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第九章〜世界大戦〜
第124話 一本釣り
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進軍する第二軍団の位置は、アーガス草原中央部上空を飛んでいるスカイアイにより、メルヴンが居る連盟軍作戦司令室へと常に送られる。
「…よし、敵は完全に食いついた!引き上げへ移行せよ!」
スカイアイからの情報を元に地図の上の駒を動かし、第二軍団が自陣の奥に迫りつつあることを確認したメルヴンは、全軍に第三段階への移行を命じた。
「機甲師団は撤退線まで撤退後、そのまま徹底抗戦に移行!待機軍は作戦に沿い移動を開始せよ!」
第三段階への移行を受け、ギバラは陸軍に対して命令を飛ばす。
「爆撃隊も全機発進だ!」
陸軍に対する命令が出た後、空軍の命令が下る。
この命令により、後の世で死の龍と呼ばれるようになる連邦国空軍所属の爆撃隊が、飛び立つことになる。
〇
アーガス共和国都市ベネナス近郊。
そこにセレーネ連邦国の突貫工事で作られた大型飛行場があった。
そこの飛行場には、鹵獲したヴィーヴルとB29のデータを元に作られたセレーネ連邦国製の大型爆撃機「ビックウィング」が20機、出撃命令を今か今かと待っていた。
そんな中、管制塔の通信機が鳴る。
「はい。こちらベネナス航空飛行場!………分かりました!今すぐに向かわせます!それでは…!」
連絡を受け取り通信を切った航空管制官は、他の者の顔を見て互いに頷いた。
電話の内容を大体把握した別の者達は、飛行場内に警報を鳴らす。
『爆撃隊、全機緊急発進!繰り返す!爆撃隊、全機緊急発進!』
警報とアナウンスが流れる中、爆撃隊に所属している者達はそれぞれの機体に乗り込み、順番に次々と空へと上がっていく。
発進命令が下ってから一時間後、ベネナスに派遣されていた爆撃隊全機が飛び立ち、第二軍団の後方を脅かすため、護衛機と共にアーガス草原へと向かって行った。
〇
猛攻を仕掛ける第二軍団は、あっという間にアーガス草原の東部に辿り着いていた。
だが、それと同時に連盟軍の抵抗が激しくなり、完全に足を止められてしまっている。
「進まんな…」
アーガス草原東部、アーガス共和国が建設していた要塞を占領し、司令部にした場所に手、ウィリアムは軍が進めないことに苛立ち始めていた。
「どうやら、要塞を築いていたようで…現在はそれを突破するべく、配置できる軍を一か所に集めようと考えているのですが…」
参謀長サイラス・チェンバレンは、打開策をウィリアムに話す。
「君が考える作戦は成功しかしていないからな…好きなようにしたまえ」
「ありがとうございます…!」
ウィリアムはサイラスのことを信用しているようで、サイラスの打開策を許可した。
「では早速、前線部隊にそう伝えま「き、緊急次第です!!」
許可が降りたことでサイラスが部隊を動かそうとしたその時、一人の兵士が慌てたように入って来た。
「どうした?騒々しい…ドラゴンでも飛んできたか?」
冗談を混ぜながらウィリアムは入って来た部下に来た理由を尋ねた。
「ふざけないでください!哨戒中だった第一航空遠征軍から連絡があり、敵爆撃隊がこちらに向かっているとのことです!!」
「はぁ~…それこそ、第一航空遠征軍に任せればいいだろ?連中如きの爆撃機に恐れることはない」
部下は必死になって敵の爆撃隊が接近していることを話すが、ウィリアムは恐れる必要がないと決めつける。
「爆撃隊は!第一航空遠征軍の迎撃機を蹴散らし!ここに向かって来ているのです!!」
ウィリアムの態度に腹立ちながらも、部下は声を出して爆撃隊が向かって来ていることを話した。
「んな、馬鹿ウーーーッ!
部下の話を信じ切れていないウィリアムが、否定しようとしたその時、空襲警報が鳴り始めた。
「…外に出るぞ!」
空襲警報が鳴り始めてようやく信じたウィリアムは、外に出て敵の爆撃隊を確認することにした。
ウィリアム達が外に出ると、兵士達が設置中だった大帝国の対空砲で、爆撃隊を落とそうと奮戦していた。
「何故、奴らを叩き落とせない!?」
対空砲を撃っている者達に、ウィリアムはすぐに落とせていないことを聞きただした。
「無理です!奴ら、高度一万を飛行中なんですよ!?」
「高度一万だと!?」
敵の爆撃隊が高度10000を飛んでいると聞き、ウィリアムは驚きと同時に安心した。
「高度一万から爆撃は…ないな。大帝国でも高度一万からの爆撃は難しい…奴らにそんな技術あるはずが…!」
ヒュ~~~~~
ウィリアムが、そう自分言い聞かせている時、風を切るような音が上から聞こえて来た。
そして、
ドォーーンッ!!!!
大きな爆発音共に、次々と爆弾の雨が降ってくる。
「い、嫌だ…!死にたくなッッッ!!」
ウィリアムは必死に逃げようとするが、逃げ切れることなくそのまま爆弾の餌食となる。
連邦空軍の20機にも及ぶ爆撃隊が行った精密爆撃は、大帝国が占領していた要塞を徹底的に破壊し、そこに駐屯していた一個中隊は全滅した。
それと同時に、連盟軍の自動車師団がアーガス草原中央部へ進軍、あっという間にそこを抑え、補給路を断つことに成功、これにより進軍していた第二軍団は、連盟軍に包囲されることになる。
「…よし、敵は完全に食いついた!引き上げへ移行せよ!」
スカイアイからの情報を元に地図の上の駒を動かし、第二軍団が自陣の奥に迫りつつあることを確認したメルヴンは、全軍に第三段階への移行を命じた。
「機甲師団は撤退線まで撤退後、そのまま徹底抗戦に移行!待機軍は作戦に沿い移動を開始せよ!」
第三段階への移行を受け、ギバラは陸軍に対して命令を飛ばす。
「爆撃隊も全機発進だ!」
陸軍に対する命令が出た後、空軍の命令が下る。
この命令により、後の世で死の龍と呼ばれるようになる連邦国空軍所属の爆撃隊が、飛び立つことになる。
〇
アーガス共和国都市ベネナス近郊。
そこにセレーネ連邦国の突貫工事で作られた大型飛行場があった。
そこの飛行場には、鹵獲したヴィーヴルとB29のデータを元に作られたセレーネ連邦国製の大型爆撃機「ビックウィング」が20機、出撃命令を今か今かと待っていた。
そんな中、管制塔の通信機が鳴る。
「はい。こちらベネナス航空飛行場!………分かりました!今すぐに向かわせます!それでは…!」
連絡を受け取り通信を切った航空管制官は、他の者の顔を見て互いに頷いた。
電話の内容を大体把握した別の者達は、飛行場内に警報を鳴らす。
『爆撃隊、全機緊急発進!繰り返す!爆撃隊、全機緊急発進!』
警報とアナウンスが流れる中、爆撃隊に所属している者達はそれぞれの機体に乗り込み、順番に次々と空へと上がっていく。
発進命令が下ってから一時間後、ベネナスに派遣されていた爆撃隊全機が飛び立ち、第二軍団の後方を脅かすため、護衛機と共にアーガス草原へと向かって行った。
〇
猛攻を仕掛ける第二軍団は、あっという間にアーガス草原の東部に辿り着いていた。
だが、それと同時に連盟軍の抵抗が激しくなり、完全に足を止められてしまっている。
「進まんな…」
アーガス草原東部、アーガス共和国が建設していた要塞を占領し、司令部にした場所に手、ウィリアムは軍が進めないことに苛立ち始めていた。
「どうやら、要塞を築いていたようで…現在はそれを突破するべく、配置できる軍を一か所に集めようと考えているのですが…」
参謀長サイラス・チェンバレンは、打開策をウィリアムに話す。
「君が考える作戦は成功しかしていないからな…好きなようにしたまえ」
「ありがとうございます…!」
ウィリアムはサイラスのことを信用しているようで、サイラスの打開策を許可した。
「では早速、前線部隊にそう伝えま「き、緊急次第です!!」
許可が降りたことでサイラスが部隊を動かそうとしたその時、一人の兵士が慌てたように入って来た。
「どうした?騒々しい…ドラゴンでも飛んできたか?」
冗談を混ぜながらウィリアムは入って来た部下に来た理由を尋ねた。
「ふざけないでください!哨戒中だった第一航空遠征軍から連絡があり、敵爆撃隊がこちらに向かっているとのことです!!」
「はぁ~…それこそ、第一航空遠征軍に任せればいいだろ?連中如きの爆撃機に恐れることはない」
部下は必死になって敵の爆撃隊が接近していることを話すが、ウィリアムは恐れる必要がないと決めつける。
「爆撃隊は!第一航空遠征軍の迎撃機を蹴散らし!ここに向かって来ているのです!!」
ウィリアムの態度に腹立ちながらも、部下は声を出して爆撃隊が向かって来ていることを話した。
「んな、馬鹿ウーーーッ!
部下の話を信じ切れていないウィリアムが、否定しようとしたその時、空襲警報が鳴り始めた。
「…外に出るぞ!」
空襲警報が鳴り始めてようやく信じたウィリアムは、外に出て敵の爆撃隊を確認することにした。
ウィリアム達が外に出ると、兵士達が設置中だった大帝国の対空砲で、爆撃隊を落とそうと奮戦していた。
「何故、奴らを叩き落とせない!?」
対空砲を撃っている者達に、ウィリアムはすぐに落とせていないことを聞きただした。
「無理です!奴ら、高度一万を飛行中なんですよ!?」
「高度一万だと!?」
敵の爆撃隊が高度10000を飛んでいると聞き、ウィリアムは驚きと同時に安心した。
「高度一万から爆撃は…ないな。大帝国でも高度一万からの爆撃は難しい…奴らにそんな技術あるはずが…!」
ヒュ~~~~~
ウィリアムが、そう自分言い聞かせている時、風を切るような音が上から聞こえて来た。
そして、
ドォーーンッ!!!!
大きな爆発音共に、次々と爆弾の雨が降ってくる。
「い、嫌だ…!死にたくなッッッ!!」
ウィリアムは必死に逃げようとするが、逃げ切れることなくそのまま爆弾の餌食となる。
連邦空軍の20機にも及ぶ爆撃隊が行った精密爆撃は、大帝国が占領していた要塞を徹底的に破壊し、そこに駐屯していた一個中隊は全滅した。
それと同時に、連盟軍の自動車師団がアーガス草原中央部へ進軍、あっという間にそこを抑え、補給路を断つことに成功、これにより進軍していた第二軍団は、連盟軍に包囲されることになる。
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