93 / 114
殿下、結婚式ですよ!
5 結婚式当日
しおりを挟む
――それから、セシル様との交流もありつつ二日間はあっと言う間に過ぎ、ルナ様達の結婚式当日。
遅れて到着したアレク殿下とディアナ様、二人の子供であるジュリアナ様とアンジェリカ様とも合流し、俺達は正装で二人の結婚式に参列した。
美しく着飾ったルナ様は本当に綺麗で、緊張した面持ちのエドワードさんと一緒に並んで歩く姿は実に仲睦まじい。そして結婚式の後に豪華な馬車で市内を回った二人は、多くの国民から祝福された。
その後。街がお祭り騒ぎの中、段々と日は暮れ、城の中では豪華な夜会が開かれていた。
◇◇
「うーん、すごい」
広間は煌びやかに飾り付けられ、テーブルには高級食材が使われた料理に飲み物が並び、音楽家たちの生演奏が流れている。
……俺とレオナルド殿下との結婚式もこんな感じだったなぁ。懐かしい。でも、あの時は大変だったという思い出と、レオナルド殿下に初めて抱かれた時のことしか覚えてないな。確か夜会も終盤になった頃、部屋に戻った後、お風呂に連れ込まれて……うん、考えるのはよそう。
椅子に座って見ていた俺は一年前の結婚式を思い出したが、頬が熱くなってくるのを感じて思考するのを止めた。しかしそんな俺の元へ、飲み物を取りに行っていたレオナルド殿下が戻ってくる。
「セス、お待たせ」
「レオ、ありがとうございます」
俺は差し出されたグラスを受け取ってお礼を言う。中はぶどうジュースのようだ。一口飲むと、甘くておいしい。
「お腹は空いてない? 料理もあったけど」
レオナルド殿下は俺の隣の席に腰を下ろしながら、尋ねた。
「大丈夫です。お昼過ぎに出された料理を食べすぎちゃったから」
俺はお腹を押さえて言った。結婚式が終わった後、俺達は一旦部屋に戻ったのだが、部屋に運ばれた昼食は祝いの料理で、とても量が多かった。おかげで未だにお腹は減らない。
……まあ、レオナルド殿下はぺろっと食べていたけれど。やっぱり体格の問題なのかな?
隣に座るレオナルド殿下を俺はちらりと見る。服を着ていても、鍛えられた体をしているのがわかる。俺とは大違いだ。
……男として、レオナルド殿下の体格は憧れるよなぁ。でもやっぱりこういうのって遺伝なのかな? 王様もムキムキだし、アレク殿下もどっちかっていうと筋肉質だもんなぁ。
俺は広間の向こうで、ルナ様と歓談しているディアナ様に付き添うアレク殿下を眺めた。ディアナ様は妹の結婚に終始笑顔だ。
でもそこへセシル様がとててっと歩いてきた。今日会うのは初めてで、セシル様も夜会用の服を着ていた。
「セス!」
「セシル様、今日は一段とかっこいいですね」
俺が褒めるとセシル様はフフンと得意げな顔を見せた。尻尾が嬉しそうにフリフリと動いている。可愛いなぁ。
「セスもかっこいいぞ」
セシル様は俺を見て、フスンっと鼻息を出して褒めた。
「そうですか?」
俺は呟いて、自分の姿を見直す。結婚式で着た正装とは別の服で、レオナルド殿下と対になるように作られた夜会用の服を着ている。
……こういう服って着なれないから服だけ浮いてるんじゃないかって思ってたけど、着れてるなら良かった。
俺はちょっとほっと安堵する。だって、隣にいるレオナルド殿下はバッチリ着こなしているから。
「レオナルド様もすっごく似合ってます!」
セシル様はフンフンッとちょっと興奮気味に言った。瞳がキラキラと輝く。
「ありがとう。セシル様もよくお似合いですよ、やっぱり去年からするとずっとお兄さんになられましたね」
レオナルド殿下が褒めると、セシル様はぽっと顔を赤くした。好きな人に褒められて嬉しいのだろう。でも、俺はちょっと面白くない。
……なんだかちょっと妬いちゃうなぁ。去年はこんな気持ち、抱かなかったのに。やっぱりそれだけ俺もレオナルド殿下の事、好きになっちゃったんだなぁ。
俺は改めて自分の気持ちに気がつく。
「それよりセシル様、ノルン様はどちらに?」
「ノルン兄様は今、お話し中です!」
「そうですか。でもあんまり一人でウロウロしているとノルン様が心配されますよ?」
レオナルド殿下が言った矢先、ノルン様が慌てた様子で俺達の元にやって来た。ノルン様は長い髪を結い上げて、かっちりとした夜会服を着ていたが、元々の顔立ちが美しいのでまるで男装しているお姫様のようだ。
……これはこれで、間違って声をかける人もいるかも。
俺はノルン様を見て、そう思う。
「こら、セシル。勝手に離れたらダメだと言っただろう?」
「だってー、暇だったんだもん」
ノルン様に怒られたセシル様はぷくっと頬を膨らませた。
「離れる時はせめて一言言いなさい。すみません、レオナルド様、セス様」
ノルン様は俺達を見て謝った。だからか、なんだかお兄さんというより、段々お母さんに見えてきた。
「いえ、少し話をしていただけですよ。ノルン様」
「そうですか。まだまだやんちゃ盛りで困ったものです。本当は部屋で待たせておくつもりだったんですが、どうしても夜会に参加したいと言いましてね」
レオナルド殿下の言葉にノルン様は返事をすると、ちらりとセシル様を見た。すると途端にセシル様が慌てる。
「あー! ノルン兄様、言っちゃダメ!」
ぴょんぴょんと跳ねて、セシル様は抗議する。一体どうしたんだろう?
「はいはい、わかってるよ」
ノルン様は笑って言うと、なぜか俺を見た。なんだろう?
けれど不思議に思っている内に、広間に流れていた音楽が急に止まった。広間にいた人たちがざわつき始め、俺もレオナルド殿下に尋ねる。
「一体、どうしたんでしょう?」
「どうやらダンスが始まるみたいだ」
俺の問いかけにレオナルド殿下はすぐに答えた。
「ダンス」
「ええ、ルナ様とエドワード様のダンスが始まるようですね」
俺の呟きにノルン様が答え、広間の中央、少し開かれた場所に視線を向けた。なので俺も同じように視線を向ける。すると広間の中央にルナ様とエドワードさんが手を取り合って立ち、互いの体を寄せ合うと音楽が流れ出した。そして二人は踊り始めたのだが。
……うわぁ、二人ともすごい!
俺は思わず二人の姿に目が奪われる。だって、二人ともまるで羽が生えたかのように軽やかに踊るんだもの。しかも息もピッタリ!
だから俺だけじゃなく、広間にいた人たちの視線も集めている。
……あんな風に踊れたら楽しそうだなぁ。俺はぎりぎり踊れるって感じだもん。
俺は二人のダンスを見ながら羨ましく思う。俺も王族の嗜みという事で、レオナルド殿下と結婚した後にダンスを学んだが、軽やかという言葉は程遠い。どうやら俺には踊るというセンスはないようなのだ。
……まあ、踊るような機会が少ないから踊れなくても問題ないけど。
そんなことを思いつつ眺めていると、あっという間に一曲が終わり、多くの拍手と共にルナ様達のダンスは終わった。
そしてメインの二人が終わった今、二曲目は他の人も参加可能だ。なので広間には手と手を取り合うカップル達が集まる。
でもそんな中、セシル様が俺に声をかけてきた。
「せ、セス!」
「はい?」
「セスは踊らないのか?」
セシル様に尋ねられ、俺は頬を掻く。
「あー、俺、ダンスがへたっぴなんです。だからダンスは」
そう言いかけた時だった。人のざわめきと共にルナ様が俺達の元へと歩いてくる。そして足を止める、俺の目の前で。
「ルナ、様?」
俺が声をかけると、ルナ様は俺に手を差し伸べた。
「セス様、私と踊って下さるかしら?」
思いがけないお誘いに俺は「えッ!?」と驚きの声を上げる。踊るつもりもなかったし、まさかルナ様に誘われるとも思っていなかったから。そして、女性の誘いを断るのはマナー違反。つまり俺に残された道は。
「踊っておいで、セス」
レオナルド殿下は笑顔で俺を送り出す。
「で、でも俺じゃなくてレオナルド殿下の方が」
「誘われてるのはセスの方だよ」
「うっ」
何も言い返せない。そしてルナ様はにっこりと俺に笑いかけた。
「心配しなくても、ダンスに不安がありましたら私がリードしますわ」
そこまで言われたなら断る術はなし。俺は「はい」と答えて、席を立つ。そんな俺をレオナルド殿下は笑顔で見送り、セシル様はぽかんっとした顔で見ていた。
……ルナ様と踊るなんて。絶対レオナルド殿下と踊った方が様になるのにぃ~!
俺はそう思いつつ、笑顔で見送るレオナルド殿下を恨めしく見つめる。でも広間に連れられて、結局俺はルナ様と手を取り合うことに。
……はぁ、大丈夫だろうか。
「あの、俺、本当にダンスが下手なので、最初に謝っておきます。すみません」
「フフ、気にしないで。……さあ、曲が始まりますわ。楽しみましょう?」
ルナ様は美しく微笑み、俺はただただ、ルナ様の足を踏みませんように~!、と心の中で祈る。
そして曲が流れ、俺達はテンポよく踊り始めた――。
遅れて到着したアレク殿下とディアナ様、二人の子供であるジュリアナ様とアンジェリカ様とも合流し、俺達は正装で二人の結婚式に参列した。
美しく着飾ったルナ様は本当に綺麗で、緊張した面持ちのエドワードさんと一緒に並んで歩く姿は実に仲睦まじい。そして結婚式の後に豪華な馬車で市内を回った二人は、多くの国民から祝福された。
その後。街がお祭り騒ぎの中、段々と日は暮れ、城の中では豪華な夜会が開かれていた。
◇◇
「うーん、すごい」
広間は煌びやかに飾り付けられ、テーブルには高級食材が使われた料理に飲み物が並び、音楽家たちの生演奏が流れている。
……俺とレオナルド殿下との結婚式もこんな感じだったなぁ。懐かしい。でも、あの時は大変だったという思い出と、レオナルド殿下に初めて抱かれた時のことしか覚えてないな。確か夜会も終盤になった頃、部屋に戻った後、お風呂に連れ込まれて……うん、考えるのはよそう。
椅子に座って見ていた俺は一年前の結婚式を思い出したが、頬が熱くなってくるのを感じて思考するのを止めた。しかしそんな俺の元へ、飲み物を取りに行っていたレオナルド殿下が戻ってくる。
「セス、お待たせ」
「レオ、ありがとうございます」
俺は差し出されたグラスを受け取ってお礼を言う。中はぶどうジュースのようだ。一口飲むと、甘くておいしい。
「お腹は空いてない? 料理もあったけど」
レオナルド殿下は俺の隣の席に腰を下ろしながら、尋ねた。
「大丈夫です。お昼過ぎに出された料理を食べすぎちゃったから」
俺はお腹を押さえて言った。結婚式が終わった後、俺達は一旦部屋に戻ったのだが、部屋に運ばれた昼食は祝いの料理で、とても量が多かった。おかげで未だにお腹は減らない。
……まあ、レオナルド殿下はぺろっと食べていたけれど。やっぱり体格の問題なのかな?
隣に座るレオナルド殿下を俺はちらりと見る。服を着ていても、鍛えられた体をしているのがわかる。俺とは大違いだ。
……男として、レオナルド殿下の体格は憧れるよなぁ。でもやっぱりこういうのって遺伝なのかな? 王様もムキムキだし、アレク殿下もどっちかっていうと筋肉質だもんなぁ。
俺は広間の向こうで、ルナ様と歓談しているディアナ様に付き添うアレク殿下を眺めた。ディアナ様は妹の結婚に終始笑顔だ。
でもそこへセシル様がとててっと歩いてきた。今日会うのは初めてで、セシル様も夜会用の服を着ていた。
「セス!」
「セシル様、今日は一段とかっこいいですね」
俺が褒めるとセシル様はフフンと得意げな顔を見せた。尻尾が嬉しそうにフリフリと動いている。可愛いなぁ。
「セスもかっこいいぞ」
セシル様は俺を見て、フスンっと鼻息を出して褒めた。
「そうですか?」
俺は呟いて、自分の姿を見直す。結婚式で着た正装とは別の服で、レオナルド殿下と対になるように作られた夜会用の服を着ている。
……こういう服って着なれないから服だけ浮いてるんじゃないかって思ってたけど、着れてるなら良かった。
俺はちょっとほっと安堵する。だって、隣にいるレオナルド殿下はバッチリ着こなしているから。
「レオナルド様もすっごく似合ってます!」
セシル様はフンフンッとちょっと興奮気味に言った。瞳がキラキラと輝く。
「ありがとう。セシル様もよくお似合いですよ、やっぱり去年からするとずっとお兄さんになられましたね」
レオナルド殿下が褒めると、セシル様はぽっと顔を赤くした。好きな人に褒められて嬉しいのだろう。でも、俺はちょっと面白くない。
……なんだかちょっと妬いちゃうなぁ。去年はこんな気持ち、抱かなかったのに。やっぱりそれだけ俺もレオナルド殿下の事、好きになっちゃったんだなぁ。
俺は改めて自分の気持ちに気がつく。
「それよりセシル様、ノルン様はどちらに?」
「ノルン兄様は今、お話し中です!」
「そうですか。でもあんまり一人でウロウロしているとノルン様が心配されますよ?」
レオナルド殿下が言った矢先、ノルン様が慌てた様子で俺達の元にやって来た。ノルン様は長い髪を結い上げて、かっちりとした夜会服を着ていたが、元々の顔立ちが美しいのでまるで男装しているお姫様のようだ。
……これはこれで、間違って声をかける人もいるかも。
俺はノルン様を見て、そう思う。
「こら、セシル。勝手に離れたらダメだと言っただろう?」
「だってー、暇だったんだもん」
ノルン様に怒られたセシル様はぷくっと頬を膨らませた。
「離れる時はせめて一言言いなさい。すみません、レオナルド様、セス様」
ノルン様は俺達を見て謝った。だからか、なんだかお兄さんというより、段々お母さんに見えてきた。
「いえ、少し話をしていただけですよ。ノルン様」
「そうですか。まだまだやんちゃ盛りで困ったものです。本当は部屋で待たせておくつもりだったんですが、どうしても夜会に参加したいと言いましてね」
レオナルド殿下の言葉にノルン様は返事をすると、ちらりとセシル様を見た。すると途端にセシル様が慌てる。
「あー! ノルン兄様、言っちゃダメ!」
ぴょんぴょんと跳ねて、セシル様は抗議する。一体どうしたんだろう?
「はいはい、わかってるよ」
ノルン様は笑って言うと、なぜか俺を見た。なんだろう?
けれど不思議に思っている内に、広間に流れていた音楽が急に止まった。広間にいた人たちがざわつき始め、俺もレオナルド殿下に尋ねる。
「一体、どうしたんでしょう?」
「どうやらダンスが始まるみたいだ」
俺の問いかけにレオナルド殿下はすぐに答えた。
「ダンス」
「ええ、ルナ様とエドワード様のダンスが始まるようですね」
俺の呟きにノルン様が答え、広間の中央、少し開かれた場所に視線を向けた。なので俺も同じように視線を向ける。すると広間の中央にルナ様とエドワードさんが手を取り合って立ち、互いの体を寄せ合うと音楽が流れ出した。そして二人は踊り始めたのだが。
……うわぁ、二人ともすごい!
俺は思わず二人の姿に目が奪われる。だって、二人ともまるで羽が生えたかのように軽やかに踊るんだもの。しかも息もピッタリ!
だから俺だけじゃなく、広間にいた人たちの視線も集めている。
……あんな風に踊れたら楽しそうだなぁ。俺はぎりぎり踊れるって感じだもん。
俺は二人のダンスを見ながら羨ましく思う。俺も王族の嗜みという事で、レオナルド殿下と結婚した後にダンスを学んだが、軽やかという言葉は程遠い。どうやら俺には踊るというセンスはないようなのだ。
……まあ、踊るような機会が少ないから踊れなくても問題ないけど。
そんなことを思いつつ眺めていると、あっという間に一曲が終わり、多くの拍手と共にルナ様達のダンスは終わった。
そしてメインの二人が終わった今、二曲目は他の人も参加可能だ。なので広間には手と手を取り合うカップル達が集まる。
でもそんな中、セシル様が俺に声をかけてきた。
「せ、セス!」
「はい?」
「セスは踊らないのか?」
セシル様に尋ねられ、俺は頬を掻く。
「あー、俺、ダンスがへたっぴなんです。だからダンスは」
そう言いかけた時だった。人のざわめきと共にルナ様が俺達の元へと歩いてくる。そして足を止める、俺の目の前で。
「ルナ、様?」
俺が声をかけると、ルナ様は俺に手を差し伸べた。
「セス様、私と踊って下さるかしら?」
思いがけないお誘いに俺は「えッ!?」と驚きの声を上げる。踊るつもりもなかったし、まさかルナ様に誘われるとも思っていなかったから。そして、女性の誘いを断るのはマナー違反。つまり俺に残された道は。
「踊っておいで、セス」
レオナルド殿下は笑顔で俺を送り出す。
「で、でも俺じゃなくてレオナルド殿下の方が」
「誘われてるのはセスの方だよ」
「うっ」
何も言い返せない。そしてルナ様はにっこりと俺に笑いかけた。
「心配しなくても、ダンスに不安がありましたら私がリードしますわ」
そこまで言われたなら断る術はなし。俺は「はい」と答えて、席を立つ。そんな俺をレオナルド殿下は笑顔で見送り、セシル様はぽかんっとした顔で見ていた。
……ルナ様と踊るなんて。絶対レオナルド殿下と踊った方が様になるのにぃ~!
俺はそう思いつつ、笑顔で見送るレオナルド殿下を恨めしく見つめる。でも広間に連れられて、結局俺はルナ様と手を取り合うことに。
……はぁ、大丈夫だろうか。
「あの、俺、本当にダンスが下手なので、最初に謝っておきます。すみません」
「フフ、気にしないで。……さあ、曲が始まりますわ。楽しみましょう?」
ルナ様は美しく微笑み、俺はただただ、ルナ様の足を踏みませんように~!、と心の中で祈る。
そして曲が流れ、俺達はテンポよく踊り始めた――。
80
お気に入りに追加
4,071
あなたにおすすめの小説

私の夫が未亡人に懸想しているので、離婚してあげようと思います
Kouei
恋愛
私は21歳になっても未婚の子爵令嬢。
世間では男女18歳までに、婚約もしくは結婚している事が常識だった。
なので将来は修道院に入ると両親に伝えた所、あわてて23歳になっても独身の伯爵令息との縁談を持ってきた。
見目麗しく、紳士的な性格の彼がなぜ今まで結婚しなかったのか?
異性に興味のない方なのかと思ったけれど、理由はいたって単純だった。
忘れられない女性がいるんですって!
そうして彼は私にある提案してきた。
「形式上の夫婦にならないか」と…
※この作品は、他サイトにも投稿しています。

白い結婚はそちらが言い出したことですわ
来住野つかさ
恋愛
サリーは怒っていた。今日は幼馴染で喧嘩ばかりのスコットとの結婚式だったが、あろうことかバーティでスコットの友人たちが「白い結婚にするって言ってたよな?」「奥さんのこと色気ないとかさ」と騒ぎながら話している。スコットがその気なら喧嘩買うわよ! 白い結婚上等よ! 許せん! これから舌戦だ!!

【完結】貴方とはもう終わっているのですから、何を言われようがやり直すことはありません
白草まる
恋愛
信じていた婚約者のファビアンから突如婚約破棄を告げられたリリアン。
ファビアンはブリギッテを選びリリアンを捨てたのだ。
より利益になる貴族家との縁を結ぶのは当然だと言われ、家格が負けているリリアンは受け入れるしかなかった。
しかし、とある人物がリリアンに興味を抱いたのだった。

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います
緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。
知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。
花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。
十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。
寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。
見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。
宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。
やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。
次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。
アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。
ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。
〈完結・12/5補完あとがき追加〉ふざけんな!と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった〜旦那様、あなたは私の夫ではありません
詩海猫
ファンタジー
こちらはリハビリ兼ねた思いつき短編として出来るだけ端折って早々に完結予定でしたが、予想外に多くの方に読んでいただき、書いてるうちにエピソードも増えてしまった為長編に変更致しましたm(_ _)m
ヒロ回だけだと煮詰まってしまう事もあるので、気軽に突っ込みつつ楽しんでいただけたら嬉しいです💦
*完結致しました。補完情報を兼ねたあとがき追加しました。
*思いがけず沢山の感想をいただき、返信が滞っております。あとがき投稿後、随時させていただく予定ですが、返信のしようがないコメント/ご指摘等については受け止めるだけとさせていただきます。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
顔をあげると、目の前にラピスラズリの髪の色と瞳をした白人男性がいた。
周囲を見まわせばここは教会のようで、大勢の人間がこちらに注目している。
見たくなかったけど自分の手にはブーケがあるし、着ているものはウエディングドレスっぽい。
脳内??が多過ぎて固まって動かない私に美形が語りかける。
「マリーローズ?」
そう呼ばれた途端、一気に脳内に情報が拡散した。
目の前の男は王女の護衛騎士、基本既婚者でまとめられている護衛騎士に、なぜ彼が入っていたかと言うと以前王女が誘拐された時、救出したのが彼だったから。
だが、外国の王族との縁談の話が上がった時に独身のしかも若い騎士がついているのはまずいと言う話になり、王命で婚約者となったのが伯爵家のマリーローズである___思い出した。
日本で私は社畜だった。
暗黒な日々の中、私の唯一の楽しみだったのは、ロマンス小説。
あらかた読み尽くしたところで、友達から勧められたのがこの『ロゼの幸福』。
「ふざけんな___!!!」
と最後まで読むことなく投げ出した、私が前世の人生最後に読んだ小説の中に、私は転生してしまった。

2025年何かが起こる!?~予言/伝承/自動書記/社会問題等を取り上げ紹介~
ゆっち
エッセイ・ノンフィクション
2025年に纏わるさまざまな都市伝説、予言、社会問題などを考察を加えて紹介します。
【予言系】
・私が見た未来
・ホピ族の予言
・日月神示の預言
・インド占星術の予言
など
【経済・社会的課題】
・2025年問題
・2025年の崖
・海外展開行動計画2025
など
【災害予測】
・大規模太陽フレア
・南海トラフ巨大地震
など
※運営様にカテゴリーや内容について確認して頂きました所、内容に関して特に問題はないが、カテゴリーが違うとの事のでホラー・ミステリーから「エッセイ・ノンフィクション」へカテゴリー変更しました。

【完結】ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません
野村にれ
恋愛
人としての限界に達していたヨルレアンは、
婚約者であるエルドール第二王子殿下に理不尽とも思える注意を受け、
話の流れから婚約を解消という話にまでなった。
責任感の強いヨルレアンは自分の立場のために頑張っていたが、
絶対に婚約を解消しようと拳を上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる