動けなくなるまで働かせたなぞと知られては殿のお顔を汚すことになる。……ひいては殿の正室であるわらわの、奥の管理についての責も問われるであろう。そなたは、わらわに無能の烙印を押したいか』
そうまで言われてしまえば、引き下がるしかなかった。
昔から、こうした頭痛は度々あった。
しかし、ここまでひどく、命の危機を感じるほどの痛みははじめてのことであった。
(昔は……どうしていたっけ……)
幼い頃も、眠れないほど頭が痛い日はあった。熱を出して寝込んでしまうことも。
(そうだ――こういう時は……)
こういう置きは――いつも異母姉がこっそりと布団に潜り込んでくれていた。
風邪が移る、父さまに怒られる。そう言って止める初音に「良いから」と強引に押しとおしていた。
異母姉は眠れない初音の頭を撫でて抱き締めてくれた。異母姉の掌で撫でられると、頭の痛みも体の不快感も嘘のように消えて、ぐっすりと眠れるのだった。
初音は枕元に置いていた文箱を手繰り寄せた。
岐阜に来てからは、何年も会っていない。だが、文のやり取りだけはずっと続けている。異母姉が描いた文を抱きしめると、少しだけ体が楽になるような気がした。まるで、こっそり二人で抱き合って眠った頃を思い出すことができる。
文面から、異母姉が真面目で優しい人に育っていることは何となく察せる。異母姉は今、どうしているのだろう――。
「――はつね」
「……え?」
初音は思わず目を開けた。
玲瓏で、少し舌足らずな優しい声音を、忘れるわけがない。今、考えていた相手。初音にとって大切な家族。
だが――ここにいることはあり得ない。
妾腹の生まれである初音と違い、異母姉は正室腹の一の姫。初音の比ではないほど深窓の姫君として、父に大切に育てられた。簡単に出かけることなどできるはずもない。
そんな姫が、信長が命じたのでなければ、城に来ることはないだろう。仮に異母姉が城に来ることがあったなら、信長か、あるいは帰蝶が何かしら教えてくれるはずだった。
「初音」
もう一度名前を呼ばれ、初音はとうとう体を起こした。ふらつく思考をまとめながら、声がした戸の向こう側をにらみつける。
(菫さま……?)
異母姉である菫姫の声を、間違うわけがない。
何年も会っていないが、初音にとっては一番心を許せる相手だ。大好きな姉の声を忘れた日はないし、再会できる日をずっと楽しみにしていた。
(……おかしい)
だからこそ、分かる。
初音が実家の蓮見家を出たのは、7年前。8歳の時だ。
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1年程度の間ならばともかく――あるいは、当時、既に成人していた女性であったのならばともかく――7年経って子どもから大人になったはずの菫姫が、記憶にある声と同じ声音や話し方をするなどあり得ない。人は成長とともに変わっていくものだというのに。
「初音。なぜ出てきてくれないの」
声音が悲しい色をまとった。
「初音。名前を呼んで」
菫姫の声音が、耳朶にじっとりと絡みつく。蛞蝓が這い回ったかのような感覚が襲いかかる。
初音は、菫姫からもらった文を胸に抱き締めた。
「初音。わたくしの可愛い妹。――さあ、私の名を頂戴」
(だめ)
呼んではならない、と初音は思った。
(だめ。――絶対、だめ)
この声に、姉の名を与えてはいけない。そんな直感があった。
もし呼んでしまったら、取り返しのつかないことになる。菫姫にまで危害が及ぶことになる。
だが、そんな自制心を奪い取ろうとするかのように、頭痛が激しさを増す。吐き気を堪えるように――あるいは口から無意識に菫の名が出ないように、口元を両手で覆い隠す。
「初音、さあ、早く――熱いのはつらいだろう? さあ、早く、そなたの姉の名を我に捧げよ――」
何かが焦げ付くような臭いがする。まとわりつく熱さに震えながら、初音は口元に掌を押し付け続けた。
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