58 / 114
殿下、俺じゃダメですか?
4 お見舞いに来たのは?
しおりを挟む
「おや、気が付いたかい? レオナルドじゃなくてすまないね、セス」
レオナルド殿下と同じサファイアの瞳が申し訳なさそうに俺を見ていた。
「……ランス、殿下?」
俺はぼんやりとする頭で、目の前にいるランス殿下を見る。
……ランス殿下? え、どうして俺の部屋に?
そう思ったけれどランス殿下は俺に優しく声をかけた。
「セス、大丈夫かい? 魘されていたけれど。泣くほど怖い夢でも見た?」
「え?」
ランス殿下に言われて俺は自分の頬に手を当てる。濡れている感触。
……俺、泣いていたのか。
俺はごしごしっと服の袖で目元を拭った。きっと俺は酷い顔をしていたに違いない。
「すみません、ランス殿下」
「いいんだよ、セス」
ランス殿下は優しく俺に言い、それからマグカップを渡してくれた。
「喉が渇いてるんじゃないか?」
「ありがとうございます」
俺は素直に受け取って、くんくんっと嗅ぐと甘いはちみつとレモンの匂いがした。
「……これ」
「はちみつレモンだ。喉にいいと思ってね」
ランス殿下はそれ以上は何も言わなかった。でも俺はちょっとレオナルド殿下の事を思い出してしまう。俺が飲ませてあげたはちみつレモン。
……でもそんな事、ランス殿下は知らない。
俺はちょっと涙ぐみそうになったがぐっと堪えてお礼を言った。
「ありがとうございます」
そして、ぬるめのはちみつレモンをこくこくっと飲む。甘くてすっきりとした味が痛んでいる喉に優しくて、俺は一気に飲み切った。泣いたこともあったのか、喉が渇いていたみたいだ。
「もう一杯いる?」
「いえ……あのランス殿下、どうしてここに?」
「セスが風邪を引いたと聞いてね。通りかかったものだから寄らせてもらったんだよ」
「……そうですか。わざわざすみません」
俺はぺこりと頭を下げる。そんな俺の頭をぽんっと優しく撫でた。
「病人はそんな事、気にしなくていいんだよ」
優しい言葉に俺はまた涙が出そうになる。でも、それを言ってくれるのがどうしてレオナルド殿下じゃないんだろう?
そう思ったら俺はもっと涙が出そうになった。けど、堪えて顔を上げる。
「ありがとうございます」
俺が言うとランス殿下はにこっと微笑んだ。
「しかし一人で大変かと思ったが、大家さんに良くしてもらっているようだね」
ランス殿下はサイドテーブルに置かれた水や小さなダイニングテーブルの上に置かれた、果物やスープの入った鍋を見て言った。
「はい」
……スープ、あとでちゃんと食べてお礼を言わなきゃ。
そう思う俺にランス殿下は申し訳なさそうな顔をした。
どうしてランス殿下がそんな顔をするんだろう?
「……ランス殿下?」
俺が声をかけるとランス殿下はハッとした顔を見せ、ぐっと拳を握った。
「いや、何でもないよ。病人にあまり無理をさせてもいけないから、俺はそろそろ帰るよ。今日は本当に顔を見に来ただけだから」
「あ、じゃあ、お見送りぐらい」
俺はそう言ってベッドから下りようとしたけれど、ランス殿下はそっと俺の肩を押した。
「病人なんだから、見送りしなくていいよ。ここで十分。……早く治すんだよ、セス」
ランス殿下はにっこりと笑って言った。
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ、またね」
ランス殿下はそれだけを言うと、上着を羽織り、颯爽と部屋を出て行った。どうやら本当にお見舞いに来ただけのようだ。
……それにしてもランス殿下、何か俺に言いたそうだったな。……レオナルド殿下と俺の事かな。
俺はぐっと拳を握り、それからもぞもぞっとまた布団の中に体を潜り込ませた。
……今は寝よう。何を考えても何を想っても悲しくなるだけなんだから。
目頭が熱くなるのを感じながらも、俺は無理やり眠ろうとした。
一方、セスの部屋から出たランスは大きなため息を吐いていた。
「全く、セスがこんなことになっているのに、何をやっているんだ」
それは呆れ返った声だった。
しかし、その後、何が変わるわけでもなく俺は風邪を治して仕事に戻るようになった。
日々は過ぎ、冬はどんどん寒さを連れてきて雪は深く積もった。
……今日もよく雪が降るな。
俺は廊下を歩いている途中、足を止めて窓の外をぼんやりと見つめる。
雪はもう10㎝程の深さに積もっていて、きっと冬が明けるまでレオナルド殿下は帰ってこれないだろう。こんな雪の積もった道を戻ってくるのは危険だ。
でも、それを見越していないレオナルド殿下じゃない。つまり冬の間、あちらで過ごす事前提でイニエスト公国に行ったのだ。
……行ってから二週間かぁ。今頃、ルナ様と仲良くしてるのかなぁ。
ズキリッと胸が痛んで、俺は咄嗟に抑える。
レオナルド殿下がいない事にほっともするけれど、同時に寂しさも覚える。時々、レオナルド殿下がひょっこり現れて『今までの事は全て嘘だよ』と言ってくれるんじゃないかと夢を見る。けど、現実は冬の風と同じように冷たく厳しい。
それはレオナルド殿下が帰ってこないという現実、そして俺に対する風当たりも。
「おや、こんなところに元伴侶様がいらっしゃるとは」
廊下の窓辺に立ち止まる俺にくすくすと悪意のある笑い声と共に声をかけてきたのは、貴族の子息達だった。
俺は当然自分より身分の高い彼らに頭を下げる。そんな俺の前から彼らは立ち退かず、ジロジロと不躾に俺を見下げた。
「こんなところでおサボりですか?」
「いえ、そう言う訳では……」
俺は頭を下げたまま答える。今は薬科室から他部署に書類を渡しに行った帰りだった。
「今はもうご身分がないのですから、気を付けた方がよろしいかと思いますよ?」
まるで今まで俺がレオナルド殿下の伴侶であったことに笠を着ていたような、鼻につく言い方だ。当然俺はカッと怒りを感じる。
俺は今まで一度もそんな事はしなかったし、レオナルド殿下と結婚していても自分は庶民だという感覚を忘れたことなんてなかった。俺はどうやったって王族にはなれないから。
それでも公務があれば仕事も休みも返上で務めたし、できるだけレオナルド殿下の伴侶として恥じないでいようと努めた。それなのに、こんな風に嘲笑されて。
「まあ今までが身分不相応だったのですからね。レオナルド殿下もようやく目が覚めたみたいですし」
クスクスと笑われて、俺はただただ頭を下げたまま拳をぐっと握った。
……なんでこんな事、言われなきゃいけないんだ。
そう憤る気持ちと同時に、最近こんなことばっかりだな、とも冷静な頭で思った。
レオナルド殿下に捨てられた俺の噂はもう城下にまで渡っている。当然貴族間でも。
するとレオナルド殿下の寵愛を一心に受けていた俺に、こうして難癖をつけてくる人がちょくちょく出てきたのだ。
でもそれも仕方ない。
美しい容姿と類まれなる魔力の持ち主、そして知性もあって、誰にでも優しいレオナルド殿下。そんな人を俺は今まで独り占めしていた。
当然レオナルド殿下に好意を寄せていた人達にとってみれば、俺は面白くない存在だったんだろう。特に身分が高い訳でも、魔力に優れているわけでも、容姿が美しい訳でもない俺が、あのレオナルド殿下の相手だったんだから。
それがレオナルド殿下が選んだ相手だとしても。
けれど結婚した後、俺はレオナルド殿下の伴侶として王族に身分が連なり、今までずっとレオナルド殿下が傍にいた。だからこんな嫌味を言える機会もなかったんだろう。
だが、どうだろう?
今や俺はレオナルド殿下と別れて身分は庶民に戻り、ましてやレオナルド殿下は城に、いや国にもいない。
そしてレオナルド殿下はイニエスト公国のお姫様に夢中だと言う噂は、もうすでに広まっている。俺にどうこうしようと、誰も何も言わないと思って、こうして嫌がらせをしてくるのだ。
「まあ、これからは自分の相応にあった生き方をするんですね」
貴族の子息たちは言いたいだけ言って、ケラケラ笑いながら俺の元を去っていった。
俺は唇を噛み締めながら悔しさに涙が出そうになるけどぐっと堪えて、彼らが立ち去るまで頭を下げ続けた。ここで泣いたら、負けたような気がしたから。
けれど頭を下げ続ける俺は、影から俺達のやり取りを見ていた視線に気付かなかった。
その頃、イニエスト公国では。
「レオナルド様、どうされたの?」
窓辺に立って外を眺めるレオナルドにルナは声をかけ、レオナルドはルナに視線を向けた。
「いえ、なんでもありませんよ」
レオナルドが言うとルナはそっと近寄った。
「レオナルド様、冬の間こちらにいて下さって嬉しいわ。……もしも、叶うならずっとこのまま」
ルナが見つめて言うと、レオナルドはふっと笑顔を見せた。
「ええ、貴方が私を必要だと言ってくれるのなら」
レオナルドはそう言うと従者もいる中、人の目も憚らずにルナの頬をそっと優しく撫でた。
窓の外は暗く、こちらも雪が降り積もっていた。
レオナルド殿下と同じサファイアの瞳が申し訳なさそうに俺を見ていた。
「……ランス、殿下?」
俺はぼんやりとする頭で、目の前にいるランス殿下を見る。
……ランス殿下? え、どうして俺の部屋に?
そう思ったけれどランス殿下は俺に優しく声をかけた。
「セス、大丈夫かい? 魘されていたけれど。泣くほど怖い夢でも見た?」
「え?」
ランス殿下に言われて俺は自分の頬に手を当てる。濡れている感触。
……俺、泣いていたのか。
俺はごしごしっと服の袖で目元を拭った。きっと俺は酷い顔をしていたに違いない。
「すみません、ランス殿下」
「いいんだよ、セス」
ランス殿下は優しく俺に言い、それからマグカップを渡してくれた。
「喉が渇いてるんじゃないか?」
「ありがとうございます」
俺は素直に受け取って、くんくんっと嗅ぐと甘いはちみつとレモンの匂いがした。
「……これ」
「はちみつレモンだ。喉にいいと思ってね」
ランス殿下はそれ以上は何も言わなかった。でも俺はちょっとレオナルド殿下の事を思い出してしまう。俺が飲ませてあげたはちみつレモン。
……でもそんな事、ランス殿下は知らない。
俺はちょっと涙ぐみそうになったがぐっと堪えてお礼を言った。
「ありがとうございます」
そして、ぬるめのはちみつレモンをこくこくっと飲む。甘くてすっきりとした味が痛んでいる喉に優しくて、俺は一気に飲み切った。泣いたこともあったのか、喉が渇いていたみたいだ。
「もう一杯いる?」
「いえ……あのランス殿下、どうしてここに?」
「セスが風邪を引いたと聞いてね。通りかかったものだから寄らせてもらったんだよ」
「……そうですか。わざわざすみません」
俺はぺこりと頭を下げる。そんな俺の頭をぽんっと優しく撫でた。
「病人はそんな事、気にしなくていいんだよ」
優しい言葉に俺はまた涙が出そうになる。でも、それを言ってくれるのがどうしてレオナルド殿下じゃないんだろう?
そう思ったら俺はもっと涙が出そうになった。けど、堪えて顔を上げる。
「ありがとうございます」
俺が言うとランス殿下はにこっと微笑んだ。
「しかし一人で大変かと思ったが、大家さんに良くしてもらっているようだね」
ランス殿下はサイドテーブルに置かれた水や小さなダイニングテーブルの上に置かれた、果物やスープの入った鍋を見て言った。
「はい」
……スープ、あとでちゃんと食べてお礼を言わなきゃ。
そう思う俺にランス殿下は申し訳なさそうな顔をした。
どうしてランス殿下がそんな顔をするんだろう?
「……ランス殿下?」
俺が声をかけるとランス殿下はハッとした顔を見せ、ぐっと拳を握った。
「いや、何でもないよ。病人にあまり無理をさせてもいけないから、俺はそろそろ帰るよ。今日は本当に顔を見に来ただけだから」
「あ、じゃあ、お見送りぐらい」
俺はそう言ってベッドから下りようとしたけれど、ランス殿下はそっと俺の肩を押した。
「病人なんだから、見送りしなくていいよ。ここで十分。……早く治すんだよ、セス」
ランス殿下はにっこりと笑って言った。
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ、またね」
ランス殿下はそれだけを言うと、上着を羽織り、颯爽と部屋を出て行った。どうやら本当にお見舞いに来ただけのようだ。
……それにしてもランス殿下、何か俺に言いたそうだったな。……レオナルド殿下と俺の事かな。
俺はぐっと拳を握り、それからもぞもぞっとまた布団の中に体を潜り込ませた。
……今は寝よう。何を考えても何を想っても悲しくなるだけなんだから。
目頭が熱くなるのを感じながらも、俺は無理やり眠ろうとした。
一方、セスの部屋から出たランスは大きなため息を吐いていた。
「全く、セスがこんなことになっているのに、何をやっているんだ」
それは呆れ返った声だった。
しかし、その後、何が変わるわけでもなく俺は風邪を治して仕事に戻るようになった。
日々は過ぎ、冬はどんどん寒さを連れてきて雪は深く積もった。
……今日もよく雪が降るな。
俺は廊下を歩いている途中、足を止めて窓の外をぼんやりと見つめる。
雪はもう10㎝程の深さに積もっていて、きっと冬が明けるまでレオナルド殿下は帰ってこれないだろう。こんな雪の積もった道を戻ってくるのは危険だ。
でも、それを見越していないレオナルド殿下じゃない。つまり冬の間、あちらで過ごす事前提でイニエスト公国に行ったのだ。
……行ってから二週間かぁ。今頃、ルナ様と仲良くしてるのかなぁ。
ズキリッと胸が痛んで、俺は咄嗟に抑える。
レオナルド殿下がいない事にほっともするけれど、同時に寂しさも覚える。時々、レオナルド殿下がひょっこり現れて『今までの事は全て嘘だよ』と言ってくれるんじゃないかと夢を見る。けど、現実は冬の風と同じように冷たく厳しい。
それはレオナルド殿下が帰ってこないという現実、そして俺に対する風当たりも。
「おや、こんなところに元伴侶様がいらっしゃるとは」
廊下の窓辺に立ち止まる俺にくすくすと悪意のある笑い声と共に声をかけてきたのは、貴族の子息達だった。
俺は当然自分より身分の高い彼らに頭を下げる。そんな俺の前から彼らは立ち退かず、ジロジロと不躾に俺を見下げた。
「こんなところでおサボりですか?」
「いえ、そう言う訳では……」
俺は頭を下げたまま答える。今は薬科室から他部署に書類を渡しに行った帰りだった。
「今はもうご身分がないのですから、気を付けた方がよろしいかと思いますよ?」
まるで今まで俺がレオナルド殿下の伴侶であったことに笠を着ていたような、鼻につく言い方だ。当然俺はカッと怒りを感じる。
俺は今まで一度もそんな事はしなかったし、レオナルド殿下と結婚していても自分は庶民だという感覚を忘れたことなんてなかった。俺はどうやったって王族にはなれないから。
それでも公務があれば仕事も休みも返上で務めたし、できるだけレオナルド殿下の伴侶として恥じないでいようと努めた。それなのに、こんな風に嘲笑されて。
「まあ今までが身分不相応だったのですからね。レオナルド殿下もようやく目が覚めたみたいですし」
クスクスと笑われて、俺はただただ頭を下げたまま拳をぐっと握った。
……なんでこんな事、言われなきゃいけないんだ。
そう憤る気持ちと同時に、最近こんなことばっかりだな、とも冷静な頭で思った。
レオナルド殿下に捨てられた俺の噂はもう城下にまで渡っている。当然貴族間でも。
するとレオナルド殿下の寵愛を一心に受けていた俺に、こうして難癖をつけてくる人がちょくちょく出てきたのだ。
でもそれも仕方ない。
美しい容姿と類まれなる魔力の持ち主、そして知性もあって、誰にでも優しいレオナルド殿下。そんな人を俺は今まで独り占めしていた。
当然レオナルド殿下に好意を寄せていた人達にとってみれば、俺は面白くない存在だったんだろう。特に身分が高い訳でも、魔力に優れているわけでも、容姿が美しい訳でもない俺が、あのレオナルド殿下の相手だったんだから。
それがレオナルド殿下が選んだ相手だとしても。
けれど結婚した後、俺はレオナルド殿下の伴侶として王族に身分が連なり、今までずっとレオナルド殿下が傍にいた。だからこんな嫌味を言える機会もなかったんだろう。
だが、どうだろう?
今や俺はレオナルド殿下と別れて身分は庶民に戻り、ましてやレオナルド殿下は城に、いや国にもいない。
そしてレオナルド殿下はイニエスト公国のお姫様に夢中だと言う噂は、もうすでに広まっている。俺にどうこうしようと、誰も何も言わないと思って、こうして嫌がらせをしてくるのだ。
「まあ、これからは自分の相応にあった生き方をするんですね」
貴族の子息たちは言いたいだけ言って、ケラケラ笑いながら俺の元を去っていった。
俺は唇を噛み締めながら悔しさに涙が出そうになるけどぐっと堪えて、彼らが立ち去るまで頭を下げ続けた。ここで泣いたら、負けたような気がしたから。
けれど頭を下げ続ける俺は、影から俺達のやり取りを見ていた視線に気付かなかった。
その頃、イニエスト公国では。
「レオナルド様、どうされたの?」
窓辺に立って外を眺めるレオナルドにルナは声をかけ、レオナルドはルナに視線を向けた。
「いえ、なんでもありませんよ」
レオナルドが言うとルナはそっと近寄った。
「レオナルド様、冬の間こちらにいて下さって嬉しいわ。……もしも、叶うならずっとこのまま」
ルナが見つめて言うと、レオナルドはふっと笑顔を見せた。
「ええ、貴方が私を必要だと言ってくれるのなら」
レオナルドはそう言うと従者もいる中、人の目も憚らずにルナの頬をそっと優しく撫でた。
窓の外は暗く、こちらも雪が降り積もっていた。
88
お気に入りに追加
4,071
あなたにおすすめの小説
完結|ひそかに片想いしていた公爵がテンセイとやらで突然甘くなった上、私が12回死んでいる隠しきゃらとは初耳ですが?
七角@中華BL発売中
BL
第12回BL大賞奨励賞をいただきました♡第二王子のユーリィは、美しい兄と違って国を統べる使命もなく、兄の婚約者・エドゥアルド公爵に十年間叶わぬ片想いをしている。
その公爵が今日、亡くなった。と思いきや、禁忌の蘇生魔法で悪魔的な美貌を復活させた上、ユーリィを抱き締め、「君は一年以内に死ぬが、私が守る」と囁いてー?
十二個もあるユーリィの「死亡ふらぐ」を壊していく中で、この世界が「びいえるげえむ」の舞台であり、公爵は「テンセイシャ」だと判明していく。
転生者と登場人物ゆえのすれ違い、ゲームで割り振られた役割と人格のギャップ、世界の強制力に知らず翻弄されるうち、ユーリィは知る。自分が最悪の「カクシきゃら」だと。そして公爵の中の"創真"が、ユーリィを救うため十二回死んでまでやり直していることを。
どんでん返しからの甘々ハピエンです。
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

「じゃあ、別れるか」
万年青二三歳
BL
三十路を過ぎて未だ恋愛経験なし。平凡な御器谷の生活はひとまわり年下の優秀な部下、黒瀬によって破壊される。勤務中のキス、気を失うほどの快楽、甘やかされる週末。もう離れられない、と御器谷は自覚するが、一時の怒りで「じゃあ、別れるか」と言ってしまう。自分を甘やかし、望むことしかしない部下は別れを選ぶのだろうか。
期待の若手×中間管理職。年齢は一回り違い。年の差ラブ。
ケンカップル好きへ捧げます。
ムーンライトノベルズより転載(「多分、じゃない」より改題)。
平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます
ふくやまぴーす
BL
旧題:平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます〜利害一致の契約結婚じゃなかったの?〜
名前も見た目もザ・平凡な19歳佐藤翔はある日突然初対面の美形双子御曹司に「自分たちを助けると思って結婚して欲しい」と頼まれる。
愛のない形だけの結婚だと高を括ってOKしたら思ってたのと違う展開に…
「二人は別に俺のこと好きじゃないですよねっ?なんでいきなりこんなこと……!」
美形双子御曹司×健気、お人好し、ちょっぴり貧乏な愛され主人公のラブコメBLです。
🐶2024.2.15 アンダルシュノベルズ様より書籍発売🐶
応援していただいたみなさまのおかげです。
本当にありがとうございました!

それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。
まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。
転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。
ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。
「本当に可愛い。」
「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」
かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。
「お願いだから、僕にもう近づかないで」
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

あなたと過ごした五年間~欠陥オメガと強すぎるアルファが出会ったら~
華抹茶
BL
子供の時の流行り病の高熱でオメガ性を失ったエリオット。だがその時に前世の記憶が蘇り、自分が異性愛者だったことを思い出す。オメガ性を失ったことを喜び、ベータとして生きていくことに。
もうすぐ学園を卒業するという時に、とある公爵家の嫡男の家庭教師を探しているという話を耳にする。その仕事が出来たらいいと面接に行くと、とんでもなく美しいアルファの子供がいた。
だがそのアルファの子供は、質素な別館で一人でひっそりと生活する孤独なアルファだった。その理由がこの子供のアルファ性が強すぎて誰も近寄れないからというのだ。
だがエリオットだけはそのフェロモンの影響を受けなかった。家庭教師の仕事も決まり、アルファの子供と接するうちに心に抱えた傷を知る。
子供はエリオットに心を開き、懐き、甘えてくれるようになった。だが子供が成長するにつれ少しずつ二人の関係に変化が訪れる。
アルファ性が強すぎて愛情を与えられなかった孤独なアルファ×オメガ性を失いベータと偽っていた欠陥オメガ
●オメガバースの話になります。かなり独自の設定を盛り込んでいます。
●最終話まで執筆済み(全47話)。完結保障。毎日更新。
●Rシーンには※つけてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる