大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

文字の大きさ
82 / 150
第八章〜統一戦争〜

第76話 激化する戦争

しおりを挟む
アーガス大陸。完全独立を願う民主主国家アーガス共和国、同じく独立を願うアルハバト社会主義国、欲望でアーガス大陸を支配しようとしているラスベール王国、大帝国の傀儡国家ロレック王国の四つの国が、絶えず小競り合い行っている。





アーガス共和国。臨時首都ミルバル。大東洋側にある港町で、今はアーガス共和国の臨時首都になっており、要塞化が進められている。

「ロレック王国が、アルハバトに侵攻…アルハバトが劣勢か…」

ミルバルにある旧大帝国海軍基地にて、アーガス共和国大統領、メルザス・バエルラは戦局の状況が纏められた報告書を読んでいた。

「なんでも大帝国から新型の戦車を提供、帝国陸軍ロイヤルグランドからの更なる援軍で力を増しているようです」

「面倒だな…」

国防軍最高司令長官ライアッド・ギバラから追加の報告を聞いたバエルラは気が滅入る。

「……世界共栄連盟に加入をするべきか…」

報告を受けたバエルラは、世界共栄連盟の加入を考え始める。
光成、トムヤード、ウルフ3名が、大帝国に抗うために立ち上がった世界共栄連盟のことは世界中に広まっており、バエルラもその事を知っていた。

「民主主義国家の三国が立ち上げた新陣営ですよね?」

「そうだ。同じイデオロギーだから、受け入れてくれる可能性は高い…」

「……しかし…」

バエルラの考えにギバラは難色を示す。

「セレーネ連邦国とシュヴァルツ共和国の2つは兎も角、日丸国は信用できるのですか?様々な噂を聞いていますが、どうも嘘くさい…」

ギバラが難色を示したのは、日丸国のその力だった。
ザルラの大艦隊を跳ね返し、旧シュヴァルツの海空軍の大半を撃滅、更に噂程度でしか広まっていないが、大帝国の第七艦隊を少ない数で壊滅させたとまでがある。それ故に軍人のギバラはあまり信じられていなかったのだ。

「量産性が優れているセレーネ連邦国、最強陸軍のシュヴァルツが仲間になってくれるだけで、有難いとは思わんか?」

「まぁそうですね…日丸国はオマケとでも思っておきましょうか」

「では、世界共栄連盟への参加希望するか…」

ギバラと話し合った末、バエルラは世界共栄連盟への加入をセレーネ連邦国へ送ることにした。





日丸国建国祭から数週間後、建国祭に宣伝を行った影響で町には観光客が増え、日丸国の観光業は栄えていた。
そんなある日の朝、光成の元に一つの電話がかかって来た。

「はいもしもし…」

袴を着たまま、光成は電話を取った。

『おはようございます竹田首相、トムヤードです』

「ローベルト首相でしたか…本日はどのようなご用件で…?」

電話相手の声を聞いた光成は、一瞬にして軍人の顔へと変わって話を聞き始める。

『相談したいことがあってな…アルシャー大統領も交えて話がしたい』

「分かりました。すぐに準備いたします。では…!」

相談ごとと聞き、光成は同時マルチ魔法通信を行うため、支度を始める。
十数分、支度を終えた光成は執務室にある魔法通信装置を起動させる。
魔法通信を起動すると、トムヤードとウルフの姿が映り出てくる。

「遅れてしまい申し訳ありません」

繋がって早々、光成は謝罪する。

『おお!来ましたな』

『そちらはまだ朝なので、気にすることはないですよ』

「お気遣いいただきありがとうございます」

三人は仲良く互いに喋りあう。

『ではメンバーも揃ったことなので、早速ですが、本題に入ります』

トムヤードの言葉に光成とウルフは顔つきを変え、真剣に聞き始める。

『実はですな…東にあるアーガス大陸のアーガス共和国から、世界共栄連盟への参加を希望していてな…本日の連邦国会議でそれが決まる予定なのだ。だから、お二人の意見が聞きたくてな』

トムヤードは2人に、呼び出した理由を述べた。
理由を聞いた2人はそれぞれ考え始める。

『……もう少し、詳細をお話いたしましょう』

悩んでいる2人を見たトムヤードは、アーガス大陸で起きていることを話すことにした。

『アーガス大陸は北部にミヤーデルという大きな山脈が縦に伸びている大陸でな…アーガス共和国はその西側にあり、アーガス共和国の南には大帝国の傀儡国家が、更に北には大帝国から追放されたマフィア集団の国、ラスベール王国がそれぞれ存在している。そして現在、ミヤーデルの東にあるアルハバト社会主義国が傀儡国家から侵略を受けているのだが、それが終わると確実にアーガス共和国を襲ってくるということだ」

「なるほど…北も南も敵、唯一同盟を結べそうなアルハバトはそれどころではない…となると、彼らにとって我々が頼みの綱という訳ですな?」

『そういうことだ』

トムヤードから詳細を聞いた2人は余計悩む。
そして暫く時間が流れたのち、光成が口を開いた。

「…私としては、加入に賛成致します。恐らくこの戦いが大帝国との戦争のトリガーとなるでしょうが、幾ら彼らでもすぐに戦争ができることはないでしょう。アーガス共和国の皆様には、徹底的な防衛網を形成してもらい、我々の準備が整うまで待ってもらいましょう」

光成は考えに考えた末、アーガス共和国の参加に賛成した。

『私も賛成します。現在、シュヴァルツ共和国では九七式中戦車の量産されており、更にそれを強化した自国産の大戦用の戦車、T-1戦車の開発しています。量産体制はもう少しかかりますが、量産体制が整えば、大帝国の戦車にも通用するかと』

光成の考えを聞いたウルフは、続くようにシュヴァルツ国内のことを説明した。

『なるほど…お2人がそういうのであれば、私としても反対することはありません。連邦国会議ではそう皆に伝えましょう。では、私はこれにて…』

『私もこのことを皆に伝えませんと…』

「私もですな…では!」

アーガス共和国を世界共栄連盟に参加させるという方針でまとまった3人は、それぞれ部下達に伝えるため通信を切った。

「…さて、戦時体制へ徐々に移行させるとしますか…」

通信を終えた光成は、世界大戦になる可能性を覚悟し、窓の外を見つめた。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

異世界ランドへようこそ

来栖とむ
ファンタジー
都内から車で1時間半。奥多摩の山中に突如現れた、話題の新名所――「奥多摩異世界ランド」。 中世ヨーロッパ風の街並みと、ダンジョンや魔王城を完全再現した異世界体験型レジャーパークだ。 26歳・無職の佐伯雄一は、ここで“冒険者A”のバイトを始める。 勇者を導くNPC役として、剣を振るい、魔物に襲われ、時にはイベントを盛り上げる毎日。 同僚には、美人なギルド受付のサーミャ、エルフの弓使いフラーラ、ポンコツ騎士メリーナなど、魅力的な“登場人物”が勢ぞろい。 ――しかしある日、「魔王が逃げた」という衝撃の知らせが入る。 「体格が似てるから」という理由で、雄一は急遽、魔王役の代役を任されることに。 だが、演技を終えた後、案内された扉の先にあったのは……本物の異世界だった! 経営者は魔族、同僚はガチの魔物。 魔王城で始まる、まさかの「異世界勤務」生活! やがて魔王の後継問題に巻き込まれ、スタンピードも発生(?)の裏で、フラーラとの恋が動き出す――。 笑えて、トキメいて、ちょっと泣ける。 現代×異世界×職場コメディ、開園!

【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-

ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!! 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。 しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。 え、鑑定サーチてなに? ストレージで収納防御て? お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。 スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。 ※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。 またカクヨム様にも掲載しております。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...