大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

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第九章〜世界大戦〜

第129話 大和救出作戦立案

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アーガス大陸で、連盟軍による反攻作戦が行われている中、日丸国の海軍軍令部に桜守艦隊各艦長達が集まっていた。

「回線に問題はないな?」

『はい。よく聞こております』

通信装置を通し信介と春菜の2名は、お互いに通信状態を確認し合う。
今回の会議には、シュヴァルツの軍港に戻った桜花艦隊各艦長達も通信装置を通して参加することになったのだ。

『ではこれより、戦艦大和についての報告を申し上げます』

通信状況を確認した春菜は、報告書を片手に大和について報告し始めた。

『桜花艦隊を逃がすため、敵艦隊に単艦で挑み、それ以降行方が分かっていなかった戦艦大和でしたが、大和は現在、中央東洋の南西部にて、敵艦隊に完全包囲されている状態です。大和自身は魔導防壁を展開し、篭城していますが…食糧などが何れ足りなくなってしまうかと…』

報告書を見ながら春菜は、大和の状況を既に知っている信介以外に向けて話す。

「山稜艦長、敵艦の数は分かっているのか…?」

『はい。数としては魔導超爆裂砲ノヴァフレイムカノン搭載艦1、戦艦2、重巡4、軽巡4、駆逐艦4です。魔導超爆裂砲ノヴァフレイムカノン搭載艦があるため、大和は身動きが取れないのかもしれません…』

春菜は、零からの質問に答えつつ、大和が動けない理由も話した。

「やはり、搭載艦をどうにかする必要があるな…となると、救出する場合戦艦は必須だな」

『えぇ…ですが、信濃と紀伊は被害が酷く、武蔵では明らか間に合いません…』

「まともに動ける桜花艦隊で何とかする…もしくはセレーネ連邦国海軍に協力申請するしかないか…」

大和と共にいるロイヤルカイザーの影響で、信介と春菜は大和救出作戦が出来ないと頭を悩ましていた。

『……ちょっとぉ~、いいか?』

2人の会話を聞いていた晴天艦長を任せられているモーレンスが手をあげる。

「なんだ?」

『つまりよ、武蔵が大和の所に行けたらいいんだろ?あるぜ、唯一の方法』

モーレンスの言葉に、全員が驚きモーレンスの方を見る。

「その方法は…?」

『俺たちの世界の専売特許、魔法での転移ワープだ!』

信介に方法を聞かれ、モーレンスはにっこりと笑みを浮かべながら転移するという方法を提案した。

「おい!誰かアーミア呼んできてくれ!!」

「は、はい!」

モーレンスの案に、信介はハッとなり、可能かどうか聞くべくアーミアを呼ぶことにした。





艦長の1人がアーミアを呼びに行ってから数十分後、説明を受けたアーミアがやってきた。

「アーミアさん、武蔵を転移させることは出来ますか…?」

「…一応可能ですが……」

信介からの質問にアーミアは、少し複雑そうな表情を浮かべる。

「それには、転移させる場所の情報が足りませんし、魔力も足りません」

『逆を言えば、それらをクリアしたら…出来ると?』

「理論上は可能です」

アーミアから理論上は武蔵を海域に飛ばすことが出来ると聞き、それを聞いている全員が頭を抱えて悩む。

「…あかぎのエネルギーを転用すれば?」

ふと、自艦であるあかぎにも大きさ故に大和型と同程度のエネルギーがあることを思い出した零は、それを使うことを提案する。

「転移先の映像などにも、用意出来る宛があります…アーミアさん……それでどうか!!」

零に続くように、信介は夜桜艦隊で転移先の写真を撮るというアイデアを思いつき、それを含めてアーミアに頼み込む。

「…………分かりました。難しい作業ではありますが、必ずや成功させてみせます」

「よろしくお願いします!」

信介から必死に頼み込まれ、アーミアは武蔵を転移させるという前代未聞の試みを試すことにした。





武蔵を転移させる大和救出作戦は、立案された3日後には全ての準備が整っていた。

「……いよいよだな…」

夜空の星々が光る中、信介は腕時計で時間を確認した後、無線機を手に取った。

「全艦に告ぐ。こちら艦長だ…本艦はこれより、中央東洋にて転移ワープを行う…既に知っていると思うが、今回の救出作戦には、火の中に入るようなものだ…だが、そこには援軍を期待している大和が待っているのだ。本艦は0100マルヒトマルマルに、大転移ワープを行う…総員、第一種戦闘配置のまま、大転移ワープに備え!」

信介の言葉を受け、武蔵乗組員は駆け足でそれぞれの持ち場に着き始めた。

「魔導防壁展開!」

「魔導防壁展開します!」

続けて信介は、大和同様に試験的に搭載された魔導防壁を展開させ、転移ワープに備えた。

転移ワープ開始まで…10、9、8、7、6」

乗組員の1人がカウントダウンを始めると同時に、武蔵の下に大きな魔法陣が現れる。

「5、4、3、2、1…転移ワープ!」

巨大な魔法陣から、昼間だと間違えるほどの光が放たれると、武蔵はその光と共に消え、大和の元へと向かった。
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