大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

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第九章〜世界大戦〜

第131話 第一艦隊敗北

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「パラシュ級駆逐艦2隻、大破!」

「ヤグルシ級3隻、航行不能!」

「アイムール級1隻、撃沈!」

ロイヤルカイザーの艦橋に、次々と第一艦隊の被害報告が入ってくる。

「…もはやここまでか……」

報告を聞きマレックスは、悔しそうな表情を浮かべて、1人呟く。

「……桜花艦隊に降伏するのだ」

「…はっ……白旗を掲げろ。他の艦にもそう伝えるのだ」

これ以上散らす訳には行かないということで、マレックスは降伏を命じ、キールスはマレックスの命令通りに、白旗を掲げさせた。

「……私の判断は正しいのだろうか…」

白旗を掲げる準備が進む中、マレックスは自分に問いかけるように、降伏するという判断に疑問を抱く。

「………少なくとも、陛下はお喜びになられると思いますよ…玉砕という言葉を陛下は嫌っていらっしゃるので…」

「………そうか……」

マレックスの呟きをキールスは援護し、マレックスは少しばかりその言葉に救われた。





「…大人しくなったな…」

大和第一艦橋にて、光太郎はロイヤルカイザーからの反撃が無くなったことに疑問を抱いていた。

「艦長!敵艦白旗を掲げております!」

「よし、撃ち方やめ!拡散機用意!」

白旗が掲げられたという報告を聞き、光太郎は砲撃を辞めさせマイクを手に取った。

「スピーカー準備完了です」

「よし」

通信長からスピーカーの準備が整ったと聞き、光太郎は手に取ったマイクを使うことにした。

「こちら、戦艦大和艦長山本光太郎だ。貴艦らの降伏の申し出承った。貴艦らの艦隊司令長官と一度会いたいのだが…良いか?」

スピーカーを通して、光太郎はロイヤルカイザーへと呼びかける。

『そちらの申し出、承った。直ぐに甲板に出よう』

光太郎の呼び掛けに、マレックスが答える。

「……では行ってくる…」

「はっ。念の為、護衛を付けさせてもらいます」

「ああ、頼む」

マレックスの言葉を聞き、光太郎は護衛として2名ほど部下を引き連れ、甲板へと向かった。





大和、ロイヤルカイザー、武蔵の順で横並びで並んでいる中、大和とロイヤルカイザーの甲板の上では、光太郎とマレックスが、それぞれ見向いていた。

「初めまして、私が戦艦大和艦長、山本光太郎です」

「山本艦長初めまして、私は第一艦隊司令長官、マレックス・バールッフです」

2人の軍人は、それぞれ敬礼しながら自己紹介を行う。

「貴艦らの作戦、実に天晴れでした…」

「いえいえ、その後は全く持ってダメでした…流石、異世界の艦艇ですね…我々の斜め上を行く…」

見つめ合いながら、2人は互いに相手を褒め称える。

「それで、私を呼んだ理由は…?」

褒め称えた後、マレックスは光太郎に自分を呼んだ理由を尋ねた。

「桜花艦隊を追い詰めた名将に、会ってみたくなりましてね…」

「…残念ながら、この度の作戦を考えたのは我々ではなく、皇帝陛下が直々に指揮を執って下さり、我々はその指揮に従ったのみだ…」

光太郎から尋ねた理由を聞いたマレックスは、苦笑いしながら指揮を執ったのはローレンスということを話した。

「…それにしては、皇帝の姿は見当たらないが…?」

ローレンスが指揮を執ったと聞き、光太郎は所在を聞く。

「……大和を包囲した際に、既に宮殿へとお戻りになられた…ここに居ないのは当たり前のことだ…」

所在を聞かれたマレックスは、嘘を混ぜながら、居ないということを伝えた。

「なるほど……では、これより貴殿らは、我々の捕虜となり、艦艇は鹵獲させてもらうが…宜しいでしょうか?」

「……無論だ。我々は貴殿らに敗北したのだからな…」

ローレンスは宮殿に居るという情報を手に入れた光太郎は、第一艦隊の今後をマレックスに話し、マレックスはそれに納得した。

「それでは我々について来てください」

「はっ…」

こうして、桜花艦隊に敗北した第一艦隊は、乗組員は捕虜に残存艦艇は鹵獲されることになった。
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みんなの感想(16件)

unset
2025.01.17 unset

魔導防壁、ワープときて、遂に、艦首魔導砲搭載ですか。

解除
大東亜
2024.11.18 大東亜
ネタバレ含む
解除
アダムスキー

皇帝はチョビヒゲと違って手強い相手そうだな・・・
しかし、様々な世界線から来た転移組の帰還の望みがあるのか無いのか次第で大きく変わる今後に注目❗

解除

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