138 / 138
第九章〜世界大戦〜
第131話 第一艦隊敗北
しおりを挟む
「パラシュ級駆逐艦2隻、大破!」
「ヤグルシ級3隻、航行不能!」
「アイムール級1隻、撃沈!」
ロイヤルカイザーの艦橋に、次々と第一艦隊の被害報告が入ってくる。
「…もはやここまでか……」
報告を聞きマレックスは、悔しそうな表情を浮かべて、1人呟く。
「……桜花艦隊に降伏するのだ」
「…はっ……白旗を掲げろ。他の艦にもそう伝えるのだ」
これ以上散らす訳には行かないということで、マレックスは降伏を命じ、キールスはマレックスの命令通りに、白旗を掲げさせた。
「……私の判断は正しいのだろうか…」
白旗を掲げる準備が進む中、マレックスは自分に問いかけるように、降伏するという判断に疑問を抱く。
「………少なくとも、陛下はお喜びになられると思いますよ…玉砕という言葉を陛下は嫌っていらっしゃるので…」
「………そうか……」
マレックスの呟きをキールスは援護し、マレックスは少しばかりその言葉に救われた。
○
「…大人しくなったな…」
大和第一艦橋にて、光太郎はロイヤルカイザーからの反撃が無くなったことに疑問を抱いていた。
「艦長!敵艦白旗を掲げております!」
「よし、撃ち方やめ!拡散機用意!」
白旗が掲げられたという報告を聞き、光太郎は砲撃を辞めさせマイクを手に取った。
「スピーカー準備完了です」
「よし」
通信長からスピーカーの準備が整ったと聞き、光太郎は手に取ったマイクを使うことにした。
「こちら、戦艦大和艦長山本光太郎だ。貴艦らの降伏の申し出承った。貴艦らの艦隊司令長官と一度会いたいのだが…良いか?」
スピーカーを通して、光太郎はロイヤルカイザーへと呼びかける。
『そちらの申し出、承った。直ぐに甲板に出よう』
光太郎の呼び掛けに、マレックスが答える。
「……では行ってくる…」
「はっ。念の為、護衛を付けさせてもらいます」
「ああ、頼む」
マレックスの言葉を聞き、光太郎は護衛として2名ほど部下を引き連れ、甲板へと向かった。
○
大和、ロイヤルカイザー、武蔵の順で横並びで並んでいる中、大和とロイヤルカイザーの甲板の上では、光太郎とマレックスが、それぞれ見向いていた。
「初めまして、私が戦艦大和艦長、山本光太郎です」
「山本艦長初めまして、私は第一艦隊司令長官、マレックス・バールッフです」
2人の軍人は、それぞれ敬礼しながら自己紹介を行う。
「貴艦らの作戦、実に天晴れでした…」
「いえいえ、その後は全く持ってダメでした…流石、異世界の艦艇ですね…我々の斜め上を行く…」
見つめ合いながら、2人は互いに相手を褒め称える。
「それで、私を呼んだ理由は…?」
褒め称えた後、マレックスは光太郎に自分を呼んだ理由を尋ねた。
「桜花艦隊を追い詰めた名将に、会ってみたくなりましてね…」
「…残念ながら、この度の作戦を考えたのは我々ではなく、皇帝陛下が直々に指揮を執って下さり、我々はその指揮に従ったのみだ…」
光太郎から尋ねた理由を聞いたマレックスは、苦笑いしながら指揮を執ったのはローレンスということを話した。
「…それにしては、皇帝の姿は見当たらないが…?」
ローレンスが指揮を執ったと聞き、光太郎は所在を聞く。
「……大和を包囲した際に、既に宮殿へとお戻りになられた…ここに居ないのは当たり前のことだ…」
所在を聞かれたマレックスは、嘘を混ぜながら、居ないということを伝えた。
「なるほど……では、これより貴殿らは、我々の捕虜となり、艦艇は鹵獲させてもらうが…宜しいでしょうか?」
「……無論だ。我々は貴殿らに敗北したのだからな…」
ローレンスは宮殿に居るという情報を手に入れた光太郎は、第一艦隊の今後をマレックスに話し、マレックスはそれに納得した。
「それでは我々について来てください」
「はっ…」
こうして、桜花艦隊に敗北した第一艦隊は、乗組員は捕虜に残存艦艇は鹵獲されることになった。
「ヤグルシ級3隻、航行不能!」
「アイムール級1隻、撃沈!」
ロイヤルカイザーの艦橋に、次々と第一艦隊の被害報告が入ってくる。
「…もはやここまでか……」
報告を聞きマレックスは、悔しそうな表情を浮かべて、1人呟く。
「……桜花艦隊に降伏するのだ」
「…はっ……白旗を掲げろ。他の艦にもそう伝えるのだ」
これ以上散らす訳には行かないということで、マレックスは降伏を命じ、キールスはマレックスの命令通りに、白旗を掲げさせた。
「……私の判断は正しいのだろうか…」
白旗を掲げる準備が進む中、マレックスは自分に問いかけるように、降伏するという判断に疑問を抱く。
「………少なくとも、陛下はお喜びになられると思いますよ…玉砕という言葉を陛下は嫌っていらっしゃるので…」
「………そうか……」
マレックスの呟きをキールスは援護し、マレックスは少しばかりその言葉に救われた。
○
「…大人しくなったな…」
大和第一艦橋にて、光太郎はロイヤルカイザーからの反撃が無くなったことに疑問を抱いていた。
「艦長!敵艦白旗を掲げております!」
「よし、撃ち方やめ!拡散機用意!」
白旗が掲げられたという報告を聞き、光太郎は砲撃を辞めさせマイクを手に取った。
「スピーカー準備完了です」
「よし」
通信長からスピーカーの準備が整ったと聞き、光太郎は手に取ったマイクを使うことにした。
「こちら、戦艦大和艦長山本光太郎だ。貴艦らの降伏の申し出承った。貴艦らの艦隊司令長官と一度会いたいのだが…良いか?」
スピーカーを通して、光太郎はロイヤルカイザーへと呼びかける。
『そちらの申し出、承った。直ぐに甲板に出よう』
光太郎の呼び掛けに、マレックスが答える。
「……では行ってくる…」
「はっ。念の為、護衛を付けさせてもらいます」
「ああ、頼む」
マレックスの言葉を聞き、光太郎は護衛として2名ほど部下を引き連れ、甲板へと向かった。
○
大和、ロイヤルカイザー、武蔵の順で横並びで並んでいる中、大和とロイヤルカイザーの甲板の上では、光太郎とマレックスが、それぞれ見向いていた。
「初めまして、私が戦艦大和艦長、山本光太郎です」
「山本艦長初めまして、私は第一艦隊司令長官、マレックス・バールッフです」
2人の軍人は、それぞれ敬礼しながら自己紹介を行う。
「貴艦らの作戦、実に天晴れでした…」
「いえいえ、その後は全く持ってダメでした…流石、異世界の艦艇ですね…我々の斜め上を行く…」
見つめ合いながら、2人は互いに相手を褒め称える。
「それで、私を呼んだ理由は…?」
褒め称えた後、マレックスは光太郎に自分を呼んだ理由を尋ねた。
「桜花艦隊を追い詰めた名将に、会ってみたくなりましてね…」
「…残念ながら、この度の作戦を考えたのは我々ではなく、皇帝陛下が直々に指揮を執って下さり、我々はその指揮に従ったのみだ…」
光太郎から尋ねた理由を聞いたマレックスは、苦笑いしながら指揮を執ったのはローレンスということを話した。
「…それにしては、皇帝の姿は見当たらないが…?」
ローレンスが指揮を執ったと聞き、光太郎は所在を聞く。
「……大和を包囲した際に、既に宮殿へとお戻りになられた…ここに居ないのは当たり前のことだ…」
所在を聞かれたマレックスは、嘘を混ぜながら、居ないということを伝えた。
「なるほど……では、これより貴殿らは、我々の捕虜となり、艦艇は鹵獲させてもらうが…宜しいでしょうか?」
「……無論だ。我々は貴殿らに敗北したのだからな…」
ローレンスは宮殿に居るという情報を手に入れた光太郎は、第一艦隊の今後をマレックスに話し、マレックスはそれに納得した。
「それでは我々について来てください」
「はっ…」
こうして、桜花艦隊に敗北した第一艦隊は、乗組員は捕虜に残存艦艇は鹵獲されることになった。
80
お気に入りに追加
635
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(16件)
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

不死の大日本帝國軍人よ、異世界にて一層奮励努力せよ
焼飯学生
ファンタジー
1945年。フィリピンにて、大日本帝国軍人八雲 勇一は、連合軍との絶望的な戦いに挑み、力尽きた。
そんな勇一を気に入った異世界の創造神ライラーは、勇一助け自身の世界に転移させることに。
だが、軍人として華々しく命を散らし、先に行ってしまった戦友達と会いたかった勇一は、その提案をきっぱりと断った。
勇一に自身の提案を断られたことに腹が立ったライラーは、勇一に不死の呪いをかけた後、そのまま強制的に異世界へ飛ばしてしまった。
異世界に強制転移させられてしまった勇一は、元の世界に戻るべく、異世界にて一層奮励努力する。

異世界に転移す万国旗
あずき
ファンタジー
202X年、震度3ほどの地震と共に海底ケーブルが寸断された。
日本政府はアメリカ政府と協力し、情報収集を開始した。
ワシントンD.Cから出港した米艦隊が日本海に現れたことで、
アメリカ大陸が日本の西に移動していることが判明。
さらに横須賀から出発した護衛艦隊がグレートブリテン島を発見。
このことから、世界中の国々が位置や向きを変え、
違う惑星、もしくは世界に転移していることが判明した。

戦車で行く、異世界奇譚
焼飯学生
ファンタジー
戦車の整備員、永山大翔は不慮の事故で命を落とした。目が覚めると彼の前に、とある世界を管理している女神が居た。女神は大翔に、世界の安定のために動いてくれるのであれば、特典付きで異世界転生させると提案し、そこで大翔は憧れだった10式戦車を転生特典で貰うことにした。
少し神の手が加わった10式戦車を手に入れた大翔は、神からの依頼を行いつつ、第二の人生を謳歌することした。

平和国家異世界へ―日本の受難―
あずき
ファンタジー
平和国家、日本。 東アジアの島国であるこの国は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、 政府は戦闘機搭載型護衛艦、DDV-712「しなの」を開発した。 「しなの」は第八護衛隊群に配属され、領海の警備を行なうことに。
それから数年後の2035年、8月。
日本は異世界に転移した。
帝国主義のはびこるこの世界で、日本は生き残れるのか。
総勢1200億人を抱えた国家サバイバルが今、始まる――
何番煎じ蚊もわからない日本転移小説です。
質問などは感想に書いていただけると、返信します。
毎日投稿します。

Al戦艦と異世界ドラゴン
やるふ
ファンタジー
西暦2052年、第二次アジア大戦末期。
敗戦寸前の日本には世界初のAlを搭載した戦艦があった。
その名を「紅蛍」
侵略軍により軍事要所が押さえられていく中、開発責任者である「赤城博士」は紅蛍に最初で最後の任務を与えたのだった…。

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!
アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。
->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました!
ーーーー
ヤンキーが勇者として召喚された。
社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。
巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。
そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。
ほのぼのライフを目指してます。
設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。
6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
魔導防壁、ワープときて、遂に、艦首魔導砲搭載ですか。
皇帝はチョビヒゲと違って手強い相手そうだな・・・
しかし、様々な世界線から来た転移組の帰還の望みがあるのか無いのか次第で大きく変わる今後に注目❗