廻り捲りし戀華の暦

日蔭 スミレ

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第弍章 闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる

弍之肆

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  ※※※

 修繕作業開始から三日が経過した。
 外からは一定の拍子で軽快に鳴る金槌の音や龍志と朧の声が聞こえるものだが、社殿内部で作業を進める季音と蘢の間には会話は指示以外に一切無かった。

 そもそも季音から蘢と話す事など一切見当たらなかった。

 全体の埃払いは終わり、今現在季音は神具を拭く他、新たに出た塵を掃いていた。
 不思議な事に神具は何処か見覚えのあるような物ばかりだった。
 しかし、それだけではない。どこに何があるのか、どこに窓があるのか、手に取るように分かるのだ。素直に気味が悪いとさえ思えてしまった。

 だが、きっとただの狐の頃に忍び込んだ事でもあるのだろうとそんな憶測が立つ。だとすれば、社を護る蘢に邪険に睨まれるという事には納得出来てしまう。しかし、本当にそうなのか? と、そんな疑問も沸き立つものだが、やはり季音は蘢に訊く事は出来なかった。
 無駄口を聞けば睨まれるような気がしてならない事もそうだが、龍志に言われた事もあるだろう。季音は黙々と黙って作業を続けていた。
 ……だが、その日の正午過ぎ。蘢の様子が明らかにおかしいと気付いて季音はとうとう沈黙を破った。

 埃を充満させない為に作業中は社の窓を開けているものだが、やはり初夏を間近に迎える頃合いだからこそ社の中が嫌に熱気が籠もっていた。季音は神殿の掃除が一段落つくと、一息ついて蘢の方を見た時である。
 彼が微動だにせず床に手をついてへたりと座り込んでいる事を不審に思った。
 その後ろ姿から細い背が頻繁に上下している事から息が上がっている事が分かる。

 ────どうしたのだろう。

 何があったのか。当然のように心配に思うが、邪険に言われる事を恐れて季音は彼に声をかけるか迷った。
 だが、明らかに様子がおかしい。ジッと彼の後ろ姿を見つめていれば、座っていた彼は崩れるように床の上に転がったのである。

「蘢様!」

 見ているだけなんて出来なかった。怒鳴られようが放っておけやしなかった。季音は祭壇の階段を駆け下りて蘢の方へと向かう。

「どうなさったのですか……蘢様」

 俯せた彼の細い肩を叩く。すると彼は荒い息を吐き出しながら仰向けになった。

「季音殿……?」

 自分の名を呼んだ唇は青ざめていた。顔色も蒼白で血の気は完全に引いている。けれど、彼は玉のような汗をかき、荒い息をぜいぜいと吐き出していた。

 ──まさか。と、ふと過ぎったのはタキの入れ知恵だった。
 獣の妖の身体は獣とほぼ等しい。即ち体温が調整しにくく熱さにはめっぽう弱いと聞いた。妖とは違うが彼も彼で獣の特徴を大きく持つ姿だ。だからきっと同じ事ではないのか……と、そんな推測が過ぎったのである。
 自分の場合は肩口を大きく露出した装いだが、彼の場合は巫覡ふげきの如くかっちりとした装いで肌の露出が極端に無い。

「蘢様、暑いですか?」

「……はい」

 その返答は、ふわふわと宙を彷徨っていた。
 季音は無礼を承知で彼の身体を起こし上げて自分の胸にやんわりと抱く。そこではっきりと伝わったのはとんでもない熱だった。恐らく彼は、普段は石像に宿っている所為でこの姿で居る事が極度に少ないのだろう。きっと慣れていないから起こりうる熱の滞り……それを確信した季音は蘢の方に視線を向ける。

「少し歩けますか? 裏口に涼みに行きましょう。無理なら無礼も承知ですがおぶるか引き摺って連れて行きます。それでも無理なら龍志様と朧様を呼び運びます」

 それをはっきりと伝えると、蘢は赤々と濡れた目を丸く瞠った。

「……っ。歩ける、主殿とあやつを呼ばないでくれ」

 まるで懇願にも等しい程に、弱々しい声だった。
 その言葉を信じて、季音は蘢に肩を貸して立ち上がった。しかし、彼の身体は動かない。季音は仕方なしに自分の首の後ろから彼の手を回すように促した。

「ごめんなさい、おぶります。とりあえず私に身体を委ねてください」

 蘢は無言だった。だが一拍二拍と置いた後、緩やかに体重がかかって、季音は力を踏ん張り蘢の膝裏を探って彼の身を持ち上げた。
 蘢をおぶった季音はゆったりと歩み、神殿裏手にある裏口に出た。出て直ぐの石段に彼を下ろして、季音は少し戸惑った後に彼の纏う装束の帯を解いた。

「恥ずかしいでしょうが襦袢じゅばんだけになりましょう。私達、獣の形の者は熱さに弱くて体温の調整が下手だと聞いた事があります。兎に角、身体を冷やしましょう」

 諭すように言えば、蘢は自分で衿を開き上の装束を脱いだ。襦袢じゅばんは汗で肌に張り付いていた。
 身体は細く華奢ではあるが、雌独特のような丸みはない。たったそれだけで、いくら美麗で華奢だろうが、彼が雄なのだと改めて季音は理解した。しかし、非常時である。羞恥は微塵も感じられず季音は蘢の脱衣を手伝った。
 それで少しは涼しくなったのだろう。彼は穏やかに目を細めた。しかし、それでも汗は止まらず季音はある事を思った。喉がきっと渇いているだろうかと……。

「少しそこで待っていて貰えますか?」

 勝手口に行って水を取ってこようと思った。ただそれだけのつもりだが、彼は季音の袖を摘まんで即座に首を横に振る。

「待て。告げるな……知られたくない」

 やはり、主ともう一体の式の事を蘢は言った。
 彼が気高い事は目に見えて分かっている。たとえ主だろうと不調は知られたくないのだろう。その意を汲み取る事は容易いもので季音は直ぐに頷いた。

「大丈夫です、言いません。蘢様が朧様が苦手な事も、龍志様を深くお慕いしている事も存じています。龍志様達は正面で作業しているので、ここは見つかりませんよ」

 ──水を取ってくるので少し待っててください。そう言って、季音は急いでボロ屋の方へ向かっていった。
 戻って早々、蘢は湯飲み茶碗二杯分の水を直ぐに飲み干した。それから、もう一度水を運んで……彼が三杯目を飲み始めた頃には顔色が戻ってきた事を悟り、季音はただ安堵した。
 未だ水が必要かも知れないだろう。季音は蘢より一段下の石段に腰掛けて彼の様子を時より振り返って確認していた。
 未だ必要かと聞いた方が良いか──と季音が振り返ったと同時だった。

「……世話をかけてすまなかった」

 突然礼を言われた事に驚いて、季音が目を瞠る。
 非常時で当たり前の行動に出ただけだ。それに、気高き彼に、そんな風に礼を言われる事はやはり驚嘆してしまうもので、季音はどう反応すれば良いかも分からなかった。
 だが表情から察するに、本当に申し訳無かったと思っているのだろう。彼の太い眉尻があまりに下がっているものだから、季音はいたたまれなくなり全く別の話を切り出す事を考えた。

「──蘢様は華奢でお美しいとは言え殿方なんですね。やっぱり少し重たかったです」

 いっそ無礼だと怒られる方が良い。そんな事を思って言ったつもりだが、彼は怒りやしなかった。ただ赤い瞳をぱっと大きく開いて彼は少しだけ唇を綻ばせた。
 逆にそんな反応があまりにも意外過ぎて季音の方が驚嘆してしまった。

「……すまなかった」

 それでも口調は弱々しいもので、季音は尚困却した。

「気に病まないでください。当たり前の事をしただけです。蘢様は龍志様の大事な式ですから」

 紛れもない事実を告げるが、彼の顔に益々陰が差す。

「神獣とは言え僕はあの者に比べれば弱い。だから、そんな事は無い。それに、朧殿の方が先に彼の式になった。僕は二番目だ」

 非常に穏やかだがどこか物悲しげな口ぶりだった。二番目……それは初耳だった。そもそも陰陽師の事や式神の事を彼から深々と聞いた事も無いもので、どういった事かと季音は小首を傾げる。すると、顔を上げた彼は再び穏やかに唇を開いた。

「朧殿は単純に僕が苦手な傾向の性格な事もあるが、別に毛嫌いしてる訳じゃない。僕より生きている時間は短いが尊敬に値する強さを持つ。僕の醜い嫉妬だ。ただ、僕は主殿の式に成る時あの鬼に負かされたから……悔しいが龍志様からしたら確実に序列が下だ」

 ──遠い昔から龍志様を知っていて、ずっと待ち続けていたが、今は二番目。ぽつりとそんな言葉を付け足して蘢が再び俯いてしまうものだから、季音は同調してしまい眉根を下げた。
 たちまち感じたのは罪悪感だった。
 踏み込んではいけない事を踏み込んでしまった気がした。落ち込ませるつもりなんて更々無かったのに、こんなに落ち込んでしまうなんて誰が予想するものだろうか。季音は一つ息を吐き出した後に彼の後ろに回る。
 ──やはり叱責される方が幾分もマシだろう。そんな風に思って、季音は蘢のふわふわした長い髪を手櫛で梳かし始めた。

「何をしているのだ……いったい何の真似だ」

 振り向いた彼は眉間に深く皺を寄せてくれた。それだけで妙に安堵してしまい、季音は思わず笑みを溢してしまう。

「蘢様、御髪おぐしを結いましょう。それだけでも首の後ろの熱さも少しは凌げます。明日は龍志様に蘢様の作業着を見繕って貰いましょう。風通りも悪い場所です、暑過ぎて蘢様が倒れたら龍志様が困るでしょう? って」

 それだけ言うと、再び指を動かして季音は蘢の髪を梳かした。
 無論、直ぐに新たな叱責が飛ぶか振りほどかれるかと思った。だが、蘢は再び大人しく前を向いて黙り込んでしまった。
 自分の毛質とはまた違うふわふわとした髪の指通りはどこか気持ちが良く思える反面で、何故かどこか懐かしいと思えてしまった。ただの狐の頃、彼に出会っているのかもしれない。とは分かる。しかし、触れた事もあるのだろうか……と、そんな疑問がふと過ぎってしまった。
 彼の髪を高く一本に纏めて、季音は懐から紐を取り出して彼の髪を留めた。

「どうです、さっぱりしました?」

「……はい」

 返答は非常にそっけなかった。だが、落ち込んでいるよりは幾分もマシだろうとは思えてしまう。季音は蘢の隣に腰掛けて改めて彼の方を向いた。

「龍志様は蘢様の事を大事に思ってますよ。そうでなければ蘢様が守り続ける社の修繕なんて思いつきません。朧様もそれに協力しています。龍志様ってああいう素っ気ない性格なので序列など無いですよ。どちらも大事に思われてると思います。式神でも無い私が言うのもおかしいですが、私にはそう見えますよ」

 季音は思った事をはっきりと告げる。すると、たちまち彼の白い頬が僅か朱色に染まり初めて季音は目を瞠った。

 ……こんな顔もするんだ。と、思ってしまった。異性である事は分かっているが、その面があまりに綺麗だから、何だかまるで麗しき乙女のようにさえ見えてしまう。

「……季音殿は龍志様に、確実に雌として愛されてるとは思いますが」

 見惚れる程の美しい顔で蘢は淡々と告げた。だが、言われた言葉はあまりにも突飛なもので、季音は驚嘆に藤色の瞳を丸く開く。

「あ、あい?」

 思わず声が裏返ってしまった。
 そんな反応が面白かったのだろうか。蘢は噴き出すようにケラケラと笑い始めた。
 それも初めて見る顔だった。冷淡で気難しい……その上毒舌。そんな風に思っていたものだが、この表情は先ほどの照れた顔とは違って、まるで無邪気な少年のようで。季音は恨めしそうに彼を射貫く。

「……あんなすました顔をしていても主って実は結構頭の中は爛れてるので。望まぬ貞操の危機でも感じたら境内まで走って僕に助け求めて良いです。僕が季音殿出来る恩返しはそれくらいでしょうが。まぁ、痴話喧嘩みたいなのは除外で」

「蘢様も冗談を言うのね……」

「さぁ。僕は冗談は言いませんが」

 いつもとは打って変わって全く違う。そんな彼の態度や表情に未だ季音は困惑している最中だった。

「おいおいモフモフ二匹でサボりか」

 聞き慣れた低く平らな青年の声に季音はハッと目を瞠った。そこに姿を現したのは案の定龍志で季音は息を飲む。
 ──働かざる者食うべからず。そんな言葉が染みついてしまっている所為か、仕置きのように尾を掴まれる事を思い浮かべて季音は身を竦めた。

「少し休憩を挟んでるだけです。社殿の中は蒸し風呂なもので。倒れる寸前でしたよ」

 間髪入れずに返答したのは蘢だった。すると蘢は季音の方を向いて『ですよね?』なんて訊くものだから季音は黙って頷いた。

「お前ら随分仲良くなったな?」

「主殿、僕が季音殿を独占する事を今更になって嫉妬してるのですか?」

 呆れたように蘢が言うと、龍志は笑みながらも『馬鹿言え』なんて悪態を垂れた。


 ──社殿の修繕が終わったのは、それから三日後の事だった。 
 修繕程度なのだから見違える程では無い。だが、鳥居もしっかりと朱に塗り直された事もあって僅かに社らしさが戻ってきたように映った。
 神の居ない社を彼は今日も一人で護る。だが、一匹で佇むいぬの表情は以前よりも明るくなったと季音は思った。その翌日から雨は降り初め夏を呼ぶ長い梅雨が始まった。
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