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無敵の人
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「………分かった。サインしよう。」
「ありがとうございます。死体や葬儀については、後日改めて百瀬から連絡があるかと思いますのでお待ちください。」
散々悩んだ挙句、瀧本サンは契約書にサインをした。
考え無しであったま悪いのに権利だけは持ってんの、良くないよなぁ。
この会社長くなさそう。
「………はい、ありがとうございます。」
その性格を映したかのように、神経質そうな字。
どう言い訳するつもりなのか、今から楽しみだった。
他人には俺がさっき言ったように【親族の葬儀】と偽れば良い。
けれど、息子二人にはどう説明するつもりだ?
一年半も捜索願すら出さなかった父親が、突然アイツは死んだからとか言い出したらどう思うんだろうな。
多分、代わりの死体は顔を潰されるだろう。
顔を見られたら、別人だということがバレるしな。
そんな状態の死体を見せられたら、どう思うか………
普通に考えて、父親がちゃんと動けば死ななかったのにと思うだろ。
殺した奴じゃなくて、父親を恨むだろうな。
否、状況が状況だ。
父親が殺したんだと、そう思うだろうな。
どういう意図があれ、わざわざ捜し回ってる程だしな。
その感情が喜びだと良いな。
恨みだったらもう………修正効かなくなるだろ。
父親と兄、そして義母と義弟の四人仲睦まじい親子だと、サツキは言っていた。
母親似だったサツキと違い、父親似の兄は父親にとって誇りだったのではないかとも。
「では、失礼します。」
気が変わる前………というか、真実に気付く前にとっとと退散する。
目的は果たした。
しっかし、サツキになる前の男の子の葬儀が終わるまでは忙しくなりそうだ。
仕事辞めて引っ越ししてサツキといちゃつきながら貯金を食い潰してぼちぼち職探しする計画が………とほほ………
まぁ、今回頑張ればサツキの戸籍を特別価格で売ってくれるらしいし、少しの辛抱だ。
タダじゃないのが信頼度高い。
タダより怖いものはないからな。
「あ、もしもし百瀬さんですか?久慈です。終わりました。」
会社を出て暫く歩いた場所で、連絡するように言われていた番号に電話を掛ける。
報連相は大事だからな。
状況聞かれた時にどう報告するか。
頭の中で組み立てておくのは忘れない。
『お疲れー。どうだったー?』
「ただひたすらに腹が立ちました。」
『あははー!本当にお疲れー。で、ごめんだけど今手が離せなくってさー、今日一日預かっててくれないー?』
背後から聞こえる、映画やドラマでしか聞いたことないような騒がしい音。
恐らくは死体を作ってる最中なんだろう。
お疲れ様は百瀬さん、或いは百瀬さんの部下の方だろう。
俺は結果的にクソにもならん話をしただけだしな。
「構いませんよ。」
『ありがとー!明日取りに行くねー。今日はもうお帰りー。サツキくんによろしくー。』
「ありがとうございます。お言葉に甘えて失礼しますね。」
だが俺は百瀬さんの部下じゃないので恩恵はありがたく受け取る。
サツキの為に、是非とも頑張って欲しい。
俺は帰ってから、サツキに思いっきり甘やかしてもらうので。
「ありがとうございます。死体や葬儀については、後日改めて百瀬から連絡があるかと思いますのでお待ちください。」
散々悩んだ挙句、瀧本サンは契約書にサインをした。
考え無しであったま悪いのに権利だけは持ってんの、良くないよなぁ。
この会社長くなさそう。
「………はい、ありがとうございます。」
その性格を映したかのように、神経質そうな字。
どう言い訳するつもりなのか、今から楽しみだった。
他人には俺がさっき言ったように【親族の葬儀】と偽れば良い。
けれど、息子二人にはどう説明するつもりだ?
一年半も捜索願すら出さなかった父親が、突然アイツは死んだからとか言い出したらどう思うんだろうな。
多分、代わりの死体は顔を潰されるだろう。
顔を見られたら、別人だということがバレるしな。
そんな状態の死体を見せられたら、どう思うか………
普通に考えて、父親がちゃんと動けば死ななかったのにと思うだろ。
殺した奴じゃなくて、父親を恨むだろうな。
否、状況が状況だ。
父親が殺したんだと、そう思うだろうな。
どういう意図があれ、わざわざ捜し回ってる程だしな。
その感情が喜びだと良いな。
恨みだったらもう………修正効かなくなるだろ。
父親と兄、そして義母と義弟の四人仲睦まじい親子だと、サツキは言っていた。
母親似だったサツキと違い、父親似の兄は父親にとって誇りだったのではないかとも。
「では、失礼します。」
気が変わる前………というか、真実に気付く前にとっとと退散する。
目的は果たした。
しっかし、サツキになる前の男の子の葬儀が終わるまでは忙しくなりそうだ。
仕事辞めて引っ越ししてサツキといちゃつきながら貯金を食い潰してぼちぼち職探しする計画が………とほほ………
まぁ、今回頑張ればサツキの戸籍を特別価格で売ってくれるらしいし、少しの辛抱だ。
タダじゃないのが信頼度高い。
タダより怖いものはないからな。
「あ、もしもし百瀬さんですか?久慈です。終わりました。」
会社を出て暫く歩いた場所で、連絡するように言われていた番号に電話を掛ける。
報連相は大事だからな。
状況聞かれた時にどう報告するか。
頭の中で組み立てておくのは忘れない。
『お疲れー。どうだったー?』
「ただひたすらに腹が立ちました。」
『あははー!本当にお疲れー。で、ごめんだけど今手が離せなくってさー、今日一日預かっててくれないー?』
背後から聞こえる、映画やドラマでしか聞いたことないような騒がしい音。
恐らくは死体を作ってる最中なんだろう。
お疲れ様は百瀬さん、或いは百瀬さんの部下の方だろう。
俺は結果的にクソにもならん話をしただけだしな。
「構いませんよ。」
『ありがとー!明日取りに行くねー。今日はもうお帰りー。サツキくんによろしくー。』
「ありがとうございます。お言葉に甘えて失礼しますね。」
だが俺は百瀬さんの部下じゃないので恩恵はありがたく受け取る。
サツキの為に、是非とも頑張って欲しい。
俺は帰ってから、サツキに思いっきり甘やかしてもらうので。
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