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俺は本当に不器用で、材料を切るのですら一苦労だ。
それでも俺は、丹精込めて材料となるハーブを切り刻んだ。
精液は、俺の身体にちゃんと残ってたから大丈夫そうだ。
レシピに書いている通りの分量を量って、混ぜ合わせて、そうしてあの機械へと入れ込んだ。
後はスイッチを押すだけだと書いているけれど、本当に動くのだろうか。
ずっと埃塗れで放置されていた装置だ。
今更ながらに不安になってきた………。
でも、俺はこれに賭けるしかない。
「より腐敗しやすいように、暗い場所に置いておくこと………」
なるほど。
だからこの機械は地下に置いてあったのかと納得しつつ、図解に描いている通りに材料を設置して装置を起動してみる。
光は浴びせない方が良いと書いてるから、遮光性の高い布とか巻いた方が良いかな?
でもカタチが変わったら血をやらないといけないから、見えるようにしないとだよな………。
取り敢えず、地下室の明かりをつけるのは極力止めておこう。
腰の痛みが落ち着いたら、装置周りを色々改良するのも良いかもしれない。
どんな子が生まれるのかな?
相手がどんな人かは知らないけど、できれば俺に似てない方が良いな。
こんな不器用で顔も普通な男に似たら、短い人生も不幸になってしまう。
「おおきくなぁれ………」
俺の都合で生まれてくるのだから、せめて、健康でいて欲しい。
せめて、幸せになって欲しい。
まだ何のカタチにもなっていない、ただ材料だけが混ざっただけのモノに装置のガラス越しにキスをする。
おおきくなぁれ、しあわせになぁれ。
そんな思いを込めて。
「 ! !!」
そんな中、ふと、地下室の扉付近が騒がしいことに気付いた。
なんだろう………。
扉を踏んでいる足音が、たくさん聞こえる。
二人………位?
兄と弟か?
ヤダな………兄にバレるのは、もう仕方ない話だとは思う。
この地下は、納屋は、本来兄のモノになる筈の場所だ。
でも何でだろうか………弟にだけは絶対に見られたくないと思う。
知られたくない。
暫く息を潜めていたけれど、喧騒は増すばかり。
もしかしたら俺が出て来るまで騒ぐのかな?
そう思うともうこの辺りで出て来た方が懸命かもしれない………。
まだあの二人は、地下への行き方を知らない。
素知らぬフリして開ければ………そして後から兄にだけ教えれば………
意を決して、階段を上る。
手と身体が震えるのは、腰の痛みからだと思いたい。
何度か深呼吸をして、地下室の扉を開けた。
本当はゆっくりトロトロ開けたかったけど、勢い良くしか開かないからちょっと悔しい。
「ミリ!」
あ、やっぱり兄が居た。
そう思うとほぼ同時に、俺は兄に抱き寄せられた。
ん???
どゆこと???
「ミリ!身体は大丈夫か?痛い所は?辛い所は無いか?」
焦った顔で兄は俺の身体をぺたぺたと触る。
え?
誰これ?
困惑する俺が兄から目を逸らそうとして、気付く。
兄と同じように心配そうに俺を見るディクセル様に。
それでも俺は、丹精込めて材料となるハーブを切り刻んだ。
精液は、俺の身体にちゃんと残ってたから大丈夫そうだ。
レシピに書いている通りの分量を量って、混ぜ合わせて、そうしてあの機械へと入れ込んだ。
後はスイッチを押すだけだと書いているけれど、本当に動くのだろうか。
ずっと埃塗れで放置されていた装置だ。
今更ながらに不安になってきた………。
でも、俺はこれに賭けるしかない。
「より腐敗しやすいように、暗い場所に置いておくこと………」
なるほど。
だからこの機械は地下に置いてあったのかと納得しつつ、図解に描いている通りに材料を設置して装置を起動してみる。
光は浴びせない方が良いと書いてるから、遮光性の高い布とか巻いた方が良いかな?
でもカタチが変わったら血をやらないといけないから、見えるようにしないとだよな………。
取り敢えず、地下室の明かりをつけるのは極力止めておこう。
腰の痛みが落ち着いたら、装置周りを色々改良するのも良いかもしれない。
どんな子が生まれるのかな?
相手がどんな人かは知らないけど、できれば俺に似てない方が良いな。
こんな不器用で顔も普通な男に似たら、短い人生も不幸になってしまう。
「おおきくなぁれ………」
俺の都合で生まれてくるのだから、せめて、健康でいて欲しい。
せめて、幸せになって欲しい。
まだ何のカタチにもなっていない、ただ材料だけが混ざっただけのモノに装置のガラス越しにキスをする。
おおきくなぁれ、しあわせになぁれ。
そんな思いを込めて。
「 ! !!」
そんな中、ふと、地下室の扉付近が騒がしいことに気付いた。
なんだろう………。
扉を踏んでいる足音が、たくさん聞こえる。
二人………位?
兄と弟か?
ヤダな………兄にバレるのは、もう仕方ない話だとは思う。
この地下は、納屋は、本来兄のモノになる筈の場所だ。
でも何でだろうか………弟にだけは絶対に見られたくないと思う。
知られたくない。
暫く息を潜めていたけれど、喧騒は増すばかり。
もしかしたら俺が出て来るまで騒ぐのかな?
そう思うともうこの辺りで出て来た方が懸命かもしれない………。
まだあの二人は、地下への行き方を知らない。
素知らぬフリして開ければ………そして後から兄にだけ教えれば………
意を決して、階段を上る。
手と身体が震えるのは、腰の痛みからだと思いたい。
何度か深呼吸をして、地下室の扉を開けた。
本当はゆっくりトロトロ開けたかったけど、勢い良くしか開かないからちょっと悔しい。
「ミリ!」
あ、やっぱり兄が居た。
そう思うとほぼ同時に、俺は兄に抱き寄せられた。
ん???
どゆこと???
「ミリ!身体は大丈夫か?痛い所は?辛い所は無いか?」
焦った顔で兄は俺の身体をぺたぺたと触る。
え?
誰これ?
困惑する俺が兄から目を逸らそうとして、気付く。
兄と同じように心配そうに俺を見るディクセル様に。
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