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5.異世界転生ヤッホー【Side:アーネスト】
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あー、テステス。異世界から交信中。なんつって。
異世界転生超絶エンジョイ中、王太子アーネストです。
ちょっと勘のいい人たちは気付いてるかもしんないけど、レニたん断罪イベントの真っ最中に、俺は覚醒しました。
説明ちょっと長くなるけど、ちょっとだけ我慢してねプリーズ。
俺は、前世でレニたんことレニオール・ノクティスの大大大ファンで、推しのレニたんに生活を捧げてた。
さっきも言ったけど、『君が望むアルカディア』こと『君アル』のデモ動画を見た時から一筋に推してる。
自慢じゃないけど、俺はかなりいいとこの生まれで、出来も良くて、イージーモードの人生送ってたと思う。たいして努力しなくても大抵のことは人並み以上、見た目もいけてるし、めちゃくちゃモテた。誰からもちやほやされて、このまま親父の後継いで勝ち組な人生送るんだろうなー、みたいな。
そんな俺の人生設計が、トラックに突っ込まれた1秒で終わったよね。いやほんと、一瞬過ぎでビックリする。
そのまま死ねたらある意味楽だったのかもしんないけど、俺は生きてた。二度と立てなくなったけど、それ以外はフツーに生き残った。
そしたら、俺の周りにいた人間はほっとんど俺の前からいなくなった。笑うよね。つまり、跡継ぎになれなくなった俺には用ないですよ、ってこと。
直後はそれなりにショックも受けたし凹んだり恨んだりもしたけど、一番衝撃的だったのはたいして寂しいとも思ってない自分に気付いた時だったよね。
で、めちゃくちゃ腑に落ちた。なーんだ、俺じゃんって。俺が、誰のことも大事になんて思ってなくって、どーでもいいヤツらと思ってたから、誰かの『どーでもよくない奴』になれなかった。そりゃしゃーない。
一人になって、良かったこともあった。それは、もう誰の評価も気にしなくていいってこと。
みんなの考える『俺らしい』に拘ることなく、好きなことを好きなだけやっていい。実はゲイで腐男子でゲーオタで、隠れてBLゲー網羅しまくってることとかも、もう隠さなくていい。
そう開き直ってからは、入院生活も天国だった。部屋は個室だし、誰に気兼ねすることもない。
新作BLゲーを求めて、ネットにダイブしまくったりした。
そこで、レニたんと運命的な出会いを果たしたってわけ。
動画で出てきたレニたんは、セリフは一言だけだったけどそりゃあもう可愛くて、強がってる内気なハムスターみたいな雰囲気がたまらないキャラだった。
俺は一目で推しと定めて、発売日を首を長くしまくって待ってた。
そんな俺が、何をどうやってもレニたんを幸せにできないと知った時の気持ち、わかる?もうね、絶望しかない。
レニたんはアーネストルートに入ると、アーネストに理不尽な目に遭わされ、不幸な境遇から主人公のマリクにちょっかいを出し、めちゃくちゃ理不尽に婚約破棄される(ライターの意図はどうあれ、マジこうにしか見えない)。
トゥルーだと修道院に送られて、神父とか偉い枢機卿とかに慰み者にされるし(スチルがクッソエロくてめちゃくちゃやばい)、グッドでもまあお察しの酷い目に遭わされる。
SNSではある意味ユーザーへのご褒美とか、あんまりにも可哀想過ぎという声が多く上がり、レニたんは攻略対象外にも関わらず、それなりに人気のあるキャラだった。
俺は手持ちの資産で、『君アル』製作会社を買収することを思い立った。これは全世界のレニたんファンの総意である。
ないのなら、作ってもらおうレニたんルート。ボリュームマシマシのファンディスクでもいい。筆頭株主になってデカくなった声で叫べば、夢は叶う。これが金と権力の正しい使い道ってやつだ。
でも、そんな俺の夢は叶わずに終わってしまった。『君アル』の製作会社の別レーベルが出した正統派RPGが大ヒットした結果、株価は跳ね上がり、俺は大儲け。
自分に転がり込んだはずの次期当主の座が脅かされると恐れた弟に、事故を装って殺されちゃったってわけ。
俺はもう、めちゃくちゃ心残りだった。
(あとちょっとで、レニたんは幸せになるはずだったのに。俺が幸せにしてあげたかったのに)
それだけを心残りにして死んだ結果、俺は見事『君アル』世界のアーネストとして生まれ変わったってわけ。
それを思い出したのは、ほんと断罪ギリギリの直前になってからだったけど。
レニたんのあのキラキラした瞳。それを見た時、何もかも思い出した。何のために、俺は生まれて来たのか。俺のすべきことは何なのか。
クソみたいな断罪してる場合じゃない。レニたんを幸せにしなくては。
今までのアーネストの悪行を思い返すと、我ながら殴り殺したくなるけれど、俺が死んだらレニたんは後妻凌辱ルートか教会監禁性奴隷ルート一直線である。
何より、俺がレニたんの笑顔を一番傍で見たい。あわよくばエロいこともしたい。
虫がよすぎるかもしれないけど、ほんと、本気で頑張ります。チャラ過ぎて軽くて不愉快って言われるこの口調も、できるだけ直します。
レニたんを煩わせる全てを木端微塵に片付けるから、ちょっとだけ待っててね。
異世界転生超絶エンジョイ中、王太子アーネストです。
ちょっと勘のいい人たちは気付いてるかもしんないけど、レニたん断罪イベントの真っ最中に、俺は覚醒しました。
説明ちょっと長くなるけど、ちょっとだけ我慢してねプリーズ。
俺は、前世でレニたんことレニオール・ノクティスの大大大ファンで、推しのレニたんに生活を捧げてた。
さっきも言ったけど、『君が望むアルカディア』こと『君アル』のデモ動画を見た時から一筋に推してる。
自慢じゃないけど、俺はかなりいいとこの生まれで、出来も良くて、イージーモードの人生送ってたと思う。たいして努力しなくても大抵のことは人並み以上、見た目もいけてるし、めちゃくちゃモテた。誰からもちやほやされて、このまま親父の後継いで勝ち組な人生送るんだろうなー、みたいな。
そんな俺の人生設計が、トラックに突っ込まれた1秒で終わったよね。いやほんと、一瞬過ぎでビックリする。
そのまま死ねたらある意味楽だったのかもしんないけど、俺は生きてた。二度と立てなくなったけど、それ以外はフツーに生き残った。
そしたら、俺の周りにいた人間はほっとんど俺の前からいなくなった。笑うよね。つまり、跡継ぎになれなくなった俺には用ないですよ、ってこと。
直後はそれなりにショックも受けたし凹んだり恨んだりもしたけど、一番衝撃的だったのはたいして寂しいとも思ってない自分に気付いた時だったよね。
で、めちゃくちゃ腑に落ちた。なーんだ、俺じゃんって。俺が、誰のことも大事になんて思ってなくって、どーでもいいヤツらと思ってたから、誰かの『どーでもよくない奴』になれなかった。そりゃしゃーない。
一人になって、良かったこともあった。それは、もう誰の評価も気にしなくていいってこと。
みんなの考える『俺らしい』に拘ることなく、好きなことを好きなだけやっていい。実はゲイで腐男子でゲーオタで、隠れてBLゲー網羅しまくってることとかも、もう隠さなくていい。
そう開き直ってからは、入院生活も天国だった。部屋は個室だし、誰に気兼ねすることもない。
新作BLゲーを求めて、ネットにダイブしまくったりした。
そこで、レニたんと運命的な出会いを果たしたってわけ。
動画で出てきたレニたんは、セリフは一言だけだったけどそりゃあもう可愛くて、強がってる内気なハムスターみたいな雰囲気がたまらないキャラだった。
俺は一目で推しと定めて、発売日を首を長くしまくって待ってた。
そんな俺が、何をどうやってもレニたんを幸せにできないと知った時の気持ち、わかる?もうね、絶望しかない。
レニたんはアーネストルートに入ると、アーネストに理不尽な目に遭わされ、不幸な境遇から主人公のマリクにちょっかいを出し、めちゃくちゃ理不尽に婚約破棄される(ライターの意図はどうあれ、マジこうにしか見えない)。
トゥルーだと修道院に送られて、神父とか偉い枢機卿とかに慰み者にされるし(スチルがクッソエロくてめちゃくちゃやばい)、グッドでもまあお察しの酷い目に遭わされる。
SNSではある意味ユーザーへのご褒美とか、あんまりにも可哀想過ぎという声が多く上がり、レニたんは攻略対象外にも関わらず、それなりに人気のあるキャラだった。
俺は手持ちの資産で、『君アル』製作会社を買収することを思い立った。これは全世界のレニたんファンの総意である。
ないのなら、作ってもらおうレニたんルート。ボリュームマシマシのファンディスクでもいい。筆頭株主になってデカくなった声で叫べば、夢は叶う。これが金と権力の正しい使い道ってやつだ。
でも、そんな俺の夢は叶わずに終わってしまった。『君アル』の製作会社の別レーベルが出した正統派RPGが大ヒットした結果、株価は跳ね上がり、俺は大儲け。
自分に転がり込んだはずの次期当主の座が脅かされると恐れた弟に、事故を装って殺されちゃったってわけ。
俺はもう、めちゃくちゃ心残りだった。
(あとちょっとで、レニたんは幸せになるはずだったのに。俺が幸せにしてあげたかったのに)
それだけを心残りにして死んだ結果、俺は見事『君アル』世界のアーネストとして生まれ変わったってわけ。
それを思い出したのは、ほんと断罪ギリギリの直前になってからだったけど。
レニたんのあのキラキラした瞳。それを見た時、何もかも思い出した。何のために、俺は生まれて来たのか。俺のすべきことは何なのか。
クソみたいな断罪してる場合じゃない。レニたんを幸せにしなくては。
今までのアーネストの悪行を思い返すと、我ながら殴り殺したくなるけれど、俺が死んだらレニたんは後妻凌辱ルートか教会監禁性奴隷ルート一直線である。
何より、俺がレニたんの笑顔を一番傍で見たい。あわよくばエロいこともしたい。
虫がよすぎるかもしれないけど、ほんと、本気で頑張ります。チャラ過ぎて軽くて不愉快って言われるこの口調も、できるだけ直します。
レニたんを煩わせる全てを木端微塵に片付けるから、ちょっとだけ待っててね。
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