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第九章〜世界大戦〜
第106話 荒れる会議
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『それでは、まず皆様にこちらをご覧ください』
会議が始まるや否や、モーロルは魔導具からとある映像を予め用意していたスクリーンに映し出した。
映像は船で取られているようで、少し揺れている。
すると、船の上にある巨大な砲に視点が映る。
『魔導超爆裂砲発射準備!』
誰がそのように言うと、映像内で警報が鳴り響く。
それともに甲板上にある巨大な砲が動き出し、機械の音が鳴り響く。
『魔導超爆裂砲!発射ぁー!!』
カッ!!ドオォォォォン!!!!
砲口から眩い光が放たれたと思った次の瞬間、光り輝く赤橙色の光線を放ち、それと共に映像の視点は光線の先を追うようになった。
バゴオォォォン!!!!!
そして、光線は標的艦の空母に命中し、それを食らった空母は大爆発を起こしながら、そのまま真っ二つとなって沈んでいく。
『以上が、我々ソラリス大帝国が開発した新兵器、魔導超爆裂砲の試射の様子でした。拍手~』
映像が止まり、モーロルは拍手を求める。
「…脅しか……!」
セレーネ連邦国の外交官としてやってきていたファルトは、そう呟いた。
『脅しなんて滅相もない…我々は対等に話し合いにしきただけですよ?』
ファルトの呟きに、モーロルは白々しく否定する。
(最初に、絶大な威力を持つ兵器を見せることで、自分達の優位な立場を作る…してやられましたね……)
モーロルの態度を見て、シンシアは大帝国が初めから公平な交渉をするつもりはなかったと気づく。
『それでは、まず大帝国が求めている物としては、アーガス大陸を安定化するためにアーガス共和国を大帝国領に統合、世界共栄連盟の盟主として大帝国を置く、日丸国が保有している全ての技術を大帝国に共有する…この3点です』
「巫山戯るな!!」
モーロルが開示した大帝国の要求に、アーガス共和国の外交官、ボランド・ヒルズは激昂し、椅子から立ち上がった。
「大帝国も話せば分かると思っていたが…!先程の兵器を見せた後に、この要求はただの脅しではないか!我々を揶揄うのもいいかげにしろ!!」
ヒルズは立ったまま、脅しだと言及するが、
『はて…我々は別に脅しているつもりは無いのですが…それに、もし仮に戦争になったとして、あれを使うとも言っておりませんが…?』
「ぐっ…ぅ……!」
ヒルズの言及に、モーロルは煽るようにあくまでも脅してはいないと屁理屈を述べる。
外交官としてはまだ未熟なヒルズは、言い返せず怒りに震えるだけだった。
『それで…君たちの要求はなんでしょう?』
ヒルズを置いて、モーロルは世界共栄連盟側の意見を尋ねるが、穏健派のファルトやシュヴァルツ外交官は、先程の兵器で本土が攻撃されることを恐れ、何も言えなかった。
『内容なので、我が大帝国の要求通りに動く…それでいいです「お待ちください」
モーロルは反論が来る前に、一方的に大帝国の要求が通るよう会議を終わらせようとしたが、それにシンシアが待ったをかけた。
「我々、世界共栄連盟としては、大帝国の要求を呑むことはできません」
シンシアは臆することなく、大帝国の要求を呑めないと断言した。
『……ほう、それはまたどうしてですか?お嬢さん?』
見るからに子供のシンシアが言ってきたため、モーロルはシンシアをお嬢さんと言いながら、理由を尋ねてきた。
「まず、アーガス共和国を大帝国領へ統合するとのことでしたが、それは現地の人達の独立したいという気持ちを踏み躙る物です。それに、大帝国領に統合するのであれば、貴方達大帝国の者が政治をするのでしょう?現地の人達の意見を無視して」
『はは、お嬢さん。そこは大丈夫ですよ、しっかりと現地民の者達の意見は取り入れ「それならば、アーガス共和国に大帝国領を返還しても良いのでは?」
『…』
シンシアの意見に反対するように、モーロルはアーガス大陸の者達の意見も入れると約束しようとしたが、それならアーガス共和国でも良いと指摘され、何も言えず黙り込む。
「続いて、世界共栄連盟の盟主を大帝国にするとのことでしたが、世界共栄連盟に盟主なんて居ません。世界共栄連盟は加入している国々で協力し合おうという陣営です。そこに上下関係なんてありませんし、もし大帝国を盟主にしたら、陣営の大前提である上下関係なく協力し合うというのが崩壊します。それでも盟主になりたければ、別陣営を立ち上げてください」
『…』
続くように、シンシアは世界共栄連盟に盟主がいないことと、盟主を作るのは世界共栄連盟の前提条件に矛盾が生まれると指摘する。
無論、このことにもモーロルは黙ったままだ。
「最後に、日丸国の技術共有ですが…一部だけならしても良いですよ」
『本当か!?』
ようやく自分達の要求を飲んでくれるとシンシアから聞いたモーロルは、ようやく声を出すが、
「世界共栄連盟に入り、世界共栄連盟のルールに従うというならば、一部ですが技術共有を行いましょう…!」
『…』
ニッコリと笑みを浮かべながらシンシアから、技術共有を行う代わりに、世界共栄連盟への加入とそこのルールを厳守することを望まれ、モーロルは再び黙り込んだ。
「あら?どうか致しました?我々、世界共栄連盟としては、大帝国に不利なるような理不尽なお話はしていないつもりですが…?」
黙り込んだモーロルを見て、シンシアは軽く煽るように話した。
「世界共栄連盟への加入すれば、我々の技術を学ぶことができ、アーガス大陸の土地については、アーガス共和国と大帝国の皆様が決めることではありますが、我々としては一部土地を租借地とする代わりにアーガス共和国全土返還でも良いのではありませんか?」
未だ黙ったままのモーロルに対し、シンシアはサラッとお互いが納得するだろうアーガス大陸の領地問題の打開策を提案する。
『……もう良い…!我々ソラリス大帝国は、貴様ら世界共栄連盟に宣戦布告する!!』
自分より下だと見ていた者、なおかつ子供煽られながら正論をぶつけられたモーロルの怒りは頂点に達し、一方的に宣戦布告を行った。
会議が始まるや否や、モーロルは魔導具からとある映像を予め用意していたスクリーンに映し出した。
映像は船で取られているようで、少し揺れている。
すると、船の上にある巨大な砲に視点が映る。
『魔導超爆裂砲発射準備!』
誰がそのように言うと、映像内で警報が鳴り響く。
それともに甲板上にある巨大な砲が動き出し、機械の音が鳴り響く。
『魔導超爆裂砲!発射ぁー!!』
カッ!!ドオォォォォン!!!!
砲口から眩い光が放たれたと思った次の瞬間、光り輝く赤橙色の光線を放ち、それと共に映像の視点は光線の先を追うようになった。
バゴオォォォン!!!!!
そして、光線は標的艦の空母に命中し、それを食らった空母は大爆発を起こしながら、そのまま真っ二つとなって沈んでいく。
『以上が、我々ソラリス大帝国が開発した新兵器、魔導超爆裂砲の試射の様子でした。拍手~』
映像が止まり、モーロルは拍手を求める。
「…脅しか……!」
セレーネ連邦国の外交官としてやってきていたファルトは、そう呟いた。
『脅しなんて滅相もない…我々は対等に話し合いにしきただけですよ?』
ファルトの呟きに、モーロルは白々しく否定する。
(最初に、絶大な威力を持つ兵器を見せることで、自分達の優位な立場を作る…してやられましたね……)
モーロルの態度を見て、シンシアは大帝国が初めから公平な交渉をするつもりはなかったと気づく。
『それでは、まず大帝国が求めている物としては、アーガス大陸を安定化するためにアーガス共和国を大帝国領に統合、世界共栄連盟の盟主として大帝国を置く、日丸国が保有している全ての技術を大帝国に共有する…この3点です』
「巫山戯るな!!」
モーロルが開示した大帝国の要求に、アーガス共和国の外交官、ボランド・ヒルズは激昂し、椅子から立ち上がった。
「大帝国も話せば分かると思っていたが…!先程の兵器を見せた後に、この要求はただの脅しではないか!我々を揶揄うのもいいかげにしろ!!」
ヒルズは立ったまま、脅しだと言及するが、
『はて…我々は別に脅しているつもりは無いのですが…それに、もし仮に戦争になったとして、あれを使うとも言っておりませんが…?』
「ぐっ…ぅ……!」
ヒルズの言及に、モーロルは煽るようにあくまでも脅してはいないと屁理屈を述べる。
外交官としてはまだ未熟なヒルズは、言い返せず怒りに震えるだけだった。
『それで…君たちの要求はなんでしょう?』
ヒルズを置いて、モーロルは世界共栄連盟側の意見を尋ねるが、穏健派のファルトやシュヴァルツ外交官は、先程の兵器で本土が攻撃されることを恐れ、何も言えなかった。
『内容なので、我が大帝国の要求通りに動く…それでいいです「お待ちください」
モーロルは反論が来る前に、一方的に大帝国の要求が通るよう会議を終わらせようとしたが、それにシンシアが待ったをかけた。
「我々、世界共栄連盟としては、大帝国の要求を呑むことはできません」
シンシアは臆することなく、大帝国の要求を呑めないと断言した。
『……ほう、それはまたどうしてですか?お嬢さん?』
見るからに子供のシンシアが言ってきたため、モーロルはシンシアをお嬢さんと言いながら、理由を尋ねてきた。
「まず、アーガス共和国を大帝国領へ統合するとのことでしたが、それは現地の人達の独立したいという気持ちを踏み躙る物です。それに、大帝国領に統合するのであれば、貴方達大帝国の者が政治をするのでしょう?現地の人達の意見を無視して」
『はは、お嬢さん。そこは大丈夫ですよ、しっかりと現地民の者達の意見は取り入れ「それならば、アーガス共和国に大帝国領を返還しても良いのでは?」
『…』
シンシアの意見に反対するように、モーロルはアーガス大陸の者達の意見も入れると約束しようとしたが、それならアーガス共和国でも良いと指摘され、何も言えず黙り込む。
「続いて、世界共栄連盟の盟主を大帝国にするとのことでしたが、世界共栄連盟に盟主なんて居ません。世界共栄連盟は加入している国々で協力し合おうという陣営です。そこに上下関係なんてありませんし、もし大帝国を盟主にしたら、陣営の大前提である上下関係なく協力し合うというのが崩壊します。それでも盟主になりたければ、別陣営を立ち上げてください」
『…』
続くように、シンシアは世界共栄連盟に盟主がいないことと、盟主を作るのは世界共栄連盟の前提条件に矛盾が生まれると指摘する。
無論、このことにもモーロルは黙ったままだ。
「最後に、日丸国の技術共有ですが…一部だけならしても良いですよ」
『本当か!?』
ようやく自分達の要求を飲んでくれるとシンシアから聞いたモーロルは、ようやく声を出すが、
「世界共栄連盟に入り、世界共栄連盟のルールに従うというならば、一部ですが技術共有を行いましょう…!」
『…』
ニッコリと笑みを浮かべながらシンシアから、技術共有を行う代わりに、世界共栄連盟への加入とそこのルールを厳守することを望まれ、モーロルは再び黙り込んだ。
「あら?どうか致しました?我々、世界共栄連盟としては、大帝国に不利なるような理不尽なお話はしていないつもりですが…?」
黙り込んだモーロルを見て、シンシアは軽く煽るように話した。
「世界共栄連盟への加入すれば、我々の技術を学ぶことができ、アーガス大陸の土地については、アーガス共和国と大帝国の皆様が決めることではありますが、我々としては一部土地を租借地とする代わりにアーガス共和国全土返還でも良いのではありませんか?」
未だ黙ったままのモーロルに対し、シンシアはサラッとお互いが納得するだろうアーガス大陸の領地問題の打開策を提案する。
『……もう良い…!我々ソラリス大帝国は、貴様ら世界共栄連盟に宣戦布告する!!』
自分より下だと見ていた者、なおかつ子供煽られながら正論をぶつけられたモーロルの怒りは頂点に達し、一方的に宣戦布告を行った。
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