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全体世界編
第12話 アースノア対ゲルマン
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突如艦艇から放たれた砲弾がアースノアに直撃したが、アースノアの損害はなかった。
「核兵器に類似した砲弾と思われます。直撃を受けて次元障壁消耗率は現在、0.58%」
ルナから砲弾の詳細と、次元障壁の消耗率について報告が入る。
うん、やっぱり次元障壁ってチートだな。
核兵器の直撃を受けても耐える次元障壁の堅牢さに内心引いていると、敵艦隊に動きがあった。
「敵艦隊、陣形変更。囲まれます」
敵艦隊は陣形を変更し、超小型艦と小型艦がアースノアの左右に、中型艦は両側の斜め前に、大型艦は正面からそれぞれ、アースノアを囲い全ての火力をぶつけてきた。
「そろそろ潮時かな~?」
これ以上何も無いと思い、俺が次元跳躍を考え始めたその時、
「…月面に艦影を確認。超大型艦がこちらに向かってきます」
レーダーに新たなる艦艇が出現したと聞き、月の方を見てみる。
月の方を見てみると、超大型の艦艇がこちらに向かってきていた。
なるほど、今行われているのは遅滞戦術か。
「あれが最後の切り札か…ルナ、妨害電波と破滅電磁波の準備はいいな?」
「いつでも良いです」
ルナにもう一つの武装の準備を確認した。
「進路変更。目標超大型艦!」
アースノアは短く連続で汽笛を鳴らした後、左に転進して出てきた宇宙船に向かうことにした。
敵艦隊の陣形は、アースノアが左に転身を行ったことによりあっという間に乱れ、後ろから追う形になった。
距離が近くなると、超大型艦からミサイルが6本放たれた。
「妨害電波照射!」
「了解」
超大型艦のミサイル発射を合図に、妨害電波がアースノアの中心に広範囲に照射される。
妨害電波。アースノアに搭載されている電波発生装置から放つことが出来る電波のことで、敵のレーダー、ソナー、通信機器などを撹乱、使用不可にすることができる。無論、この電波は誘導式のミサイルなどにも有効だ。
妨害電波により電波障害が発生し、その影響をもろに食らったミサイルは、あらぬ方向に飛んで行って爆発した。
すると敵艦の主砲が動き出し、6発の光線が放たれた。放たれた光線は1本の光線となり、アースノアを正面から貫こうとしたが、次元障壁に呆気なく弾かれた。
「超高次元障壁消耗率0.78%敵艦主砲は荷電粒子砲と思われます」
ルナは消耗率と共に主砲について解析報告を行ってくれる。
「よーし、反転!超大型艦を敵艦隊に誘い込む!」
「了解」
考えがある俺は、アースノアを反転して、態と挟み撃ちにされるようにした。
○
月面基地から発進したゲルマンは、味方艦隊とアースノアをレーダーで捉えた。
「目標、こちらに向かってきます!」
「…」
転進したアースノアが、まっすぐと向かってきているのを確認される。
「艦首誘導ミサイル全弾発射!」
アルヒルドの命令で、ゲルマンの艦首に装備されている発射管から誘導ミサイルが放たれる。
だが、
「目標から強力な電磁波!レーダーと通信機器が使用不可能です!!」
アースノアによる妨害電波により、ミサイルは別の方向に飛んでいき、ゲルマンのレーダーは一瞬にして乱れ、他艦との通信機器は途絶した。
「砲雷長!手動で目標を捉え、融合式で主砲を目標正面に向けて撃て!」
「了解!主砲1番2番、融合式に切りかえ、主砲てーー!!」
ゲルマンの前部にある第1第2主砲から、一度砲口で膨れ上がったのち、アースノアに向けて荷電粒子砲が放たれる。荷電粒子の光線は捻りあい一つに纏まった後、アースノアの正面に命中する。
しかし、
「弾かれた!?」
荷電粒子砲は、アースノアの次元障壁に虚しく弾かれ、宇宙空間に分散される。
「砲雷長、もう一発!」
「無理だ!冷却を待たずに放てば、主機が爆発して内部から崩壊する!」
乗組員達が混乱していると、アースノアがいきなり転進して、艦隊の方に向かい始める。
「艦長、追撃しましょう!恐らく荷電粒子砲が効いているのです!」
「味方艦隊と挟撃出来ます!」
「…」
アースノアの転進に、乗組員達は次々と追撃を進言する。
「分かった。目標を追撃する!機関最大!」
乗組員達の意見を取り入れ、アルヒルドは味方艦隊との挟撃作戦に出た。
その作戦が罠だと知らずに…
○
アースノアは光線砲の雨を受けながら、真っ直ぐと突き進む。
「来たな…」
後ろを振り返ってみると、超大型艦が副砲をこちらに向けて放ちながら追ってきた。
「破滅電磁波照射用意!」
「準備完了」
超大型艦をできるだけ艦隊まで引き寄せるため、破滅電磁波を照射するタイミングを見極めようとする。
「……今だ、破滅電磁波最大照射!」
艦隊に完全に囲われ、超大型艦をできるだけ引き寄せたタイミングで、破滅電磁波を最大出力で放つ。
破滅電磁波照射と同時に、敵艦の動きや光線が乱れ始める。
破滅電磁波。敵システムに干渉し、強制的にエラーを発生させる特殊な電磁波である。
その結果、制御を失った艦は縦に回転を始めたり、味方同士でぶつかったり、主砲などが暴発し味方艦を撃沈してしまうなどの支障が出始める。
「さーて、お返しは出来たし、そろそろ行くか。機関最大、宙域を離れる」
汽笛を数回鳴らし、地獄絵図が広がる宙域から、アースノアは離れていく。
破滅電磁波の影響で、システムなどが無茶苦茶になっているため、アースノアを追ってくる艦は居らず、アースノアはそのまま光速で離れて行った。
「核兵器に類似した砲弾と思われます。直撃を受けて次元障壁消耗率は現在、0.58%」
ルナから砲弾の詳細と、次元障壁の消耗率について報告が入る。
うん、やっぱり次元障壁ってチートだな。
核兵器の直撃を受けても耐える次元障壁の堅牢さに内心引いていると、敵艦隊に動きがあった。
「敵艦隊、陣形変更。囲まれます」
敵艦隊は陣形を変更し、超小型艦と小型艦がアースノアの左右に、中型艦は両側の斜め前に、大型艦は正面からそれぞれ、アースノアを囲い全ての火力をぶつけてきた。
「そろそろ潮時かな~?」
これ以上何も無いと思い、俺が次元跳躍を考え始めたその時、
「…月面に艦影を確認。超大型艦がこちらに向かってきます」
レーダーに新たなる艦艇が出現したと聞き、月の方を見てみる。
月の方を見てみると、超大型の艦艇がこちらに向かってきていた。
なるほど、今行われているのは遅滞戦術か。
「あれが最後の切り札か…ルナ、妨害電波と破滅電磁波の準備はいいな?」
「いつでも良いです」
ルナにもう一つの武装の準備を確認した。
「進路変更。目標超大型艦!」
アースノアは短く連続で汽笛を鳴らした後、左に転進して出てきた宇宙船に向かうことにした。
敵艦隊の陣形は、アースノアが左に転身を行ったことによりあっという間に乱れ、後ろから追う形になった。
距離が近くなると、超大型艦からミサイルが6本放たれた。
「妨害電波照射!」
「了解」
超大型艦のミサイル発射を合図に、妨害電波がアースノアの中心に広範囲に照射される。
妨害電波。アースノアに搭載されている電波発生装置から放つことが出来る電波のことで、敵のレーダー、ソナー、通信機器などを撹乱、使用不可にすることができる。無論、この電波は誘導式のミサイルなどにも有効だ。
妨害電波により電波障害が発生し、その影響をもろに食らったミサイルは、あらぬ方向に飛んで行って爆発した。
すると敵艦の主砲が動き出し、6発の光線が放たれた。放たれた光線は1本の光線となり、アースノアを正面から貫こうとしたが、次元障壁に呆気なく弾かれた。
「超高次元障壁消耗率0.78%敵艦主砲は荷電粒子砲と思われます」
ルナは消耗率と共に主砲について解析報告を行ってくれる。
「よーし、反転!超大型艦を敵艦隊に誘い込む!」
「了解」
考えがある俺は、アースノアを反転して、態と挟み撃ちにされるようにした。
○
月面基地から発進したゲルマンは、味方艦隊とアースノアをレーダーで捉えた。
「目標、こちらに向かってきます!」
「…」
転進したアースノアが、まっすぐと向かってきているのを確認される。
「艦首誘導ミサイル全弾発射!」
アルヒルドの命令で、ゲルマンの艦首に装備されている発射管から誘導ミサイルが放たれる。
だが、
「目標から強力な電磁波!レーダーと通信機器が使用不可能です!!」
アースノアによる妨害電波により、ミサイルは別の方向に飛んでいき、ゲルマンのレーダーは一瞬にして乱れ、他艦との通信機器は途絶した。
「砲雷長!手動で目標を捉え、融合式で主砲を目標正面に向けて撃て!」
「了解!主砲1番2番、融合式に切りかえ、主砲てーー!!」
ゲルマンの前部にある第1第2主砲から、一度砲口で膨れ上がったのち、アースノアに向けて荷電粒子砲が放たれる。荷電粒子の光線は捻りあい一つに纏まった後、アースノアの正面に命中する。
しかし、
「弾かれた!?」
荷電粒子砲は、アースノアの次元障壁に虚しく弾かれ、宇宙空間に分散される。
「砲雷長、もう一発!」
「無理だ!冷却を待たずに放てば、主機が爆発して内部から崩壊する!」
乗組員達が混乱していると、アースノアがいきなり転進して、艦隊の方に向かい始める。
「艦長、追撃しましょう!恐らく荷電粒子砲が効いているのです!」
「味方艦隊と挟撃出来ます!」
「…」
アースノアの転進に、乗組員達は次々と追撃を進言する。
「分かった。目標を追撃する!機関最大!」
乗組員達の意見を取り入れ、アルヒルドは味方艦隊との挟撃作戦に出た。
その作戦が罠だと知らずに…
○
アースノアは光線砲の雨を受けながら、真っ直ぐと突き進む。
「来たな…」
後ろを振り返ってみると、超大型艦が副砲をこちらに向けて放ちながら追ってきた。
「破滅電磁波照射用意!」
「準備完了」
超大型艦をできるだけ艦隊まで引き寄せるため、破滅電磁波を照射するタイミングを見極めようとする。
「……今だ、破滅電磁波最大照射!」
艦隊に完全に囲われ、超大型艦をできるだけ引き寄せたタイミングで、破滅電磁波を最大出力で放つ。
破滅電磁波照射と同時に、敵艦の動きや光線が乱れ始める。
破滅電磁波。敵システムに干渉し、強制的にエラーを発生させる特殊な電磁波である。
その結果、制御を失った艦は縦に回転を始めたり、味方同士でぶつかったり、主砲などが暴発し味方艦を撃沈してしまうなどの支障が出始める。
「さーて、お返しは出来たし、そろそろ行くか。機関最大、宙域を離れる」
汽笛を数回鳴らし、地獄絵図が広がる宙域から、アースノアは離れていく。
破滅電磁波の影響で、システムなどが無茶苦茶になっているため、アースノアを追ってくる艦は居らず、アースノアはそのまま光速で離れて行った。
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