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ブサイクと小テスト
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ブサ山呼ばわりされるようになってからは、昼休みの昼食も一人で取るようになった。
俺と関わると田島の件のように赤井紗理奈に目をつけられかねないので、残った1組の男子である永井と畑中とは学校ではできる限り接触しないようにしている。
食事も終わって5時間目の準備をしていたその時、
「ねぇねぇ、次の英語って小テストあったっけ?」
突然右隣の席の女子から声をかけられた。
気持ちの悪い顔をしたブサイクが女に話しかけれて気持ちわるい感じで、
「えっ…あっ…な、なんでひゃか?テテテスト?」
などとどもってキモヲタ感を出してしまっては気持ち悪さ倍増である。
俺は必死に冷静を装い、
「あるよ、ステージ1のまとめが」
と考えうる限り最も自然な返答をした。
ここで話しかけられたことに舞い上がり、「え、もしかして勉強してないの?」などと会話を広げようとしてはならない。
自分はブサ山なのだ。
となりの彼女に私用で話しかけられたことは、この一ヶ月程度で一度もない。
そもそもこの女子、名前は忘れたが姓は青海といったか。
顔がかなり整っていてクラスの上から五人に入るレベルの美少女だ。
青海は普通に英語のテストがあるかどうか知りたかっただけであり、俺が隣に座っていたから聞いただけの話なのである。
俺は英語のテスト範囲1ページ目を開いた。
「えー!!まじかっ……なんにもしてないー…篠山くんは勉強したの?」
再び返答が必要な言葉をかけられ驚かされたが、すぐさま理解した。
この子は良い子なのだ。
ブサイクだろうとキモかろうと分け隔てなく会話をし、贔屓なく接することができる近年稀に見る優しい子なのだ。
もしくは自分なりの美学をもって完璧を貫いているからか、はたまたこのやり取りを見聞きした第三者からの好印象をより強固なものにするためか。
とにかくこういうタイプの女子はモテない男を勘違いさせることが多く、本人に悪気がない場合もあるためが悪い。
ブサイクなりに自然な返答をひねり出す。。
「今朝のホームルームの前に少しだけ」
これに続けて「まぁなんとかなるんじゃない?」とか「ドンマイ!頑張るしかない。」みたいな言葉を普通の人ならつけ加えるべきかもしれないが、俺はブ男なのでこれで十分である。
愛想を一切0にして会話を終わらせることが重要なのだ。
ところが青海は「うわー」と言いながら両手を机の前方に伸ばしこっちに視線を向けて続ける。
「もうっその時教えてくれればいいのにっ!一章全部とか無理だよ……」
えぇ……急に馴れ馴れしすぎだろ。
どういうことなんだ一体……。
青海は青色がかった色の肩まで届かない程度の髪を、指でくるくると弄る。
美少女特有の眩しさはもう十分堪能したので勘弁してほしい。
俺はほとんど右側の彼女に顔を向けずに愛想最悪の対応してるにも関わらず、嫌な素振り一つ見せない彼女のメンタルはどうなっているのか。
「そんなこといわれてもな……。」
「じゃあ次テストある時は教えてよね!朝のうちに!」
わけがわからないが、とりあえずわかったと言っておいた。
青海は教科書をパラっと開いたが10秒ほどして、自分の右隣に座る女子と話し始める。
ーー勉強する気はないらしい。
俺と関わると田島の件のように赤井紗理奈に目をつけられかねないので、残った1組の男子である永井と畑中とは学校ではできる限り接触しないようにしている。
食事も終わって5時間目の準備をしていたその時、
「ねぇねぇ、次の英語って小テストあったっけ?」
突然右隣の席の女子から声をかけられた。
気持ちの悪い顔をしたブサイクが女に話しかけれて気持ちわるい感じで、
「えっ…あっ…な、なんでひゃか?テテテスト?」
などとどもってキモヲタ感を出してしまっては気持ち悪さ倍増である。
俺は必死に冷静を装い、
「あるよ、ステージ1のまとめが」
と考えうる限り最も自然な返答をした。
ここで話しかけられたことに舞い上がり、「え、もしかして勉強してないの?」などと会話を広げようとしてはならない。
自分はブサ山なのだ。
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そもそもこの女子、名前は忘れたが姓は青海といったか。
顔がかなり整っていてクラスの上から五人に入るレベルの美少女だ。
青海は普通に英語のテストがあるかどうか知りたかっただけであり、俺が隣に座っていたから聞いただけの話なのである。
俺は英語のテスト範囲1ページ目を開いた。
「えー!!まじかっ……なんにもしてないー…篠山くんは勉強したの?」
再び返答が必要な言葉をかけられ驚かされたが、すぐさま理解した。
この子は良い子なのだ。
ブサイクだろうとキモかろうと分け隔てなく会話をし、贔屓なく接することができる近年稀に見る優しい子なのだ。
もしくは自分なりの美学をもって完璧を貫いているからか、はたまたこのやり取りを見聞きした第三者からの好印象をより強固なものにするためか。
とにかくこういうタイプの女子はモテない男を勘違いさせることが多く、本人に悪気がない場合もあるためが悪い。
ブサイクなりに自然な返答をひねり出す。。
「今朝のホームルームの前に少しだけ」
これに続けて「まぁなんとかなるんじゃない?」とか「ドンマイ!頑張るしかない。」みたいな言葉を普通の人ならつけ加えるべきかもしれないが、俺はブ男なのでこれで十分である。
愛想を一切0にして会話を終わらせることが重要なのだ。
ところが青海は「うわー」と言いながら両手を机の前方に伸ばしこっちに視線を向けて続ける。
「もうっその時教えてくれればいいのにっ!一章全部とか無理だよ……」
えぇ……急に馴れ馴れしすぎだろ。
どういうことなんだ一体……。
青海は青色がかった色の肩まで届かない程度の髪を、指でくるくると弄る。
美少女特有の眩しさはもう十分堪能したので勘弁してほしい。
俺はほとんど右側の彼女に顔を向けずに愛想最悪の対応してるにも関わらず、嫌な素振り一つ見せない彼女のメンタルはどうなっているのか。
「そんなこといわれてもな……。」
「じゃあ次テストある時は教えてよね!朝のうちに!」
わけがわからないが、とりあえずわかったと言っておいた。
青海は教科書をパラっと開いたが10秒ほどして、自分の右隣に座る女子と話し始める。
ーー勉強する気はないらしい。
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