ネクロマン・サイカ

アフ郎

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アジ助編

死にかけのアジ助

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宿屋を取って、私は眠りについた。
もちろんアジ助も一緒だ。

「アジ」

今日もアジと言っている。
感情は・・・読み取れなかった。

「おやすみアジ助」

私は深い眠りについた。




・・・次の日の朝。
よく眠っていたようだ。
すっかり窓の外は明るかった。
自分のステータスを確認する。

ステラ Lv9
攻撃力13 防御力13
素早さ10 運1

武器 ぷるぷるソード

スキル 
ファイアー

攻撃力、防御力ともに13で、素早さが10。運は何故か1上がっていた。
続いてペットのアジ助のステータスを見た。

アジ助
ステータス「瀕死」

「アジ助!?」

滅多に出さない大声をあげて私はアジ助を入れている甲羅のもとに急いだ。
アジ助は甲羅の中でぐったりとしていた。体はまったく動いておらず口だけがパクパクと開閉していた。
私はアジ助を入れた甲羅を抱え、宿屋を飛び出した。

まず雑貨屋に行った。
アジに効くポーションはないと言われた。

回復を使える人を探して図書館に行った。
アジに効く回復魔法は無いと言われた。

鑑定屋、服屋、酒場にも行けるところは全部行った。
街を行き交う人にもたくさん声をかけたが誰もアジ助を救えなかった。
アジ助の目が、閉じてきていた。

「あ・・・アジ助・・・」

私は地味カメの甲羅を地面に置いてアジ助を覗き込んだ。
アジ助は甲羅の底に沈んでピクリとも動かない。

「ご、ごめん・・・アジ助ごめん・・・」

私はアジ助の死にゆく姿をただ、見ていることしかできなかった。
私は道の真ん中で、泣きじゃくってしまった。

???
「どうしたんじゃお嬢さん」

誰かが話しかけてきたけれど、きっとこの人もアジ助を救えないんだろう。
私はそう思って涙が止まらずにいた。

「これは・・・美味しいアジじゃな。どうしてそんなに泣いておる?何かあったのか?」

声の主は釣り竿を後ろにまわしていたお爺さんだった。

「美味しいアジを育てているのか?」

お爺さんはもさもさと生えたひげをあたりながら

「水があってないのう」

と話した。

「・・・え?」

「美味しいアジはふつうオールド海に住んでおる。今甲羅に入っているのは淡水なんじゃろうて。これを使いなさい」

お爺さんは何もない場所から丸い金魚鉢を取り出した。
私はアジ助を金魚鉢に移しいれた。
アジ助は横を向いて動かないままだったが、数分後。

「・・・ァジ」

アジ助の声が戻った。
お爺さんのおかげでアジ助は助かったのだ。
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