6 / 40
二晩ぶりの彼氏との再会
しおりを挟む
おつかれー酒。
皆さん、マックは好きですか? 私は好きです。
ここ最近、マックというか、ファストフードは家に持ち帰りあるいはデリバリーして食べることが多かった水城です。
というのも、ファストフードとアルコールの相性って抜群なんですよ。ビールとキスを交わしながら、あのジャンキーな味を大切にしたい乙女心。
しかし、この日は珍しくマックのイートインを利用していました。
マックのハッシュポテトが好きすぎる。フライドポテトよりも芋を食らっている感がしますね。小さい頃は、あまり芋が好きじゃなかったけれど、ハッシュポテトだけは愛しく感じてました。
なぜこの日、イートインで朝マックを決めていたかというと、酒彼氏と引き離されていたからです。
もともとこの日はお休みなのに、休日出勤させられてたんですよ。それも無給の。体重測定やら血液検査やら、要するに健康診断っていうこと。望んでるわけじゃないのに強制的に酒との縁を断たれる。私にとってお酒はただの飲み物ではない。恋人、それも婚約関係にあるというのに。実質パワーハラスメントだと訴えたいところでしたが、
「百パーセント敗訴するからやめな」
という同期の説得により泣き寝入りすることになりました。ぴえん。
無論、健康診断が終わったのだから、速攻マックを買って家に帰るつもりでした。ちょうど通りにコンビニもあるわけだし、楽しく家マックで飲もうと。酒雄さんと会うのは丸1日ぶり。ちょっとどきどきしながら帰ろうとしたときでした。
「水城さん、今日、夜勤入れない?」
上司の無慈悲すぎるセリフ。どうやら夜勤予定の職員、体調崩してしまったらしいです。
こんなご時世だし、普段お世話になってるパイセンだし、ということで、泣く泣く夜勤入りが決まったのです。なにもご褒美なしでは生きていけないということで、マック先生に縋りついてきました。予定ではジュースだけじゃなくてビールとハイボールな酒雄さんも一緒にいてくれるはずだったのに。悲しくて悲しくてガクブルです。
夜勤の相方は同期だったため、特に気兼ねすることなく……とはいかず。もうお互いライフはマイナス突破してたので、勤務中はお前ら、感情はどこにやった!? というくらい不愛想に過ごしてました。ていうか私は掲示物作るために折り紙作成していたのですが、ずっと独り言言ってました。きっと、ものすごく危ない奴に見えたことでしょう。
ごめんね☆
さて、そんなわけで夜勤を終え、帰宅。小腹が空いたしなんかコーヒー飲みたいね、ってなったので、同期と一緒にスタバに行きました。
なんだか無性に食べたくなったモンブラン。秋を感じます。ちなみに、店員さんからは「モンブランもおいしいけどアップルパイもおいしいんで、次はぜひ!」と言っていただいたので、次はアップルパイ食べたいと思います。
スタバとかタリーズの店員さんってものすごい明るくて感じがいいですよね。学生時代、この二大カフェでバイトした人は就職先に困らないなんて噂聞いたことあるけど、あながち嘘ではないと思います。
主に職場の愚痴と上司の陰口をお茶菓子にしながら、無意識に口を開いていました。
「ああ、ラーメン食べたい」
「なんかこってりしたやつ。家系とか」
「いやもうチャーシュー乗ってればなんでもいい」
「ラーメンを、酒雄さんと一緒に食べたい」
「酒」
「酒」
「お酒」
同期の衝撃的な顔、忘れられません。小腹とはなんぞや、と、同期は思っていたことでしょう。
そんなわけで、フードコートに移動。
チャーシューいっぱい食べたいけど煮卵も愛してる私にはベストなラーメンを召喚!
アサヒスーパードライを頼んだのは、確かに私なのですが、てっきりグラスなり紙コップなりに注がれると思うじゃないですか。それがどうでしょう奥さん。
缶丸ごとですよ。なんて潔いのでしょう。
こってりしたラーメンをすすり、チャーシューにかぶりつく。無料トッピングのニンニクや紅ショウガで味変をしても、そもそも油がしっかり効いてるラーメンですから、簡単に口の中のこってり感はぬぐえません。そうなったら、迷わずビールで浄化する。
眠そうな同期とは対照的に、覚醒していく私の脳裏。健康診断前日は飲むことを許されず、そして急な夜勤で引き離された私と酒雄さん。愛し合う2人は、ラーメンという沼の中でようやく互いの手を握り合うこととなったのでした……。
幸せそうな私とは対照的に、若干同期の目は冷たい気がしたけど、まあそれでも仕方ない。またファミレス呑みに呼び出そうと決意しながら、空のてっぺんにたどり着いた日差しに目を細めながら、私は翌日の休みと代休に胸を弾ませるのだった。
皆さん、マックは好きですか? 私は好きです。
ここ最近、マックというか、ファストフードは家に持ち帰りあるいはデリバリーして食べることが多かった水城です。
というのも、ファストフードとアルコールの相性って抜群なんですよ。ビールとキスを交わしながら、あのジャンキーな味を大切にしたい乙女心。
しかし、この日は珍しくマックのイートインを利用していました。
マックのハッシュポテトが好きすぎる。フライドポテトよりも芋を食らっている感がしますね。小さい頃は、あまり芋が好きじゃなかったけれど、ハッシュポテトだけは愛しく感じてました。
なぜこの日、イートインで朝マックを決めていたかというと、酒彼氏と引き離されていたからです。
もともとこの日はお休みなのに、休日出勤させられてたんですよ。それも無給の。体重測定やら血液検査やら、要するに健康診断っていうこと。望んでるわけじゃないのに強制的に酒との縁を断たれる。私にとってお酒はただの飲み物ではない。恋人、それも婚約関係にあるというのに。実質パワーハラスメントだと訴えたいところでしたが、
「百パーセント敗訴するからやめな」
という同期の説得により泣き寝入りすることになりました。ぴえん。
無論、健康診断が終わったのだから、速攻マックを買って家に帰るつもりでした。ちょうど通りにコンビニもあるわけだし、楽しく家マックで飲もうと。酒雄さんと会うのは丸1日ぶり。ちょっとどきどきしながら帰ろうとしたときでした。
「水城さん、今日、夜勤入れない?」
上司の無慈悲すぎるセリフ。どうやら夜勤予定の職員、体調崩してしまったらしいです。
こんなご時世だし、普段お世話になってるパイセンだし、ということで、泣く泣く夜勤入りが決まったのです。なにもご褒美なしでは生きていけないということで、マック先生に縋りついてきました。予定ではジュースだけじゃなくてビールとハイボールな酒雄さんも一緒にいてくれるはずだったのに。悲しくて悲しくてガクブルです。
夜勤の相方は同期だったため、特に気兼ねすることなく……とはいかず。もうお互いライフはマイナス突破してたので、勤務中はお前ら、感情はどこにやった!? というくらい不愛想に過ごしてました。ていうか私は掲示物作るために折り紙作成していたのですが、ずっと独り言言ってました。きっと、ものすごく危ない奴に見えたことでしょう。
ごめんね☆
さて、そんなわけで夜勤を終え、帰宅。小腹が空いたしなんかコーヒー飲みたいね、ってなったので、同期と一緒にスタバに行きました。
なんだか無性に食べたくなったモンブラン。秋を感じます。ちなみに、店員さんからは「モンブランもおいしいけどアップルパイもおいしいんで、次はぜひ!」と言っていただいたので、次はアップルパイ食べたいと思います。
スタバとかタリーズの店員さんってものすごい明るくて感じがいいですよね。学生時代、この二大カフェでバイトした人は就職先に困らないなんて噂聞いたことあるけど、あながち嘘ではないと思います。
主に職場の愚痴と上司の陰口をお茶菓子にしながら、無意識に口を開いていました。
「ああ、ラーメン食べたい」
「なんかこってりしたやつ。家系とか」
「いやもうチャーシュー乗ってればなんでもいい」
「ラーメンを、酒雄さんと一緒に食べたい」
「酒」
「酒」
「お酒」
同期の衝撃的な顔、忘れられません。小腹とはなんぞや、と、同期は思っていたことでしょう。
そんなわけで、フードコートに移動。
チャーシューいっぱい食べたいけど煮卵も愛してる私にはベストなラーメンを召喚!
アサヒスーパードライを頼んだのは、確かに私なのですが、てっきりグラスなり紙コップなりに注がれると思うじゃないですか。それがどうでしょう奥さん。
缶丸ごとですよ。なんて潔いのでしょう。
こってりしたラーメンをすすり、チャーシューにかぶりつく。無料トッピングのニンニクや紅ショウガで味変をしても、そもそも油がしっかり効いてるラーメンですから、簡単に口の中のこってり感はぬぐえません。そうなったら、迷わずビールで浄化する。
眠そうな同期とは対照的に、覚醒していく私の脳裏。健康診断前日は飲むことを許されず、そして急な夜勤で引き離された私と酒雄さん。愛し合う2人は、ラーメンという沼の中でようやく互いの手を握り合うこととなったのでした……。
幸せそうな私とは対照的に、若干同期の目は冷たい気がしたけど、まあそれでも仕方ない。またファミレス呑みに呼び出そうと決意しながら、空のてっぺんにたどり着いた日差しに目を細めながら、私は翌日の休みと代休に胸を弾ませるのだった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
カルバート
角田智史
エッセイ・ノンフィクション
連想させるのは地下を走る水。
あまり得るものはないかもしれません。
こんな人間がいる、こんな経験がある、それを知る事でまたあなた自身を振り返る、これからのあなたを考える、そのお手伝いが少しでもできればいいかなと思っています。
また時折出てくる対人間関係のアドラー、フロム、ニーチェに感化された僕の考え方が今後の皆様の生活の参考になる事があれば、幸いです。
もし最後まで、僕にお付き合いされる方がいらっしゃれば、心より感謝致します。
【日記】35歳で洋服屋に転職した37歳の日常
ichi0yon0
エッセイ・ノンフィクション
こんにちは。ichi0yon0と申します。
小説というかエッセイというか,家族や自身の日常の他愛もない出来事を綴るため始めました。
日々雑記
いとくめ
エッセイ・ノンフィクション
気を抜くとあっというまに散らかり放題になるわたしの頭の中の記録みたいなものですが、ひょっとして誰かの暇つぶしになればうれしいです。
※以前投稿したものもたまに含まれます
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
天空からのメッセージ vol.70 ~魂の旅路~
天空の愛
エッセイ・ノンフィクション
そのために、シナリオを描き
そのために、親を選び
そのために、命をいただき
そのために、助けられて
そのために、生かされ
そのために、すべてに感謝し
そのためを、全うする
そのためは、すべて内側にある
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる