67 / 80
無防備な神子
しおりを挟む
一方セイは、マナトと別れマクシミリアンの詰めている書庫に向かった。
教会に溜まった膿を吐き出させるべく、今の材料に加えて過去の資料を漁っているのだ。
それがなかなかに難航しているらしく、ここ数日はずっと書庫の住人でいるらしい。
セイもそのことに関しては責任を感じなくもないので、刺繍も一段落付いたし手伝いを申し出たのだが、すげなく断られてしまった。
こと教会関係のことについては、もうマクシミリアンはセイにタッチさせるつもりはないらしい。
(まったく、マクシミリアン様は意地っ張りなんだから。僕これでも大学生だったんだよ?調べ物なんか得意中の得意だし、絶対役に立つのにさ)
その時のことを思い出してセイは口を尖らせたが、こればかりはそういう問題ではないのだろうということも頭では理解していた。
だからこそ、こうしてマナトと一緒に差し入れを用意してきたのである。
直接手伝いは出来なくても、せめて労いぐらいはしてやりたい。
書庫には以前マナトに持たせる聖水を作る作るために行ったことがあった。
あの時もマクシミリアンに手伝ってもらったのだと、セイは懐かしく思い出す。
まさかあの時の聖水が、巡り巡って自分を成長させてしまうとは、あの時は思ってもみなかった。
(あの時は便利に使えるバカ王子だと思ってたけど、それがわさわざこんなの作っちゃうまでになるなんてなぁ)
お互い本当の自分というものを明かしていなかった時の話だ。
今思えば、あの『狙ってます』アピールの媚び全開だったマクシミリアンは本当に気色悪い。
それをあしらっているつもりでいた自分も噴飯ものの恥ずかしさなので、敢えてそこを蒸し返すつもりは毛頭ないが、たった2ヶ月程度でも懐かしさはある。
「セイ様、バスケットをお持ち致しましょうか?」
リリアンの申し出に、セイは首を横に振った。
こんな軽いバスケットをわざわざ女性に渡すほど落ちぶれていない。
「大丈夫だよ、リリアン。これぐらいなら軽いし」
「そうですか?やっぱり大きくなられると違いますね」
リリアンは召喚された当初からセイに付いていた世話係だったため、成長前のセイをよく知っている。
あの頃は割と奔放に見えるよう可愛らしい我儘を沢山言っていたし、メイドたちもよく使っていたと思う。
自分では何も出来ないと思わせていた方が万一の時にガードが緩むと思っていたからなのだが、あれも指摘されるとなかなか恥ずかしい黒歴史である。
「まあね、だからか弱い女性に荷物を持たせたりしないよ」
「まあ!セイ様ったら」
セイは必要以上に自分を神子として扱わないリリアンを気に入っていた。
自分に向けられる好意は感じるが、邪念も下心も見受けられない。
マナトにも変わらず優しいし、信頼の置けるお姉さんといった感じだ。
リリアンは頼れるメイドらしく書庫の前に控える護衛達に声がけをした。
「セイ様がマクシミリアン殿下に差し入れをお持ちです。お取次ぎをお願い致します」
マクシミリアンの護衛は、さすが主の擁する神子のことは認知していた。勿論、セイにかねてより仕えているリリアンとも面識がある。
『ははっ』とセイに一礼をして、1人は主に取次をすべく書庫の中に消えていった。
ほどなくして許可が降り、セイは書庫への入室を許される。
本来ならば書庫内での飲食は厳禁なのだが、そこは神子と王族の特権で黙殺されていた。
「……こちらに」
マクシミリアンは、書庫の奥にある資料室に詰めているらしい。
案内をしてくれたのはセイも見知った侍従の男である。名はアルヴィンと言う。
基本的に無口な彼は多くを語らないが、主には忠実な男だ。腰に下げた剣は重そうで、護衛としても相当な実力があることを伺わせる。
マクシミリアンはライオネルよりもいささかスレンダーで、貧弱ではないもののそこまで実用的な筋肉の付き方をしているわけではない。
剣の腕前も今のセイよりは少し強いが、経験の差というところが大きく、恐らく真面目に鍛錬すればセイが完全にマクシミリアンを打ち負かす日もそう遠いことではないだろう。
それだけに、仕える侍従にも主人を守れるだけの強さが必要だった。
「マクシミリアン様、いつからここに閉じ籠もってるの?」
セイに尋ねられて、アルヴィンは振り返る。
諸悪の根源でありながら悪びれないセイに、ほんの一瞬だけ物言いたげな視線をくれたが、口を開くことはなかった。
幼い頃からの学友でもあるアルヴィンは、マクシミリアンの気質をよく理解している。
あの何事につけ波風を立てないことを優先する幼なじみが、デコピンをくれた神子だ。
マクシミリアンはセイが危険を省みず無茶を仕出かしたことが相当腹に据えかねたのだろう。
セイは主に負担を強いている元凶ではあるが、マクシミリアンがそうしてやろうと思うほどの相手であることは間違いない。
主人の体調は心配だが、わざわざセイを責めて激務に耐えているマクシミリアンの男を下げることもないとアルヴィンは思った。
「本日は朝方の5時からこちらに詰めておいでです」
淡々と事実だけを述べたアルヴィンに、セイは『うへぇ』と顔を歪める。
確かに種を蒔いたのは自分だが、何故そこまで焦る必要があるのか。
今は誕生日を控えた忙しい時期だろうに、わざわざ無理をしてまで解決を急ぐ理由がわからない。
「なんでそんな根詰めるかな。そこまで急ぐ案件でもないと思うけど」
セイが動く意志がない以上、あの取引は成立しない。神子無しで計画を進められるようであれば、今頃とっくに教会は王家を食い尽くしていたはずだ。
思ったことをそのまま口に出したセイに、アルヴィンはほんの少し眉を動かした。
「それだけマクシミリアン様はこの件を重要視しているということでしょうね」
「ふぅん」
真面目なマクシミリアンらしい、とセイは気のない返事を返した。
アルヴィンは意図を正確に伝えられなかった自分の口下手を残念に思ったが、それ以上言葉を重ねることはしない。
あの案件を放置しておいて一番危険に晒されるのは、王家ではなくセイなのだ。
この計画はセイがいなければ動かないが、逆に言えばセイさえその気にさせることができれば再び動き始める。
それがセイの自由意志であろうが、卑劣な手段を用いて無理矢理頷かせたものであろうが、教会の連中にとっては大した違いはない。
そのあたりのことを、セイが自覚しているようには思われなかった。
(これは、護衛を増やすよう進言したほうがいいかもしれんな)
ある程度の自衛手段を持つセイではあるが、それだけにある意味マナトよりも危なっかしい存在とも言える。
マナトは非力だが、自分に身を守る術がないことを自覚している。
襲われることへの怖さや不安も感じているし、他人の悪意にも敏感だ。
だからこそ、護衛の言うことにも素直に従うし、行動も慎重だった。
そういう護衛対象は、守る側としては非常にありがたい。
厄介なのは、セイのように自尊心が高く、自立心旺盛な子供である。
先日の中庭での一件でも明らかなように、セイには複数で卑劣な手段を使われて尚相手をねじ伏せられる力はない。
しかし、大抵の悪人は複数で卑劣な手段を使うのが常なのだ。
あの事件以来、多少はその自覚を持ってもらえたようだが、異世界育ちの神子は未だこの世界の流儀を完全には理解していない。
しかし、こればかりは言葉で言い聞かせるのには限界がある。さりとて、この世界の血生臭さを間近で見せつけることなど出来るはずがなかった。
ゆえに、幼い神子はアルヴィンの主が何故早期に災厄の芽を摘むことに奔走するのか疑問に感じてしまうのだろう。
「マクシミリアン殿下、セイ様がいらっしゃいました」
「おー、適当に入れ」
軽いノックと共に声を掛けると、中からいかにもぞんざいな返事が返ってきた。
まったく、主も内心は嬉しいだろうに、こちらも厄介な性格である。
アルヴィンは心の中で軽いため息を吐きつつ、そっとドアを開いたのだった。
教会に溜まった膿を吐き出させるべく、今の材料に加えて過去の資料を漁っているのだ。
それがなかなかに難航しているらしく、ここ数日はずっと書庫の住人でいるらしい。
セイもそのことに関しては責任を感じなくもないので、刺繍も一段落付いたし手伝いを申し出たのだが、すげなく断られてしまった。
こと教会関係のことについては、もうマクシミリアンはセイにタッチさせるつもりはないらしい。
(まったく、マクシミリアン様は意地っ張りなんだから。僕これでも大学生だったんだよ?調べ物なんか得意中の得意だし、絶対役に立つのにさ)
その時のことを思い出してセイは口を尖らせたが、こればかりはそういう問題ではないのだろうということも頭では理解していた。
だからこそ、こうしてマナトと一緒に差し入れを用意してきたのである。
直接手伝いは出来なくても、せめて労いぐらいはしてやりたい。
書庫には以前マナトに持たせる聖水を作る作るために行ったことがあった。
あの時もマクシミリアンに手伝ってもらったのだと、セイは懐かしく思い出す。
まさかあの時の聖水が、巡り巡って自分を成長させてしまうとは、あの時は思ってもみなかった。
(あの時は便利に使えるバカ王子だと思ってたけど、それがわさわざこんなの作っちゃうまでになるなんてなぁ)
お互い本当の自分というものを明かしていなかった時の話だ。
今思えば、あの『狙ってます』アピールの媚び全開だったマクシミリアンは本当に気色悪い。
それをあしらっているつもりでいた自分も噴飯ものの恥ずかしさなので、敢えてそこを蒸し返すつもりは毛頭ないが、たった2ヶ月程度でも懐かしさはある。
「セイ様、バスケットをお持ち致しましょうか?」
リリアンの申し出に、セイは首を横に振った。
こんな軽いバスケットをわざわざ女性に渡すほど落ちぶれていない。
「大丈夫だよ、リリアン。これぐらいなら軽いし」
「そうですか?やっぱり大きくなられると違いますね」
リリアンは召喚された当初からセイに付いていた世話係だったため、成長前のセイをよく知っている。
あの頃は割と奔放に見えるよう可愛らしい我儘を沢山言っていたし、メイドたちもよく使っていたと思う。
自分では何も出来ないと思わせていた方が万一の時にガードが緩むと思っていたからなのだが、あれも指摘されるとなかなか恥ずかしい黒歴史である。
「まあね、だからか弱い女性に荷物を持たせたりしないよ」
「まあ!セイ様ったら」
セイは必要以上に自分を神子として扱わないリリアンを気に入っていた。
自分に向けられる好意は感じるが、邪念も下心も見受けられない。
マナトにも変わらず優しいし、信頼の置けるお姉さんといった感じだ。
リリアンは頼れるメイドらしく書庫の前に控える護衛達に声がけをした。
「セイ様がマクシミリアン殿下に差し入れをお持ちです。お取次ぎをお願い致します」
マクシミリアンの護衛は、さすが主の擁する神子のことは認知していた。勿論、セイにかねてより仕えているリリアンとも面識がある。
『ははっ』とセイに一礼をして、1人は主に取次をすべく書庫の中に消えていった。
ほどなくして許可が降り、セイは書庫への入室を許される。
本来ならば書庫内での飲食は厳禁なのだが、そこは神子と王族の特権で黙殺されていた。
「……こちらに」
マクシミリアンは、書庫の奥にある資料室に詰めているらしい。
案内をしてくれたのはセイも見知った侍従の男である。名はアルヴィンと言う。
基本的に無口な彼は多くを語らないが、主には忠実な男だ。腰に下げた剣は重そうで、護衛としても相当な実力があることを伺わせる。
マクシミリアンはライオネルよりもいささかスレンダーで、貧弱ではないもののそこまで実用的な筋肉の付き方をしているわけではない。
剣の腕前も今のセイよりは少し強いが、経験の差というところが大きく、恐らく真面目に鍛錬すればセイが完全にマクシミリアンを打ち負かす日もそう遠いことではないだろう。
それだけに、仕える侍従にも主人を守れるだけの強さが必要だった。
「マクシミリアン様、いつからここに閉じ籠もってるの?」
セイに尋ねられて、アルヴィンは振り返る。
諸悪の根源でありながら悪びれないセイに、ほんの一瞬だけ物言いたげな視線をくれたが、口を開くことはなかった。
幼い頃からの学友でもあるアルヴィンは、マクシミリアンの気質をよく理解している。
あの何事につけ波風を立てないことを優先する幼なじみが、デコピンをくれた神子だ。
マクシミリアンはセイが危険を省みず無茶を仕出かしたことが相当腹に据えかねたのだろう。
セイは主に負担を強いている元凶ではあるが、マクシミリアンがそうしてやろうと思うほどの相手であることは間違いない。
主人の体調は心配だが、わざわざセイを責めて激務に耐えているマクシミリアンの男を下げることもないとアルヴィンは思った。
「本日は朝方の5時からこちらに詰めておいでです」
淡々と事実だけを述べたアルヴィンに、セイは『うへぇ』と顔を歪める。
確かに種を蒔いたのは自分だが、何故そこまで焦る必要があるのか。
今は誕生日を控えた忙しい時期だろうに、わざわざ無理をしてまで解決を急ぐ理由がわからない。
「なんでそんな根詰めるかな。そこまで急ぐ案件でもないと思うけど」
セイが動く意志がない以上、あの取引は成立しない。神子無しで計画を進められるようであれば、今頃とっくに教会は王家を食い尽くしていたはずだ。
思ったことをそのまま口に出したセイに、アルヴィンはほんの少し眉を動かした。
「それだけマクシミリアン様はこの件を重要視しているということでしょうね」
「ふぅん」
真面目なマクシミリアンらしい、とセイは気のない返事を返した。
アルヴィンは意図を正確に伝えられなかった自分の口下手を残念に思ったが、それ以上言葉を重ねることはしない。
あの案件を放置しておいて一番危険に晒されるのは、王家ではなくセイなのだ。
この計画はセイがいなければ動かないが、逆に言えばセイさえその気にさせることができれば再び動き始める。
それがセイの自由意志であろうが、卑劣な手段を用いて無理矢理頷かせたものであろうが、教会の連中にとっては大した違いはない。
そのあたりのことを、セイが自覚しているようには思われなかった。
(これは、護衛を増やすよう進言したほうがいいかもしれんな)
ある程度の自衛手段を持つセイではあるが、それだけにある意味マナトよりも危なっかしい存在とも言える。
マナトは非力だが、自分に身を守る術がないことを自覚している。
襲われることへの怖さや不安も感じているし、他人の悪意にも敏感だ。
だからこそ、護衛の言うことにも素直に従うし、行動も慎重だった。
そういう護衛対象は、守る側としては非常にありがたい。
厄介なのは、セイのように自尊心が高く、自立心旺盛な子供である。
先日の中庭での一件でも明らかなように、セイには複数で卑劣な手段を使われて尚相手をねじ伏せられる力はない。
しかし、大抵の悪人は複数で卑劣な手段を使うのが常なのだ。
あの事件以来、多少はその自覚を持ってもらえたようだが、異世界育ちの神子は未だこの世界の流儀を完全には理解していない。
しかし、こればかりは言葉で言い聞かせるのには限界がある。さりとて、この世界の血生臭さを間近で見せつけることなど出来るはずがなかった。
ゆえに、幼い神子はアルヴィンの主が何故早期に災厄の芽を摘むことに奔走するのか疑問に感じてしまうのだろう。
「マクシミリアン殿下、セイ様がいらっしゃいました」
「おー、適当に入れ」
軽いノックと共に声を掛けると、中からいかにもぞんざいな返事が返ってきた。
まったく、主も内心は嬉しいだろうに、こちらも厄介な性格である。
アルヴィンは心の中で軽いため息を吐きつつ、そっとドアを開いたのだった。
20
お気に入りに追加
3,911
あなたにおすすめの小説
【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま
【完結】マジで滅びるんで、俺の為に怒らないで下さい
白井のわ
BL
人外✕人間(人外攻め)体格差有り、人外溺愛もの、基本受け視点です。
村長一家に奴隷扱いされていた受けが、村の為に生贄に捧げられたのをきっかけに、双子の龍の神様に見初められ結婚するお話です。
攻めの二人はひたすら受けを可愛がり、受けは二人の為に立派なお嫁さんになろうと奮闘します。全編全年齢、少し受けが可哀想な描写がありますが基本的にはほのぼのイチャイチャしています。
白銀の城の俺と僕
片海 鏡
BL
絶海の孤島。水の医神エンディリアムを祀る医療神殿ルエンカーナ。島全体が白銀の建物の集合体《神殿》によって形作られ、彼らの高度かつ不可思議な医療技術による治療を願う者達が日々海を渡ってやって来る。白銀の髪と紺色の目を持って生まれた子供は聖徒として神殿に召し上げられる。オメガの青年エンティーは不遇を受けながらも懸命に神殿で働いていた。ある出来事をきっかけに島を統治する皇族のαの青年シャングアと共に日々を過ごし始める。 *独自の設定ありのオメガバースです。恋愛ありきのエンティーとシャングアの成長物語です。下の話(セクハラ的なもの)は話しますが、性行為の様なものは一切ありません。マイペースな更新です。*
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
天啓によると殿下の婚約者ではなくなります
ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。
フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。
●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移要素はありません。
公爵家の次男は北の辺境に帰りたい
あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。
8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。
序盤はBL要素薄め。
使い捨ての元神子ですが、二回目はのんびり暮らしたい
夜乃すてら
BL
一度目、支倉翠は異世界人を使い捨ての電池扱いしていた国に召喚された。双子の妹と信頼していた騎士の死を聞いて激怒した翠は、命と引き換えにその国を水没させたはずだった。
しかし、日本に舞い戻ってしまう。そこでは妹は行方不明になっていた。
病院を退院した帰り、事故で再び異世界へ。
二度目の国では、親切な猫獣人夫婦のエドアとシュシュに助けられ、コフィ屋で雑用をしながら、のんびり暮らし始めるが……どうやらこの国では魔法士狩りをしているようで……?
※なんかよくわからんな…と没にしてた小説なんですが、案外いいかも…?と思って、試しにのせてみますが、続きはちゃんと考えてないので、その時の雰囲気で書く予定。
※主人公が受けです。
元々は騎士ヒーローもので考えてたけど、ちょっと迷ってるから決めないでおきます。
※猫獣人がひどい目にもあいません。
(※R指定、後から付け足すかもしれません。まだわからん。)
※試し置きなので、急に消したらすみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる