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全体世界編
第8話 動く第四帝国
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ドイツ第三帝国。20世紀最恐最悪な独裁者、アドルフ・ヒトラー率いる国家社会主義ドイツ労働者党(通称:ナチ党)が、1933年1月30日に成立した独裁帝国である。
この世界の第二次世界大戦は、枢軸国側の圧勝で終わった。その結果、欧州は第三帝国が治め、東アジア、東南アジア、中央アジア、オセアニアには、日本帝国による大東亜共栄圏が設立。ソ連、アメリカは第三帝国と大日本帝国によって、それぞれウラル山脈とロッキー山脈で分断されてしまった。
1950年代後半まで、2つの帝国は啀み合っていたが、1958年4月27日にアフリカ人が独立を勝ち取るために、第三帝国に反旗を翻した。これを受けて第三帝国は、ヒトラーの命令でアフリカの独立戦争は、大日本帝国が要因とでっち上げ、大東亜共栄圏に攻撃を開始。そのまま、第三帝国と大日本帝国による第三次世界大戦が開戦された。
第三次世界大戦は十数年にも及び、世界の各地で行われたが、最終的には天皇陛下と大東亜共栄圏に住む臣民の安全保障を条件に、大日本帝国が第三帝国に降伏で、幕を閉じた。
1973年1月30日。第三帝国建国記念日にヒトラーは、世界首都ゲルマニアのフォルクスハレから演説を行った。そこでヒトラーは、ドイツ第三帝国をヴェルト第四帝国に改め、更に自身の後継者として、二代目総統に親衛隊隊長のラインハルト・ハイドリヒを指名。
二代目総統に指名されたハイドリヒは、同日に演説を行い、ヴェルト第四帝国による銀河の統一を高らかに宣言した。
○
ベルリン北郊外にあるテーゲル。そこには宇宙旅行協会が建設したロケット発射場が閉鎖されている状態で放置されていた。銀河の統一を宣言したハイドリヒは、テーゲルのロケット発射場に目につけ、ナチス宇宙軍の総司令部並びに研究所を建設した。
ナチス宇宙軍総司令官に任命されたダミヤン・フォン・エッセンは、アースノアについての報告を受けていた。
「宇宙空間を走る列車…それも蒸気機関車か」
エッセンはアースノアの写真を見てもなお、信じきれなかった。
それもそうだ。UFOや艦艇の形をした物ならまだしも、列車となれば疑いたくなる。
「本当にこんな物が発見されたのかね?」
「はっ!土星沖でパトロールを行っていた第二護衛艦隊が発見した模様です。第二護衛艦隊司令長官、エルラ・メルバードは、鹵獲するために砲撃命令を下したようですが、列車は傷一つつけることなく消えたとのことです」
報告を疑うエッセンに、報告をしに来たディーター・アイスケーは更に詳しい報告を述べる。
「集団幻覚という訳では無いのだな…?」
「勿論です!それどころか、列車が土星沖から消えてすぐ、地球軌道に出現。演習を行っていた第一主力艦隊が、攻撃を行いました」
「馬鹿な?!列車が瞬間移動を行ったとでも言うのか!?」
第二護衛艦隊の者達の幻覚を疑っていたエッセンだったが、アイスケーから地球軌道に列車が突如出現したことを聞き、エッセンは声を大にして驚愕した。
宇宙進出に伴い、宇宙開発を進めている第四帝国でもワープ航法は、未だ理論上の代物あり、それを実現できているアースノアは、第四帝国にとって超文明の代物である。
「それで、その列車は!?」
「第一主力艦隊の攻撃により、機関の一部が損傷したようで、地球の何処かに墜落した模様です」
アースノアが墜落したと聞いたエッセンは少し考えた後、方針を決めた。
「総統閣下に、全軍を導入した列車捜索を進言しよう…おい!急いで車の準備をしろ!」
「はっ只今!」
アースノアを鹵獲すれば、第四帝国の技術力を一気に向上させることができると判断したエッセンは、ハイドリヒが居るゲルマニアに向かうことにした。
○
車を飛ばしてゲルマニアのフォルクスハレにやってきたエッセンは、執務室にてハイドリヒと対面していた。
「なるほど…未知の列車の鹵獲作戦か…」
「その通りでございます。総統閣下」
ハイドリヒは、エッセンが移動中に立てた鹵獲作戦の内容を見つめる。
「我が第四帝国の技術は最高峰です。しかし、現在宇宙軍が所有している艦艇では、精々冥王星までの航行が限界であります。しかしながら、この列車を鹵獲、研究を行えば、技術は一気に向上することが可能かと思われます」
星間航法の技術が是が非でも欲しいエッセンは、ハイドリヒを必死に説得する。
「……陸軍、空軍、海軍で地球上を探索、そして宇宙軍で宙域封鎖か。第三次世界大戦並…いや、それ以上の大規模軍事行動だな……それでエッセン君、もしこの作戦が失敗した時は……… 分かっているな?」
「…も、勿論であります!!」
エッセンの説得を聞いたハイドリヒは、鋭い眼光でエッセンを見つめながら、失敗時の責任の重さを理解させた。
「よろしい…それでは頑張りなさい。何せ、天の川銀河を統一するための前進になるでしょうから…」
「ハイル・ハイドリヒ!!」
エッセンの意気込みを確認したハイドリヒは比較的に優しい言葉で励ました。
ハイドリヒから励まされたエッセンは、右手を上げてハイドリヒを称えた後、執務室から退出して行った。
こうして、エッセンが立案した陸海空宙全軍によるアースノア鹵獲作戦が始まったのである。
この世界の第二次世界大戦は、枢軸国側の圧勝で終わった。その結果、欧州は第三帝国が治め、東アジア、東南アジア、中央アジア、オセアニアには、日本帝国による大東亜共栄圏が設立。ソ連、アメリカは第三帝国と大日本帝国によって、それぞれウラル山脈とロッキー山脈で分断されてしまった。
1950年代後半まで、2つの帝国は啀み合っていたが、1958年4月27日にアフリカ人が独立を勝ち取るために、第三帝国に反旗を翻した。これを受けて第三帝国は、ヒトラーの命令でアフリカの独立戦争は、大日本帝国が要因とでっち上げ、大東亜共栄圏に攻撃を開始。そのまま、第三帝国と大日本帝国による第三次世界大戦が開戦された。
第三次世界大戦は十数年にも及び、世界の各地で行われたが、最終的には天皇陛下と大東亜共栄圏に住む臣民の安全保障を条件に、大日本帝国が第三帝国に降伏で、幕を閉じた。
1973年1月30日。第三帝国建国記念日にヒトラーは、世界首都ゲルマニアのフォルクスハレから演説を行った。そこでヒトラーは、ドイツ第三帝国をヴェルト第四帝国に改め、更に自身の後継者として、二代目総統に親衛隊隊長のラインハルト・ハイドリヒを指名。
二代目総統に指名されたハイドリヒは、同日に演説を行い、ヴェルト第四帝国による銀河の統一を高らかに宣言した。
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ベルリン北郊外にあるテーゲル。そこには宇宙旅行協会が建設したロケット発射場が閉鎖されている状態で放置されていた。銀河の統一を宣言したハイドリヒは、テーゲルのロケット発射場に目につけ、ナチス宇宙軍の総司令部並びに研究所を建設した。
ナチス宇宙軍総司令官に任命されたダミヤン・フォン・エッセンは、アースノアについての報告を受けていた。
「宇宙空間を走る列車…それも蒸気機関車か」
エッセンはアースノアの写真を見てもなお、信じきれなかった。
それもそうだ。UFOや艦艇の形をした物ならまだしも、列車となれば疑いたくなる。
「本当にこんな物が発見されたのかね?」
「はっ!土星沖でパトロールを行っていた第二護衛艦隊が発見した模様です。第二護衛艦隊司令長官、エルラ・メルバードは、鹵獲するために砲撃命令を下したようですが、列車は傷一つつけることなく消えたとのことです」
報告を疑うエッセンに、報告をしに来たディーター・アイスケーは更に詳しい報告を述べる。
「集団幻覚という訳では無いのだな…?」
「勿論です!それどころか、列車が土星沖から消えてすぐ、地球軌道に出現。演習を行っていた第一主力艦隊が、攻撃を行いました」
「馬鹿な?!列車が瞬間移動を行ったとでも言うのか!?」
第二護衛艦隊の者達の幻覚を疑っていたエッセンだったが、アイスケーから地球軌道に列車が突如出現したことを聞き、エッセンは声を大にして驚愕した。
宇宙進出に伴い、宇宙開発を進めている第四帝国でもワープ航法は、未だ理論上の代物あり、それを実現できているアースノアは、第四帝国にとって超文明の代物である。
「それで、その列車は!?」
「第一主力艦隊の攻撃により、機関の一部が損傷したようで、地球の何処かに墜落した模様です」
アースノアが墜落したと聞いたエッセンは少し考えた後、方針を決めた。
「総統閣下に、全軍を導入した列車捜索を進言しよう…おい!急いで車の準備をしろ!」
「はっ只今!」
アースノアを鹵獲すれば、第四帝国の技術力を一気に向上させることができると判断したエッセンは、ハイドリヒが居るゲルマニアに向かうことにした。
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車を飛ばしてゲルマニアのフォルクスハレにやってきたエッセンは、執務室にてハイドリヒと対面していた。
「なるほど…未知の列車の鹵獲作戦か…」
「その通りでございます。総統閣下」
ハイドリヒは、エッセンが移動中に立てた鹵獲作戦の内容を見つめる。
「我が第四帝国の技術は最高峰です。しかし、現在宇宙軍が所有している艦艇では、精々冥王星までの航行が限界であります。しかしながら、この列車を鹵獲、研究を行えば、技術は一気に向上することが可能かと思われます」
星間航法の技術が是が非でも欲しいエッセンは、ハイドリヒを必死に説得する。
「……陸軍、空軍、海軍で地球上を探索、そして宇宙軍で宙域封鎖か。第三次世界大戦並…いや、それ以上の大規模軍事行動だな……それでエッセン君、もしこの作戦が失敗した時は……… 分かっているな?」
「…も、勿論であります!!」
エッセンの説得を聞いたハイドリヒは、鋭い眼光でエッセンを見つめながら、失敗時の責任の重さを理解させた。
「よろしい…それでは頑張りなさい。何せ、天の川銀河を統一するための前進になるでしょうから…」
「ハイル・ハイドリヒ!!」
エッセンの意気込みを確認したハイドリヒは比較的に優しい言葉で励ました。
ハイドリヒから励まされたエッセンは、右手を上げてハイドリヒを称えた後、執務室から退出して行った。
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