45 / 106
伝説のガクラン
6
しおりを挟む
助三郎と格乃進が、店の壁に穿たれた大穴から飛び出すと、世之介も追いかけ、跳躍する。
穴は、店の二階部分に空けられた。二人の賽博格は空中に飛び出すと、回転して足先から着地する。
世之介は壁を蹴って加速し、前転して【集会所】前の駐車場に降り立った。
賽博格たちは目配せしあった。
格乃進がずい、と前に出ると、世之介の動きを止めるために両腕を横に広げた。
つつ──、と助三郎が世之介の背後に回りこむ。無論、二人とも通常の人間の数倍から、数百倍もの速度で動き回る、加速状態にあった。
普通の相手なら、充分に対応できる。が、世之介は助三郎の動きを目で追い、格乃進にも気を配って身構えている。
格乃進の眉が顰められた。
──どういうことだ? 世之介さんが俺たちと同じ賽博格であるはずがない! なのに、俺の動きを見切っているぞ。
──あの真っ赤な学生服が、鍵を握っているに違いない! 世之介さんの身体の熱分布を見ると、以前と違った模様が現れている。
格乃進の口調に、決意がこもった。
──ひと当て、してみよう……。危険ではあるが、しかたない!
格乃進の言葉に、世之介は身構えた。明らかに自分たちの高速言語が世之介によって聞き取られていることを知り、格乃進の顔に真剣な表情が浮かんでいた。
軽く跳躍した格乃進は、空中で素早く前蹴りを繰り出し、世之介に殺到した。
世之介は僅かに仰け反り、格乃進の第一撃をすれすれで躱す。
しかし、格乃進のほうが加速状態での戦いには熟練している。空中で浮かび上がったまま、格乃進は前蹴りによって慣性がついた身体をくるりと回転させた。
頭を下にした逆さまの態勢で拳を突き出し、世之介の胸に叩き込む。
普通なら世之介の全身の骨という骨は一本残らずへし折れ、内臓破裂の衝撃で即死しているはずであった。
格乃進の突きを受け止めた世之介は、手足を大きく広げた態勢で後方に吹き飛んだ。地面に横転して、ごろごろと転がっていく。
格乃進は案じ顔をしている。自分の攻撃が、強すぎたかと懸念しているのだろう。
世之介は身体の回転が止まると、むくりと起き上がった。素早く体勢を整え、身構える。
歓喜に、世之介は吠えるように笑い声を上げる。格乃進の攻撃など、微塵も感じない!
格乃進は、あんぐりと口を開け、叫んだ。
──信じられぬ! あれほどの衝撃を受け止め、しかも平気の平左とは!
助三郎が声を掛ける。
──先ほどの攻撃を解析したところだ。驚くべきことに、あの学生服の生地は、お前の攻撃が当たった瞬間、硬化したぞ! おそらく、世之介さんのあの爆発的な力は、学生服が筋力を倍化させているに違いない。まさしく硬化装甲戦闘服と呼ぶべきだ。
格乃進は唇を噛みしめた。
──うーむ、どれほど打撃を加えれば良いのだ? 俺たちの力を全力で攻撃するわけにはいかぬであろうが……。
助三郎は頭を振った。
──格乃進! 躊躇っている場合ではないぞ! どう考えても、世之介さんの今の状態は普通じゃない。戦いが長引けば、世之介さんの身体にどんな悪い影響が出るか、さっぱり判らん。早めに決着をつけるべきだ!
世之介の胸に、賽博格たちに対する軽蔑の念が湧き上がる。
奴ら、戦士としての適性は欠片も持ち合わせていない! 戦いに必要なのは、躊躇いのない決意だというのに、奴らときたら、相手を傷つけてしまうかもしれない思いに、充分に戦うことすらできないのだ。
だが、自分は違う。
世之介は猛然と賽博格に向けて駆け出す。
が、つるりと地面で滑ってしまう。
なぜだ? 何が自分の身に起きた?
世之介はガクランによって加速状態にある。普段とは違う、猛速度で動くことが可能な状態である。
が、その加速状態は通常とは違い、摩擦係数がひどく少なくなっている。摩擦に必要な時間を経過させないためだ。充分、地面を把握しないと、まるで氷の上に立っているかのように、ツルツル滑ってしまうのだ。
助三郎と格乃進は、地面に身体を投げ出すようにすれすれに傾け、爪先を蹴り出して空中に飛び出す。これが加速状態での、最も効果的な動き方である。
助三郎と格乃進は、動けなくなっている世之介の周囲を、素早く旋回し始めた。
世之介は油断なく身構え、二人の変化を見守っている。
二人の賽博格は世之介を中心として、円を描くように動いている。その速度が徐々に速まっていく。円を描く半径が縮まっていく。
──行くぞ、格乃進!
──おう!
二人が素早く高速言語で叫び合い、急速に世之介に接近してくる。
ガクランで加速状態にあるとはいえ、世之介は生身の人間である。賽博格である助三郎と格乃進の加速状態との速度の差は、如何ともしがたい。
助三郎と格乃進は必殺の気合を込め、世之介の急所を攻撃し始めた。
世之介は二人の攻撃を、的確な動作で受け止める。一撃されれば、骨が折れ、筋肉が弾け飛ぶような打撃も、ガクランによって防護される。
それでも、完全に防護されるわけではない。助三郎と格乃進の狙いは、単純な打撃だけにあるのではなかった。狙いは世之介が生身の人間である、という前提にある。
世之介は、不意に自分が危地に陥っていることを悟った。すでに自分は、賽博格たちの罠に陥っているのだ!
怒りに駆られ、世之介は賽博格らの囲みを脱出するため、遮二無二、突進を懸ける。
しかし、遅かった!
ぱくぱくと世之介は呼吸困難に口を開き、酸素を取り込もうと大きく呼吸する。
空気が足りない!
二人の賽博格が高速で動いたため、気流が突然の竜巻を作り出していたのである。竜巻の中心は気圧が下がり、酸素が少なくなっている。世之介はその中心にいたのだ。
世之介はがくり、と膝を地面についた。
ゆっくりと上体が倒れ掛かる。
気が遠くなり、世之介の加速状態が無くなり、通常の感覚が戻ってくる。
遠くで、爆発音に似た破壊の音が聞こえてくる。やっと格乃進がぶち壊した量販店の壁の破壊音が到達したのだ。
世之介は目を閉じた。
穴は、店の二階部分に空けられた。二人の賽博格は空中に飛び出すと、回転して足先から着地する。
世之介は壁を蹴って加速し、前転して【集会所】前の駐車場に降り立った。
賽博格たちは目配せしあった。
格乃進がずい、と前に出ると、世之介の動きを止めるために両腕を横に広げた。
つつ──、と助三郎が世之介の背後に回りこむ。無論、二人とも通常の人間の数倍から、数百倍もの速度で動き回る、加速状態にあった。
普通の相手なら、充分に対応できる。が、世之介は助三郎の動きを目で追い、格乃進にも気を配って身構えている。
格乃進の眉が顰められた。
──どういうことだ? 世之介さんが俺たちと同じ賽博格であるはずがない! なのに、俺の動きを見切っているぞ。
──あの真っ赤な学生服が、鍵を握っているに違いない! 世之介さんの身体の熱分布を見ると、以前と違った模様が現れている。
格乃進の口調に、決意がこもった。
──ひと当て、してみよう……。危険ではあるが、しかたない!
格乃進の言葉に、世之介は身構えた。明らかに自分たちの高速言語が世之介によって聞き取られていることを知り、格乃進の顔に真剣な表情が浮かんでいた。
軽く跳躍した格乃進は、空中で素早く前蹴りを繰り出し、世之介に殺到した。
世之介は僅かに仰け反り、格乃進の第一撃をすれすれで躱す。
しかし、格乃進のほうが加速状態での戦いには熟練している。空中で浮かび上がったまま、格乃進は前蹴りによって慣性がついた身体をくるりと回転させた。
頭を下にした逆さまの態勢で拳を突き出し、世之介の胸に叩き込む。
普通なら世之介の全身の骨という骨は一本残らずへし折れ、内臓破裂の衝撃で即死しているはずであった。
格乃進の突きを受け止めた世之介は、手足を大きく広げた態勢で後方に吹き飛んだ。地面に横転して、ごろごろと転がっていく。
格乃進は案じ顔をしている。自分の攻撃が、強すぎたかと懸念しているのだろう。
世之介は身体の回転が止まると、むくりと起き上がった。素早く体勢を整え、身構える。
歓喜に、世之介は吠えるように笑い声を上げる。格乃進の攻撃など、微塵も感じない!
格乃進は、あんぐりと口を開け、叫んだ。
──信じられぬ! あれほどの衝撃を受け止め、しかも平気の平左とは!
助三郎が声を掛ける。
──先ほどの攻撃を解析したところだ。驚くべきことに、あの学生服の生地は、お前の攻撃が当たった瞬間、硬化したぞ! おそらく、世之介さんのあの爆発的な力は、学生服が筋力を倍化させているに違いない。まさしく硬化装甲戦闘服と呼ぶべきだ。
格乃進は唇を噛みしめた。
──うーむ、どれほど打撃を加えれば良いのだ? 俺たちの力を全力で攻撃するわけにはいかぬであろうが……。
助三郎は頭を振った。
──格乃進! 躊躇っている場合ではないぞ! どう考えても、世之介さんの今の状態は普通じゃない。戦いが長引けば、世之介さんの身体にどんな悪い影響が出るか、さっぱり判らん。早めに決着をつけるべきだ!
世之介の胸に、賽博格たちに対する軽蔑の念が湧き上がる。
奴ら、戦士としての適性は欠片も持ち合わせていない! 戦いに必要なのは、躊躇いのない決意だというのに、奴らときたら、相手を傷つけてしまうかもしれない思いに、充分に戦うことすらできないのだ。
だが、自分は違う。
世之介は猛然と賽博格に向けて駆け出す。
が、つるりと地面で滑ってしまう。
なぜだ? 何が自分の身に起きた?
世之介はガクランによって加速状態にある。普段とは違う、猛速度で動くことが可能な状態である。
が、その加速状態は通常とは違い、摩擦係数がひどく少なくなっている。摩擦に必要な時間を経過させないためだ。充分、地面を把握しないと、まるで氷の上に立っているかのように、ツルツル滑ってしまうのだ。
助三郎と格乃進は、地面に身体を投げ出すようにすれすれに傾け、爪先を蹴り出して空中に飛び出す。これが加速状態での、最も効果的な動き方である。
助三郎と格乃進は、動けなくなっている世之介の周囲を、素早く旋回し始めた。
世之介は油断なく身構え、二人の変化を見守っている。
二人の賽博格は世之介を中心として、円を描くように動いている。その速度が徐々に速まっていく。円を描く半径が縮まっていく。
──行くぞ、格乃進!
──おう!
二人が素早く高速言語で叫び合い、急速に世之介に接近してくる。
ガクランで加速状態にあるとはいえ、世之介は生身の人間である。賽博格である助三郎と格乃進の加速状態との速度の差は、如何ともしがたい。
助三郎と格乃進は必殺の気合を込め、世之介の急所を攻撃し始めた。
世之介は二人の攻撃を、的確な動作で受け止める。一撃されれば、骨が折れ、筋肉が弾け飛ぶような打撃も、ガクランによって防護される。
それでも、完全に防護されるわけではない。助三郎と格乃進の狙いは、単純な打撃だけにあるのではなかった。狙いは世之介が生身の人間である、という前提にある。
世之介は、不意に自分が危地に陥っていることを悟った。すでに自分は、賽博格たちの罠に陥っているのだ!
怒りに駆られ、世之介は賽博格らの囲みを脱出するため、遮二無二、突進を懸ける。
しかし、遅かった!
ぱくぱくと世之介は呼吸困難に口を開き、酸素を取り込もうと大きく呼吸する。
空気が足りない!
二人の賽博格が高速で動いたため、気流が突然の竜巻を作り出していたのである。竜巻の中心は気圧が下がり、酸素が少なくなっている。世之介はその中心にいたのだ。
世之介はがくり、と膝を地面についた。
ゆっくりと上体が倒れ掛かる。
気が遠くなり、世之介の加速状態が無くなり、通常の感覚が戻ってくる。
遠くで、爆発音に似た破壊の音が聞こえてくる。やっと格乃進がぶち壊した量販店の壁の破壊音が到達したのだ。
世之介は目を閉じた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
3024年宇宙のスズキ
神谷モロ
SF
俺の名はイチロー・スズキ。
もちろんベースボールとは無関係な一般人だ。
21世紀に生きていた普通の日本人。
ひょんな事故から冷凍睡眠されていたが1000年後の未来に蘇った現代の浦島太郎である。
今は福祉事業団体フリーボートの社員で、福祉船アマテラスの船長だ。
※この作品はカクヨムでも掲載しています。
夢魔界転生
いち こ
SF
世界中で核戦争が起きた2030年。日本も一面の焼け野原になり、残留放射能が人々を苦しめた。
人々は希望を失い、生きる術を失っていた。そんな時、AIと人間の脳電流をドッキングさせて、幸せな夢を見ることだけが、人類の唯一の生きる希望となっていた。戦争で生き残った者たちの頭にかぶされたヘルメットから、全ての人の脳電流がAIに集約されて、全ての人間が同じ夢を見るようになっていた。主人公の幸一は、自分の高校時代の剣道部の夢をAIに吸い取られながら、今日も強敵と対戦していくのである。

十年前の片思い。時を越えて、再び。
赤木さなぎ
SF
キミは二六歳のしがない小説書きだ。
いつか自分の書いた小説が日の目を浴びる事を夢見て、日々をアルバイトで食い繋ぎ、休日や空き時間は頭の中に広がる混沌とした世界を文字に起こし、紡いでいく事に没頭していた。
キミには淡く苦い失恋の思い出がある。
十年前、キミがまだ高校一年生だった頃。一目惚れした相手は、通い詰めていた図書室で出会った、三年の“高橋先輩”だ。
しかし、当時のキミは大したアプローチを掛けることも出来ず、関係の進展も無く、それは片思いの苦い記憶として残っている。
そして、キミはその片思いを十年経った今でも引きずっていた。
ある日の事だ。
いつもと同じ様にバイトを上がり、安アパートの自室へと帰ると、部屋の灯りが点いたままだった。
家を出る際に消灯し忘れたのだろうと思いつつも扉を開けると、そこには居るはずの無い、学生服に身を包む女の姿。
キミは、その女を知っている。
「ホームズ君、久しぶりね」
その声音は、記憶の中の高橋先輩と同じ物だった。
顔も、声も、その姿は十年前の高橋先輩と相違ない。しかし、その女の浮かべる表情だけは、どれもキミの知らない物だった。
――キミは夢を捨てて、名声を捨てて、富を捨てて、その輝かしい未来を捨てて、それでも、わたしを選んでくれるかしら?
化け物バックパッカー
オロボ46
SF
自分ノ触覚デ見サセテヨ、コノ世界ノ価値。写真ヤ言葉ダケデナク、コノ触覚デ。
黒いローブで身を隠す少女は、老人にそう頼む。
眼球代わりの、触覚を揺らしながら。
変異体。
それは、“突然変異症”によって、人間からかけ離れた姿となった元人間である。
変異体は、人間から姿を隠さなければならない。
それが出来なければ、待つのは施設への隔離、もしくは駆除だ。
変異体である少女に、人間の老人はこう答える。
お嬢さんはこの世界の価値を見させくれるのか?
ここは、地球とそっくりに創造された星。
地球と似た建物、地形、自然、人々が存在する星。
人間に見つからないように暮らす“変異体”が存在する星。
世界に対して独自の考えを持つ、人間と変異体が存在する星。
バックパックを背負う人間の老人と、変異体の少女が旅をする星。
「小説家になろう」「カクヨム」「マグネット」と重複投稿している短編集です。各話の繋がりはあるものの、どこから読んでも問題ありません。
次回は9月19日(月)を予定しています。
(以前は11日の公開予定でしたが、事情で遅れての公開になってしまいました……)
★←このマークが付いている作品は、人を選ぶ表現(グロ)などがある作品です。
大絶滅 2億年後 -原付でエルフの村にやって来た勇者たち-
半道海豚
SF
200万年後の姉妹編です。2億年後への移住は、誰もが思いもよらない結果になってしまいました。推定2億人の移住者は、1年2カ月の間に2億年後へと旅立ちました。移住者2億人は11万6666年という長い期間にばらまかれてしまいます。結果、移住者個々が独自に生き残りを目指さなくてはならなくなります。本稿は、移住最終期に2億年後へと旅だった5人の少年少女の奮闘を描きます。彼らはなんと、2億年後の移動手段に原付を選びます。
キリストにAI開発してもらったら、月が地球に落ちてきた!?
月城 友麻
SF
キリストを見つけたので一緒にAIベンチャーを起業したら、クーデターに巻き込まれるわ、月が地球に落ちて来るわで人類滅亡の大ピンチ!?
現代に蘇ったキリストの放つ驚愕の力と、それに立ちふさがる愛くるしい赤ちゃん。
さらに、自衛隊を蹴散らす天空の城ラピ〇タの襲撃から地球を救うべく可愛い女子大生と江ノ島の洞窟に決死のダイブ!
楽しそうに次元を切り裂く赤ちゃんとの決戦の時は近い! 愛は地球を救えるか?
◇
AIの未来を科学的に追っていたら『人類の秘密』にたどり着いてしまった。なんと現実世界は異世界よりエキサイティングだった!?
東大工学博士の監修により科学的合理性を徹底的に追求し、人間を超えるAIを開発する手法と、それにより判明するであろう事実を精査する事でキリストの謎、人類の謎、愛の謎を解き明かした超問題作!
この物語はもはや娯楽ではない、予言の書なのだ。読み終わった時、現実世界を見る目は変わってしまうだろう。あなたの人生も大きく変貌を遂げる!?
Don't miss it! (お見逃しなく!)
あなたは衝撃のラストで本当の地球を知る。
※他サイトにも掲載中です
https://ncode.syosetu.com/n3979fw/

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】

PK−Users. ーサイコキネシス−ユーザーズー
びおら
SF
多くの人々にとっては、ごく普通の日常が送られているとある街『須照市』。しかしそこでは人知れず超能力を駆使する『ユーザー』と呼ばれる超能力者たちが存在していた。
ある者はその力を正しく使い、またある者は悪用し、そしてまたある者は、自分に超能力がある事を知らずにごく普通の日常を過ごしていた…。
そんな、ごく普通の日常を生きていた一人の大学生、工藤良助の日常は、あまりに唐突に、そして必然的に、なおかつ運命的に崩れ去っていった…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる