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続編
50 フォレッタ亭へと連行 後編
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「一緒に風呂に入ってる時によく見ていたのも、お前の体が綺麗だ、と思っていたし。寝る時にくっついていたのはお前に触りたかったからだ」
「ええっ!?」
「まあ子供過ぎて気が付かなかったが、あれは性欲だったのかもな」
……ちょ、ちょっと、ちょっとぉ!? じゃあちびっこドレイクがお風呂に入っている時によく僕の事を見ていたのも、寝る前にくっついていたのも、人肌恋しくて、じゃなくて僕にお触りしたくて?!
「い、いやいや、そんなわけないでしょ! 五歳だよ!?」
「五歳でも好きなものは触りたいだろ」
「いや、そうかもしんないけどぉ」
そう返事をするけど、あの素直で可愛いドレイクを思い出せば、その事実を受け入れられない。例え本人がそうだと言っても。
……ちびっこドレイクにそんなよこしまな気持ち、なかったと思うけど。でも、何気にさらっと聞き流しちゃったけど、ドレイクって今、僕の体の事を綺麗とか言わなかった?!
さっきの言葉を思い出して僕はちょっと恥ずかしくなる。
……僕の体、別に綺麗なんかじゃないと思うけど。ドレイクみたいに筋肉があるわけじゃないし、女の子みたいに胸があるわけでもないし。
「なんだ?」
じっと見るとドレイクは肩眉を上げて黙っている僕に尋ねた。
「……その、ドレイクはまだ僕の事、だ、だ、抱きたいって思ってるの?」
言葉にするのは恥ずかしくって僕は小声で聞いてみた。するとドレイクはハッキリと答える。
「思ってる。でも以前とは違う」
躊躇いなく言われて僕はますます恥ずかしい。でも『以前とは違う』って言葉が引っかかった。
「以前とは違うって?」
「前はお前を抱いて、気が晴れればそれでいいと思っていた。でも、今はそれだけじゃ物足りない。ずっとお前の傍にいたい」
突然の愛の告白に僕はキュッと息を飲む。それなのにドレイクはテーブルの上に置いていた僕の手に大きな手を重ねた。おかげでドキッとしてしまう。
「そ、傍にいたいって……今も勝手に傍にいるじゃん。というか、僕はドレイクのタイプじゃないでしょ。ドレイクのタイプって前にここで会った女性みたいな人じゃないの」
「ああ、お前は俺のタイプじゃない。でも仕方がないだろ、それでもコーディーがいい」
真面目な顔してドレイクが言うから僕の胸はドキドキしてしまう。
……な、なんなの。急に真面目に言って……勘違いだってわかってるけど、ドキドキしちゃうじゃないか。……でも、もし……もしもこれが本気なら。
チラッと目くばせをすれば、ドレイクはきゅっと僕の手を握り不敵に笑った。
「俺の事、好きになったか?」
「な、なってない!」
僕はドレイクに握られている手から逃れて、ハッキリと否定した。しかしそんな会話をしている内に料理が出来たようで、ターニャさんが大きなトレーを抱えて運んできた。
「お待たせしました。ステーキと特製オムレツとスープ、そしてジントニックとお水です」
「あ、ありがとうございます、ターニャさん」
僕はドレイクとの空気を変えるようにお礼を言った。でもターニャさんは僕の顔を見るなり、少し心配そうな顔を見せた。
「いいえ。でも……コーディー君」
「はい?」
「顔が赤いけど大丈夫?」
「へ!? あ、ああ、今日はちょっと暑いからっ! あははっ」
僕はとっさに誤魔化し、手うちわで頬の赤みを消すように仰いだ。そんな僕を見てドレイクは「暑い、ね?」とからかうように呟く。
……くぅ、誰のせいだと!
僕はじろっとドレイクを睨むが、ドレイク当人はお構いなし。しれっとした顔ですでにフォークとナイフを手に持って料理を食べる気満々だ。
「コーディー君、あんまり暑いなら空調の温度を下げるけど」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
「そう? 本当に暑かったら言ってね。じゃあ、ごゆっくり」
ターニャさんはそれだけ言うと、他のお客さんのところに注文を取りに行ってしまった。そしてそれを見送る僕に。
「早く食べないと冷めるぞ」
ドレイクは一口大に切ったステーキを口に運びながら言い、僕はむっとしながら返事をした。
「食べるよ!」
――――そうして僕はドレイクと食事をし始めた。
けれど、まさかこの後あんな事になるなんて……この時の僕は知る由もなかった。
「ええっ!?」
「まあ子供過ぎて気が付かなかったが、あれは性欲だったのかもな」
……ちょ、ちょっと、ちょっとぉ!? じゃあちびっこドレイクがお風呂に入っている時によく僕の事を見ていたのも、寝る前にくっついていたのも、人肌恋しくて、じゃなくて僕にお触りしたくて?!
「い、いやいや、そんなわけないでしょ! 五歳だよ!?」
「五歳でも好きなものは触りたいだろ」
「いや、そうかもしんないけどぉ」
そう返事をするけど、あの素直で可愛いドレイクを思い出せば、その事実を受け入れられない。例え本人がそうだと言っても。
……ちびっこドレイクにそんなよこしまな気持ち、なかったと思うけど。でも、何気にさらっと聞き流しちゃったけど、ドレイクって今、僕の体の事を綺麗とか言わなかった?!
さっきの言葉を思い出して僕はちょっと恥ずかしくなる。
……僕の体、別に綺麗なんかじゃないと思うけど。ドレイクみたいに筋肉があるわけじゃないし、女の子みたいに胸があるわけでもないし。
「なんだ?」
じっと見るとドレイクは肩眉を上げて黙っている僕に尋ねた。
「……その、ドレイクはまだ僕の事、だ、だ、抱きたいって思ってるの?」
言葉にするのは恥ずかしくって僕は小声で聞いてみた。するとドレイクはハッキリと答える。
「思ってる。でも以前とは違う」
躊躇いなく言われて僕はますます恥ずかしい。でも『以前とは違う』って言葉が引っかかった。
「以前とは違うって?」
「前はお前を抱いて、気が晴れればそれでいいと思っていた。でも、今はそれだけじゃ物足りない。ずっとお前の傍にいたい」
突然の愛の告白に僕はキュッと息を飲む。それなのにドレイクはテーブルの上に置いていた僕の手に大きな手を重ねた。おかげでドキッとしてしまう。
「そ、傍にいたいって……今も勝手に傍にいるじゃん。というか、僕はドレイクのタイプじゃないでしょ。ドレイクのタイプって前にここで会った女性みたいな人じゃないの」
「ああ、お前は俺のタイプじゃない。でも仕方がないだろ、それでもコーディーがいい」
真面目な顔してドレイクが言うから僕の胸はドキドキしてしまう。
……な、なんなの。急に真面目に言って……勘違いだってわかってるけど、ドキドキしちゃうじゃないか。……でも、もし……もしもこれが本気なら。
チラッと目くばせをすれば、ドレイクはきゅっと僕の手を握り不敵に笑った。
「俺の事、好きになったか?」
「な、なってない!」
僕はドレイクに握られている手から逃れて、ハッキリと否定した。しかしそんな会話をしている内に料理が出来たようで、ターニャさんが大きなトレーを抱えて運んできた。
「お待たせしました。ステーキと特製オムレツとスープ、そしてジントニックとお水です」
「あ、ありがとうございます、ターニャさん」
僕はドレイクとの空気を変えるようにお礼を言った。でもターニャさんは僕の顔を見るなり、少し心配そうな顔を見せた。
「いいえ。でも……コーディー君」
「はい?」
「顔が赤いけど大丈夫?」
「へ!? あ、ああ、今日はちょっと暑いからっ! あははっ」
僕はとっさに誤魔化し、手うちわで頬の赤みを消すように仰いだ。そんな僕を見てドレイクは「暑い、ね?」とからかうように呟く。
……くぅ、誰のせいだと!
僕はじろっとドレイクを睨むが、ドレイク当人はお構いなし。しれっとした顔ですでにフォークとナイフを手に持って料理を食べる気満々だ。
「コーディー君、あんまり暑いなら空調の温度を下げるけど」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
「そう? 本当に暑かったら言ってね。じゃあ、ごゆっくり」
ターニャさんはそれだけ言うと、他のお客さんのところに注文を取りに行ってしまった。そしてそれを見送る僕に。
「早く食べないと冷めるぞ」
ドレイクは一口大に切ったステーキを口に運びながら言い、僕はむっとしながら返事をした。
「食べるよ!」
――――そうして僕はドレイクと食事をし始めた。
けれど、まさかこの後あんな事になるなんて……この時の僕は知る由もなかった。
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