19 / 42
第一章 新兵師団内乱編
第十八話 師団との対面
しおりを挟む
「えっ、ダル…」
「男じゃん。無理でしょ」
「どーせ、権利欲に負けて私達に媚び始めるよ」
自己紹介を済ませると、バレていないと思っているのか、次々と私に対する不満を述べていく。
やはりこうなったか…
「男と言うだけで、そんなに不満か?」
「はーい、不満で~す」
私は師団員達を睨みつけながら、師団員達にそう質問する。すると、誰かが笑いながら答え、それを聞いた他の師団員達が笑い始める。
「貴様ら…それでも帝国軍人か………っ!」
チラッと、グリア殿の方を見ると、グリア殿は師団員達の無礼さに、怒りで震えているようだ。
グリア殿がキレる前に、ことを進めるとしよう。
「何が面白いか、一切分からないが…そんなに不服ならば、私と手合わせしてもらおう。私に勝てば今後自由に過ごしてもらって良い……だが、私が勝ったら今後私の言うことを聞くようにしてもらおう…」
私が出した提案に、師団員達は
「無理だろ」
「今後自由にできるぜ~!」
まだ始まってすら居ないのに、勝手に勝敗を決めつける。
「……それで?誰が私の相手をするのだ?」
「…私が相手になってやるよ!弱音を吐かないよう精々気をつけろよ?」
私の相手として名乗り出てきた者は、第八歩兵師団のアリサ・トゥータだった。
書類に書いてあったどおり、自信過剰のようだな。だが、闘争心を折るには丁度良い相手だ。
「アリサ・トゥータ…自信過剰はその身を滅ぼすぞ?」
「へっ、その言葉。そっくりそのまま返してやるよ!」
私は朝礼台から降りて、トゥータは向かい合う。
囲うように、他の師団員達が集まり始める。
「ルールは簡単。武器や魔法強化なしで、一対一で戦う…それで良いな?」
「どっちにしろ、結果は変わらねぇーよ」
トゥータにルールを確認した後、私は一枚の銅貨を取り出した。
「この銅貨が地面に落ちたら、試合開始だ…では、行くぞ?」
そう言った後、私は銅貨を空に向けて弾き飛ばした。弾き飛んだ銅貨は宙で、回りながら地面へ向かっていく。
「隙あり!!」
地面に銅貨が落ち切る前に、トゥータは私に殴り掛かろうとしたが、
「敵に仕掛ける際、声を出す馬鹿が何処にいる?」
私は声を出している点に、注意をしながら私は柔術で軽々と捩じ伏せた。
「いだだだだ!!!」
「どうした?そんなものか?」
トゥータが捩じ伏せられたのを見て、師団員達は驚いたような顔で戸惑っていた。
「で、デタラメだ!!」
「そうだ!そうだ!」
「やっちまえ!!」
誰かが驚いている師団員達を刺激し、見守っていた師団員達が私目掛けて襲いかかってくるが、私は柔術などを使用し、師団員達を捩じ伏せていく。
フィリピンで戦った米軍と比べれば、これしきなんてことも無いが、このまま戦い続けたら、何も出来ないな…
私がそう思っていると、
「そこまで!!」
これ以上拉致があかないと思ったのか、朝礼台に登ったグリア殿が、一言で全員を止めた。
「全く…一対一での真剣勝負という約束を破って挙句、人一人を制圧することが出来ないとは…帝国軍人として恥ずかしくないのか!!」
グリア殿は師団員達に一喝し始める。
グリア殿の一喝に、師団員達はただ黙って怒られているだけだった。
「勇一殿は今までの教官のように行かないと、肝に銘じよ!」
師団員達に、グリア殿は釘をしっかりと刺した。
グリア殿に釘を刺してもらい、私は朝礼台にもう一度上がった。
「では、これにて朝礼を終了する!本日の訓練は0830から開始する。各員、それまでに支度を済ませ、この場に集合せよ!以上解散!!」
私は今後の予定を伝え、グリア殿と共に兵舎の方へ戻ることにした。
○
「では、私は総司令部に戻る。何かあったら、すぐに私に伝えてくれ」
「はっ!」
兵舎の出入口の前に止めてある車に戻った後、私は総司令部に戻るグリア殿を見送った。
「さて、これから忙しくなる…覚悟しなければな」
「八雲勇一?」
グリア殿を見送った私に、誰かが声をかける。
「私は教官だ。八雲教官と呼ぶように」
「あら、ごめんあそばせ」
声がした方を振り向くと、そこには第十八機甲師団のミシェル・エーデルが、護衛らしき者達を引連れて、立っていた。
「ミシェル・エーデルか…何の用だ?」
「あら?私にそのような言葉遣いでいいの?」
「……どういう意味だ?」
上から目線で私を見下しながら、エーデルは余裕な表情を浮かべている。
ある程度理解出来ているが、私は一応エーデルに尋ねる。
「あらぁ?私の名前を知っておいて、エーデル財閥を知らないとは言わせませんよ~?エーデル財閥は陛下から厚い信用を受けている…その意味がわかりますわよね?」
「分からんな」
へらへらとしながら私を見てくるエーデルに、私はキッパリと返事を返す。
「…はぁ、頭の回転が悪い教官ですわね~。もし、私に何かあったら、貴方は軍人ではいられなくなるってことですわよ?さっ、分かったのなら、私の言うことは絶対に聞いてちょうだいね?」
「断る」
「は?」
圧をかけてくるエーデルに、私はキッパリと断った。断られたエーデルは、私のことを睨みつけてくる。
「貴様らは優秀とは言え、新兵だ。教官の言うことはしっかりと聞いてもらおう…後、敬語をちゃんと使うように…」
「貴方!私に指示をするなんて、どういう意味か分かっていr「ああ、それと…私は女帝陛下直々から、貴様らの指導をするようにと命を受けている…帝国軍総長であるグリア・ヴィルトゥス殿が来ている時点で証明は十分だろう?それでも信用出来なければ、貴様の母親を通して、女帝陛下に聞くが良い……話は以上か?私はこれから訓練の準備があるから行くが、貴様らも遅れることなく来い…分かったな?」
威張るエーデルに、私は女帝陛下に指導を命じられたことを伝え、遅れてくることがないよう釘を刺し去っていった。
「男じゃん。無理でしょ」
「どーせ、権利欲に負けて私達に媚び始めるよ」
自己紹介を済ませると、バレていないと思っているのか、次々と私に対する不満を述べていく。
やはりこうなったか…
「男と言うだけで、そんなに不満か?」
「はーい、不満で~す」
私は師団員達を睨みつけながら、師団員達にそう質問する。すると、誰かが笑いながら答え、それを聞いた他の師団員達が笑い始める。
「貴様ら…それでも帝国軍人か………っ!」
チラッと、グリア殿の方を見ると、グリア殿は師団員達の無礼さに、怒りで震えているようだ。
グリア殿がキレる前に、ことを進めるとしよう。
「何が面白いか、一切分からないが…そんなに不服ならば、私と手合わせしてもらおう。私に勝てば今後自由に過ごしてもらって良い……だが、私が勝ったら今後私の言うことを聞くようにしてもらおう…」
私が出した提案に、師団員達は
「無理だろ」
「今後自由にできるぜ~!」
まだ始まってすら居ないのに、勝手に勝敗を決めつける。
「……それで?誰が私の相手をするのだ?」
「…私が相手になってやるよ!弱音を吐かないよう精々気をつけろよ?」
私の相手として名乗り出てきた者は、第八歩兵師団のアリサ・トゥータだった。
書類に書いてあったどおり、自信過剰のようだな。だが、闘争心を折るには丁度良い相手だ。
「アリサ・トゥータ…自信過剰はその身を滅ぼすぞ?」
「へっ、その言葉。そっくりそのまま返してやるよ!」
私は朝礼台から降りて、トゥータは向かい合う。
囲うように、他の師団員達が集まり始める。
「ルールは簡単。武器や魔法強化なしで、一対一で戦う…それで良いな?」
「どっちにしろ、結果は変わらねぇーよ」
トゥータにルールを確認した後、私は一枚の銅貨を取り出した。
「この銅貨が地面に落ちたら、試合開始だ…では、行くぞ?」
そう言った後、私は銅貨を空に向けて弾き飛ばした。弾き飛んだ銅貨は宙で、回りながら地面へ向かっていく。
「隙あり!!」
地面に銅貨が落ち切る前に、トゥータは私に殴り掛かろうとしたが、
「敵に仕掛ける際、声を出す馬鹿が何処にいる?」
私は声を出している点に、注意をしながら私は柔術で軽々と捩じ伏せた。
「いだだだだ!!!」
「どうした?そんなものか?」
トゥータが捩じ伏せられたのを見て、師団員達は驚いたような顔で戸惑っていた。
「で、デタラメだ!!」
「そうだ!そうだ!」
「やっちまえ!!」
誰かが驚いている師団員達を刺激し、見守っていた師団員達が私目掛けて襲いかかってくるが、私は柔術などを使用し、師団員達を捩じ伏せていく。
フィリピンで戦った米軍と比べれば、これしきなんてことも無いが、このまま戦い続けたら、何も出来ないな…
私がそう思っていると、
「そこまで!!」
これ以上拉致があかないと思ったのか、朝礼台に登ったグリア殿が、一言で全員を止めた。
「全く…一対一での真剣勝負という約束を破って挙句、人一人を制圧することが出来ないとは…帝国軍人として恥ずかしくないのか!!」
グリア殿は師団員達に一喝し始める。
グリア殿の一喝に、師団員達はただ黙って怒られているだけだった。
「勇一殿は今までの教官のように行かないと、肝に銘じよ!」
師団員達に、グリア殿は釘をしっかりと刺した。
グリア殿に釘を刺してもらい、私は朝礼台にもう一度上がった。
「では、これにて朝礼を終了する!本日の訓練は0830から開始する。各員、それまでに支度を済ませ、この場に集合せよ!以上解散!!」
私は今後の予定を伝え、グリア殿と共に兵舎の方へ戻ることにした。
○
「では、私は総司令部に戻る。何かあったら、すぐに私に伝えてくれ」
「はっ!」
兵舎の出入口の前に止めてある車に戻った後、私は総司令部に戻るグリア殿を見送った。
「さて、これから忙しくなる…覚悟しなければな」
「八雲勇一?」
グリア殿を見送った私に、誰かが声をかける。
「私は教官だ。八雲教官と呼ぶように」
「あら、ごめんあそばせ」
声がした方を振り向くと、そこには第十八機甲師団のミシェル・エーデルが、護衛らしき者達を引連れて、立っていた。
「ミシェル・エーデルか…何の用だ?」
「あら?私にそのような言葉遣いでいいの?」
「……どういう意味だ?」
上から目線で私を見下しながら、エーデルは余裕な表情を浮かべている。
ある程度理解出来ているが、私は一応エーデルに尋ねる。
「あらぁ?私の名前を知っておいて、エーデル財閥を知らないとは言わせませんよ~?エーデル財閥は陛下から厚い信用を受けている…その意味がわかりますわよね?」
「分からんな」
へらへらとしながら私を見てくるエーデルに、私はキッパリと返事を返す。
「…はぁ、頭の回転が悪い教官ですわね~。もし、私に何かあったら、貴方は軍人ではいられなくなるってことですわよ?さっ、分かったのなら、私の言うことは絶対に聞いてちょうだいね?」
「断る」
「は?」
圧をかけてくるエーデルに、私はキッパリと断った。断られたエーデルは、私のことを睨みつけてくる。
「貴様らは優秀とは言え、新兵だ。教官の言うことはしっかりと聞いてもらおう…後、敬語をちゃんと使うように…」
「貴方!私に指示をするなんて、どういう意味か分かっていr「ああ、それと…私は女帝陛下直々から、貴様らの指導をするようにと命を受けている…帝国軍総長であるグリア・ヴィルトゥス殿が来ている時点で証明は十分だろう?それでも信用出来なければ、貴様の母親を通して、女帝陛下に聞くが良い……話は以上か?私はこれから訓練の準備があるから行くが、貴様らも遅れることなく来い…分かったな?」
威張るエーデルに、私は女帝陛下に指導を命じられたことを伝え、遅れてくることがないよう釘を刺し去っていった。
23
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説

平和国家異世界へ―日本の受難―
あずき
ファンタジー
平和国家、日本。 東アジアの島国であるこの国は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、 政府は戦闘機搭載型護衛艦、DDV-712「しなの」を開発した。 「しなの」は第八護衛隊群に配属され、領海の警備を行なうことに。
それから数年後の2035年、8月。
日本は異世界に転移した。
帝国主義のはびこるこの世界で、日本は生き残れるのか。
総勢1200億人を抱えた国家サバイバルが今、始まる――
何番煎じ蚊もわからない日本転移小説です。
質問などは感想に書いていただけると、返信します。
毎日投稿します。

大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。


【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる