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第一章~初仕事は大仕事?~
第六話
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「何があったの?」
なっさんがデバイスに叫んでいた。
「歪みを刺激したのか、さらに歪んでいく、今はまだある程度動けるが、かなりきつい。かんちゃんはほぼ動けていない。」
「そんなことあるんすか。」
「初めてにトラブルはつきものなのよ。」
「そんなのんきなこと言ってる場合じゃないっすよ」
「何のために二手に分かれたと思ってんのよ。」
「何のためっすか。」
「片方にトラブルが起きた時に対応するために決まってるでしょ。」
「なるほど。」
「わかったらさっさと行くわよ。」
「はいっ!」
私となっさんは二人のいる方へと向かった。
「あら、歪みにらガッツリ飲み込まれたのね。」
「そんな事言ってねぇでさっさと助けろってかんちゃんが。」
「俺はそんな事言ってねぇぞ。」
「まだ元気はあるようね。」
「そうみたいっすね。」
「おい相生、そこにカバンがあるだろ。」
「あるっすね。」
「そっからロープを出してくれ。それと、夏は歪みを緩めてくれ。」
「わかったわ。」
「これっすか?」
「ああ、それだ。こっちに貸してくれ。」
「はいよっす。」
「ありがとな。かんちゃんこれにつかまれ!」
「今頑張ってんだよ。」
「相生、さっきのカバンから緑の機械出してくれねぇか。」
「これっすね。」
「それをロープの端につけてくれ。」
「こうっすか。」
「つかんだぞ!」
「相生、スイッチを入れろ!」
「どこっすか?」
「赤いボタンだ!」
すると、大きなモーター音とともにロープがすごい勢いで引っ張られていく。
「すごい。」
2人はロープに引っ張られるようにこちらへ飛び出してきた。
「葵、よくやった。」
「相生、俺からも褒めてやる。」
「これ、力いらないんすね。」
「あったりまえだ、なんせ俺の傑作だからな。」
「すぐるんはすげぇよな。」
「ほんと、変人であることを除けばすごいっすね。」
「一言余計だ。とりあえず、活動再開だ!」
「私について触れないつもり?」
「夏もよくやった。」
「明石、サ、サンキュ。」
「礼くらい目を見て言いなさいよ。」
「あとで、なんか奢るわ。」
「かんちゃん、顔真っ赤だぞー。」
「う、うるさい。仕事だ仕事!ほら、行けよ!」
「なっさんじゃなかったらすぐバレますよ。」
「夏はそういうところだけはダメだからなぁ。」
「だから、早くいけよ!」
「俺はお前と同じ持ち場だが?」
「喋ってないで手を動かせよ!」
「すまんな、喋りながら手を動かしているんだが。」
「なっさんもなんか言った方がいいっすよ。」
「高い店、奢ってね。」
「そうじゃないっすよ。」
「わかったから、お前ら向こうだろ!早くいけ!」
「はーい。」
「期待しとく。」
「き、期待しとけ!」
その後再び四人はそれぞれの持ち場に戻り作業を再開した。その後は何の問題もなく終わり。初仕事は成功ということになった。
「奢るのはいいんだが…なんで葵までいるんだよ。」
「一応私も助けたし、いいじゃん。」
「空気読めないのか?」
「空気読んでタイミング見計らって帰るんで。」
「じゃあ最初っから来るなよ!」
「しっ!聞かれますよ。」
「2人で内緒話?仲がいいのね。」
「い、いやーそういうわけじゃないんだな。」
「仲悪いの?」
「仲はいいっすよ。」
「じゃあなんで?」
「理由は…あ、課題やるの忘れてたー!」
「大丈夫なのか?さっさと帰ってやっほうがいいんじゃね?」
「そうかもっす!帰りまーす。」
「帰っちゃうの?あおちゃんも奢ってもらえばいいのに。」
「今日は意外と課題多いので!」
「おつかれー。」
「ありがとな!また奢ってやるよ。」
「おつかれっす!」
そして私はいそいで家に帰り、課題をやったのだが。後でかんちゃんに聞くと、結局なっさんが遠慮し、なっさんの家で一応かんちゃんの奢りで軽く飲んで終わったらしい。彼らの恋はまだ一歩も動かない。
~第六話 終~
~第一章 終~
なっさんがデバイスに叫んでいた。
「歪みを刺激したのか、さらに歪んでいく、今はまだある程度動けるが、かなりきつい。かんちゃんはほぼ動けていない。」
「そんなことあるんすか。」
「初めてにトラブルはつきものなのよ。」
「そんなのんきなこと言ってる場合じゃないっすよ」
「何のために二手に分かれたと思ってんのよ。」
「何のためっすか。」
「片方にトラブルが起きた時に対応するために決まってるでしょ。」
「なるほど。」
「わかったらさっさと行くわよ。」
「はいっ!」
私となっさんは二人のいる方へと向かった。
「あら、歪みにらガッツリ飲み込まれたのね。」
「そんな事言ってねぇでさっさと助けろってかんちゃんが。」
「俺はそんな事言ってねぇぞ。」
「まだ元気はあるようね。」
「そうみたいっすね。」
「おい相生、そこにカバンがあるだろ。」
「あるっすね。」
「そっからロープを出してくれ。それと、夏は歪みを緩めてくれ。」
「わかったわ。」
「これっすか?」
「ああ、それだ。こっちに貸してくれ。」
「はいよっす。」
「ありがとな。かんちゃんこれにつかまれ!」
「今頑張ってんだよ。」
「相生、さっきのカバンから緑の機械出してくれねぇか。」
「これっすね。」
「それをロープの端につけてくれ。」
「こうっすか。」
「つかんだぞ!」
「相生、スイッチを入れろ!」
「どこっすか?」
「赤いボタンだ!」
すると、大きなモーター音とともにロープがすごい勢いで引っ張られていく。
「すごい。」
2人はロープに引っ張られるようにこちらへ飛び出してきた。
「葵、よくやった。」
「相生、俺からも褒めてやる。」
「これ、力いらないんすね。」
「あったりまえだ、なんせ俺の傑作だからな。」
「すぐるんはすげぇよな。」
「ほんと、変人であることを除けばすごいっすね。」
「一言余計だ。とりあえず、活動再開だ!」
「私について触れないつもり?」
「夏もよくやった。」
「明石、サ、サンキュ。」
「礼くらい目を見て言いなさいよ。」
「あとで、なんか奢るわ。」
「かんちゃん、顔真っ赤だぞー。」
「う、うるさい。仕事だ仕事!ほら、行けよ!」
「なっさんじゃなかったらすぐバレますよ。」
「夏はそういうところだけはダメだからなぁ。」
「だから、早くいけよ!」
「俺はお前と同じ持ち場だが?」
「喋ってないで手を動かせよ!」
「すまんな、喋りながら手を動かしているんだが。」
「なっさんもなんか言った方がいいっすよ。」
「高い店、奢ってね。」
「そうじゃないっすよ。」
「わかったから、お前ら向こうだろ!早くいけ!」
「はーい。」
「期待しとく。」
「き、期待しとけ!」
その後再び四人はそれぞれの持ち場に戻り作業を再開した。その後は何の問題もなく終わり。初仕事は成功ということになった。
「奢るのはいいんだが…なんで葵までいるんだよ。」
「一応私も助けたし、いいじゃん。」
「空気読めないのか?」
「空気読んでタイミング見計らって帰るんで。」
「じゃあ最初っから来るなよ!」
「しっ!聞かれますよ。」
「2人で内緒話?仲がいいのね。」
「い、いやーそういうわけじゃないんだな。」
「仲悪いの?」
「仲はいいっすよ。」
「じゃあなんで?」
「理由は…あ、課題やるの忘れてたー!」
「大丈夫なのか?さっさと帰ってやっほうがいいんじゃね?」
「そうかもっす!帰りまーす。」
「帰っちゃうの?あおちゃんも奢ってもらえばいいのに。」
「今日は意外と課題多いので!」
「おつかれー。」
「ありがとな!また奢ってやるよ。」
「おつかれっす!」
そして私はいそいで家に帰り、課題をやったのだが。後でかんちゃんに聞くと、結局なっさんが遠慮し、なっさんの家で一応かんちゃんの奢りで軽く飲んで終わったらしい。彼らの恋はまだ一歩も動かない。
~第六話 終~
~第一章 終~
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