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2 はじまり
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俺の名前はアレクシス・クウォール。二十八歳。
名門クウォール家の嫡男で、リヴァンテ王国騎士団の中でも花形と言われる第一部隊・隊長を務めている。そして王都に住む者は大抵俺の名前を知っている。
でもそれは俺がクウォール家の人間だからとか、隊長を務めているからではない。
俺が混血者でありながら、物珍しい『先祖返り』をした狼獣人だからだ。
狼の頭に鋭い牙、毛深い体に尻に付いた尻尾。そして他の人にはない、獣人特有の優れた運動能力と腕力。
混血者でこんな風に先祖返りをしているのはこの王都でも俺だけ。
この現代、数を減らした生粋の獣人や魔人を目にする機会はない。
彼らは現存するが身を潜め、今やほとんどが人種か人種寄り姿を持つ混血者(二種の血がそれぞれ混ざった獣人種、魔人種、獣魔人、三種の血が混ざった獣魔人種)ばかりだ。
なので獣人の姿をそのまま持つ俺はいつだって好奇の目に晒され、近寄ってくるのは獣人である俺に興味か哀れみを持っている者ばかり。
だから俺はもう諦めていた。誰かを愛し、愛されることを……。
もうこのまま一生涯一人で生きていくのだと、俺は本気でそう思っていたんだ。
――――エルフェニウムの魔人が俺の前に現れるまでは。
◇◇◇◇
ある晴れた昼下がり。
「アレクシス、またこんなところでさぼりか?」
声をかけられて目を覚ますと目の前には幼馴染であり部下のエルサードがいた。そして、はらはらと少し赤に近いピンクの花びらが頭上から落ちてくる。
「エルサード」
そう俺は名前を呼んで、花びらを散らす木から背をもたれていた体を起こす。
「親父さん……じゃなかった、総長がお呼びだぞ」
「総長が?」
エルサードに言われて俺は返事をしながらゆっくりと立ち上がり、服に付いた土と花びらを軽くはたき落とした。俺の父は騎士団の総長をしているのが、呼ぶという事は何かあったのだろう。
だがエルサードの様子から急ぎではないようだと察する。
「ああ、なんでも重要な話があるって。……しかし本当、お前ってこの木が好きだな」
エルサードは言いながら、七分咲の木を見上げて言った。
赤に近いピンクの花びらをつけた大木、品種名はエルフェニウムと言う。
リヴァンテ王国の少し南に行けばそう珍しくもない木だが、この王都インクラントに生えているのはこの大木一本だけ。短い期間しか咲かず、人気のない丘の上にあるので、もうすぐ満開の時期が来るというのに花見客は俺だけだ。
「ああ。綺麗だし、いい香りだからな」
……皆もこの香りが嗅げたなら、ここは花見客で一杯だっただろうな。
俺はエルフェニウムの木を眺めて思う。
人々の間ではエルフェニウムの花は無臭と言われているが、それは間違いだ。
ごくごく微量ながらも微かにその香りは存在している。はっきりした匂いではないが、なんともいい匂いがふんわりと香ってくるのだ。そしてそれを感じ取れるのは、獣人の先祖返りである俺だけ。
獣人種である弟のネイレンでも匂いがわからないと言うから、他の者には全く嗅ぎ取れない匂いなのだろう。
……この何とも言えない馨しい匂いをかぎ取れないとは。これに関しては狼獣人として生まれてよかったな。
このエルフェニウムの香りを嗅げば、どんなに嫌な事があっても不思議と落ち着いた気分になる。だから俺は落ち着かない時や悲しいことがあった時は、乾燥したエルフェニウムの花の香り袋に頼ることもしばしばだった。
「本当に匂いがあるのか?」
エルサードはくんくんっとエルフェニウムの花の匂いを嗅ごうとしたが、嗅ぎ取れず怪訝な顔を見せた。
「ああ。でも俺でも微かに匂うぐらいだからな。他の者には無理だろう」
俺が苦笑して言うと、エルサードは「一体、どんな匂いなのか気になるなぁ」と匂いをまた嗅いだ。でもやはり嗅ぎ取れないようだ。
「ほら、早く騎士集舎に戻るぞ」
俺は匂いを嗅ぎ取ろうとするエルサードの肩を叩いて言った。
――――それからしばらくして。
騎士集舎、総長室前。俺はドアの前に立ち、コンコンッとノックした。
「第一部隊・隊長、アレクシスが参りました」
名を告げると、ドアの向こうから父さんの声が返ってきた。
「おお、入っていいぞ」
許可を貰い、「失礼します」と告げてドアを開ける。父さんは窓を背に置かれた執務机で山のような書類に囲まれながら仕事をしていた。
白髪交じりの黒髪に、穏やかな茶色の瞳、俺と違った人種よりの獣人種。
それが俺の父、ネイズ・クウォールであり、現クウォール家の当主。そして、このリヴァンテ王国騎士団の総長(トップ)だ。
「お疲れ様です。相変わらず、すごい書類の量ですね」
「まあな。来月に行われる入団テストの希望者やら決算書類が溜まっていてな。この時期はいつもこうなるから仕方がない」
父さんは苦笑しながら言ったが、その顔には疲労の色が窺える。思えば、幼い頃からこの時期の父さんは疲れ切っていたな、とふと思い返す。しかしそんな俺に父さんは声をかけた。
「それより昨晩は窃盗犯を捕縛したらしいじゃないか。相変わらずの活躍だな」
父さんはニコニコしながら言った。息子である俺の活躍が嬉しいのだ。でもこうして面と向かって喜ばれ、褒められるのは照れくさい。
「別に大した事じゃありませんよ。ところで俺を呼んだご用は?」
俺は照れくささから目を逸らし、話題を変えた。すると、父さんも俺を呼びだした本当の理由を思い出したようだ。
「ああ、そうだったな! アレクシス、明日の午後は予定を空けて、エルサードと共にエルサル広場で警備に当たってくれ」
「エルサル広場の警備……ですか?」
俺はそう答えながら、指定された場所を思い浮かべる。
エルサル広場とは王都の中心にある、噴水が置かれた大きな場所だ。ベンチや木陰取りの木が配置され、人々の休憩場所にもなっている。
だが俺が思い返す限り、広場は警備が必要な危ない場所ではない。
「エルサル広場の警護を私とエルサードで?」
「ああ、エルサル広場だ」
「……支障がなければ、理由を窺っても?」
俺が尋ねると父さんは頬杖をついた。
「お前の疑問はよくわかる。だが、陛下からの直接のご指示でな。私も不思議に思って理由を窺ってみたのだが、陛下は教えてくれなかった」
「陛下が」
「ああ。だから理由は私にもよくわからんのだ。けれど、陛下のことだ何かあるのだろう。とにかくエルサードとお前をエルサル広場の警備に明日の午後、必ず向かわせるように、と直々のご命令だ」
父さんに言われ、俺は疑問に思いながらも「わかりました」と頷いた。
でも、その命令が俺の運命を大きく変えるなんてこと……この時の俺は知らずにいた。
*********
次話から0時と12時に、一日二話ずつ投稿していきます!
という訳で3話は一時間後に投稿します。
よろしくお願いします('ω')ノ
名門クウォール家の嫡男で、リヴァンテ王国騎士団の中でも花形と言われる第一部隊・隊長を務めている。そして王都に住む者は大抵俺の名前を知っている。
でもそれは俺がクウォール家の人間だからとか、隊長を務めているからではない。
俺が混血者でありながら、物珍しい『先祖返り』をした狼獣人だからだ。
狼の頭に鋭い牙、毛深い体に尻に付いた尻尾。そして他の人にはない、獣人特有の優れた運動能力と腕力。
混血者でこんな風に先祖返りをしているのはこの王都でも俺だけ。
この現代、数を減らした生粋の獣人や魔人を目にする機会はない。
彼らは現存するが身を潜め、今やほとんどが人種か人種寄り姿を持つ混血者(二種の血がそれぞれ混ざった獣人種、魔人種、獣魔人、三種の血が混ざった獣魔人種)ばかりだ。
なので獣人の姿をそのまま持つ俺はいつだって好奇の目に晒され、近寄ってくるのは獣人である俺に興味か哀れみを持っている者ばかり。
だから俺はもう諦めていた。誰かを愛し、愛されることを……。
もうこのまま一生涯一人で生きていくのだと、俺は本気でそう思っていたんだ。
――――エルフェニウムの魔人が俺の前に現れるまでは。
◇◇◇◇
ある晴れた昼下がり。
「アレクシス、またこんなところでさぼりか?」
声をかけられて目を覚ますと目の前には幼馴染であり部下のエルサードがいた。そして、はらはらと少し赤に近いピンクの花びらが頭上から落ちてくる。
「エルサード」
そう俺は名前を呼んで、花びらを散らす木から背をもたれていた体を起こす。
「親父さん……じゃなかった、総長がお呼びだぞ」
「総長が?」
エルサードに言われて俺は返事をしながらゆっくりと立ち上がり、服に付いた土と花びらを軽くはたき落とした。俺の父は騎士団の総長をしているのが、呼ぶという事は何かあったのだろう。
だがエルサードの様子から急ぎではないようだと察する。
「ああ、なんでも重要な話があるって。……しかし本当、お前ってこの木が好きだな」
エルサードは言いながら、七分咲の木を見上げて言った。
赤に近いピンクの花びらをつけた大木、品種名はエルフェニウムと言う。
リヴァンテ王国の少し南に行けばそう珍しくもない木だが、この王都インクラントに生えているのはこの大木一本だけ。短い期間しか咲かず、人気のない丘の上にあるので、もうすぐ満開の時期が来るというのに花見客は俺だけだ。
「ああ。綺麗だし、いい香りだからな」
……皆もこの香りが嗅げたなら、ここは花見客で一杯だっただろうな。
俺はエルフェニウムの木を眺めて思う。
人々の間ではエルフェニウムの花は無臭と言われているが、それは間違いだ。
ごくごく微量ながらも微かにその香りは存在している。はっきりした匂いではないが、なんともいい匂いがふんわりと香ってくるのだ。そしてそれを感じ取れるのは、獣人の先祖返りである俺だけ。
獣人種である弟のネイレンでも匂いがわからないと言うから、他の者には全く嗅ぎ取れない匂いなのだろう。
……この何とも言えない馨しい匂いをかぎ取れないとは。これに関しては狼獣人として生まれてよかったな。
このエルフェニウムの香りを嗅げば、どんなに嫌な事があっても不思議と落ち着いた気分になる。だから俺は落ち着かない時や悲しいことがあった時は、乾燥したエルフェニウムの花の香り袋に頼ることもしばしばだった。
「本当に匂いがあるのか?」
エルサードはくんくんっとエルフェニウムの花の匂いを嗅ごうとしたが、嗅ぎ取れず怪訝な顔を見せた。
「ああ。でも俺でも微かに匂うぐらいだからな。他の者には無理だろう」
俺が苦笑して言うと、エルサードは「一体、どんな匂いなのか気になるなぁ」と匂いをまた嗅いだ。でもやはり嗅ぎ取れないようだ。
「ほら、早く騎士集舎に戻るぞ」
俺は匂いを嗅ぎ取ろうとするエルサードの肩を叩いて言った。
――――それからしばらくして。
騎士集舎、総長室前。俺はドアの前に立ち、コンコンッとノックした。
「第一部隊・隊長、アレクシスが参りました」
名を告げると、ドアの向こうから父さんの声が返ってきた。
「おお、入っていいぞ」
許可を貰い、「失礼します」と告げてドアを開ける。父さんは窓を背に置かれた執務机で山のような書類に囲まれながら仕事をしていた。
白髪交じりの黒髪に、穏やかな茶色の瞳、俺と違った人種よりの獣人種。
それが俺の父、ネイズ・クウォールであり、現クウォール家の当主。そして、このリヴァンテ王国騎士団の総長(トップ)だ。
「お疲れ様です。相変わらず、すごい書類の量ですね」
「まあな。来月に行われる入団テストの希望者やら決算書類が溜まっていてな。この時期はいつもこうなるから仕方がない」
父さんは苦笑しながら言ったが、その顔には疲労の色が窺える。思えば、幼い頃からこの時期の父さんは疲れ切っていたな、とふと思い返す。しかしそんな俺に父さんは声をかけた。
「それより昨晩は窃盗犯を捕縛したらしいじゃないか。相変わらずの活躍だな」
父さんはニコニコしながら言った。息子である俺の活躍が嬉しいのだ。でもこうして面と向かって喜ばれ、褒められるのは照れくさい。
「別に大した事じゃありませんよ。ところで俺を呼んだご用は?」
俺は照れくささから目を逸らし、話題を変えた。すると、父さんも俺を呼びだした本当の理由を思い出したようだ。
「ああ、そうだったな! アレクシス、明日の午後は予定を空けて、エルサードと共にエルサル広場で警備に当たってくれ」
「エルサル広場の警備……ですか?」
俺はそう答えながら、指定された場所を思い浮かべる。
エルサル広場とは王都の中心にある、噴水が置かれた大きな場所だ。ベンチや木陰取りの木が配置され、人々の休憩場所にもなっている。
だが俺が思い返す限り、広場は警備が必要な危ない場所ではない。
「エルサル広場の警護を私とエルサードで?」
「ああ、エルサル広場だ」
「……支障がなければ、理由を窺っても?」
俺が尋ねると父さんは頬杖をついた。
「お前の疑問はよくわかる。だが、陛下からの直接のご指示でな。私も不思議に思って理由を窺ってみたのだが、陛下は教えてくれなかった」
「陛下が」
「ああ。だから理由は私にもよくわからんのだ。けれど、陛下のことだ何かあるのだろう。とにかくエルサードとお前をエルサル広場の警備に明日の午後、必ず向かわせるように、と直々のご命令だ」
父さんに言われ、俺は疑問に思いながらも「わかりました」と頷いた。
でも、その命令が俺の運命を大きく変えるなんてこと……この時の俺は知らずにいた。
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