身の程なら死ぬ程弁えてますのでどうぞご心配なく

かかし

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四話目

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放課後はまた手を繋いで学校を出る。
俺が誠也にガチなことは一年生のみならずほぼ全校生徒に有名らしいと、高城経由で知った。
だからだろうか、俺と誠也が手を繋いでいてもチラチラと見られているがすぐに視線は逸らされる。
嫌悪が全く無い訳じゃないけれど、予想よりはずっとずっと少ない。
それでも油断は禁物だ。
誠也が謂われもないことで傷付いたりしないように、浮かれるばかりじゃなくて神経も尖らせていく。

「あのさ、今日俺ん家来ない?」
「ふへ?」

なんだなんだ?
今日の誠也は小悪魔大爆発な日なのか?
嬉し過ぎる予想外の事態に混乱していると、断られると思ったのか誠也の眉が八の字に下がる。
10cm以上の身長差のおかげで誠也は俺を見る時いつも上目遣いなのに、そんなまるで迷子の子犬のような表情されるとクる………主に股間に。

「行く!行く、勿論行くってか行かせて欲しい!」
「よかった。母さんが今度三日も泊まらせてもらう訳だし、挨拶だけでもさせろって。」

ああ、なるほどね。
寧ろ俺がお願いする形なのに律儀な人だな。
流石誠也のお母さん。
そういえば誠也の親御さんは、カサハラの事や誠也がイジメを受けていたことを知っているのだろうか?

「………うん、俺も挨拶しないとな。誠也のこと三日も借りちゃうから。」

誠也の唇を撫でながら、俺は再度頷く。
触り心地が良くて、ついつい触れてしまう唇。
ほんの少し前までは触りたくて触っていただけだったのだが、今はキスした感触も熱も知っているからどうしてもキスしたくなってしまう。
触れば触る程そうなるのに、それでも触るのを止められない。

「それで、な。」
「ん?」

毎回思うんだが、言いにくそうにモジモジする誠也は可愛さが大爆発してないか?
甘え下手な誠也が頑張って甘えようとするその仕草は、誠也を甘やかしたくて死んでしまいそうな俺には最高に大ダメージです。本当にありがとうございます。

「今日、俺の部屋で遊ぼう?」
「遊ぶ。いっぱい遊ぶ。」

でもその前に是非ともトイレ貸して欲しい。
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