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第七章
闖入
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「ええ~っ! 信じられない! 集談館の幹部会って、つまり社長とか部長クラスが決めたってこと?」
集談館は週刊誌、月刊誌、単行本、文庫本を手広く出版している総合出版社だ。少年マックスは集談館のごく一部の編集部に過ぎない。
美登里の理解によれば、編集長を飛び越え、経営陣が直接企画を持ち込んだことになる。
あり得ない話だ。
神山は暗い顔になって美登里に話し掛けた。
「そうなんです。ですから編集長も断れない状況で、もし崎本先生がリームの描きおろしをどうしても断ることになれば、編集長は職を去らなければなりません。もちろん、僕も……」
美登里の表情を見て、神山は慌てて言い添えた。
「良いんです! 編集長は先生が断ることも考え、覚悟を決めています。そうなったら僕も編集長についていきますから」
美登里はゆっくりと頭を振って呟いた。
「そんなこと言わないでよ……。寝覚めが悪いじゃないの」
神山の顔に小さな希望が燃え上がった。
「先生、それでは?」
美登里がどう答えようかと逡巡していると、出し抜けに背後のドアが開きアイリスが姿を現した。
「美登里先生! その話、受けるべきや! リームの話、描いてや!」
突然のアイリスの闖入に、美登里と神谷はあっけにとられていた。
いや、美登里はアイリスの態度に戸惑っていた。
今までアイリスは美登里のマンガの英訳に全面的に協力し、美登里の作品は英語圏に大きく広がることに貢献していた。
しかしアイリスは一度たりとも、美登里のマンガについて「ああだこうだ」と意見を述べたことはない。完全に、翻訳者としての立場に徹底していた。
今のアイリスは全身に決意を漲らせ、何としても美登里の意思を翻すことに熱意をこめていた。
美登里は大きく息を吸い込み、神山を睨んだ。
「判ったわよ。やるかやらないか、今ここで決めるわけにはいかないけど、一つ条件があるわ」
神山は上目がちになって、美登里に尋ねた。
「なんでしょう?」
「作者の紅蓮に会わせなさい。やる、やらないを決める前に、作者と直談判するのは当たり前のことでしょう?」
神山は絶句した。
集談館は週刊誌、月刊誌、単行本、文庫本を手広く出版している総合出版社だ。少年マックスは集談館のごく一部の編集部に過ぎない。
美登里の理解によれば、編集長を飛び越え、経営陣が直接企画を持ち込んだことになる。
あり得ない話だ。
神山は暗い顔になって美登里に話し掛けた。
「そうなんです。ですから編集長も断れない状況で、もし崎本先生がリームの描きおろしをどうしても断ることになれば、編集長は職を去らなければなりません。もちろん、僕も……」
美登里の表情を見て、神山は慌てて言い添えた。
「良いんです! 編集長は先生が断ることも考え、覚悟を決めています。そうなったら僕も編集長についていきますから」
美登里はゆっくりと頭を振って呟いた。
「そんなこと言わないでよ……。寝覚めが悪いじゃないの」
神山の顔に小さな希望が燃え上がった。
「先生、それでは?」
美登里がどう答えようかと逡巡していると、出し抜けに背後のドアが開きアイリスが姿を現した。
「美登里先生! その話、受けるべきや! リームの話、描いてや!」
突然のアイリスの闖入に、美登里と神谷はあっけにとられていた。
いや、美登里はアイリスの態度に戸惑っていた。
今までアイリスは美登里のマンガの英訳に全面的に協力し、美登里の作品は英語圏に大きく広がることに貢献していた。
しかしアイリスは一度たりとも、美登里のマンガについて「ああだこうだ」と意見を述べたことはない。完全に、翻訳者としての立場に徹底していた。
今のアイリスは全身に決意を漲らせ、何としても美登里の意思を翻すことに熱意をこめていた。
美登里は大きく息を吸い込み、神山を睨んだ。
「判ったわよ。やるかやらないか、今ここで決めるわけにはいかないけど、一つ条件があるわ」
神山は上目がちになって、美登里に尋ねた。
「なんでしょう?」
「作者の紅蓮に会わせなさい。やる、やらないを決める前に、作者と直談判するのは当たり前のことでしょう?」
神山は絶句した。
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