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一話目
④
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「………ごめんな、巻き込んで………」
「何が?それより手首痛まないか?そっち利き手だったろ?」
ゲーセンから急いで離れて電車に乗ろうとして、でもそう言えば家知られてたって思い出したら危ないから家まで送ると言われた。
好意に甘えてお願いしたものの、やっぱ罪悪感は半端じゃない。
俺がゲーセン行くこと了承しなきゃ、不快な思いさせずに済んだのに………
「ごめんな、俺お前と遊びたかったら………怖かったろ?」
今回は全面的に俺が悪いのに、しゅんとしながらそう言われた。
ほんとコイツ優しいよな。
面白くもなんともない話を聞いて、甘やかしたいなんて言って遊びに誘ってくれて、こんな訳分かんねぇことに巻き込まれたのに俺のこと一生懸命庇ってくれて。
「お前が居たから、大丈夫だった。頑張れたよ。」
ありがとう、と心からの感謝をする。
正直な話、もし一人であんな目に遭ってたらどうなってたか分からない。
傍に居てくれて庇ってくれたから、俺はちゃんとアイツに言いたいことを言えた。
「お前が甘やかしてくれたおかげだ。」
「………そっか。役に立てたなら、良かった。」
繋いだままの手に、ほんの少し力が込められる。
そう言えば手を繋いだままだったなと思うが、温もりが心地良いから言われるまではそのままにしていたい。
………本当に、俺はコイツに甘えっ放しだな。
それなのに、問題が一つ。
否、甘えたままなのも問題だがそれ以上に問題がある。
今更、今更口に出しても良いのか不安で、なんなら嫌われても文句を言えない問題。
しかし………言わないと………!
「あの、それで、それでな………」
「ん?どした?」
ふわふわと笑いながら小首を傾げる。
何度も言うが雰囲気イケメンとは言え、整った顔はしている。
アイツ程ではないけれど、所謂学年で三番目か四番目位のイケメンって言えばコイツだよねみたいな。
だからなのか、俺は無意識にやらかしている。
「名前………なんだっけ?」
「嘘だろ!?」
同じクラスだし、誰かしらが呼んでいるのは聞いているのだが、何度聞いても忘れてしまう。
多分、そこまで親しくないしするつもりもないから良いかと無意識に思っていたんだと、今日改めて感じた。
でもここまでやってもらってるんだ。
ちゃんとお礼だって、名前を呼びながら言いたい。
「なんだかんだでイケメン枠に入ってたことを喜べば良いのかなんなのか………」
「ううっ………ごめん………」
「良いよ、今から覚えてくれれば良いから。弘慈(コウジ)だよ。蒔田弘慈。」
「まきた………」
マキタ、コウジ。
うん、覚えた。
今度こそ忘れない。
流石に恩人の名前忘れるとか、失礼のオンパレードだろう。
「弘慈って呼んで。友達になってくれるんだろう?」
繋いでいない方の手で、頬を撫でられる。
友達と言われると、少しだけ緊張してしまう。
あの時、俺をイジメていた奴らの中には小学校の時には普通に仲良くやってた奴らも居た。
裏切られたというよりも、何でという悲しみの方が強かった。
例えばコイツと友達になったとして、そんな気持ちをまた味わう時もあるのだろうか。
そう思うと、正直怖い。
でも………
「うん、コウジ。改めまして、康田 誠也(ヤスダ トモヤ)です。」
もう一度だけ、信じてみたいとも思った。
だってただこれだけの言葉だけで、彼はこんなにも喜んでくれるのだから。
「良かった。自称親友だったらどうしようかと思った。」
「親友は自称だろ。」
「ひどっ!」
止まっていた足を動かして、前へと歩いて行く。
俺の気持ちも一緒に。
「何が?それより手首痛まないか?そっち利き手だったろ?」
ゲーセンから急いで離れて電車に乗ろうとして、でもそう言えば家知られてたって思い出したら危ないから家まで送ると言われた。
好意に甘えてお願いしたものの、やっぱ罪悪感は半端じゃない。
俺がゲーセン行くこと了承しなきゃ、不快な思いさせずに済んだのに………
「ごめんな、俺お前と遊びたかったら………怖かったろ?」
今回は全面的に俺が悪いのに、しゅんとしながらそう言われた。
ほんとコイツ優しいよな。
面白くもなんともない話を聞いて、甘やかしたいなんて言って遊びに誘ってくれて、こんな訳分かんねぇことに巻き込まれたのに俺のこと一生懸命庇ってくれて。
「お前が居たから、大丈夫だった。頑張れたよ。」
ありがとう、と心からの感謝をする。
正直な話、もし一人であんな目に遭ってたらどうなってたか分からない。
傍に居てくれて庇ってくれたから、俺はちゃんとアイツに言いたいことを言えた。
「お前が甘やかしてくれたおかげだ。」
「………そっか。役に立てたなら、良かった。」
繋いだままの手に、ほんの少し力が込められる。
そう言えば手を繋いだままだったなと思うが、温もりが心地良いから言われるまではそのままにしていたい。
………本当に、俺はコイツに甘えっ放しだな。
それなのに、問題が一つ。
否、甘えたままなのも問題だがそれ以上に問題がある。
今更、今更口に出しても良いのか不安で、なんなら嫌われても文句を言えない問題。
しかし………言わないと………!
「あの、それで、それでな………」
「ん?どした?」
ふわふわと笑いながら小首を傾げる。
何度も言うが雰囲気イケメンとは言え、整った顔はしている。
アイツ程ではないけれど、所謂学年で三番目か四番目位のイケメンって言えばコイツだよねみたいな。
だからなのか、俺は無意識にやらかしている。
「名前………なんだっけ?」
「嘘だろ!?」
同じクラスだし、誰かしらが呼んでいるのは聞いているのだが、何度聞いても忘れてしまう。
多分、そこまで親しくないしするつもりもないから良いかと無意識に思っていたんだと、今日改めて感じた。
でもここまでやってもらってるんだ。
ちゃんとお礼だって、名前を呼びながら言いたい。
「なんだかんだでイケメン枠に入ってたことを喜べば良いのかなんなのか………」
「ううっ………ごめん………」
「良いよ、今から覚えてくれれば良いから。弘慈(コウジ)だよ。蒔田弘慈。」
「まきた………」
マキタ、コウジ。
うん、覚えた。
今度こそ忘れない。
流石に恩人の名前忘れるとか、失礼のオンパレードだろう。
「弘慈って呼んで。友達になってくれるんだろう?」
繋いでいない方の手で、頬を撫でられる。
友達と言われると、少しだけ緊張してしまう。
あの時、俺をイジメていた奴らの中には小学校の時には普通に仲良くやってた奴らも居た。
裏切られたというよりも、何でという悲しみの方が強かった。
例えばコイツと友達になったとして、そんな気持ちをまた味わう時もあるのだろうか。
そう思うと、正直怖い。
でも………
「うん、コウジ。改めまして、康田 誠也(ヤスダ トモヤ)です。」
もう一度だけ、信じてみたいとも思った。
だってただこれだけの言葉だけで、彼はこんなにも喜んでくれるのだから。
「良かった。自称親友だったらどうしようかと思った。」
「親友は自称だろ。」
「ひどっ!」
止まっていた足を動かして、前へと歩いて行く。
俺の気持ちも一緒に。
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