その悪役令息は記憶を奪われた。【ショートショート・短編】

無花果

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攻めの思考が全て受けに筒抜けになってしまうバグの話

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王道学園BL無双~転校生は隠れ美少年~



「おい、京、ちょっとこっちに来い。」

「あ、かいちょー、どーしたの?」

(相変わらず顔がエロい。)

「ふぇ?」

(なんだ何喘いでんだ犯されたいのか。)

「かいちょー……、口、閉じたまんま喋れるの、すごいね、ちょっと芸としては古いケド……」

「は?何を言っている。お前の頭は色ボケて誤作動してるのか?修理が必要か?」

「えええ……、多分、修理が必要なのは俺じゃないと思うんだよね~。」

(顔が近いな、コレ、誘ってんのか?)

「かいちょー?デバッグしてもらわなきゃかな~?」

(こいつ、こんな調子で転校生にもソッコー落とされやがってチョロすぎんだろ。)

「えー、俺、落とされてないけど、あの転校生くん、会話の選び方が斬新で面白いけど、ルート選択全然分かってないし、フラグ立てすぎだし、逆ハーするには、かいちょーに嫌われすぎてるし……、何がしたいんだろねー?」

「転校生の話はいい。不愉快だ。」

(お前の口からアイツの話を聞きたく無い。)

「あれ?それは、あれかなー?ほんとは独り占めしたいのに、ツンデレ属性がー、て、事なのかなー?あ、それで俺をお呼び出し?的な?えー、誤解と濡衣だよー?」

「誤解か?お前はいつだって軽薄でそこら中に色気を振り撒いてるだろうが。お前こそ何がしたい。」

(どうして俺だけにしない。)

「ん?かいちょーだけにして置けば怒られないの?」

(俺だけにするのか?)

「して、ほしいの?俺にデレてんの?転校生くんにじゃなくて?俺に?」

「何度も言わせるな。転校生の事をお前が口にするんじゃない。」

(今度言ったらそのエロい唇、俺が塞ぐ。何で塞がれるかは選ばせてやってもいいが……。)

「ええ~、何でって……、そこはマウストゥマウスの一択じゃないのー?」

「一択、か……」

(選んだのなら与えてやろう。)

「あ!ちが、かいちょ……、ん……♡」

(…んあー……クソ、最高だな、唇、やわ……しかも、いい匂いすんな。メスだな。)

「ふっ!んんっ!!」

「なんだ?」

「かいちょ……!離して!」

「嫌だ。」

「ひえっ、ちょっと、どーしたの?ストイックな完璧かいちょーはどこー!?キャラ崩壊してるよー!エロ親父化してるよー??」

(ストイックってなんだ、僧侶じゃあるまいし、10代なめんな?お前こそ親父か?)

「か、かいちょー、近いよぉ。ごめんね?ごめんね?俺が間違ってたー。かいちょーだってティーンだもんね、盛るよね?」

(京……耳まで赤い、涙、集まって目が……、誘ってるようにしか見えん。もっと謝れよ。……啼けよ。)

「ひぃーっ!かいちょー!聞こえてる!聞こえちゃってるの!本音が、もれてるぅ!」

「ははっ!」

(お前、その顔ヤバいぞ。勃ったわ。)

「うぅぅ……勃たないでください、出番ではありません!っやめっ!耳ぃっ!舐めないでぇ……!」

「おい、顔を隠すな。」

「むりぃ!囁かないでぇ!!」

(何だこの反応、ヤリチンのくせに。処女かよ。)

「なぁ、お前の親衛隊に、雄臭いのが一人だけ居たな?」

「んえ?……結城の事?」

「結城、か……。」

(もう咥えたのか?お前をメスにしたのはそいつか?)

「は?…………ゲスい。……あんた、ホントに、かいちょー?」

「俺は俺だ。」

(やっと顔を見せたな。)

「あっ!」

(逃さねえよ。)

「ひんっ、ふ♡んん…♡」

(口、開けろよ。)

「んん♡んー!っい、あっ!ふ、んんん♡」

(とろけ過ぎだろ……眉毛下がってる。美人が歪むと一気に可愛いな。)

「んーー!んんんー!!……っぷはっ!」

「くくく……」

(ぷはって言ったな。どんだけ必死だよ……。)

「かいちょー!?ちゅーする時は、目を!目をっ!閉じてぇー!?」

(馬鹿か、俺はお前の顔が好きなんだ。閉じたら見えん。)

「それで?」

「……ええ?何が?かいちょー、なんか怒ってんの?」

「結城だ。あいつはお前の何なんだ?」

「結城?結城はー、俺の側近だよ?俺、ウチの会社の社長候補だから、そーなった時の為の先行投資だね。」

「……それだけか?」

「そ、そうだよ?俺も結城もタチだし……。」

「そう思ってるのはお前だけなんじゃ無いか?」

(お前に抱かれたいヤツの気がしれん。お前と肌を合わせて、啼かせるんじゃなくて、啼かされるのか?お前に?)

「有り得ないだろ。」

「やめて、やめてー!分かりたくない!その可能性には気付きたくない!俺は攻めたいの!攻める方なの!」

「ふうん?じゃあ、やってみせろよ。」

(お前のせいでこっちは臨戦態勢だ。好きなだけ攻めてみせろよ。)

「う、わ……、カチカチなんですけど……。マジで?」

(それとも突っ込まれたいのか?)

「やります!」

「ふっ。」

(結局両方選んだな……。)

「え?」

(咥えてくれるんだろ?塞いでやるよ。)

「ばっ!ばか!エロ親父!ゲスいんだよ!!もう、だまってて!」

「早く黙らせてくれよ……。」

「ぬうっ!言ったねー?めちゃくちゃ喘がせてやるよー!」

(だから、可愛いんだよ。)

「くっ、見てろ!」

「ああ、見る。」

(これも視姦になるのか……?)

「うぅ……、やりずらい!」

(美人の奉仕、永久保存もんだな。)

「うるさいっ!て、なにコレ、でか……。」

(舐めろ。)

「っ!だから!だまっててよ!」

(こっちは理性の限界だ、急げ。)

「もう!情緒がない!いくよ!?」

(う……、ん、いい……、うまいな、この、淫乱……。)

「ひょっほ、ひひははひほ、うえいふ……」

「うっ……くっ、喋るな。……何言ってるかも分からん。」

(あぁ、たまんねぇな。その唇に突っ込んでみたかったんだ……。)

「動くぞ。」

「んむっ…ふ♡ん、……んー!んんんー♡!!」

(ああ、やべぇ、もうイキそー……、とりあえず、出すぞ?)

「っぐっ!……んぷっ♡……げほっ!ごほっ!ぐぅっげほっ……!はあっ!ふ♡ぅっ……はぁ。」

(こっち来い、キスしてやる。)

「あ、……んん♡ん♡ふ……♡♡♡っ………。」

「良くできたな。いい子だ。これで分かったか?」

「んう……、わ、わかんないよ。」

「俺は好きにやれって言ったんだ。俺を治めろって言ったんじゃない。」

(なのに咥えただけで終わるなんてな。俺なら有り得ねぇ。)

「……あ。」

「お前には俺を啼かせる気はなかったんだろ?お前は俺に啼かされる側だろ?」

「…う、うああぁ。」

「心配するな。」

(俺がたっぷり、可愛いく啼かせてやる。)

「俺はお前が好きだよ……。」

「んん…♡はぁ、ああぁ……♡」

「……♡…♡♡………!」


「♡♡♡♡!!」


「…………♡……♡…♡…!」








後日、かいちょーのバグは無事改修された。
俺の尻穴は無事には済まなかった。
なんでこうなった?




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