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クリスマスには
4 嫉妬深い恋人 ※
しおりを挟む「えッ!? ちょ、ちょっと京助さん!?」
戸惑う俺は京助さんの手を止めようとしたけれど、京助さんは俺に色っぽく囁いた。
「夏生、お前のこれが誰のモノか教えてやる」
その言葉と共にズボンの上から撫ぜられて、俺の息子はすぐに反応してしまう。そしてドギマギとしている間に京助さんは俺のズボンを脱がすとそのままその場にしゃがみこんだ。
「もう元気だな」
京助さんはパンツ越しにもう兆し始めている俺のモノを見て言った。だが、俺が何かを言う前に京助さんは顔を寄せ、パンツの上から俺の性器を唇で、舌で食み始めた。柔らかい唇とパンツ越しに舌で撫ぜられる感触、そしてじわっと京助さんの唾液で濡れていく感覚に俺は思わず「んっ」と声が漏れる。
「きょ、京助さんっ! きたないよっ」
まだシャワーも浴びてないのに! と思って俺は何とか口にしたけれど京助さんはお構いなしだった。
「俺は構わない。それに部屋、取ってたって事はこういう事を望んでたんだろ? あと三年前の思い出も塗り替えないといけないからな」
京助さんは俺のモノをパンツ越しに食みながら言う。そして京助さんの言葉通り過ぎて俺は何も言えない。この流れになることを今日は朝起きた時からずっと期待していたから。
でもビシッとしたスーツ姿の京助さんが俺の前で屈んで、奉仕する姿は刺激的すぎて俺はそれだけで下半身に血が集まってしまう。
気持ちよさと恥ずかしさ、そして妙な優越感に俺の感情はごちゃまぜだ。
「きょう、すけさんっ」
「んー?」
俺が名前を呼べば、京助さんはボクサーパンツを押し上げる俺のモノを熱い舌でなぞりながら適当に返事をした。あまりに淫靡な光景に俺はどうにかなりそうだ。
でも、その間にも京助さんは容赦なく舐め続け、もうボクサーパンツは京助さんの唾液と俺が出した先走りもあってぐじょぐじょに濡れている。
……うぅぅっ、汚いけど、もう早く直に触れて欲しい。こんなふうにパンツの上からじゃなくて、直に……舐めて欲しい。熱い口で咥えて欲しい。
俺は期待に胸を膨らませ、京助さんを見つめる。『口に咥えて』なんて言葉にできないから。でも京助さんは見計らったように俺に尋ねてきた。
「夏生、どうして欲しい?」
欲情を孕んだ瞳に見つめられ、俺は胸がドキリとする。
「ど、どうしてって」
「このままでいいのか?」
試すような問いかけに、俺は息を飲み込み、そして顔を真っ赤にしながらも小さく答えた。もう我慢できなくて。
「京助さん、も、直にして」
俺が堪らず言うと、京助さんは満足げに「良くできました」と言って俺を見上げて、くっと笑った。その格好よさと色っぽい笑みに俺は胸打たれる。
もう胸がドキドキし過ぎて痛いくらいだ。
でもそんな俺を他所に京助さんは躊躇いなく、俺のボクサーパンツを下ろした。そうすれば俺の元気な息子が元気よく出る。
「こんなにして……ははっ、もうカチカチだな」
京助さんは反り返った俺のモノに手を添えて言い、俺は恥ずかしさで顔から火が出そうだ。でもこれも全て。
「京助さんのせいでしょ」
俺がじとっと見つめて言えば、京助さんはふっと笑みを見せた。
「そうだな、責任取らないといけないな? 夏生、シャツの裾持って」
京助さんは手短に言い、俺は素直にシャツの裾を持つ。けど、なんだか京助さんに見せつけているみたいですごく恥ずかしい。
……この格好、恥ずかしいッ。
でもそう思ったのもつかの間だった。なにせ京助さんが口を大きく開け、躊躇なく俺のモノをぱくりと咥えたから。
熱くて、ぬるりとした口腔内に包まれて、俺の体にすぐ快感が走る。
「ンッ……はっ」
気持ちよさに吐息が出る。でも京助さんは咥えるだけじゃ収まらず、舌を動かし、俺のものに這わせたり、咥えたまま俺の先端を舌でつついた。その間も手は動き、口に入りきらなかった部分を片手で擦って、もう一方の手は玉を揉む。
さっきとは比べられないほど気持ちいい。
それなのに京助さんってば、アイスキャンディーでも舐めるように俺のモノをじゅぶじゅぶと音を立てながら舐めるからその姿を見ているだけでイっちゃいそうだ。
「あっ、あっ、ふぅっん」
俺は腰が震え、勝手に揺らめくのを感じながら口に手を当てる。でも、もう抑えられない。
「きょ、すけさんっ、もぅ、イきそうだっからっ、口、はなしてっ」
俺はもう爆発寸前で、そっと京助さんの頭に手を伸ばす。いつもは柔らかい髪がセットしてるワックスのせいか、少し手触りが違う感覚を覚えながら。
でも俺は頼んだのに、京助さんは聞き入れてくれなかった。むしろ、俺の腰をがっしりと掴んで離してくれない。
「京助、さんっ! 離してっ、てば!」
俺はもう一度頼む、そうすれば京助さんは俺をちらりと見た。その目は『このまま口の中に』と言っていた。
そんなの無理! と思うけど、体は快楽に素直で。京助さんに舌で、唇で舐ら、弄られては俺の意志なんて簡単に吹き飛んでしまった。
「あっ、あっ、んんっ!」
びゅうぅっと勢いよく京助さんの口の中に欲望を吐き出す。それを京助さんはじゅうっと吸い込むと、喉仏を上下させて飲み込んでしまった。
射精した気持ちよさと京助さんがそれを飲んでしまった衝撃に俺は頭がクラクラする。そして俺はドアに背を持たれたまま、ずるずるっと床に座り込んだ。
もう立っていられない。
「はぁっはぁっ、きょう、すけさん」
「気持ちよかったか?」
京助さんは余裕の顔で俺の頬を撫でながら聞いた。でも問いかけるその唇が唾液で濡れてるのがいやらしい。
「……もう、ここドアの前なのに」
「でも気持ちよかっただろう?」
ニコニコしながら尋ねられ、俺は観念して答える。
「きもち、よかったよっ!」
「そうか、それは良かった。良い思い出になりそうか?」
……良い思い出っていうか、やらしい思い出になりそうなんだけど。
俺は京助さんの顔を見ながら思う。それにまだ体は物足りない。一方的な奉仕じゃなくて、俺も京助さんに触れたい。
「まだ足りない」
俺が正直に言えば、京助さんは嬉しそうに笑った。
「そうか……じゃあ続きを」
京助さんがそこまで言った時だった。
ドア越しに俺達の部屋の前を通る、人の会話が聞こえてきて俺と京助さんはギクッと肩を揺らした。
そしてなぜだが人が通るのを息を殺して待ち、静かになってから「はぁ」と俺は息を吐く。
「とりあえず、ここから離れようか」
京助さんは先に立ち上がり、俺に手を差し出した。
……京助さんが急に始めたんじゃん。
そう思いながら俺は京助さんの手を取って立ち上がる。でもズボンは足元に絡まって、パンツはずり落ちてる。ちょっと不格好だ。なので濡れているパンツとズボンをいそいそと上げて、一応履いた、でも居心地は悪い。
そしてそんな俺を見て京助さんは「先に風呂だな。一緒に入るか」と言った。でも、『一緒に』と言う言葉に俺はドキッとする。
まだ一緒にお風呂に入った事なんてないから。
……いや、まあもう全部見られてるから今更なんだけど。
でもちょっと恥ずかしさを感じている俺に京助さんは不敵に笑った。
「まだ足りないって事だったからな。夜は長いぞ? 夏生」
やらしい宣戦布告に俺はますます胸が鳴る。なのに京助さんは。
「それに俺は嫉妬深いからな。もう二度と女を抱きたいと思わせない体にする」
「なにそれ……言い方がやらしいよ」
俺はじとっと見て言うけれど、京助さんは楽し気ににこっと笑った。なんだか怖い。
……二度と女を抱きたいと思わせない体って、一体どうするつもり?
俺はわからなくて京助さんを見るけれど、京助さんはまだ欲情の籠った目で俺を見つめる。その目で見つめられるだけで俺は。
……もうとっくに女性だけじゃなくって、誰にも……京助さんにしか触れたくないって思ってるんだけどな。
俺は心の中で呟く。でもそんな俺に京助さんはこう言った。
「夏生、俺は夏生が思ってるよりずっとお前の事が好きだ。それを忘れてくれるな」
京助さんは俺の頬を撫でながら言った。さっきまで欲情に満ちた目だったのに、急に優しい目つきになるから俺の感情が追い付かない。
「……ぅん」
……でも俺の方が絶対京助さんの事、好きだと思う。……気持ちを量れるものがあればそれを証明できるのに。
そう思う。けど量れないからこそ俺達は言葉で確かめ合って、触れ合いたいと思うのだろう。まあ、ホント言うとそれだけじゃなくて性欲もあるけど。
「京助さん、俺も京助さんの事を好きだって忘れないでね」
「ああ、勿論だよ」
京助さんは俺が言うと、くしゃっと嬉しそうに笑った。その笑顔を見るだけで俺の胸は締め付けられる。
けれど、京助さんの瞳はまた欲情の火を灯し始めた。
「とりあえず早く風呂に入ろう。さっき言葉、有言実行しないといけないからな」
フフッと色っぽく笑われて、俺は胸がドキドキと鳴る。
京助さんが言った通り、夜は長いのだ。
「ほら夏生、おいで」
京助さんに誘われ、俺はその手を取った―――――。
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