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ミニ祭りは、正直楽しい所かめちゃくちゃ興奮した。
ディクセル様から、本物のお祭りに行く時は目が離せないなと苦笑される位には親子ではしゃぎ倒した。
なんなら兄さんと三人ではしゃいでいたから、多分、フィニス様も大変だったと思う。
リオンもシュリくんもふわふわの雲みたいな飴を一緒に食べて、輪投げで遊んではしゃいで、そうして疲れたからかお昼過ぎた頃には二人共ウトウトと船をこぎ出していた。
可愛い。
「もう帰ろうか。」
「そうだな。リオン、完全に落ちてるし。」
眠りの小山へと漕ぎだした船は、どうやら無事に到着したらしい。
さっきまでちょっとねぐずり気味だったけれど、もう全身の力をディクセル様に預けてしまっている。
重そうだなと思うけど、つい最近まで騎士をやっていたディクセル様にとっては重りにもならないらしい。
「オルフェも帰るよ。」
「………最後にイカ焼き食べたい。」
「………両手にいっぱい持ってるだろ?」
ふと後ろを見れば、両手にいっぱい食べ物が入った袋を持った兄さんをフィニス様が宥めていた。
兄さんはかなり食べるんだけど、一体どこに入るんだろうかと疑問に思う位に食べる。
あの両手いっぱいの食べ物だって、ぺろりと食べた後に晩ご飯も食べるんだろうなぁ………。
屋敷に居た時はそんな風じゃなさそうに見えたんだけどなぁ。
「お願い、先輩………。イカ焼きだけ………」
うるうると目を潤ませて、キュッと服の袖を指で控えめに掴んで。
それだけ見るとめちゃくちゃ美人で可愛いのに、強請ってる物がイカ焼きって………。
しかも絶対イカ焼きついでに隣にあるパニーニも狙ってる筈。
チラチラ見てるもん。
「………晩ご飯、食べれるのか?」
「食べれる。だからパニーニも。」
「ダメ。イカ焼きだけ。それかパニーニだけ。」
「どっちも。」
お願いっとこてんと首を傾げる。
おーおー、自分の魅力と胃袋を分かってらっしゃる。
甘やかしたいという気持ちと、兄さんの胃袋を気遣いたいという気持ちで板挟みになってらっしゃるのか、フィニス様は頭を抱えている。
「恥ずかしい程にがめついな、あのぶりっ子。ミリ、先輩に押し付けて置いて帰ろう。」
「いやいやいや。一緒に帰りましょうよ。」
どうせあの攻防も直ぐ終わる。
そう思った俺の予想通り、無事勝利した兄さんがイカ焼きとパニーニが増えてパンパンになった袋をぶら下げてほくほくとした顔でこっちに向かって来ている。
その後ろには眉間を揉みながら財布を鞄に仕舞っているフィニス様が。
「待たせたな。」
「偉そうに言ってんじゃねぇぞ、ブス。」
「語彙力の少ないクソガキがピーピー喚くな。お前はひよこか?ああ、精神年齢赤ちゃんだもんな。」
おーお、ご機嫌だからお口が絶好調だ。
兄さんとディクセル様は、よく口喧嘩をしている。
最初はびっくりしたし怖かったから止めてたけど、この二人のコミュニケーションなんだよってフィニス様が言ってたから今はもうリオンの前でやらないならイイやって思うことにした。
マジで教育に悪いから、リオンが起きてる時は止めてね。
「ねー、もう帰るよ。」
「ほら、家でゆっくり食べるよ。」
一応ディクセル様がリオンを抱えているからセーブしているみたいだけど、段々と声が大きくなっている気もする。
リオンを起こしてしまう前に、とっとと家に帰ろう。
俺達の、家に。
ディクセル様から、本物のお祭りに行く時は目が離せないなと苦笑される位には親子ではしゃぎ倒した。
なんなら兄さんと三人ではしゃいでいたから、多分、フィニス様も大変だったと思う。
リオンもシュリくんもふわふわの雲みたいな飴を一緒に食べて、輪投げで遊んではしゃいで、そうして疲れたからかお昼過ぎた頃には二人共ウトウトと船をこぎ出していた。
可愛い。
「もう帰ろうか。」
「そうだな。リオン、完全に落ちてるし。」
眠りの小山へと漕ぎだした船は、どうやら無事に到着したらしい。
さっきまでちょっとねぐずり気味だったけれど、もう全身の力をディクセル様に預けてしまっている。
重そうだなと思うけど、つい最近まで騎士をやっていたディクセル様にとっては重りにもならないらしい。
「オルフェも帰るよ。」
「………最後にイカ焼き食べたい。」
「………両手にいっぱい持ってるだろ?」
ふと後ろを見れば、両手にいっぱい食べ物が入った袋を持った兄さんをフィニス様が宥めていた。
兄さんはかなり食べるんだけど、一体どこに入るんだろうかと疑問に思う位に食べる。
あの両手いっぱいの食べ物だって、ぺろりと食べた後に晩ご飯も食べるんだろうなぁ………。
屋敷に居た時はそんな風じゃなさそうに見えたんだけどなぁ。
「お願い、先輩………。イカ焼きだけ………」
うるうると目を潤ませて、キュッと服の袖を指で控えめに掴んで。
それだけ見るとめちゃくちゃ美人で可愛いのに、強請ってる物がイカ焼きって………。
しかも絶対イカ焼きついでに隣にあるパニーニも狙ってる筈。
チラチラ見てるもん。
「………晩ご飯、食べれるのか?」
「食べれる。だからパニーニも。」
「ダメ。イカ焼きだけ。それかパニーニだけ。」
「どっちも。」
お願いっとこてんと首を傾げる。
おーおー、自分の魅力と胃袋を分かってらっしゃる。
甘やかしたいという気持ちと、兄さんの胃袋を気遣いたいという気持ちで板挟みになってらっしゃるのか、フィニス様は頭を抱えている。
「恥ずかしい程にがめついな、あのぶりっ子。ミリ、先輩に押し付けて置いて帰ろう。」
「いやいやいや。一緒に帰りましょうよ。」
どうせあの攻防も直ぐ終わる。
そう思った俺の予想通り、無事勝利した兄さんがイカ焼きとパニーニが増えてパンパンになった袋をぶら下げてほくほくとした顔でこっちに向かって来ている。
その後ろには眉間を揉みながら財布を鞄に仕舞っているフィニス様が。
「待たせたな。」
「偉そうに言ってんじゃねぇぞ、ブス。」
「語彙力の少ないクソガキがピーピー喚くな。お前はひよこか?ああ、精神年齢赤ちゃんだもんな。」
おーお、ご機嫌だからお口が絶好調だ。
兄さんとディクセル様は、よく口喧嘩をしている。
最初はびっくりしたし怖かったから止めてたけど、この二人のコミュニケーションなんだよってフィニス様が言ってたから今はもうリオンの前でやらないならイイやって思うことにした。
マジで教育に悪いから、リオンが起きてる時は止めてね。
「ねー、もう帰るよ。」
「ほら、家でゆっくり食べるよ。」
一応ディクセル様がリオンを抱えているからセーブしているみたいだけど、段々と声が大きくなっている気もする。
リオンを起こしてしまう前に、とっとと家に帰ろう。
俺達の、家に。
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