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第三章 明日へ
74. 恐れ**
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「んっ……」
僕とセレダは抱き合いながら、何度も角度を変えて舌を絡ませ合う。互いの唾液が混ざり合い、唇の端から零れ落ちた。ゆっくりと彼の胸元に手を伸ばす。僕はそれを優しく指先で撫でた。
「……っ」
彼が少しだけ吐息を漏らすのが嬉しくて、そこばかりを弄る。すると彼はもどかしそうに身じろぎをした。
促される様に彼の服を脱がせると、そっと下着の中に手を入れた。熱くなったそこに触れると、ローズマリーの香りがいっそう強くなる。彼のそこに触れるのは初めてだ。
「すごい……ぐしょぐしょだ」
「……ティト様もそうでしょう?」
僕の言葉に応えるように、彼が僕の下半身に触れてくる。そしてそのままお互いのものを握り合った。
「っ……」
あまりに強い刺激に思わず息が詰まる。その反応を楽しむかのように、彼は僕の耳元で囁いた。
「気持ちいいですか?」
「っ……う、うん……」
「……っ僕も気持ちいいです」
そう言ってまたキスをする。僕は夢中でそれに応えながら、二人のものを同時に扱いた。先端からは先走りが出て、それが潤滑油となり更に快感が増す。
すぐにイッてしまいそうで、もう少し長く楽しみたいと思った僕は、一旦手の動きを止める。すると彼が不思議そうな顔をした。
そんな彼に微笑みかけ、そっと抱きしめると、首筋や肩に口づけをした。その間、彼の身体中を手でなぞったりする。最初はくすぐったそうにしていた彼だったが、次第に吐息混じりの声を出すようになった。
「……っ……ん……」
もう一度、彼の乳首を摘んでみる。すると今度はビクッと震えたので、僕は執拗にそこを攻め立てた。両方の突起を同時に責められて感じているのか、彼の呼吸は徐々に荒くなっている。それでもまだ決定的な快感を与えられていないようで、切なげな表情を浮かべていた。
僕は一度ベッドから離れる。そしてキャビネットの中から香油を取り出した。蓋を開けると、それを掌に出していく。そしてゆっくりと右手を後ろに回すと、いい?と確認をとって秘部に塗りつけた。
初めは入り口付近だけを塗っていたが、やがて少しずつ奥へと進めていく。彼は異物感に耐えるように少し眉を寄せていたが、はぁ、と熱の籠った吐息を吐くと、時々ぴくんと身体を震わせた。指を動かしながら、空いた左手では彼のものを刺激する。両方から与えられる快楽に耐えられなくなったのか、彼はシーツを掴み、頭を振って悶えた。
しばらくして、指を増やしてバラバラに動かすと、ある一点を掠めた時、今までとは比べものにならない反応を見せた。
「っ!んぅ…………っ……っ」
どうやらここが彼の弱点らしい。僕は何度もそこを刺激した。その度に腰を浮かせて反応するので、余程良い場所に当たったんだろうと思う。指を動かす度にグチュッグチュッという音が響く。
僕は自分のものが限界まで張り詰めていることを感じた。早く彼と一つになりたい……。そう思いながらも慎重に慣らす。
ようやく三本入るようになって、そろそろ良いかなと思った頃、彼が僕を見上げる。
「……入れて……ください」
頬を赤く染めながら懇願される。その姿はとても扇情的で、僕は思わず彼の腰を持って引き寄せる。そしてぐっと先端を挿入した。
「……っ」
早く彼の奥に行きたい。しかし、いくら慣らしたところでやはり最初は痛いようで、彼は苦しそうな表情を浮かべていた。
「っごめん」
今度は自分を律して、ゆっくり少しずつ侵入していく。時間をかけて全て収める頃には僕達は汗だくになっていた。
「全部入ったよ……」
「は、い……」
彼に声をかけると汗ばんだ顔で微笑んでくれた。それが切なげで、異様に色っぽくて、ついキスをする。舌を入れて口内を弄っていると、次第に彼の体から力が抜けていくのが分かった。それに合わせてゆっくりと律動を始める。
慣れてくるとだんだん良くなってきたのか、彼からもくぐもった声が上がり始めた。僕のものをきゅうきゅう締め付けてきてとても気持ちが良い。もっと彼を味わいたくなって、軽く突き上げた。
「あぁっ!んぅ……あっ!」
我慢ができなくなったかのか、ずっと声を抑えていた彼から喘ぎ声が漏れる。ぱちゅん、ぱちゅんと肌同士がぶつかる乾いた音と結合部からの水っぽい音が部屋に響いた。
「あっ……あぁ……ぁ……っ」
「……はぁ……きもちいい?」
耳元で囁くように聞くと、コクコクと首を縦に振って答えてくれる。良かった。僕だけじゃなくて彼もちゃんと感じてくれているようだ。安心してさらにタン、タンと最奥を突き上げた。
「ああっ……ティト、様……、……っ!!」
彼が何か言おうとしたところで中がきゅっと締まる。どうやら限界が近いらしい。それを感じ取った僕はラストスパートをかけるべく、彼の腰を掴み直した。ガクガクと揺さぶりながら、最奥に打ち付ける。すると絶頂の直前に彼は嫌々と何度も首を振った。
「あぁっ、やっぱり……こわい……っ中、出さないで――っ」
泣きそうな声の彼に、頭が真っ白になりそうになる。それでも何とか歯を食いしばって、直前で彼の中から自身を引き抜いた。
そのまま彼のお腹の上に欲を放つ。
ドクンドクンと脈打つそれから放たれた白い液体は、彼のへそまで汚していた。お互い荒い呼吸をしながら、しばらくの間抱き合う。
はぁはぁと肩で息をしながら呼吸を整えていると、震える様な声で彼が口を開いた。
「申し訳……ありません……せっかくの、ご好意を……」
彼の顔は事後とは思えないほど白くなっていた。美しい瞳は水の膜が張られたようにゆらゆらとしている。
こんな顔をさせたかったわけじゃない。力なく横になっている彼を抱き寄せる。そして落ち着かせる様に背中をさすりながら、優しく語りかけた。
「謝らないで……僕こそ怖がらせてごめん」
「ティト様は何も……っ!」
「大丈夫だよ、怖くなっても」
「でも……」
「……僕の事、嫌になっちゃった?」
そう言って微笑むと、彼は少し困ったように眉を下げながらも首を横に振り、小さく笑みを浮かべてくれた。その笑顔を見てほっとする。
「良かった……」
「あの……これに懲りずに……またしてくださいますか?」
「……っそれはもちろん、セレダがいいのなら」
「……はい」
セレダはこくりと、小さく頷いた。その姿が何だか愛おしくて、僕はそっと手を伸ばす。
今度は衝動的にではなく、大切にしたいという想いを込めて唇を重ねた。
僕とセレダは抱き合いながら、何度も角度を変えて舌を絡ませ合う。互いの唾液が混ざり合い、唇の端から零れ落ちた。ゆっくりと彼の胸元に手を伸ばす。僕はそれを優しく指先で撫でた。
「……っ」
彼が少しだけ吐息を漏らすのが嬉しくて、そこばかりを弄る。すると彼はもどかしそうに身じろぎをした。
促される様に彼の服を脱がせると、そっと下着の中に手を入れた。熱くなったそこに触れると、ローズマリーの香りがいっそう強くなる。彼のそこに触れるのは初めてだ。
「すごい……ぐしょぐしょだ」
「……ティト様もそうでしょう?」
僕の言葉に応えるように、彼が僕の下半身に触れてくる。そしてそのままお互いのものを握り合った。
「っ……」
あまりに強い刺激に思わず息が詰まる。その反応を楽しむかのように、彼は僕の耳元で囁いた。
「気持ちいいですか?」
「っ……う、うん……」
「……っ僕も気持ちいいです」
そう言ってまたキスをする。僕は夢中でそれに応えながら、二人のものを同時に扱いた。先端からは先走りが出て、それが潤滑油となり更に快感が増す。
すぐにイッてしまいそうで、もう少し長く楽しみたいと思った僕は、一旦手の動きを止める。すると彼が不思議そうな顔をした。
そんな彼に微笑みかけ、そっと抱きしめると、首筋や肩に口づけをした。その間、彼の身体中を手でなぞったりする。最初はくすぐったそうにしていた彼だったが、次第に吐息混じりの声を出すようになった。
「……っ……ん……」
もう一度、彼の乳首を摘んでみる。すると今度はビクッと震えたので、僕は執拗にそこを攻め立てた。両方の突起を同時に責められて感じているのか、彼の呼吸は徐々に荒くなっている。それでもまだ決定的な快感を与えられていないようで、切なげな表情を浮かべていた。
僕は一度ベッドから離れる。そしてキャビネットの中から香油を取り出した。蓋を開けると、それを掌に出していく。そしてゆっくりと右手を後ろに回すと、いい?と確認をとって秘部に塗りつけた。
初めは入り口付近だけを塗っていたが、やがて少しずつ奥へと進めていく。彼は異物感に耐えるように少し眉を寄せていたが、はぁ、と熱の籠った吐息を吐くと、時々ぴくんと身体を震わせた。指を動かしながら、空いた左手では彼のものを刺激する。両方から与えられる快楽に耐えられなくなったのか、彼はシーツを掴み、頭を振って悶えた。
しばらくして、指を増やしてバラバラに動かすと、ある一点を掠めた時、今までとは比べものにならない反応を見せた。
「っ!んぅ…………っ……っ」
どうやらここが彼の弱点らしい。僕は何度もそこを刺激した。その度に腰を浮かせて反応するので、余程良い場所に当たったんだろうと思う。指を動かす度にグチュッグチュッという音が響く。
僕は自分のものが限界まで張り詰めていることを感じた。早く彼と一つになりたい……。そう思いながらも慎重に慣らす。
ようやく三本入るようになって、そろそろ良いかなと思った頃、彼が僕を見上げる。
「……入れて……ください」
頬を赤く染めながら懇願される。その姿はとても扇情的で、僕は思わず彼の腰を持って引き寄せる。そしてぐっと先端を挿入した。
「……っ」
早く彼の奥に行きたい。しかし、いくら慣らしたところでやはり最初は痛いようで、彼は苦しそうな表情を浮かべていた。
「っごめん」
今度は自分を律して、ゆっくり少しずつ侵入していく。時間をかけて全て収める頃には僕達は汗だくになっていた。
「全部入ったよ……」
「は、い……」
彼に声をかけると汗ばんだ顔で微笑んでくれた。それが切なげで、異様に色っぽくて、ついキスをする。舌を入れて口内を弄っていると、次第に彼の体から力が抜けていくのが分かった。それに合わせてゆっくりと律動を始める。
慣れてくるとだんだん良くなってきたのか、彼からもくぐもった声が上がり始めた。僕のものをきゅうきゅう締め付けてきてとても気持ちが良い。もっと彼を味わいたくなって、軽く突き上げた。
「あぁっ!んぅ……あっ!」
我慢ができなくなったかのか、ずっと声を抑えていた彼から喘ぎ声が漏れる。ぱちゅん、ぱちゅんと肌同士がぶつかる乾いた音と結合部からの水っぽい音が部屋に響いた。
「あっ……あぁ……ぁ……っ」
「……はぁ……きもちいい?」
耳元で囁くように聞くと、コクコクと首を縦に振って答えてくれる。良かった。僕だけじゃなくて彼もちゃんと感じてくれているようだ。安心してさらにタン、タンと最奥を突き上げた。
「ああっ……ティト、様……、……っ!!」
彼が何か言おうとしたところで中がきゅっと締まる。どうやら限界が近いらしい。それを感じ取った僕はラストスパートをかけるべく、彼の腰を掴み直した。ガクガクと揺さぶりながら、最奥に打ち付ける。すると絶頂の直前に彼は嫌々と何度も首を振った。
「あぁっ、やっぱり……こわい……っ中、出さないで――っ」
泣きそうな声の彼に、頭が真っ白になりそうになる。それでも何とか歯を食いしばって、直前で彼の中から自身を引き抜いた。
そのまま彼のお腹の上に欲を放つ。
ドクンドクンと脈打つそれから放たれた白い液体は、彼のへそまで汚していた。お互い荒い呼吸をしながら、しばらくの間抱き合う。
はぁはぁと肩で息をしながら呼吸を整えていると、震える様な声で彼が口を開いた。
「申し訳……ありません……せっかくの、ご好意を……」
彼の顔は事後とは思えないほど白くなっていた。美しい瞳は水の膜が張られたようにゆらゆらとしている。
こんな顔をさせたかったわけじゃない。力なく横になっている彼を抱き寄せる。そして落ち着かせる様に背中をさすりながら、優しく語りかけた。
「謝らないで……僕こそ怖がらせてごめん」
「ティト様は何も……っ!」
「大丈夫だよ、怖くなっても」
「でも……」
「……僕の事、嫌になっちゃった?」
そう言って微笑むと、彼は少し困ったように眉を下げながらも首を横に振り、小さく笑みを浮かべてくれた。その笑顔を見てほっとする。
「良かった……」
「あの……これに懲りずに……またしてくださいますか?」
「……っそれはもちろん、セレダがいいのなら」
「……はい」
セレダはこくりと、小さく頷いた。その姿が何だか愛おしくて、僕はそっと手を伸ばす。
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