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49 ピッピ
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「シュリッ!」
驚いて声を上げた俺を他所に、シュリはのほほんっと陛下に声をかけた。
「誕生日おめでとう、ルサディア。いつも良い風が吹きますよう」
シュリはお祝いの言葉を陛下に告げ、陛下は何事もなかったかのように「ありがとう」と答えた。
だが一連の出来事を見ていたラーナ様は「まあ!」と口に手を当てて声を上げ、俺はすぐにシュリの元に駆け寄り、シュリの首根っこをひっつかんで陛下から引きはがした。
「ひゃっ!?」
「陛下、申し訳ありません!」
俺は頭を下げて謝った。だがそんな俺を見て、陛下は笑って説明してくれた。
「アレクシス、そう怒らなくていい。今のは魔人特有の挨拶なんだ」
陛下に言われて俺は「え?」と頭を上げる。
「私が幼い頃、誕生日には年配の魔人によくされたよ。頬にキスをされ、いい風が吹くようにと」
陛下がそう言うと、俺に首根っこ掴まれていたシュリは「今はしないのか?」と不思議そうな顔で俺に尋ねた。どうやら陛下の言う通りのようだ。
けれどなんだろう……シュリと陛下が頬を合わせて、キスしただけなのにイライラする。
「今はしないし、それにしたって俺やラーナ様の前で!」
俺はイライラもあって、思わず非難するように言ってしまった。
けれど、俺の言葉を遮るようにラーナ様は呑気な声で「あら、私は気にしていないわ。昔はそういう挨拶もあったのね」と言うし、陛下も「私も懐かしかったぞ。ありがとう、シュリ」なんて、軽く受け流したので、一人でプンプン怒っているのがなんだか馬鹿らしくなってきた。
そしてシュリも……。
「あ、挨拶がまだだったな。俺はシュリ、ルサディアの奥さんはラーナというのか?」
相変わらず、誰でも構わずの口調でシュリはラーナ様に尋ね、ラーナ様も気にしない様子で答えた。きっとシュリの事は陛下から聞き及んでいるのだろう。
「ええ、ラーナ・リリアンテと言います」
「ラーナか、よろしくな。俺の事はシュリと呼んでくれて構わないから」
シュリが言うとラーナ様は「ええ」と頷き、俺は『シュリこそもうちょっと構え! 相手は王妃様だぞ!』と心の中で呟く。
だが、そこへ「陛下、王妃、失礼します!」と聞き慣れた声が響いた。
ドアが開くとそこにはネイレンがいて、ドアを開けたネイレンの足元から「父様、母様―!」と声が飛んできた。そして弾丸の様に、四歳ぐらいの男の子が部屋に駆け込んでくる。
ラーナ様によく似た赤髪に濃い青の瞳が印象的な少年、この国の第三王子のミクシオン様だ。
「あらあら、ミクシオン、どうしたの?」
「僕のピッピが! あっ、その……どこにも、いないのぉ」
ミクシオン王子は俺とシュリがいるとは思っていなかったのか、急にもじもじしながらラーナ様の足元で言った。
「アレクシス、あの子は?」
「第三王子のミクシオン様だ」
俺はこそっとシュリの耳元で告げる。
「ふーん、そうなのか。ラーナにそっくりだ」
シュリはそう言い、ラーナ様とミクシオン王子の会話をじーっと眺めた。
「ピッピをどこに置いたか覚えていないの?」
「うん……」
ミクシオン王子は今にも泣きだしそうに、両手で自分の服をぎゅーっと握っている。そんなミクシオン王子を見て、ラーナ様は子守り兼警護を任されているネイレンに尋ねた。
「ネイレンもミクシオンのぬいぐるみを見てないの?」
「はい。もしかしたら王妃様がご存知かと思ってこちらに参ったのですが」
ネイレンはいつもとは違い、仕事モードでビシッとした態度でラーナ様に告げた。
だから、シュリは驚いた顔をして「あれ、ネイレンか? 別人じゃないのか?」と俺の耳元でぼそぼそっと呟いた。しかしその声が聞こえたようで、ネイレンはじろりっとシュリを睨んだ。
「ひっ!」
睨まれたシュリは肩を震わせたが、さすがに仕事中の為かネイレンはシュリに食って掛かることはなかった。それに今はそんなことをしている場合ではない。
「僕のピッピぃ……っ」
ミクシオン王子は悲し気な顔で呟き、もう潤んだ瞳から大きな涙の粒が落っこちそうだった。これから式典に出るのに、泣き顔で出るのはあんまりだろう。
……何とかしてあげたいが、一体どうしたら。
そう手をこまねていると、ミクシオン王子にシュリが突然話しかけた。
「なあ、お前、ミクシオンっていうのか?」
「え? あ、はいっ!」
ミクシオン王子は驚いた顔をしたが、きちんと返事をした。まだ四歳だと言うのにさすが王子だ。
「そうか、俺はシュリだ。よろしくな。……ところで、お前のピッピっていうのは、ぬいぐるみなのか?」
シュリがしゃがんで尋ねるとミクシオン王子は「うん」と小さく頷いた。
「そうか、それはとっても大事か?」
「うん」
「よし、じゃあミクシオン、手を貸して」
シュリは両手をミクシオン王子に差し出した。ミクシオン王子はどうしようかちょっと迷った後に、シュリの手に自分の手を重ねた。シュリはその手を握ると「じゃあ、目を瞑って、ピッピが戻ってくるように心の中で語り掛けて」と告げた。
ミクシオン王子は戸惑いながらも「うん」と答えると、真面目に目を瞑って念じ始めた。
……今度は一体何をするつもりだ?
俺が眉間に皺を寄せて眺めていると、ほのかにシュリの瞳が光り始めた。
そして、何の予告もなく突然どこからともなく、ライオンのぬいぐるみがミクシオン王子の頭上に降ってきた。しかし傍にいたネイレンがそれを見事キャッチする。
「ミクシオン、ほら、お前が願ったから返ってきたぞ」
シュリはぬいぐるみが戻ってきたのを見ると、目を瞑り続けているミクシオン王子に声をかけた。
ミクシオン王子はシュリに言われ目をぱちっと開けると、ネイレンの手元にあるライオンのぬいぐるみを見てぱぁっと笑顔を取り戻した。
「ピッピぃっ!」
「はい、ミクシオン王子」
ネイレンは持っていたミクシオン王子にぬいぐるみを渡し、戻ってきたぬいぐるみをミクシオン王子はぎゅーっと抱きしめた。よほど大事なものだったのだろう。
そして周りがホッと安堵する中、シュリはミクシオン王子にまた声をかけた。
「ミクシオン、よかったな」
「はい! ありがとーございます!」
「いいよ。……でもミクシオン、いいか。今回はちゃんと返ってきた。でも、次は戻ってこないかもしれない。だから大事なものはちゃんと大事に扱わないといけないぞ? 失くして嫌なものは、離さず傍に置いておけ。いいな? 二度目はないぞ」
シュリが言い聞かせるように言うと「うん!」と嬉しそうに返事をした。その返事に「いい子だ」と言うと、シュリはミクシオン王子の頭をわしゃわしゃっと撫でた。
そんなことを親以外の人にされた事がないからか、ミクシオン王子はちょっと照れ臭そうだった。
そして見守っていたラーナ様はシュリに会釈した。
「シュリ、ありがとう。助かりました」
ラーナ様は微笑んで言うと、シュリは気軽に「気にすんな」と笑って答えた。全く、シュリらしい返事だ。
「な、ラーナ。言った通り、シュリは面白いだろう?」
陛下は楽し気に言い、ラーナ様は「ええ!」と答えた。二人はシュリの態度に、何とも思っていないらしい。
……やれやれ、うちの王族ご一家は寛容すぎるな。
俺はそんなことを思いながら懐中時計を懐から出して時刻を確認した。そして二人と王子に声をかける。
「陛下、ラーナ様、ミクシオン王子。お話し中申し訳ありませんが、お時間です」
俺の言葉に陛下は「もうそんな時間か」と呟いた後、笑顔で頷いた。
「わかった。では、行こうか」
驚いて声を上げた俺を他所に、シュリはのほほんっと陛下に声をかけた。
「誕生日おめでとう、ルサディア。いつも良い風が吹きますよう」
シュリはお祝いの言葉を陛下に告げ、陛下は何事もなかったかのように「ありがとう」と答えた。
だが一連の出来事を見ていたラーナ様は「まあ!」と口に手を当てて声を上げ、俺はすぐにシュリの元に駆け寄り、シュリの首根っこをひっつかんで陛下から引きはがした。
「ひゃっ!?」
「陛下、申し訳ありません!」
俺は頭を下げて謝った。だがそんな俺を見て、陛下は笑って説明してくれた。
「アレクシス、そう怒らなくていい。今のは魔人特有の挨拶なんだ」
陛下に言われて俺は「え?」と頭を上げる。
「私が幼い頃、誕生日には年配の魔人によくされたよ。頬にキスをされ、いい風が吹くようにと」
陛下がそう言うと、俺に首根っこ掴まれていたシュリは「今はしないのか?」と不思議そうな顔で俺に尋ねた。どうやら陛下の言う通りのようだ。
けれどなんだろう……シュリと陛下が頬を合わせて、キスしただけなのにイライラする。
「今はしないし、それにしたって俺やラーナ様の前で!」
俺はイライラもあって、思わず非難するように言ってしまった。
けれど、俺の言葉を遮るようにラーナ様は呑気な声で「あら、私は気にしていないわ。昔はそういう挨拶もあったのね」と言うし、陛下も「私も懐かしかったぞ。ありがとう、シュリ」なんて、軽く受け流したので、一人でプンプン怒っているのがなんだか馬鹿らしくなってきた。
そしてシュリも……。
「あ、挨拶がまだだったな。俺はシュリ、ルサディアの奥さんはラーナというのか?」
相変わらず、誰でも構わずの口調でシュリはラーナ様に尋ね、ラーナ様も気にしない様子で答えた。きっとシュリの事は陛下から聞き及んでいるのだろう。
「ええ、ラーナ・リリアンテと言います」
「ラーナか、よろしくな。俺の事はシュリと呼んでくれて構わないから」
シュリが言うとラーナ様は「ええ」と頷き、俺は『シュリこそもうちょっと構え! 相手は王妃様だぞ!』と心の中で呟く。
だが、そこへ「陛下、王妃、失礼します!」と聞き慣れた声が響いた。
ドアが開くとそこにはネイレンがいて、ドアを開けたネイレンの足元から「父様、母様―!」と声が飛んできた。そして弾丸の様に、四歳ぐらいの男の子が部屋に駆け込んでくる。
ラーナ様によく似た赤髪に濃い青の瞳が印象的な少年、この国の第三王子のミクシオン様だ。
「あらあら、ミクシオン、どうしたの?」
「僕のピッピが! あっ、その……どこにも、いないのぉ」
ミクシオン王子は俺とシュリがいるとは思っていなかったのか、急にもじもじしながらラーナ様の足元で言った。
「アレクシス、あの子は?」
「第三王子のミクシオン様だ」
俺はこそっとシュリの耳元で告げる。
「ふーん、そうなのか。ラーナにそっくりだ」
シュリはそう言い、ラーナ様とミクシオン王子の会話をじーっと眺めた。
「ピッピをどこに置いたか覚えていないの?」
「うん……」
ミクシオン王子は今にも泣きだしそうに、両手で自分の服をぎゅーっと握っている。そんなミクシオン王子を見て、ラーナ様は子守り兼警護を任されているネイレンに尋ねた。
「ネイレンもミクシオンのぬいぐるみを見てないの?」
「はい。もしかしたら王妃様がご存知かと思ってこちらに参ったのですが」
ネイレンはいつもとは違い、仕事モードでビシッとした態度でラーナ様に告げた。
だから、シュリは驚いた顔をして「あれ、ネイレンか? 別人じゃないのか?」と俺の耳元でぼそぼそっと呟いた。しかしその声が聞こえたようで、ネイレンはじろりっとシュリを睨んだ。
「ひっ!」
睨まれたシュリは肩を震わせたが、さすがに仕事中の為かネイレンはシュリに食って掛かることはなかった。それに今はそんなことをしている場合ではない。
「僕のピッピぃ……っ」
ミクシオン王子は悲し気な顔で呟き、もう潤んだ瞳から大きな涙の粒が落っこちそうだった。これから式典に出るのに、泣き顔で出るのはあんまりだろう。
……何とかしてあげたいが、一体どうしたら。
そう手をこまねていると、ミクシオン王子にシュリが突然話しかけた。
「なあ、お前、ミクシオンっていうのか?」
「え? あ、はいっ!」
ミクシオン王子は驚いた顔をしたが、きちんと返事をした。まだ四歳だと言うのにさすが王子だ。
「そうか、俺はシュリだ。よろしくな。……ところで、お前のピッピっていうのは、ぬいぐるみなのか?」
シュリがしゃがんで尋ねるとミクシオン王子は「うん」と小さく頷いた。
「そうか、それはとっても大事か?」
「うん」
「よし、じゃあミクシオン、手を貸して」
シュリは両手をミクシオン王子に差し出した。ミクシオン王子はどうしようかちょっと迷った後に、シュリの手に自分の手を重ねた。シュリはその手を握ると「じゃあ、目を瞑って、ピッピが戻ってくるように心の中で語り掛けて」と告げた。
ミクシオン王子は戸惑いながらも「うん」と答えると、真面目に目を瞑って念じ始めた。
……今度は一体何をするつもりだ?
俺が眉間に皺を寄せて眺めていると、ほのかにシュリの瞳が光り始めた。
そして、何の予告もなく突然どこからともなく、ライオンのぬいぐるみがミクシオン王子の頭上に降ってきた。しかし傍にいたネイレンがそれを見事キャッチする。
「ミクシオン、ほら、お前が願ったから返ってきたぞ」
シュリはぬいぐるみが戻ってきたのを見ると、目を瞑り続けているミクシオン王子に声をかけた。
ミクシオン王子はシュリに言われ目をぱちっと開けると、ネイレンの手元にあるライオンのぬいぐるみを見てぱぁっと笑顔を取り戻した。
「ピッピぃっ!」
「はい、ミクシオン王子」
ネイレンは持っていたミクシオン王子にぬいぐるみを渡し、戻ってきたぬいぐるみをミクシオン王子はぎゅーっと抱きしめた。よほど大事なものだったのだろう。
そして周りがホッと安堵する中、シュリはミクシオン王子にまた声をかけた。
「ミクシオン、よかったな」
「はい! ありがとーございます!」
「いいよ。……でもミクシオン、いいか。今回はちゃんと返ってきた。でも、次は戻ってこないかもしれない。だから大事なものはちゃんと大事に扱わないといけないぞ? 失くして嫌なものは、離さず傍に置いておけ。いいな? 二度目はないぞ」
シュリが言い聞かせるように言うと「うん!」と嬉しそうに返事をした。その返事に「いい子だ」と言うと、シュリはミクシオン王子の頭をわしゃわしゃっと撫でた。
そんなことを親以外の人にされた事がないからか、ミクシオン王子はちょっと照れ臭そうだった。
そして見守っていたラーナ様はシュリに会釈した。
「シュリ、ありがとう。助かりました」
ラーナ様は微笑んで言うと、シュリは気軽に「気にすんな」と笑って答えた。全く、シュリらしい返事だ。
「な、ラーナ。言った通り、シュリは面白いだろう?」
陛下は楽し気に言い、ラーナ様は「ええ!」と答えた。二人はシュリの態度に、何とも思っていないらしい。
……やれやれ、うちの王族ご一家は寛容すぎるな。
俺はそんなことを思いながら懐中時計を懐から出して時刻を確認した。そして二人と王子に声をかける。
「陛下、ラーナ様、ミクシオン王子。お話し中申し訳ありませんが、お時間です」
俺の言葉に陛下は「もうそんな時間か」と呟いた後、笑顔で頷いた。
「わかった。では、行こうか」
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