俺様騎士は魔法使いがお好き！

続編

最終話 馴れ初めはここまで

　――――すっかり夜も更けた頃。

「コーディー、俺の事、好きだろ？」
「もぉ、好き、だからぁっ」

　首筋をちゅっちゅっと吸い付かれながらドレイクに尋ねられ、僕はヘロヘロになりながら答える。
　フォレッタ亭から帰って早々ドレイクに服を剥かれ、体を弄られ、我慢させられ、何度も『好き』と言わされて、今言ったのも何回目かわからない。

　でも不意にドレイクを見れば、嬉しそうにはにかむから僕の胸がぴょこっと変な動きをする。
　なのにドレイクは僕に覆いかぶさってぎゅっと抱き締めると耳元で囁いた。

「俺も好きだ」

　そんな事を言われたら、僕の胸が余計にぴょこぴょこっと変な動きをしてしまう。

　……いつも意地悪でムカつく事しか言わないのに、こういう時だけズルい。

　僕はドレイクの熱を感じながら胸の奥がぎゅってした。そしてさすがに僕も自分の気持ちの変化に気が付く。

　……これが本当に好きって気持ちなのかも。

　だから僕は素直な気持ちで、想いを伝えようとした。ドレイクに本当の『好き』を届けようと。でもやっぱり、ドレイクはドレイクで……。

「けど、もう少し太った方がいいな。細すぎじゃないか？」

　なんて言うからときめいていた気持ちはすぽーんとどこかに行き、頭にカチンとくる。小柄な事、気にしてるって前に言ったのに！

　……こ、このぉ！

「ドレイクのばかっ！」

　僕は言ってからかぷっとドレイクの肩を齧りついて、ドレイクは「いてっ！」と痛みに叫ぶ。けど、そんなの知らない。

　……もうドレイクに絶対好きって言わないんだからっ！　ドレイクのばーか！！

　僕はぷんっと怒ってもう一度、ドレイクの肩をかぷっと噛む。

「ちょ、おい、もう噛むなっ！」

　ドレイクにそう言われたけど、その日の夜、僕はかぷかぷ、かじかじっと何度もドレイクの肩に噛み痕を付けたのだった。









　――――そうして。
　喧嘩しつつ、仲直りしつつ、なんだかんだとありながら僕とドレイクはその後もアパートの一室で一緒に暮らしていくんだけど。
　僕がドレイクに本当の告白をするのはもうちょっと先の事。


　でも、とりあえず僕とドレイクの馴れ初めのお話はここまで。


　ここから先は…………またいつか。






終わり