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十四 集合
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十四 集合
金髪の幼女はさらに顔を赤く燃やしていく。
「たわけ! 田舎っぺとは無礼っちゃ! おのれ、初見者への礼儀を知らんとは、義務教育受けとらんとか? 日本の教育制度はいつから愚者の量産フローに落ちたんやさ?」
彼女は発音が流暢にも関わらず、色々な方言が混じった一貫性のない謎の訛りがある。どうしたらそうなってしまうのか気になるところだが、魁地はそれ以前に、言い切った感のある彼女のドヤ顔にとてつもなくイラついた。だが、幼女に対して路地裏のように拳を振り回すわけにもいかず、唇を噛んでそれを耐えるしかない。
「くっ……おい、クソガキ。ぎゃーぎゃー言ってんじゃねぇぞ。大体てめぇこそ年上に敬意を払えっつうんだよ。どっから来たのか知らねぇけどよ。ガキはガキらしくおうちで教育番組でも見てろ!」
金髪の幼女は腕を組んでさらにドヤ顔を決める。
「ふん、何が年上じゃ。無駄な時間を浪費した事実に何の尊厳があるっちゃ? どうせ素養ものうて、将来の生産性も期待できん落ちこぼれ高校生じゃろ。それに、今の教育番組のレベルの高さを知らんと見えるさ」
今度は魁地の顔が赤く燃え上がっていく。
「なんだとぉ……ごちゃごちゃとうるせぇんだよ、ガキのくせして。殴んぞ、ごるぁ~!」
魁地はそう言って拳を握り、天高く振り上げる。
「ふんっ、口では敵わんと見て、こんな可愛い女の子に暴力っちゃぁ、腐れ外道もこうまでくると、むしろ可哀想なもんやな」
魁地は上げた拳の降ろし所が分からず、ただそれを揺さぶって震えている。幼女ごときにいいようにやられている自分への羞恥がいらだちと怒りに混ざり合い、拳から漏れ出しているのが何の感情かも分からなくなっている。
「くっそ……調子にのんな、こんの野郎ぉ!」
「きゃっ、こない無垢な女の子に『野郎』っちゅうて……デリカシーの欠片もない男っちゃな。もちっと品っちゅうもんを身に着けんと女子に嫌われるさ。ま、どうせ見向きもされない独り身の童貞じゃろてな」
魁地の動きが止まる。そして項垂れていたその顔を上げると、完全にイッた彼の目が前髪の隙間から覗いていた。
。
「かんっぜんに、切れたぞ。かんっぜんにな。ごるぁ~!」
ついに魁地が金髪の幼女に襲い掛かった。しかしその時、後ろを通りがかったタクシーが突然幼女の背後で止まった。
彼女が振り返ると、後ろ手に親指を立ち上げてタクシーに合図を送っていたのが分かった。
彼女は魁地を避けてすかさずタクシーに乗り込む。慌てた魁地はうっかり段差に足を引っ掛け、派手にこけた。
「べぇ~!」っと舌を出して彼女は魁地を挑発する。
「て、てんめぇ、このや……じゃねぇ。ま、待ちやがれ、クソガキ!」
「やぁい、野蛮人! ここまで来てみぃ~!」
そして、彼女を乗せたタクシーは魁地を独り置き、走り去って行った。
◆◇◆◇◆◇
――結浜研究所地下 センターベースの管制室――
「……遅かったですね。とっくに二時間を過ぎています」
魁地がセンターベースの管制室に戻ると、霧生がPCに向かったまま背中越しにそう言った。
「い、いやぁ。ちょっと道が混んでてさ……ははっ」
「へぇ、早朝の路地裏がそんなに混んでいたのですね」
霧生が椅子に腰掛けたまま半身を返すと、彼女の奥にあるホログラムモニターに監視カメラの映像らしきものが映っているのが見えた。そこにあるのは、先程まで魁地がいたカメジマの路地裏。そして、地面と仲良くなっている男が数名。
「あっ、汚ねぇ。全部見てたのかよ」
「あれだけ忠告したのに……多綱くんは一人にすると何をしでかすか分かりません。何度も言っていますが、まだリハビリ中なんですよ」
霧生は溜息をついた。魁地はハハハと笑いながら、何気なく視線が彼女の唇に行く。
――あれは妄想のはずなのに、その弾力や奥にある舌の感触まで、容易に思い出すことが出来る。彼は照れ臭くなった。
ふと彼女と視線が交わる。表情の乏しい生気のないその眼。これまでの霧生と変わらないようにも見えるが、彼女はじっと見つめる魁地に何故かたじろぎ、頬を赤くして目線を逸らした。
「な、なんですか? あまり人のことをジロジロ見ないでください……」
「あ、いやいや、何でもない。ちょっと考え事してた」
霧生のらしくない反応に戸惑いつつ、魁地は咄嗟に話題を戻す。
「それにしてもさ。この体、マジすげぇよ。なんだか、前より全然動きが良くなってる気がする。こないだ俺が意識失ってる間に覚醒処理をしたとかなんとか言ってたのは、こういうことなんだな」
「だろ?」
魁地は突然の渋い声に驚いて振り返った。すると、そこには部屋の奥から歩いてくる結浜がいた。
「オペアの人工筋繊維は元々軍事産業分野で開発が進められていた強化ソフトアクチュエーターだ。有機ゲルとカーボンナノチューブの技術を応用することで実現したんだ」
「おお、おっさん! 霧生のおかげでリハビリは順調っす」
「おっさん……相変わらず失礼な男だな。まぁいい、彼女から聞いているよ。なかなか言うことを聞かないそうじゃないか」
う……ごくりっ。
魁地は生唾を飲みながらちらりと霧生を見る。反射率の高い半睨みの目とは裏腹に、してやったりのドヤ顔が重なって見えた気がして、魁地は恐怖を覚える。
「ハ、ハハ。いやいや、リハビリになりそうなことを色々試しているだけで……その、おっさ……ドクターのオペア、すげぇっす」
結浜は高笑いした。
「ふむ。少しは処世術というのが分かってきたようだな。とは言え、今の君はオペアの真の実力の三分の一も出せてはいないがね」
「さ、さんぶんのいち?!」
「そうさ。君は本当のオペアをまだ知らない。君だけでは本当のオペアを動かすことすらできないからだ。だが、一つ方法がある。霧生君がその鍵を握っている。君たちは二人で一つだ」
「霧生と、二人で一つ……どこかで聞いたフレーズだな」
魁地はふと霧生を見た。霧生はしれっと視線を逸らした。……何か変だ。今度は結浜を見る。彼もまた、しれっと視線を逸らす。
魁地は"二人で一つ"というフレーズから、舌の奥に残るリアルな幻想を思い出し、嘘をつけない心拍数がテンポを上げていく。
「ちっ、なんのことかよく分かんねぇや……」魁地は手を振って幻想という名の記憶を振り払おうとする。
「霧生君からも聞いているだろう。そのオペアは戦闘用だとね。次のレッスンは、戦闘モードだ」
「せ、戦闘モード?」
「ああ、オペアの真髄はその戦闘モードにある。ルーナーでフル稼働させることで、本来の機能を発現できるんだ。霧生君から聞いていないかね?」
「フル稼働……ルーナー……どこかで聞いたような……」
「多綱くんが意識を回復した後に説明しましたが、まだ朦朧としているようだったので、記憶が曖昧かと」
「あ、ああ……そっか。そうかもしんねぇ」
霧生と結浜は魁地の頭の足りなさに感謝し、胸を撫で下ろした。
「さて、集合時間までもう少しあるから、その間に少し我々の組織の詳細について説明をしておこう」
「集合時間?」何の集合だか、魁地は何も聞かされていない。
「ああ、じつはチームメンバーに集合をかけてあるんだ。そこで多綱君を紹介しようと思っている。それに、君には会っておかなければならない方がいる」
「ん、方? なんだよ、それ。えらい奴なのか?」
「ああ。神、だよ。一応」
「……神? に、会う?」魁地はぽかんと口を開けている。
「君は授業で習っていないのかい? このアーティファクトを作った神、ザルバンだ」
「いやいやいや、それは知ってっけどよ。ってか、そう言うことじゃなくってさ。神って、そんなノリで会えるもんなの? 軽過ぎない?!」
「君は勘違いしているよ。そもそも、現在のバグズはザルバンと共に活動している。一部の急進派を除いては、基本的に我々と彼らは、アーティファクトの維持を求めているという点で、利害は一致している」
「マジかよ」
ザルバンと聞いて、魁地は緊張を隠せない。何せ、そのキャラを想像して最初に浮かぶのは、長い白髭でつるつる頭、ごつい表情の大きな爺さんが海を割ったり空を割ったり色々割っちゃう感じのやつで、下手したら自分の頭も割られるんじゃないかという恐怖感で膝が笑う。
いやまてよ、ひょっとしたらラノベ的にちょいエロの巨乳おねぇちゃんが露出面積だいなり着衣面積という線も期待できないか、とベクトル調整を試みるが、やはり彼の中ではつるつる爺さんが思考を占有して離れない。
「……正直、俺は気が向かんのですけど。拒否権はあります?」
「まぁ、そう言うな。ちょっと人を食うようなところはあるが、別に我々にとって害のある方ではない。しばらく研究でザルバンの上位次元に帰っていたが、今日はここに戻ることになっているんだ」
ひ、人を食う……今度は異世界系ファンタジーものの召喚獣的なあっちの奴ですかい?!
――いやいや、充分害がありますってば、と魁地はつっこみを入れつつも、不安は尽きない。その理由は仮に神を置いてももう一つある。結浜の言った、『チームメンバー』だ。彼はチームという言葉に嫌気を感じる。
これまでの人生、人との接触を避けてきた彼は特に特定の友人を作ることもなく、ほとんど独りで行動してきた。交流を持っていた最も仲間と言うに近い存在は、概ねネットを介したゲームオタクだけだ。彼らに対しては受けるも裏切るも心の外側にあるもので、お互いが同じ目的を有した『敵』、という共通認識で仮想のコミュニティーを形成していた。
そのため、知らない誰かと一つの目的を有して青春いっぱいの協調活動するなど、彼には考えられない。彼の交友キャパは真理望と霧生でフルスペックだ。
「俺は俺でやっていくから、紹介とか面倒なのはいらねぇよ」
「そう言うわけにはいかない。何せ我々は欠陥者だ。それに伴う特殊な能力はあっても、皆どこかしらに歪を生じているものさ。だから、それを埋めるように、チームとしての纏まりが必要なんだよ」
魁地は舌打ちをして不機嫌さを露にする。
「大丈夫、みんな君に似てるよ。おかげで大変なのは私の方だ」
結浜は両手を広げて首を振り、ふぅ~っ、と溜息をつく。
「ところでおっさん、我々は欠陥者、って言ったよな。ってことは、あんたも能力者なのかよ」
「そういうことだ。私は『ボンダー』、結合操作能力者だ。原子レベルの結合パラメーターをコントロールすることができる。オペアの開発や君の体を再生できたのもその能力に寄与するものだ」
魁地は自分の体を見渡した。元の体とオペアの境は溶接したような継ぎ目があり、確かに普通の処置ではないことが分かる。事故から短時間で回復したことも内心疑問には思っていたが、これで合点がいく。
「そいつは便利なもんだな」
「まぁね。さて、ここからが本題だ。座りたまえ」
結浜は魁地を霧生の横のデスクチェアに座らせた。結浜はまるで予め用意していたかのように、目の前に出力したホログラムモニターに顧客向けプレゼン資料のようなものを映し出していく。
「バグズの拠点は世界に点在しているが、ここ日本のバグズは、表向きには独立行政法人『情報セキュリティーシステム管理機構』という肩書きで活動していて、警視庁の事件データのデータベース管理部門という位置付けにある。一応事務所は都内のビルに一室設けているが、そこはダミーだ。実際はここを拠点としてザルバンと共に国家主導でバグ起因の事件の処理をしていて、国際連合とも横串で繋がっている」
「ふぅ~ん。処理って、具体的に何すんだよ?」
「神隠しなどにみられるセキュリティーホールやアドレス異常エリアの修復、バグ保有者の管理と犯罪活動の抑止、急進派のザルバンによる破壊テロ活動の抑止と予防、ってなところかね」
「ふ~ん。よく言う急進派のザルバンってのは?」
「アーティファクトを破壊しようと言うザルバンのテロ勢力さ。元々、このアーティファクトは彼らが作った人工次元上にあるが、じつは技術的に不完全なまま生み出されたようだ。少し違うかもしれんが、我々が核燃料技術をコントロール仕切れていないのに状況は近い。今でこそクリーンなエネルギー環境を手に入れているが、不要になった核燃料や停止した原子力発電所の後始末には未だ革新的な技術確立に至っていない。実はザルバンも、アーティファクトの不完全性には手を焼いているようだ」
「問題があるなら、止めちまえばいいのにな」
「そうもいかない。この人工次元は、広がり続けている宇宙の裾で想定外の次元リークが存在している。その差分は上位次元となる彼らの実世界に漏れ出し、お互いが影響し合っているんだ。つまり、アーティファクトの悪影響がザルバンの世界にも伝播する。まるで、見ていたテレビからモンスターが這い出てくるようなものだ。かと言って、それを停止すると、その瞬間に生じる反射ノイズが実世界に破壊的な影響を与える可能性が示唆されている。これは設計者も想定していない不具合だった。さらに、急速に進化を遂げた人間がザルバンにとって厄介なバグアビリティーを有するようになり、彼らの存在に気付き始めた」
ホログラムモニターに出力されたアーティファクトの次元モデルがそれを取り囲むザルバンの上位次元と干渉するグラフィクス映像を結浜が操作している。彼が横目で魁地の様子を窺うと、両腕を組んで下を向き、頷きながら何かを考えているようだ。結浜はさらに饒舌に説明を続ける。
「そんな人間の対処に関しては彼らの中でも意見が分かれた。特に昔は破壊論者が多かった。世界各国に残る神話に見られる、天使や悪魔、神と人間との戦いは必ずしも先人の空想ではない。中には史実であるものも含まれている。太古、彼らは天使や悪魔の姿を借りた殺人用プログラムのバスターウェアをアーティファクトに投入し、聖戦と称した戦いを人間と繰り広げていた。後に保守派が勢力を増すことでその戦いは自然終結することになったが、今でも一部の急進派は破壊論者の思想を継承し、不正アクセスによるテロ活動を企てている。それがアングラと呼ばれるグループ……ってこら、寝てるんじゃない!」
両腕を組んだ魁地は頷きながらイビキをかきはじめた。重力に身を任せている魁地はビクついた拍子にぐらりと後ろに仰け反り、天に向かって鼻チョウチンを掲げる。
「ちょっと、多綱くん。起きてください……多綱くん!」
霧生が魁地の肩を揺さぶると、「どわっっと?!」と夢の国から帰還した魁地が海老のように跳ね起きた。
「あの……ちょっと……」
「ああぁ~、怖い夢見たぁ――……っん?!」
魁地が思わず抱き枕ノリで抱きしめたそれが顔を真っ赤にした霧生であることに気付いたそのとき、背後でごついモーター音を響かせながら開いた入り口の自動扉から人影が出て来た。逆光に照らされたそのシルエットは明らかに一人の人物を指し示している。すぐに離れれば良いものを、人間とは真に驚いたとき、逆に拘縮してしまうものだ。二人はまるで肝試しのカップルのようにへばりついて離れられない。
「あ、魁地来てたんだ――って、あんたたち何やってんのよ!!」
シルエットでも分かる巨乳の持ち主。それはやはり真理望だった。
「魁地、てめぇ~!」
猛烈ダッシュで二人の元に駆け寄った真理望の拳が彼の頬を的確に捉える。さすがカオスを制す女。
「ほぶっ!!!」
椅子から弾き飛ばされる魁地と冷ややかな目で三人を見る結浜。彼は完全に流れを阻害され、饒舌が萎えていた。
「……多綱君、聞こえているかな。とにかく、バグ絡みの事件が発生したら政府の特殊機関から我々にバグズネットワークを通じてコンフィデンシャルオーダーが発令される。そのとき、そこのBCOアラームが発動するんだ。覚えておきたまえ」
結浜は徐に部屋の中心にある巨大なワークステーションを指差した。そこには巨大な3Dホログラムモニターが設置されており、画面上部に『BCO』のラベルオブジェクトが浮いている。
「あ……ああぁ、分かったよ、おっさん……。今も鳴らしてほしいもんだぜ」
魁地は床と仲良くしながら、結浜の指先を追った。コントラストの落ちた四角いオブジェクト内にBCOと記載されたテキストが表示されている。おそらく、発動するとそれが光ったり彩度が上がって明滅でもするのだろう。
結浜はその横で腕を組んでモニターを睨みつめ、何かを考えているようだ。いや、むしろ魁地には悩んでいるように見えた。
「おっさん、どうしたんだよ」
「……ん? あ、ああ」結浜は魁地を見ると、思い出したように話す。
「うむ、先日君達を襲った異端審問官の連中やそれ以前の事件もそうなんだが、最近敵の動きが妙に系統立っているというか計画的というか巧妙化しているというか……すべて先手を打たれている。まるで、こちらの動きが相手に読まれているようだ。我々も戦いに備えて周到に準備を整えておかないとな。是非、君達の力を貸してほしい」
「ああ。ただ、その前にこいつをどうにかしてくれ」
魁地は自分の上で馬乗りになっている真理望を指差した。
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