殿下、俺でいいんですか!?

神谷レイン

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閑話

レオナルドの回想 後編

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「セ、セスーーーーっ!」

 部屋の奥から一人の男が、レオナルドに見向きもせずにばびゅんっという音と共に走って来た。そして躊躇いなくセスにぎゅっと抱き着く。

「セスーぅ、どうしてこんなところにいるんだー? あーもう、可愛いっ!」
「んむぅ、おとしゃん」

 抱き締められ、ムニムニと頬擦りまでされてセスは身動きが取れない。だが、嫌ではないらしくされたままだ。しかしレオナルドは見ていられなかった。

「あの、ダンウィッカ―さん」
「あん?」

 愛息子とのひと時を邪魔されて、ウィルはじろっとレオナルドを睨んだ。しかしそんなウィルをドアを開けた人物が窘めた。

「ウィル薬長、そんな態度はダメですよ。セス君だって見ているんですから」
「う、ウィギー……」

 当時三十過ぎで、部下だったウィギーに言われて、ウィルはうっと口を歪めた。

「レオナルド殿下、失礼しました。薬長はセス君の事が好きすぎて、時々周りが見えなくなってしまうんです」

 ウィギーは上司の失態を丁寧に謝った。けれど、どうみてもその姿は部下の失態を謝る上司の姿だ。実際、見た目だけで言えばウィギーは三十過ぎ、ウィルは実年齢で言えば三十後半だが『時忘れ』のせいで、二十前後の若い頃の姿のまま。
 知らない人が見たらどう見てもウィギーの方が上司に見えるだろう。

「いえ、私は大丈夫」
「いいえ。ほら、薬長もちゃんと謝罪を」

 ウィギーに急かされてウィルは「すまなかった」とセスを抱き締めたまま告げた。でもそんなウィルにセスが声を上げた。

「おとーさん、くるしー」
「あ、ごめんごめん。でもセス、どうしてここにいるんだー?」

 目尻を下げてウィルは尋ねた。するとセスはもじもじとした様子で答えた。

「あのね、レオナルドでんかに連れてきてもらったの。おかーさんはおとーさんのお仕事のじゃまになるからダメっていったけど、へいかが会いにいっていいよっていってくれたからぁ。ぼく、おとーさんに会いたくて……おとーさん?」

 セスが伝えるとウィルは突然俯き、片手で胸を押さえた。

「はぁっはぁっ……うちの息子、可愛すぎじゃないか?! も、愛くるしぃっ」

 ウィルは一人呼吸困難になっていた。そんなウィルを見て、呆れ顔のウィギー。
 でも、ウィギーの呆れた視線に気がつくこともなくウィルはまたぎゅっとセスを抱き締めた。

「わぁ」
「あーっ、もう!! いつでも来ていいんだよ、セス! そうだ、もう今日はお父さんと帰ろっか!」

 ウィルがニコニコ笑顔で言うと、その後ろからウィギーが声をかけた。

「ウィル薬長、何を言ってるんですか。まだ薬の精製中でしょ!」
「だ、だがっ」

 ウィルは躊躇うがウィギーは「駄目です」ときっぱりと告げた。本当にこれではどちらが上司かわからない。でも渋るウィルに仕事を進めたのはセスだった。

「おとーさん、ぼく、ちょっと会いにきただけなの。待ってるからお仕事がんばって」
「ぐっ! せ、セスがそう言うなら、お父さん、頑張る!」
「うんっ!」

 ニコニコ笑顔で愛息子に言われたウィルは惜しみながらも抱き締めていた手を離した。そして、そのやり取りを見ていたレオナルドはどうしてリーナがセスに行ってはダメだと言ったのか心底分かった。

「じゃあ、おとーさん。ぼく、行くね」

 セスはレオナルドの手をきゅっと握った。そんなレオナルドを羨ましそうに見るウィル。

「セスは私が見ていますから」
「……よろしく、頼みます」

 すごく不服そうにウィルは頼んだ。だが次の瞬間、ウィルの腕をウィギーがしっかりと掴む。

「では。セス君の言う通り、お仕事に戻りましょうか。レオナルド殿下、セス君の事をお願いしますね。セス君、またね」

 ウィギーはそう言うと、仕事をすると言っておきながら動こうとしないウィルを引っ張って薬科室の中に連れ込んだ。

「ぅぅ、セスぅ~っ!」
「はいはい、行きますよー」

 名残惜しそうに叫ぶウィルをウィギーは容赦なく引っ張り、そんな父親をセスは手を振って見送った。そしてドアは閉められ、レオナルドはやれやれと思う。

 ……ダンウィッカ―氏があんな人だったとは。いつもは冷静な人だと思っていたが。まあ……溺愛するのもわかる気はする。

 レオナルドはそう思いながらドアを見つめるセスに視線を落とす。その姿はやっぱりちょっと寂しそうだ。

「セス、寂しい?」

 レオナルドが尋ねるとセスは素直に頷いた。

「ぅん。でも、おとーさんのお仕事、邪魔しちゃダメだからまってます」

 セスはぎゅっとレオナルドの手を握り、その健気な姿にレオナルドはじんわりと胸が温かくなる。

「そうか。なら、私と探検を続けようか」
「はいっ」

 元気よく返事をし、それからレオナルドはセスを連れて城の中を案内した。
 だが、あらかた見て回った頃にはセスの足取りも段々と遅くなり、レオナルドは応接間で休憩を取ることにした。



 ◇◇



「セス、ドーナツはおいしい?」

 長椅子に座るレオナルドが尋ねるとその隣にいるセスはもぐもぐっと小動物のように口いっぱいに頬張り、コクコクと頷いた。

 ……小さな口をもぐもぐさせて可愛いな。なぜだか、もっと食べさせたい気持ちになる。

「もっと食べていいからね」

 レオナルドがドーナツが三つ乗っているお皿を勧めるとセスは顔を横に振った。

「もう、いらなかったかい?」

 ……実はドーナツはそこまで好きじゃない? だが、美味しそうに食べていたのに。

 断られてレオナルドはそう思ったがセスの返答は違っていた。

「ううん。レオナルドでんか、食べてないから。レオナルドでんかは大人だから、ぼくよりいっぱい食べるでしょ? ぼく、小さいからひとつでだいじょうぶ」

 セスはそう告げた。その思いやりのある言葉にレオナルドは驚き、そして頬が緩んでしまう。

 ……この子は小さいのに私の事を想って。なんて子だろうか。

「セス、私の事はいいから食べたいだけ食べていいんだよ。これはセスの為に用意したものだから。それに私は昼ご飯をたくさん食べてしまっていてね、まだお腹が空かないんだ。だから大丈夫だよ」

 レオナルドが優しく言えば、セスは窺う瞳を向けた。

「ほんと? ぼく、食べてもいいの?」
「ああ、勿論だよ。遠慮しなくていいから食べなさい」

 レオナルドが勧めれば「じゃあ、もうひとつだけ」とセスはおずおずと手を伸ばして、チョコレートがかかったドーナツを両手に取ってぱくりっと食べた。
 そして美味しそうにもぐもぐと食べ、その愛らしさにレオナルドはまたも胸が苦しくなる。

「セス、もうひとつだけと言わずに食べていいんだよ?」

 もう一度念を押すように言えば、セスはドーナツを食べるのを止めて首を横に振った。

「ううん、もうだいじょうぶ。でも……レオナルドでんか、のこりのドーナツ、もらってもいい、ですか? あのね、とってもおいしいからおとーさんとおかーさんにも食べてほしいの」

 もじもじしながら上目づかいで言うセスにレオナルドが拒否できるはずもなく。

「ああ、勿論だとも。全部セスのものだよ」

 レオナルドが告げるとセスは嬉しそうに笑顔を見せた。

「ありがとう、ございます!」

 にこーっと笑うセスを前にレオナルドは呼吸を忘れそうになる。

 ……本当、ダンウィッカ―氏が溺愛するのもわかる気がするな。

 レオナルドはセスを見ながら改めて思うが、じっと自分を見つめる視線にセスは首を傾げた。

「レオナルドでんか?」
「あ、いや……セスはお父さんとお母さんが大好きなんだね」

 見入っていたレオナルドはハッと我に返り、何とか言葉を出した。

「うん! ぼく、おとーさんとおかーさん、だいすき!」
「そうか。……セスは今好きな人はいるのかな?」

 話の流れで何気なく尋ねたが、セスは「うん、いるよぉ」と答え、レオナルドの眉間にすぐさま皺が寄る。

 ……セスに好きな人が!?

 ショックとモヤモヤした気持ちが一瞬で胸に広がる。

「ちなみに誰か聞いても?」

 レオナルドが聞けばセスはドーナツを食べ終え、紅茶をこくっと飲んでから答えた。

「えっとね、勇者リロイが好きなの!」

 ハッキリと告げられ、レオナルドは聞き慣れた名前に驚いた。

「勇者リロイ……? それはもしかして絵本の?」

 レオナルドが聞き返せば「うん!」と元気よく答えた。

 ……勇者リロイ。まさか架空の人物とは。

 レオナルドは心の中で呟きながら、昔からある絵本を思い出した。それはレオナルドも幼い頃に読んだことのあるもので、内容は勇者が仲間と共に旅をして困っている人を助けていく物語だった。
 そしてその中に出てくる勇者リロイは勇気に溢れ、困っている人を助ける、まさに心優しき主人公。

「セスは勇者リロイが好きなんだね」
「うん! リロイはね、とっても優しくてつよいの!」

 目をキラキラさせていうセスにレオナルドは架空の相手だと言うのに、なんだか苛立ってしまう。

「へぇ、そんなに好きなんだ」
「うん、だいすき!」

 躊躇いなく言うセスにレオナルドはますます苛立ちが募る。

 ……こんなにハッキリと答えるなんて、相当好きなんだろう。だが気に食わないな、架空の人物とはいえ。

 レオナルドは顔には出さなかったが、内心面白くなかった。でもそんなレオナルドにセスは言った。

「だってね、リロイはすっごく強いのに、いつも『この力は自分のためにあるわけじゃない。人を救うためにあるんだって』言って戦うの。ぼくもそんな風なりたいのっ」

 にこにこしながら言うセスにレオナルドはどこか毒気を抜かれたような気がした。

 ……リロイのように。だからセスはあの時、私に薬草を持ってきてくれた?

 疲れていた自分にわざわざ薬草を持ってきてくれたセス。この小さな身体の中にある正義と大きな優しさにレオナルドは驚く。

 ……セスはまだ小さいのにすごいな。だが、私はどうだろうか。

 自分の身の振りをレオナルドは考えてみる。
 今まで国務を怠けていたことはなかったが、かと言って尽力してきたかと言えば答えられなかった。

 ……私は。

「ふわぁぁっ」

 その声に視線を向ければ、セスは眠たそうに大きなあくびをしていた。そして、こしこしっと目を擦る。

「セス、眠い?」

 微かにゆらゆらと頭を揺らすセスを見て、レオナルドは声をかける。
 城の中を歩き、お茶と焼き菓子を食べてお腹はいっぱい。その上暖かな陽気に誘われてセスは眠くなってしまったようだ。

「う、ん」

 セスは目を擦って起きていようとする。だが目はもう半分も開いていない。なので隣に座っていたレオナルドはぽんぽんっと膝の上を叩いた。

「眠いなら寝ていいよ。リーナかダンウィッカ―さんが来たら起こしてあげるから」

 そうレオナルドは膝枕をしようとセスに告げた。しかしセスは「うん」と答えるとレオナルドの体によじよじと登り、抱き着くように収まった。

「セス?!」

 驚いて声を上げるが、セスはぎゅうっとレオナルドにくっつくとすぐにくぅくぅっと眠ってしまった。

 ……もう眠ってる。……膝枕を、と思ったんだが。膝を叩いただけだから勘違いしたんだろうか?

 そう思いつつもレオナルドは悪い気しなかった。むしろすっぽりと収まる小さな体は温かく、なぜだが心地いい。そしてセスからはほんのりと優しい匂いがした。

 ……誰かが傍にいて、こんな風に気持ちが落ち着く事なんて今までなかったな。

 レオナルドはそう思いながらもセスの体を支えるようにそっと抱き締める。

 ……温かい、このままずっとこうしていたい。

 胸の中にほわほわと今まで感じた事のない気持ちが溢れてくる。でも、誰かを好きになった事のないレオナルドはまだ戸惑いの方が大きかった。

 ……私はこの子の事を、やっぱり?

 そう思いつつセスをぎゅっと抱き締めると、セスがもじっと動いた。
 起こしてしまっただろうか、とレオナルドは心配したが、セスは思いもよらない寝言を呟いた。

「ん、おとーさん」

 セスは小さく呟くとむぎゅっとレオナルドの胸板に顔を押しつけて、またくぅくぅっと寝息をたて始めた。しかし『おとーさん』と言われたレオナルドは。

 ……お、おとーさんっ。勘違いして言ったんだろうが……おとーさん。

 間違えられたレオナルドは地味に大きなショックを受けていた。

 ……セスから見れば、私とダンウィッカ―さんは変わらないように見えるんだろうな。実際セスとは十一歳も離れている。でもセスが大人になれば……その時、私は。

 頭の中で大人になったセスを想像すれば、レオナルドの胸は高鳴った。

 ……今はこんなにも小さく、軽いが……君はどんな風に成長して、どんな大人になるんだろうか。

 レオナルドは今までどうでもよかった未来が楽しみになってきた。だが同時に、規則正しい寝息にレオナルドも眠りに誘われる。

 ……セスが大人になった時に好きになって貰えるように、今から準備しなければ。……勇者リロイの……よう……に。

 そう思いながらレオナルドはセスを抱き締めたまま眠りについたのだった。
 それはリーナが迎えに来るまで―――――。



 ◇◇◇◇



 ――――そして現在。
 レオナルドは目を覚まし、見慣れた天井を見上げた。

 ……随分と昔の事を夢に見たな。

 そう思いながらも、不意に気配を感じたレオナルドが顔を横にすれば、そこにはくぅくぅっと眠っている大人なセスがいた。

「セス」

 思わず名前を呼べば瞼が開き、緑色の瞳がレオナルドを見つめる。

「んぁ、レオナルド殿下」

 セスは寝起きの顔で呼んだ。敬称で呼ぶ期間が長かった為か、未だに咄嗟の時は敬称呼びだ。

 ……やはり母上と同じように愛称で呼んでもらうようにしておけばよかっただろうか?

 そう思うがセスは体を起こして、目を手で擦った。

「横になってたら俺も寝ちゃってました」
「私を起こしてくれてもよかったのに」

 レオナルドも体を起こして言えば、セスは首を横に振った。

「お疲れみたいだったから、起こすの悪いかなって。それに夕食にはまだちょっと早かったし」
「そうか」

 レオナルドはそう答えながら、目の前にいるセスをじっと見つめる。

 ……あれから随分と大人になったな。

 レオナルドはそっと手を伸ばし、セスの頬を撫でる。そうすればセスは不思議そうな顔をして「レオナルド殿下?」と問いかけた。

「……いや、出会った時を考えればセスは随分と大きくなったな、と思ってね」
「まぁ、俺も大人になりましたし……。でも、子供の頃の俺って生意気じゃなかったですか?」

 セスは心配顔で尋ねてきた。だからレオナルドは少し驚く。

「どうしてそう思うんだい?」
「だって、俺ってばレオナルド殿下にわがままばっかり言って振り回してた気がするし、すごく馴れ馴れしかったような」

 セスは言いながら申し訳なさそうな瞳をレオナルドに向ける。だからレオナルドはくすっと笑った。

「そんな事ないよ。私は一緒にいられて楽しかった。むしろセスが学校へ行くようになって会う時間がどんどん減っていった事の方が悲しかったよ」
「そうなんですか?」
「ああ、そうだよ」

 レオナルドはそう答えた。だが、釈然としない様子のセス。

「セス?」
「いや……やっぱり、レオナルド殿下がどうして俺を好きになってくれたのかな? って不思議で。俺が子供の頃から、その……好きでいてくれたんですよね? でも俺、特別なことなんてなかったし」

 セスは腕を組んで考え込み「うーん」と唸り、その言葉にレオナルドは昔の自分を思い出した。

 ……私も何度も自分自身に問いかけたものだったな。『なぜ、あの子の事が気になるのか?』と。でもセスを想えば、セスに会えば、求めずにはいられなかった。……それにセスだって。

「じゃあ聞くが、セスだってどうして私の事を好いてくれてるの? セスは元々ストレートだっただろう」
「そんなのレオナルド殿下だからっ!」

 すぐに答えたセスにレオナルドはにこりと笑って告げた。

「そう、恋は理屈じゃないんだよ。セス」

 レオナルドが教えるとセスは「まぁ、確かにそうかも?」と不思議そうにしながらも納得したようだった。

「だからね、セス。大好きだよ」
「うっ……わ、わかってます」
「本当に? 私が今どれだけ幸せか、本当にわかってる? 私はねセス、毎日こうしてセスと一緒にいられてすごく幸せだよ」

 レオナルドはそう言うと、セスを抱き寄せてぎゅっとその腕の中に閉じ込める。

 そうすると、あの時と変わらず柔らかい髪から優しい香りがふわりとして胸が高鳴った。そして、あの時から変わらないセスの優しさにも癒される。

「レオナルド殿下が幸せなら俺も嬉しいです。……でもね、レオ」
「ん? なんだい?」

 レオナルドが問いかければ、セスは優しく微笑んだ。

「あのね……俺の方がもっと幸せです。レオが俺をたくさん愛してくれるから」

 セスはレオナルドに抱き返して言った。でも、そんな事をされたらセスへの愛が溢れてしまう。

 ……ああ、セス。本当に君って人は。

「あぇ? れ、レオ?」

 セスは気がつけばレオナルドに押し倒されていた。そしてレオナルドの瞳は爛々と輝いている。なのでセスはすぐに危険を感じた。

「あ、あの、レオ?」
「セス、今から私ともっと幸せになれる事をしようか?」

 レオナルドはそう言いながらセスの首筋にキスを落としつつ服を脱がせていく。

「あ、あの、ちょっと!? レオ、夕飯がッ」
「大丈夫、すぐに終わらせるから」
「いや、そういう問題じゃないんですけど!? そ、それに疲れてるでしょ?!」
「心配ないよ。セスがくれた回復薬を飲むから」
「そういう事で作ったんじゃないんですけど?!」

 セスは声を上げて言ったが、もうレオナルドは聞いていなかった。

「まあまあ、いいじゃないか」
「いいって何が!? あ、ちょっ!!」

 ズボンに手をかけられセスは脱がされないように必死に抑えるが、レオナルドはいとも簡単にぺろんっと脱がした。そして下半身すっぽんぽんのセスがレオナルドを見れば、その目は獰猛な捕食者の目をしていた。

「ひぇ」
「セス、二人でもっと幸せになろうね?」

 ニコリと笑うレオナルドにセスは顔を引きつらせたが、抗う事もできずーーーー結局セスとレオナルドは夜も更けた頃に、遅い夕食を後に取ることになったのだった。



 おわり


***************

レオナルドのお話はどうでしたか?
途中、ウィルの愛が炸裂していましたが(笑)
楽しんで読んで頂けたなら幸いです。


急に寒くなってきましたし、インフルエンザも流行っているようなので、みなさま体調にはお気を付けください('ω')ノ
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