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悪役令嬢は誤解されやすいけど、分かる人には分かるのです。

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 とても、名前を呼ぶ気にはならなかった。

「殿下。」

 対面に座し、マグノリアに冷めた眼差しを向けるのは、燃える様な朱色の巻毛に少し垂れ目がちの翠の瞳、国中の乙女が憧れる麗しき貴人、レオンハルト第一王子。マグノリアの婚約者にして、マグノリアが住まうグリーゼント聖国の王太子殿下で在らせられる。

「妻、とは、職業でございます。それぞれに必要な能力が求められるのです。平民の妻には平民の妻に相応しく、王太子妃には王太子妃に相応しい……」

 それは、諸国で渡り合うために不可欠な語学であり情報であり、国民の愛を得るに相応しい活動であり権威であり、現在と過去と未来を占う知識であり、それらを求める惜しみなき探究心、身を捧げる覚悟。

「悪い事は申しません。……側妃に、なさいませ」

 腹芸の出来ない次代の統治者は、明らかな嫌悪を隠しもせず自らの不実を高らかに宣言する。

「私は……!彼女を愛しているのだ!」

 うんざりだ。

 マグノリアの婚約者である筈の恋に酔った若人が、前後不覚に陥って吐瀉物に等しい愛を吐き散らす様は寒気さえ覚える。
 愛を叫ぶ相手を間違えるにも程があると言うものだ。此方は正真正銘、現役続行中の婚約者様なのだ。たとえ、今現在、その婚約の破棄について話し合う最中だとしても、他の女への思いの丈をぶち撒けられる謂れはなかろう。

 これでも、レオンハルトとマグノリアの二人は長年良好な関係を築いて来た。マグノリアはその為の努力をしていたし、レオンハルトも良い意味で王族らしい高潔さを持ち、あてがわれた婚約者を尊重し、果たすべき義務を理解しているように見えた。
 彼女の登場までは。

 王侯貴族の子息子女を集める学園に、レオンハルトとの歳の差の分だけ遅れる事2年、入学した時には既に多くの令息達が彼女を持て囃し、我が婚約者殿がその筆頭として皆に知れ渡っていた。
 そして彼女は何故か、マグノリアを蛇蝎の如く嫌った。
 その徹底ぶりは初対面から取り付く島もなく、近づけば震え上がり目も合わせないのだ。
 あれでは二人の間に何某かの因縁ありと邪推を招くのも致し方ないと、マグノリアさえも思った。
 けれど、救いと言ってよいのかどうか、彼女は裏表の無い人物で、マグノリアに積極的に策略や陰謀を巡らす事はなく、唯々根拠もない疑惑を悪戯に恐れ、周囲に猜疑心を振り撒き、王太子とその婚約者の関係に亀裂を生む程の風評を立てた、無礼で浅はかで無邪気な子供でしかなかった。

「……なればこそ、側妃として差し上げるべきです」 

 責任感の強さから、抱えきれない荷物を安易に受け取らない分別を持つマグノリアは、特に若年者から誤解を受けやすかった。それは、若造が至るには少々険しい道の先に、マグノリアは到達しているという事なのだが、理解できない者には、薄情で意地の悪い皮肉屋としか評価出来ないのだろう。

 マグノリアの言葉は発言者の意図を無視して、口を出て相手に耳に届くまでに、少量の毒を纏い、毒は怒りを誘い、マグノリアに還る。
 それを不徳と言われれば、否定はしきれない。
 回避する為に最大の努力を傾けたか、と問われれば、否と答えざるを得ないから。

 けれど、マグノリアは疲れてしまったのだ。いつも、何もかもに全力で……なんて事は、マグノリアには出来なかったのだ。

「黙れ!我が身可愛さに、エアリスを貶める事、断じて許さん!これは提案ではない!下命である!」

 それでも、マグノリアの矜持が、才能が、マグノリアの心を支えて来た。支えてしまった。マグノリアは自分をよく分かっていた。自分の力の及ぶ範囲を、影響力を。守れるものを。

 だから、ずっと言って欲しかった。それは間違いだと、マグノリアの支えは、国に身を捧げる覚悟などは不要なのだと、王太子あなたの口から聞くのを、最後の砦を打ち砕き、不毛な戦いから私を解放してくれる時を、祈るような思いで、待っていた。



「侯爵令嬢マグノリア・フェレッティ!今後フェレッティ家の助力は必要ない!貴女との婚約破棄は決定事項だ!大人しく従え!」



 マグノリアは震えた。
 完全なる敗北に。
 古く豪奢で堅牢な檻からの解放に……!




「……畏まりました」









 名の由来である、木蓮マグノリアの花弁に似た柔らかな薄紅の髪と、凛と伸びた背筋、滑るような足取りは肉体の重さを感じさせず、まるで妖精の姫が舞い降りたよう。
 滑らかな頬の曲線が傑作と言って良い軌跡を辿り、頂点を結ぶおとがいは粗雑に触れれば壊してしまいそうな繊細さ。
 勝気そうな切長の大きな紫紺の瞳を縁取る長い睫毛はくるりとカールして愛敬を添える。
 芸術品と言って遜色ない少女は、つい先程、幼少期に取り決められた婚約を反故にされ、常にはない幽鬼のような頼りなさを滲ませて、尊い程に美しい。
 しかし、食べごろに熟れた果実はおそらく誰の口も楽しませずに終わるだろう。

 この国の貴族子女が婚姻する平均年齢はおよそ16歳。
 王妃教育と伯付けの学位取得のために予め18歳と取り決められていた婚儀予定まで残り一年を切り、周囲の令嬢は多くが人妻か既に母親になっていて、有望な婿候補もほぼ片付いた。

 この歳になれば少なくとも婚約者は確定しているもので、未婚でいるのはマグノリアのように国の取り決めで時期を待つ者ばかり。マグノリアが知る限り、例外は王太子の想い人、光属性持ち男爵令嬢エアリス・ゴライアスただ一人だ。

 勿論、片付かなかった婿候補もそれなりの理由をお持ちか、言うに憚る事故物件である。

 マグノリアの身の上も王太子殿下の婚約者から、訳あり事故物件に書き換えられたばかりだが、それでも、いいかげんな相手と添うには身分や後ろ盾が強力過ぎる。

 自分の将来や家族の事を考えて、酷い不安に襲われたマグノリアは、僅かに顎を引き、完璧そうに見えた立ち振る舞いの精度をもう一段階引き上げる事で、無理矢理に思考を切り替える。

 これから踏み出す新たな一歩は、過去を振り切る旅立ちの一歩だ。喜ばしい、無聊の日々との訣別の一歩だ。その先に待つ未来を恐れ心を竦ませては、昨日までの私が報われない。私は私のために、勇気を持って踏み出そう。

 通い慣れた王宮庭園を静かに眺めていた視線を巡らし、進むべき道を視界に捉えて毅然と前を向いたマグノリアの目に長身の人影が映る。

「フェレッティ侯爵令嬢」

 名器が奏でたような深く滑らかな声音に胸が高鳴った。

「……閣下」

 精悍な顔立ちに金の瞳と艶のある黒髪、野生生物のようなしなやかな身のこなしで黒豹の異名を持つ、ヒュフナー公爵家次男、ガブリエル・ヒュフナー近衛隊長が、遠い日に、歳の離れた幼馴染にだけ見せていた、甘い微笑みを再び向けてくれている。

 何故かは分からないが、もう取り戻せないと思っていた、大好きだった兄の学友がそこに居た。

 仕方なさそうに少し眉を下げて微笑む、兄に邪険にされてしょぼくれる小さな私に、野の花を贈ってくれた貴公子の、あの笑顔。

 もしも、初恋の相手が殿下だったなら、マグノリアの心は今とは比べようも無くバラバラに砕け散っていた事だろう。
 心の片隅にガブリエルの存在を偲ばせていられたから、元婚約者とその想い人の姿を、苦い諦めを持って見ている事が出来たのだ。嫉妬の炎に焼かれ、全てを燃やし尽くそうとせずに済んだのだ。
 だから、本人は知る由もないだろうが、マグノリアにとってのガブリエルは初恋の君であり、大切な恩人でもある。

 もう、無理に押し隠す事もない恋心を解き放ち、素直に湧き出る感謝の気持ちが、未来の王妃に選ばれた重責で唐突に終わりを告げた子供時代以来の、屈託の無い、無垢な、心からの笑顔を、マグノリアから引き出した。

 ガブリエルは魔法にかかったようにカチリと硬直すると、マグノリアに目を釘付けにして猫の様にぐぅと胸を鳴らした。

 マグノリアはそんな黒豹らしくないガブリエルの様子には気付かずに優雅なカーテシーを披露し、貴族らしく定型文を駆使した儀礼的な挨拶を済ます。そしていざ要件を聞こうと視線で促したが、二人の間には奇妙な沈黙が横たわるばかりで内心首を傾げる。

 数瞬の後、思い出したようにガブリエルが口を開いた。

「お送りします」

「え……」

 想定外の提案に、淑女らしさが剥がれ落ちてガブリエルをポカンと見上げてしまう。

「そんな……陛下付きの閣下のお手を煩わすなど……」

 正直に言えば、心踊る申し出だ。けれど、マグノリアが密かに憧れたこの人が独身で居るのにも、勿論、それなりの理由があるだろう。身勝手な期待を抱いて後で打ちのめされるのは辛い。

国王陛下かのかたのお心遣いです、どうか、私を助けると思ってお受け下さい」

 マグノリアは辺りを見回すが、折衷案を捻り出す手がかりは無さそうだ。

「……では、お願い致します」

 今後は、王太子の婚約者として参内する事も無くなり、王宮詰の近衛隊長であるガブリエルの姿を遠くから確かめる事も出来なくなるだろう。これが最後の逢瀬となるかも知れないと思うと、ふと、一度だけで良いから自分の我が儘を許して貰いたくなった。

 ガブリエルが差し出す手に、そっと指を乗せて歩き出す。

「陛下も、……ご存知なのですね」

 中央庭園を囲う長い回廊は、晩春の陽光が落とす光と影の強いコントラストを帯びて、絵画のような静謐さを纏う。

「……はい。ですが、お望みではありませんでした」

 国王は恋煩いの王太子の暴走を止めなかったし、知っていて婚約破棄を妨害しなかったのなら、マグノリアは見限られたのだと思っていたが、違うのだろうか……。

「そう、……なの、ですか?」

「はい。その上で、陛下のお望みに沿わぬ結果に帰結した場合は、私にも機会を許して下さると仰せでした」

 言葉の意図を探りガブリエルの目を覗くマグノリアと、真剣な眼差しを返すガブリエルが見つめ合う。

 つと手を引かれ、庭園に向かって道を逸れて列柱の一つを回り込むと、そこは完全な死角になっていて、さすが王族の安全を担う近衛隊長は城の隅々まで良く把握して居るものだと、呑気に感心してしまう。

 ガブリエルに促されるままに日常から隠されて、石柱の裏に立つマグノリアに燦々と注ぐ春日はるひが、光を弾く絹肌と双眸を夢幻の如く煌めかせる。
 御伽の国に迷い込んだようで、夢現に跪いたガブリエルは、意地でも離さないつもりで繋いでいた細い指に、唇を押し当てた。

「あんななまくら王子の愚かな所業で、貴女の誇りは少しも傷付けられないでしょう」

 見上げる元・王太子の婚約者は、不要となった威厳を脱ぎ捨て、今は年相応に頼りないくらいの普通の令嬢に見える。

「けれど、貴女の繊細で柔らかな心は、ささくれ、血を流して居るのではないですか?」

 キラキラと輝くマグノリアの深い紫の瞳が揺れる。

「だとしたら、どうかその傷を、私に埋めさせてもらえないだろうか……」

 そして、吸い込まれそうな眼が次第に波うち、零れ落ちそうに膨れ上がる。

「貴女の新たな婚約者に、私を、選んで下さらないか」

 喉をコクリと鳴らしたマグノリアは瞬きもせずに問い返した。

「ですけど……閣下ほどの御人が独り身を貫いておいでだったのには、深い訳が、……あるのでしょう?」

 思いもよらぬ問い掛けに、ガブリエルは恥ずかしそうに俯く。

「私も既に27歳……。貴女より10も年嵩です。周囲の圧力もいよいよ本気で潰しに掛かって来ていて、いい加減諦めて、貴女の婚儀を待って年貢を納めるつもりでいました」

 両手で包むマグノリアの指先を、さっきよりも堅く握りしめる。

「私の、……婚儀を?」

 都合の良い想像を巡らして、マグノリアの心にかすかな悦びが芽生える。

「はい。貴女の嫁ぐ姿を見なければ、諦めが付かないと思っていました」

 ガブリエルは残酷だ、と、取り返しがつかないほどに期待を抱いてしまったマグノリアは思った。その答えに心を引き裂かれようと、もう理由を聞かずには居られない。

「…………なぜ?」

 マグノリアの期待と不安を優しく受け止めて、ガブリエルが応える。

「私がこの歳までどなたとも縁付かずに来てしまったのは、ただ、貴女以外のひとを、私の心が拒むからです」

 マグノリアの両目に溢れる涙が遂に堰を切った。

「私はずっと、貴女だけと、添い遂げたいと望んできました」

 マグノリアは零れ落ちた雫を惜しむように瞼を閉じ、微かに震える指先に力を込めてガブリエルの手を握り返す。

「……閣下……」

「どうか、ガブリエルと呼んでください」

 ガブリエルが立ち上がり、マグノリアの頰にそっと触れる。

「はい」

 複雑に光を反射して恐ろしい程に美しい、夢見る瞳をガブリエルの向けて、囁き程の声をやっと絞り出し、マグノリアが応える。

「はい……」

 もう我慢の限界だというように性急に胸に閉じ込められたマグノリアが、確かな温もりに安堵の溜息を零した。
 やがて、少しだけ体を逸らして、腕の中の美しい人の、頬を伝う涙に指を這わせたガブリエルは、両手で包んだ愛らしい顔を少し上向けて、二人の輪郭を重ね合わせ、唇を奪った。











 *****


「それで?それを聞いて、レオンはどうしたの?」

 赤と金を基調とした絢爛な国王の執務室には王と王妃、王太子レオンハルトと数名の腹心が控え、砕けた様子で語らって居る。

「……どう?とは?」

「まさか、そのまま帰した訳じゃないでしょう?」

「いや……帰しましたよ」 

「ええ!?どうして?彼女、完璧じゃないの!まさか、本当に婚約は解消してしまったの!?」

「……もちろんです」

「はぁ……。貴方、馬鹿なのね……」

「はっ!母上!?」

「何が不満なの?彼女の言葉のどこが問題?」

「もっ……問題だらけではないですか!妻は仕事だとか!愛する人を日陰者にしろとか!顔色ひとつ変えずに宣うのですよ?血も涙もない、悪女です!」

「悪女……、ね。……はぁ、貴方、そんな事で国の舵取りなど、出来ようものかしら……。失望しましたよ」

「な……何をおっしゃるのです!私は間違っておりません!」

 王妃は、手塩にかけて育てた息子が、異世界の知識を持つと言う光属性持ちの聖女候補とやらに感化され、すっかり腑抜けた様を苦々しい思いで観察する。

「夫婦の務め……」

「……は?」

「夫婦には、果たすべき役割が有るとは思わない?『家族を守る事』も、『暮らしを守る事』も、貴方のゆる~い頭で言うところの、『相手を愛する事』も。それぞれが担うべき夫婦の務めだわ。怠れば円満な夫婦関係は築けないものよ。妻は妻である事の、夫は夫である事の、王は王である事の、務めを果たすべきだわ。……そうでしょう?」

「もちろんです」

「ならば、彼女の言う通り、妻、とは、職業なのだわ。」

「……しかし、……」

「言葉選びに不満があるの?『妻の務め』『職業・妻』、どちらでも同じ事ではない?貴方が言うところの『悪女』の言葉だから印象が悪かった、だけではない?」

「いや……、それでも、結婚が職務であるかのように言うなど、私には許せません」

王太子妃かのじょには王太子あなたに許される側妃と言う癒しを持つことが出来ません。貴方おっとが癒しにならないなら、彼女つまを慰める者はない。だというのに、貴方が側妃を持つ事を許し、愛されない王妃として立ち、自分こそが日陰者に成ろうと約束してくれたのですよ?王妃の職務を全うしつつ、貴方には夫の務めを強要し無いと、寛大な心を示してくれたのではないですか」

 正面から息子の瞳を見つめる王妃の目には、人の上に立つ人間の厳しさが満々と湛えられていた。

「貴方の意中の君は、何と?日陰者にはなりたくないと?その為に、貴方の婚約者を婚姻間近に捨てられた笑い物にせよと唆した?」

 一瞬遠くを見る様にして記憶を辿ったレオンハルトの反応は、王妃の指摘が当たらずとも遠からず、と雄弁に語っていた。

「っ!それは!……しかし!」

 王妃は羽虫を払うように指を振って発言を阻むと、その指先をこめかみに押し付けて目を閉じた。

「婚姻は許しましょう」

「……は?」

 流石に、母の不機嫌な様子とは裏腹に己に有利な結論を、素直に喜べる程おめでたくはないなまくら王子レオンは、不信を隠さず王妃を凝視する。

「けれど、その娘は王家に嫁するにあたわず。貴方が王籍を返上して臣にくだりなさい。陛下、よろしいですね?」

「よい。」

 王は目を伏せたまま気怠く頷いた。

「そんな!……ち、父上!母上!」

「生まれた時から教育してきた貴方がその体たらくであると言うのに、その様な娘に、これからいくら指導したところで王妃の器など育つはずもない」

「わ、私は……」

 レオンハルトは信じていた世界が、自分の思い込みで塗り固められた、まやかしで在る可能性に愕然とする。

 そんな息子を尻目に、目の前で掠め取られた理想の嫁を惜しんで、王妃は悄然と項垂れる。

 王は、息子の不始末で巻き起こるであろう情勢不安に、頭痛をもよおしているようだ。


「ああ、残念だこと……。貴方が下らない女狐に惑わされなければ、完璧な王太子妃が嫁いで来てくれたはずだったのね……」


 この国で最も高貴な三者は三様に頭を抱えた。



「あぁ……何て事かしら……」






 その様子を壁を背に眺めていた、マグノリアを手中に納めたばかりですこぶる上機嫌な国王付き近衛騎士の黒豹ガブリエルが、至極満足そうに尻尾を振った、ように、見えたとか、なんとか……。









おしまい
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