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40.満たされる
しおりを挟む「カルナ……」
シュラトは欲情を隠しきれない少し掠れた声でカルナを呼んだ。そうして、膝立ちになってズボンの前をくつろげると、中からすでにガチガチに勃起した性器を取りだす。
血管の浮き出たそれに、カルナはあふれてきた唾液をごくりと飲み込む。見ているだけで後孔の奥がきゅん、と収縮したのがわかった。
「シュラト様……」
媚びたような甘い声が自然ともれる。
とろけた顔をしたカルナが膝裏に手をやって自ら大きく足を開くと、ニヤリと笑ったシュラトが身を乗り出してきた。
軽く腰を浮かされ、香油で濡れた後孔にずるずると亀頭を擦り付けられる。
そのたび縁がヒクヒクと開閉して、まるでシュラトの雄の先っぽに吸い付こうとしているかのようだった。
「挿れるぞ」
「……んっ、あっ、ああ……ッ」
狭い内側を押し広げるように、シュラトの性器がカルナのナカへと入ってくる。
「はっ、あ……う、」
まるで初めての時のように、ゆっくりと、少しずつ、満たされていく。
眉根を寄せて、快感に耐えているシュラトの表情が色っぽくて愛おしい。
カルナが手を伸ばしてその頬に触れると、すぐに視線が絡む。美しい深緑の瞳に、カルナだけが映っていた。
「つらくないか?」
「大丈夫、です……っ、あ、あぁ……!」
身を屈めて唇にキスをされると同時に、ナカの性器がずるりと奥の方へと入ってきた。
宙に浮いたカルナの足先に力が入って、ぎゅっと丸くなる。
ついばむような口付けを受け入れながら、繋がった部分の途方もない快感にカルナの表情がだらしなく緩む。
みちみちとナカを埋める性器がずるずると肉壁を擦りながら奥に進んでいくのが、気持ちよくてたまらない。
「ん、む……っ、はぁ、あ、あ……ッひ、あ、だめっ、乳首だめ……っ」
「ああ……ナカがうねって、すごいな……ッ」
体を支えているのとは逆の手の指で、乳首をぐりぐりと押し潰された。
その愛撫にナカが緩んだのか、シュラトの性器を奥に引き込もうとするように肉壁が蠢く。
「ッ!」
シュラトの先端がナカの突き当たりにコツンとたどり着いた瞬間、カルナは胸を突き出すように軽く仰け反った。
息が詰まりそうな快感をなんとかやり過ごした後、天井を見つめて肩で大きく息をする。
「はっ、ああぁ……ん、あ、あぁ」
「カルナ……」
低く、甘い声でカルナを呼んだシュラトが、カルナの喉元に軽く歯を立てる。
剥き出しの牙が皮膚に食い込むことにも恐怖はなく、カルナはその甘噛みを心地いいとさえ感じていた。
その合間にも、さらに奥に入り込もうとするように、シュラトの性器の先がカルナの閉じられた部分にずりゅずりゅと押し付けられる。無理にこじ開けようとしているというよりは、自然にそこがほころぶのを待っているような動きだった。
「力抜いて」
「ふっ、あ……あ、ぁ」
逃げそうになる腰を両手でがっしりと掴まれて、トントンと奥を優しくノックされる。
少し怖いのに、何度も教えられた感覚に体が熱くなって、興奮と期待にカルナの目が潤んだ。
その潤んだ視界に映るシュラトも、興奮しきった様子でカルナを見下ろしている。
「しゅらとさま、しゅらとさま……ッア、ああっ……ひッ!」
ぐいっと腰を強く押し付けられた瞬間、結腸口のさらに奥にシュラトの亀頭がぐぷりと入り込んだ。
ナカ全体がぎゅうっとシュラトの性器を締め付けるのと同時に、カルナの体がびくびくと痙攣する。
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