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35.パーティーの誘い
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翌日、俺はおばあさまに数日後にハイランドへ帰ると告げた。
おばあさまは『まあ』と驚いたけど、俺の結論を受け止めてくれた。だいぶ心配もされしまったけど。
「本当にいいの?レニちゃん。まだ時間はあるのよ。見たところ、償いとやらもまだ全然じゃないの」
おばあさまの問いに、俺は頷いた。
「いいんです。あ、別にもう全く気にしてないとか、償いがいらないっていうわけじゃないですよ?」
「ならどうして?」
「おばあさま、俺ね、もうアイツと喧嘩できるんですよ。あいつのこと、怖くないんです。だから、もう大丈夫なんです」
心から俺はそう言った。アーネストは相変わらず冷酷な面もあるし、いざとなれば俺が震えあがるようなことを平気でできる。力も強いし、俺を無理矢理屈服させようとしたら、俺はきっと全然敵わないだろう。
だけど、アーネストは俺にそんなことはしない。俺を愛してるから。そう確信しているから、怖くない。
「アイツがもし前みたいになっても、俺はもう負けません。胸倉つかんで、こっちを向かせてみせます」
おばあさまがニッコリして頷く。俺は嬉しくて笑い返した。
「一生かけて償わさせておやりなさい。喧嘩したら、いつでもファンネに来ていいのよ」
「はい!」
******************
その後、伯父上も伯母上もおばあさまと同じようなことを言っていて、俺は笑ってしまった。
報せを聞いたステラとルーリクも翌日飛んできて大騒ぎし、ステラはアーネストに噛みついて大変だったけど、アーネストも今度は負けてなかった。やれやれだ。
唯一ルーリクだけはそんな二人のやり取りを『不毛だね』と笑って見ている。
「そうだ、レニ。帰ってしまうんだったら、その前に送別パーティーをしようと思ってるんだけど、大丈夫?」
「明日は色々お土産を買いに行こうかなって思ってるんだけど、それ以外はなんも決まってないから大丈夫。ここでするの?」
「まさか。王族が特定の貴族にたかるなんて無理無理」
ルーリクがけらけらと笑う。そっか、確かにそうだ。昔からこの屋敷で遊ぶことが多かったから、すっかり気安い親戚付き合いになっちゃってるけど、一応ルーリクとリンドン公爵家はちゃんと上下関係があるんだもんな。
ルーリクがここでパーティーをしたいと言ったら、リンドン公爵家が責任を持って用意しなくちゃならないんだ。しかも、ファンネの王子がご要望の、ハイランド王太子が参加するパーティー。ルーリクがささやかにこっそりやるつもりでも、それを下の立場の公爵家がはいそうですかとはなかなかできないだろう。面子とかあるし。
「でも、アーネスト様は今回お忍びだしね。貴族街のいつも行くレストランを貸切にしておくから、そこでやろうと思って。留学先の友達が遊びに来た時なんかに、そこを使ったりしてるんだけど、なかなかいいよ」
「へえー、いいなぁ」
俺なんか友達、一人も出来なかったしなあ……いや、違うんだよ!?昔は人間不信気味だったし、王妃教育でそんな暇なくってね!?
学園に入ってからはマリクに嫌がらせするのに夢中だったし、断罪されて教会行く気満々だったから、万一巻き込んだりしちゃいけないと思って、わざと作らなかったんだ!わざとだよ!ほんとだよ!
だから、ルーリクが留学先でちゃんと友達を作って交流してるのが、ちょっとうらやましい。
「レニは、友達と遊んだりお茶したりしないのかい?」
「…………………えーと、うん、えーとえーと」
「ごめん、もういい。無神経なことを聞いた」
「ち、ちがう!お茶くらいは俺だって誘われてるし!」
まだ行ったことないけど……。でも、マリクはアーネストに俺とお茶したいって言ってくれてるんだから、ウソじゃない、はず。帰ったら絶対マリクをうちに招待しよう。うん、そうしよう。
「…………そうなんだ。レニにもちゃんと友達ができたんだね」
「まあね!」
うう、見栄を張ってしまったぞ。だってだって、なんか悔しいじゃないか!
ルーリクはそんな俺の葛藤も知らず、いつものようにニコニコ笑っていた。
「それじゃ、今日のところはステラを回収して帰ろう。後で招待状を送るから、楽な服装で来て」
「うん、ありがとう。楽しみにしてる」
俺は手を振ってルーリクを見送った。ルーリクはキャンキャンとアーネストに吠え掛かっているステラの首根っこを掴んで引きずった。あれ、いいのか?姫なのに。
「ちょっとお!離してよルーリク!絶対何かの間違いよ!アイツがレニを騙すか脅すかしてるに決まってるんだからあ!!!!」
「ハイハイ、わかったわかった。大人しく帰ろうねー」
「いい気になるんじゃないわよ、今に目に物見せてやるんだかr」
ルーリクがポイッとステラを王家の馬車に放り込む。バタン、とすぐさま扉が閉められ、馬車はそのまま走り去って行った。可哀想だけど、しょうがないな、あれは。
「何とでも言うがいいよ!レニたんは一生俺を飼ってくれるって言ったんだからな!pgrザマァ!!!!」
唐突にアーネストがそんなことを叫んだので、俺は反射的にアーネストの頭を思い切りグーで殴ってしまった。
しまった、躾に暴力はNGなのに。体罰ダメ、ゼッタイ。俺は叫びだしたい気持ちを堪えて、出来るだけ静かな声で言う。
「人前でそういうことを言うのは、やめようね?」
顔を引き攣らせながら笑う俺に、アーネストは黙って頷いた。よし。
アーネストが俺の犬になったというのは、あくまで俺とアーネストだけの言葉遊びのようなもので、他人に吹聴していいものではないのだ。もしハイランドでそんなことを聞かれたら、あらぬ誤解を受けてしまう。
「ルーリクが送別のパーティーしようって。貴族街でやるって言ってたから、買い物の帰りに寄ってもいいんじゃないかな」
「送別のパーティーね……」
碌な目に遭わない未来を想像したのか、アーネストは気が進まなそうな声で呟いた。
ステラはともかく、ルーリクの主催するパーティーなら大丈夫だと思うけどなあ。
「ま、なんにしろ、いい思い出になるよ」
「そうだね、レニたん」
にっこり笑ってそう言ったアーネストが、何を考えていたのか。
後になってそれを知った俺は震撼することになるのだが、この時はまだ知る由もなかった。
おばあさまは『まあ』と驚いたけど、俺の結論を受け止めてくれた。だいぶ心配もされしまったけど。
「本当にいいの?レニちゃん。まだ時間はあるのよ。見たところ、償いとやらもまだ全然じゃないの」
おばあさまの問いに、俺は頷いた。
「いいんです。あ、別にもう全く気にしてないとか、償いがいらないっていうわけじゃないですよ?」
「ならどうして?」
「おばあさま、俺ね、もうアイツと喧嘩できるんですよ。あいつのこと、怖くないんです。だから、もう大丈夫なんです」
心から俺はそう言った。アーネストは相変わらず冷酷な面もあるし、いざとなれば俺が震えあがるようなことを平気でできる。力も強いし、俺を無理矢理屈服させようとしたら、俺はきっと全然敵わないだろう。
だけど、アーネストは俺にそんなことはしない。俺を愛してるから。そう確信しているから、怖くない。
「アイツがもし前みたいになっても、俺はもう負けません。胸倉つかんで、こっちを向かせてみせます」
おばあさまがニッコリして頷く。俺は嬉しくて笑い返した。
「一生かけて償わさせておやりなさい。喧嘩したら、いつでもファンネに来ていいのよ」
「はい!」
******************
その後、伯父上も伯母上もおばあさまと同じようなことを言っていて、俺は笑ってしまった。
報せを聞いたステラとルーリクも翌日飛んできて大騒ぎし、ステラはアーネストに噛みついて大変だったけど、アーネストも今度は負けてなかった。やれやれだ。
唯一ルーリクだけはそんな二人のやり取りを『不毛だね』と笑って見ている。
「そうだ、レニ。帰ってしまうんだったら、その前に送別パーティーをしようと思ってるんだけど、大丈夫?」
「明日は色々お土産を買いに行こうかなって思ってるんだけど、それ以外はなんも決まってないから大丈夫。ここでするの?」
「まさか。王族が特定の貴族にたかるなんて無理無理」
ルーリクがけらけらと笑う。そっか、確かにそうだ。昔からこの屋敷で遊ぶことが多かったから、すっかり気安い親戚付き合いになっちゃってるけど、一応ルーリクとリンドン公爵家はちゃんと上下関係があるんだもんな。
ルーリクがここでパーティーをしたいと言ったら、リンドン公爵家が責任を持って用意しなくちゃならないんだ。しかも、ファンネの王子がご要望の、ハイランド王太子が参加するパーティー。ルーリクがささやかにこっそりやるつもりでも、それを下の立場の公爵家がはいそうですかとはなかなかできないだろう。面子とかあるし。
「でも、アーネスト様は今回お忍びだしね。貴族街のいつも行くレストランを貸切にしておくから、そこでやろうと思って。留学先の友達が遊びに来た時なんかに、そこを使ったりしてるんだけど、なかなかいいよ」
「へえー、いいなぁ」
俺なんか友達、一人も出来なかったしなあ……いや、違うんだよ!?昔は人間不信気味だったし、王妃教育でそんな暇なくってね!?
学園に入ってからはマリクに嫌がらせするのに夢中だったし、断罪されて教会行く気満々だったから、万一巻き込んだりしちゃいけないと思って、わざと作らなかったんだ!わざとだよ!ほんとだよ!
だから、ルーリクが留学先でちゃんと友達を作って交流してるのが、ちょっとうらやましい。
「レニは、友達と遊んだりお茶したりしないのかい?」
「…………………えーと、うん、えーとえーと」
「ごめん、もういい。無神経なことを聞いた」
「ち、ちがう!お茶くらいは俺だって誘われてるし!」
まだ行ったことないけど……。でも、マリクはアーネストに俺とお茶したいって言ってくれてるんだから、ウソじゃない、はず。帰ったら絶対マリクをうちに招待しよう。うん、そうしよう。
「…………そうなんだ。レニにもちゃんと友達ができたんだね」
「まあね!」
うう、見栄を張ってしまったぞ。だってだって、なんか悔しいじゃないか!
ルーリクはそんな俺の葛藤も知らず、いつものようにニコニコ笑っていた。
「それじゃ、今日のところはステラを回収して帰ろう。後で招待状を送るから、楽な服装で来て」
「うん、ありがとう。楽しみにしてる」
俺は手を振ってルーリクを見送った。ルーリクはキャンキャンとアーネストに吠え掛かっているステラの首根っこを掴んで引きずった。あれ、いいのか?姫なのに。
「ちょっとお!離してよルーリク!絶対何かの間違いよ!アイツがレニを騙すか脅すかしてるに決まってるんだからあ!!!!」
「ハイハイ、わかったわかった。大人しく帰ろうねー」
「いい気になるんじゃないわよ、今に目に物見せてやるんだかr」
ルーリクがポイッとステラを王家の馬車に放り込む。バタン、とすぐさま扉が閉められ、馬車はそのまま走り去って行った。可哀想だけど、しょうがないな、あれは。
「何とでも言うがいいよ!レニたんは一生俺を飼ってくれるって言ったんだからな!pgrザマァ!!!!」
唐突にアーネストがそんなことを叫んだので、俺は反射的にアーネストの頭を思い切りグーで殴ってしまった。
しまった、躾に暴力はNGなのに。体罰ダメ、ゼッタイ。俺は叫びだしたい気持ちを堪えて、出来るだけ静かな声で言う。
「人前でそういうことを言うのは、やめようね?」
顔を引き攣らせながら笑う俺に、アーネストは黙って頷いた。よし。
アーネストが俺の犬になったというのは、あくまで俺とアーネストだけの言葉遊びのようなもので、他人に吹聴していいものではないのだ。もしハイランドでそんなことを聞かれたら、あらぬ誤解を受けてしまう。
「ルーリクが送別のパーティーしようって。貴族街でやるって言ってたから、買い物の帰りに寄ってもいいんじゃないかな」
「送別のパーティーね……」
碌な目に遭わない未来を想像したのか、アーネストは気が進まなそうな声で呟いた。
ステラはともかく、ルーリクの主催するパーティーなら大丈夫だと思うけどなあ。
「ま、なんにしろ、いい思い出になるよ」
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