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花の名を君に
13 それぞれの後悔
しおりを挟むロベルトが亡くなってから半月。
ロベルトの遺体は棺に入れられ、土に埋められた。そう鳥達が教えてくれた。
一方僕は大木のねぐらに籠っていたけれど、やっぱり寂しくて、ロベルトとの思い出がある湖の端に佇み、ぼんやりとした毎日を過ごしていた。
ロベルトがいなくなったという事実は僕の胸にぽっかりとした穴をあけていた。そこを冷たい風がびゅーびゅーと吹き荒れる。
冷たくて、冷たくて、僕は凍えそうだった。
「……寒い」
僕は膝を抱えて座り、呟いた。けれど、もう僕に太陽のような暖かな笑顔を向けてくれるロベルトはいない。
彼は僕でも届かないところに行ってしまったのだ。
何が神だ、何が精霊王だ。僕は一人の人間さえも助けられない。いや……僕のせいでロベルトは死んだんだ。
ぎりっと奥歯を噛み締め、僕は膝を強く抱えた。
ロベルトの息子トルネドから、僕は父親であるロベルトの存在を奪った。彼は寂しかったのだろう。そう薄い茶色の瞳が言っていた。
僕は気が付かなかった。僕がロベルトの温もりで温まっている間、誰かが寒がっていたなんて。
でも、知らなかった。気が付かなかった、なんて言い訳にならない。
僕は確かに彼からロベルトを奪ったのだから。
子供に親が必要なのはわかっていたはずだ。森に住む動物でさえ、子が巣立つまで親が育てる。それを知っていたはずなのに、僕はロベルトを離せなかった。子供の元に行くことを許せなかった。
その結果がこのあり様だ。僕は泣くことも寂しがることも許されないだろう。
僕の行動すべてが、ロベルトを死に追いやった。
「……寒い、ロベルト」
ただただ苦しくて悲しくて、僕は消えてしまいたかった。このまま儚く、ロベルトのように死んでしまいたかった。
でも僕はどうやって産まれたのかもわからない。死に方もわからなかった。
僕はいつまでこんなに寒い思いをしないといけないの? どうして生きてるの?
僕は膝を抱え、自問自答ばかりを繰り返す。でも答えはどこにもない。
ただ、自分の気持ちに引っ張られて、また災害を起こすわけにはいかなかった。ロベルトが亡くなったのは自分のせいなのに、その上、自分の気持ちひとつで災害を起こして人にも動物にも迷惑をかけれない。
悲しみが漏れ出ないように気を張り続けるのは、とても辛い。けれど、それが自分の罰のような気もした。
動物達はそんな僕を心配するように、近寄っては言葉を投げかけ、そして果物や木の実を僕の前に置いていく。でも、今は何も口にする気になれなかった。
僕は人じゃない、動物でもない。食べなくても存在できる。存在できてしまうのだ。
いっそ何も食べないで淡雪のように消えることが出来たならどれほどよかっただろう。
胸にぽっかりと穴を開けたまま、これから僕は途方もない時間を生きていくのだろう。僕は人じゃないから……人のように短いひと時ならばよかったのに。
僕は膝を抱え、頭を埋めたまま、その場を動くこともできなくて夕暮れを迎えようとしていた。
でも、どれほどそうしていただろうか。
気が付けば、凍える僕にそっと誰かが上着をかけてくれた。
傍に誰かが近づいている事にも僕は気が付かず、肩に掛けられた上着の温かさでようやく気が付き、顔を上げると、そこにはノイクが立っていた。
「……ノイク?」
「レスカチア様、お久しぶりです」
ノイクは少々やつれた顔をして僕を見た。そして僕の前に膝を付き、僕に尋ねた。
「お手に触れても?」
ノイクに言われて、僕はこくりと頷いた。
ノイクは恐る恐る僕の手に触れ、顔を顰めた。
「こんなに冷えて……小屋に行き、暖かいお茶でも飲みましょう?」
ノイクは優しく僕に言ってくれた。
でも、僕は動けなかった。数日、動いていない僕の体は身体の動かし方を忘れてしまったみたいだった。
「レスカチア様?」
そんな僕にノイクは不思議そうに呟いた。僕は正直に「動けない」と小さく言うと、ノイクは「失礼します」といって僕の体をひょいっと持ち上げた。
子供の頃はあんなに小さかったのに。子供の頃は僕が抱き上げていたのに。こんな風にロベルトにも抱きかかえられたな。
僕はそんな事をぼんやりと思った。
そうしてノイクは僕を小屋に連れて入ると、ロベルトが気に入っていた椅子に僕をそっと座らせた。
すっかり日は暮れて外は暗くなり、少し寒くなってきた。ノイクは暖炉に火を入れ、やかんに水を入れると火にかざした。段々部屋が暖かくなってきた。
テキパキと手際の良さはさすがロベルトの元で働いていただけはある。僕はその様子をただぼんやりと見つめるしかできなかった。
しばらくしてやかんからシュンシュンッと湯気が上がり、ノイクは暖かいお茶を僕に淹れてくれた。
「温まりますよ、さぁ」
ノイクは僕を見て、言った。僕はコップを両手で受け取り、でも飲まずにぼんやりとお茶を眺めた。
このコップはロベルトが僕の為に、僕に選んだと言って持って来てくれたものだった。そしてこのお茶は僕がロベルトの為に色々な薬草を混ぜて作っておいたもの。これを二人で飲むのがいつもの事だった。
でも今はひとり……なんで僕はこれを一人で飲んでいるのだろうか。
僕は温かいお茶から揺れる湯気を眺めながら思った。
「レスカチア様」
ノイクが心配そうに僕を見つめて呟いた。
でも、こうやって僕の事をいつも心配してくれたのは、ノイクじゃなくてロベルトだった。『どうした? レスカチア』って。
……ロベルトはどこ?
僕の心が寂しく呟く。
コンコンッコンッと気が付けば何かが床に落ちる音がした。床には水晶の球がころころと転がっている。でも僕にはそれを拾うことはできなかった。
「うっ……うぅっ」
あれだけ泣いたのに、僕の瞳はまた涙を流し始めた。
一体どれだけ泣けば、この心はロベルトがいなくなった寂しさを感じなくなるの?
「レスカチア様……」
「うぇっ……うううっ」
ぼろぼろとみっともなく泣き始めた僕を見て、ノイクは僕がかろうじて持っていたコップを受け取ってテーブルに置き、そっと僕を慰めるように抱きしめてくれた。
でも優しくされればされるほど、ロベルトの事を思い出して僕は胸が痛んだ。
……なんで、ロベルトじゃないの? ロベルトに会いたい。ロベルト、どこにいるの? どうして、もう会えないの? なんで僕を置いて死んじゃったの?
心が責めるようにロベルトに言う。
でも僕はもうロベルトに何も言えないんだ。何も返してもらえないんだ。言葉も視線も、口づけも。
ロベルトにして貰いたいことも、したいこともいっぱいあるのに。
どうして僕はロベルトにもっと愛を伝えなかったのかな。
どうして僕はロベルトをもっと抱き締めなかったのかな。
どうして僕はロベルトの傍にいなかったのかな。
もっともっと、何かロベルトにしてあげられたんじゃないのか?
後悔ばかりが胸の中に渦を巻く。
「うっぅぅぅっ」
「レスカチア様、そんなに泣いては干からびてしまいます」
ノイクは僕から離れて、椅子に座る僕の目の前にしゃがむと心配そうに僕の顔を覗いて言った。
その顔は僕を心配していたけれど、やつれ、悲しみが滲んでいた。それを見て、僕はハッとした。
僕だけじゃない。ノイクだって、もうロベルトと言葉を交わすことはできなくなったんだ。彼にとってロベルトは父のような存在だっただろう。その彼から僕はロベルトを奪った。僕のせいでロベルトは死んだんだから。
僕ばかり泣いて、ノイクに心配をかけて、僕は何をしているの?
「ごめんね、ごめんね、ノイク。僕の、僕の、せいでっ、ロベルト、死んじゃって。ごめんなさいっ」
僕はえづきながら、涙を零しながら、ただただノイクに謝った。
でもそんな僕を見て、ノイクは口をぎゅっと噤み、僕を見た。
「そんな事ありません! レスカチア様のせいではない!」
ノイクは力一杯、僕に言った。でも僕のせいなんだよ、ノイク。それを示すように僕は首を横に振った。でもノイクは聞かなかった。
「レスカチア様、どうかそんな風に思われないでください。今回の事は、トルネド様の過ちであって、貴方のせいではありません」
「ううん……僕がいけなかったんだ。僕がロベルトを独り占めしたから」
「レスカチア様、ロベルト様は自らここに来られていました。それはわかっていた事でしょう?」
「だけど……っ」
僕がいなければロベルトはきっとトルネドのよき父親になっていただろう。こんな森にばかり来ずに。
そう僕には思えてならなかった。
「レスカチア様、どうか誤解なさらないでください。ロベルト様は貴方に会う事をいつも楽しみにしていらっしゃいました。貴方に会う事がロベルト様の生きがいだったと言ってもいい。王で居続けたのも、貴方の為にっ」
ノイクはそこまで言って、慌てて口を閉じた。でも僕は聞いてしまった。
「……僕の為?」
「いえ、なんでも」
ノイクは目を逸らしたけど、僕は問いかけた。
「どういうことなの? ノイク」
ロベルトは王様だった。でも、それは国を守る為だとロベルトは言っていた。僕の為なんて一言も。
「ノイク、教えて」
僕はノイクを見て尋ねた。ノイクは目を逸らしたままだったが、観念したように僕に告げた。
「……ロベルト様は常々、言っておられました。王を退き、普通に暮らしたいと。けれど、貴方の……神の力を宿した王が退けば、他国に侮られ、侵略を許してしまう可能性がある。そうなればまた戦いになり、この森もただでは済まないかもしれない。そうロベルト様は考えて、ロベルト様は他国の牽制の為に王座に就かれたままだったのです」
「この森を……守る為?」
僕が住むこの森を。
「……はい。それに、ロベルト様はとても後悔されていました」
「ロベルトが後悔? 一体何に?」
「その昔、レスカチア様に力を使わせてしまった事にです。……ロベルト様は貴方に人の為に力を使わせたことを後悔されていました。本来なら争いや人の政に関わらせるべき力ではないと。けれど使わせてしまった以上、貴方の優しさに報いる為良き国にしたいと、いつも政務室で言っていたのです」
ノイクは切なげに微笑んで僕に告げた。ノイクの黒の瞳を通して、ロベルトが照れくさそうにノイクに言っていた様子が窺える。
なんで僕には言ってくれなかったの、ロベルト。
「レスカチア様。ですから、どうか自分のせいだと思わないでください。そんな風に思っていると、ロベルト様が悲しまれますよ。……ロベルト様は貴方に会いたくてここに来ていた。ただただ、ロベルト様は貴方を愛していた。それだけの事なのですから。貴方に罪などない」
ノイクのはっきりとした言葉にロベルトの声が蘇る。
『レスカ、愛している』
そう何度も何十回も何百回も僕に囁いてくれた、僕の一番好きな言葉が。
そして最期の時もロベルトは瞳を通じて僕に言ってくれた。僕はその言葉を思い出すだけで、胸が温かくて切なくて優しい気持ちになる。
だから、きっと泣いてばかりの僕を見たら、ロベルトは呆れるだろう。
『そんなに泣いて。俺は笑ってるレスカが好きだ。だから泣くな、レスカチア』
たぶん、そんな風にロベルトは言うだろう。
……なんで、僕は忘れていたんだろう。ロベルトがいなくなって、悲しみばっかりで。僕は今までロベルトにいっぱい、たくさんの大好きを貰っていたじゃないか。
頬に触れる大きな手。風になびく黒髪。ロベルトの温かな匂い。真っすぐに僕を見る濡れた黒い瞳。柔らかい唇。輝く笑顔。僕を呼ぶ、優しい声。
『どうした? レスカチア』
瞼を閉じれば、すぐ傍にロベルトはいる。
そうやって彼は僕に笑顔で聞くんだ。僕の愛しいロベルトは。
「ありがとう、ノイク……教えてくれて」
僕はポロリとやっぱり水晶の涙を零してノイクに言った。でも、ようやく僕が落ち着いたのがわかったのか、ノイクはほっとした顔で微笑んだ。
「いいえ、レスカチア様」
ノイクはそう言って、僕の手をそっと包んでくれた。ノイクの体温で僕の指先にもようやく温かさが戻ってくる。きっと一人では凍えていた。
「ノイクがいてくれてよかった」
僕が正直に告げると、ノイクは優しく笑った。
「……私はずっと不思議に思っていました」
そうノイクは突然言い、僕は首を傾げた。でもノイクはそのまま言葉を続けた。
「見えるから、許されたのかと思っていましたが。……今なら、どうしてロベルト様が私だけにこの森を入ることを許されたのか、わかる気がします」
ノイクは呟くように僕に言ったけど、僕はわからなくて『どうして?』と瞳で問いかけた。すると、ノイクは答えてくれた。
「こうして……悲しむ貴方を支える為に私はきっと許されたのですよ。もしも自分が死んでしまった時、一人で悲しむ貴方を一人にしない為に。……きっと、そうです。ロベルト様はそういう方でしたから」
ノイクの言葉が僕の心を真綿でぎゅっぎゅっと苦しいぐらい包み込み、ロベルトの優しさが僕の心を優しく撫でる。
やっと止まった涙がまた出そうになった。
けれど、僕はノイクに伝えないといけないことがある。絶対に伝えないといけない事。
「そうかもね。……でもね、それだけじゃないよ」
僕が告げると、今度はノイクが、え? と驚く顔をした。
「僕もね、前に聞いたことがあるんだ。どうしてノイクだけを森に連れてくるのか。見える目を持っているから? って聞いたらロベルトはね、こう言ったんだ。”確かにあいつは見える目を持っている。だけどそれだけじゃない。ノイクは血は繋がっていなくても息子みたいなものだから、息子と同じ空間を共有したいって思うのは当然だろう? 俺はあいつに何も残せないからな”って、そう答えたんだ」
僕が教えるとノイクは心底驚いた顔をした。
でも、それからゆっくりと破顔すると、今度はじわじわとその顔を歪めた。
黒の瞳が揺らめき、いっぱいの涙を溜めていく。
そして泣き顔を隠すように頭を項垂れて、ぽたぽたと涙を床に零した。
「そ、そんな、事を、言っていたんですか……」
涙を堪える様な声でノイクは呟いた。肩が震えている。
「……うん」
「そんな事、一言も、私には言わなかったのに」
「ノイクには恥ずかしくて言えなかったんじゃないかな」
「っ!」
ノイクはぎゅっと拳を作って、唇を噛み締めていた。
その様子を見て、僕は気が付いてしまった。僕ばかりが泣いて、ノイクは泣いていない事を。僕ばかりが慰められて、ノイクを慰めていない事を。
今度は僕がノイクの背を擦る番だ。
「ノイク、ここには僕と君だけ。だから泣いていいんだよ。泣いていいんだ」
僕が語り掛けると、ノイクの涙腺は決壊したようだった。
「うっ、うぅぅっ……ロベルト様ッ!」
ノイクは子供の頃のように手の甲を目元に当てて、泣き始めた。その頭を子供の時のように胸に抱き、僕はノイクの背を撫でた。
「わ、私もっ、父のように、思っていました! 本当は……本当は、ずっと、ずっと『父様』と、呼びたかったっ!!」
ノイクはぎゅっと僕に抱き着き、大声で泣いた。
僕にノイクの涙がしとしとと染みていく。でもそんなの気にならなかった。優しい涙だったから。
僕達には大事な人を亡くした痛みを癒す時間が必要だった。
けれど時は止まることなく、いつだって次の物事を運んでくるんだ。
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