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第一章 静かな目覚め
31. 2人**
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僕たちは何度もキスをしながら、中途半端にひっかけていた服をお互いに脱がせ合った。レヴィルは性急にフェロモンを出すのをやめたようで、僕の鼻腔にはふわりふわりと彼のフェロモンが優しく香る。それはあまりにも良い匂いで、幸せで、それだけで涙がにじみそうだった。
僕は全ての衣服を脱ぎ去り、彼の身体を確かめるようにそっと彼の胸元から腰のあたりまでを撫でた。バランスよく良質な筋肉がついた美しい身体だ。
彼は僕の手を受け入れ、感覚を追っているようだった。気持ちが良いのか、時折彼の吐息が薄く漏れる。僕は思わず食い入るようにレヴィルを見つめた。
「……どうした?」
「あ…、いや…レヴィルが協力的なのが…慣れなくて…。」
今までキスは許してもらっていたが、それより先は頑なに拒否されていた。素肌を合わせて寝たのが唯一くらいだ。こうもすんなりと受け入れられるとなんだか戸惑ってしまう。
彼は少し目を見開いて、ふっと笑った。
「…これからはずっとこうだ。」
「うん…。」
この先ずっと彼とこんな風に過ごせる事を想像すると、じわじわと幸せな気持ちがこみ上げてくる。
「ずっと…大切にします。」
僕がそういうと、彼は目を細めて僕の頬を撫でた。
「…お前は…可愛いな。」
「……かわいい…か。」
僕が不服なのが分かったのか、レヴィルはまた、ふっと笑った。
そして誘うように僕の胸元を撫でる。
「…ティト、触ってくれ。」
「…うん。」
僕は彼の手に導かれて、下腹部へ手をやる。彼の美しい筋肉をなぞり、そのまま彼のものを緩く握った。
「…んっ…。」
どこか気弱なレヴィルを安心させるように、ゆるゆると扱くと、彼からはぁ、っと甘い息が漏れる。彼が感じているのに合わせて、少しフェロモンの匂いが濃くなった。
ちゅっちゅっと、お互いの様子を確かめ合うように軽いキスを重ねながら、彼のものを扱く。やがて、しっかりと質量を増してきた。
「っ、…っん……っ。」
「…大きくなってきたよ。」
僕は彼を誉めるように耳元にキスを落とした。すると驚いたように僕を見て、じわじわと首筋が赤くなっていく。
「っ…言わなくても…いい。」
そう言って恥ずかしそうに顔を反らした。
僕は少し苦笑し、分かったと答え、彼を宥めるように髪にキスをした。彼の身体は緊張しているのか、少し力が入っている。本当にこういうことに慣れていないらしい。
あえて聞く気はないが、もしかするとこの様子だと社交デビューの催事以来、誰にも身体を触れさせていなかったのかもしれない。
ずっと僕を待っていてくれていたのかと思うと、愛しい想いに満たされる。
「どうしよう……。」
「っ…、……なんだ…。」
「レヴィルの事が…すごく好きだ…。」
どうしたら伝わるだろう…と独り言のように呟いた。
「…、…っ…。」
レヴィルは何も言わずに吐息を漏らし、ふるりと身体を震わせた。
彼は耳元まで赤くなっていて、僕から表情を隠す様にシーツに顔を向けていた。僕の手の中にある彼のものは、先ほどよりも質量を増している。明らかに僕の言葉に反応をしたようだった。
僕は彼が僕の言葉に反応してくれた事が嬉しくて、たまらなかった。もしかすると僕の好きという言葉を全く信頼していない訳ではないのかもしれない。僕は届くといいと願いながら、もう一度好きだと囁き、彼の頬にもう一度キスをした。
「んっ……。」
僕は恥ずかしそうにするレヴィルの髪を撫で、首筋に顔を埋める。彼の首元からはうっとりするようなフェロモンの香りがした。
僕はそのまま鎖骨から胸元にかけてキスをし、そのまま音を立てて彼の乳首を口に含む。
「ぁ……。」
レヴィルから小さな声が漏れた。彼が少し恥ずかしそうに身を捩らせるのに構わず、まだ心許ない乳首を舌先でゆっくりと刺激する。舌で彼の乳首を押しつぶしたり、舌先を尖らせて乳首周りをちろちろと舐める。
「…ん…、…っ…。」
小さく声を漏らすレヴィルは少し眉をひそめていた。それでも彼の手は僕の肩辺りに所在なく置かれ、拒絶している訳ではなさそうだった。もしかすると淡い感覚がもどかしいのかもしれない。
「…ここでも気持ちよくなれるように、ちゃんとするからね。」
「…っなにを…?」
「こうやって」
僕はちゅっと音を立てて彼の乳首を吸い上げた。彼のペニスから手を放し、もう片方の乳首を親指の腹で優しく押しつぶす。
「……っは、あ…っ。」
「きっと…こうやって何度も触れてると……段々すごく気持ちよくなっていくよ。時間を掛けて何度もしよう。」
これからずっと。
僕は自分でもびっくりするくらい甘い声でそう言った。
「…っ、…いやだっ…。」
「……どうして?」
「そんなのっ…怖い…だろ…。」
そう言って彼は小さく首を横に振った。
彼は僕や領民のためにずっと自分を律して生きてきた。きっと突然に快楽に身を委ね、塗り替えられていく事はとても怖いのだろう。
「そうか…っじゃあ…怖くなったら教えて?一緒に怖くないようにしよう。」
そう言って僕は空いていた左手で彼と手を繋ぐ。きっと彼がすっかり僕を信頼してくれるには時間がかかる。僕が過ごす夜に怖い事は一つもないと、何度も伝える必要がありそうだった。
不安そうに僕を見上げる彼と目があう。彼の身体はまだ少し力が入っている。
僕は安心させるようにもう一度彼とキスをした。
「レヴィル、ここには僕しかいないから…いつもと違う姿を見せても大丈夫だよ。」
「っ…お前に…っ嫌われるのは…嫌だ…。」
「嫌わないよ」
むしろもっと好きになって僕も怖いくらいだ。と言って笑う。
彼はまた目を見開いたが、それには答えずさらにキスを強請った。僕たちは何度も角度を変えながらキスをする。
「……っ、…ん…。」
キスに夢中になり、次第に彼の身体から力が抜けてくる。僕はそんな彼を誉めるように髪を撫でた。
彼がまた緊張してしまわないように、少しでも僕の肌の温度を覚えて欲しくて肌を密着させる。ただ肌を合わせただけなのに気持ちが良くて、僕はふぅ、と悩ましげに吐息を吐いた。
「…ティト…。」
「ん…?」
「っ中には…触れない…のか…。」
レヴィルは戸惑いがちに目を伏せながらそう言った。
まさかレヴィルから言い出してくれるとは思ってもいなくて、僕は息をつまらせる。さっきから相当な我慢をしているが、すでに僕のペニスは痛いほどに昂っていた。
「っ…今から。」
僕が何とか興奮を収めようと短く息を吐きながらそう言うと、彼はすぐに小さく頷いた。
僕は少しだけ身を起こした。彼の膝に手をかけ、ゆっくりと脚を開かせる。思わずゴクリと唾を飲んだ。
「…っ。」
ぶわりと濃密なフェロモンが香る。
彼は全てを僕に曝け出す恥ずかしさに耐えかねたのか、腕を口元にやり、顔を背けてしまった。それでも彼の身体は一瞬強張っただけで抵抗はなかった。僕を受け入れてくれようとしている事にとてつもない興奮が湧く。
僕は暴れだしそうになる欲望を抑え、深く深呼吸をした。ここで焦ってしまえば、きっと彼は怖がる。
「…レヴィル、少し腰を上げるよ。」
「……ああ、…っ。」
彼の脚に手をかけ、グッと腰を上げさせる。彼の秘部が僕の前に露見された。彼のそこは慎ましく閉じている。
僕はそこに吸い付いてしまいたい衝動を何とか抑え、枕を差し入れた。すでに僕の息は荒く、額には汗が浮かんでいた。まだ何もしていないのにすでに限界が近い。
僕は何度もはぁと息を吐いてベッドサイドに置かれた香油の瓶を手に取った。
「まだ…フェロモンがちゃんと出ないからこれを使うね。」
レヴィルは小さく頷いた。
僕は香油を手に取り、少し温めてから彼の秘部へそっと触れて、優しくゆっくりと撫であげる。そして、しばらく緩やかな愛撫をした後、痛みがない様に細心の注意を払って指を挿入した。
「…んっ……。」
彼が小さく吐息を漏らした。
吸い付くように狭い入り口とは違い、中の粘膜は蕩けるように柔らかい。
「は………っ、あ、っ…。」
「痛くない…?」
「…、っ大丈夫…だ……っ……。」
レヴィルはじっとりと汗ばんで、僕の腕の中で悶えていた。彼の中には僕の指が入っている。僕の手によって彼がこんな姿になっているかと思うとそれだけで頭がぐらぐらと湧き立ちそうだった。
入り口をほぐすようにゆっくりと円を描く。体温で滑りが良くなった香油がくぷくぷと卑猥な音を立てた。
「んっ…、っ…、ティト……。」
「うん。」
レヴィルは眉を寄せ、膝に手をかけていた僕の左手に触れた。そっと彼の手を握り、大丈夫だよと声をかける。
様子を見て、徐々に指を増やす。セックスが怖いものだと思わないように、彼には気持ちいい事だけを感じて欲しかった。僕は彼の反応を見ながらゆっくりと中を探る。
「あっ…、っ!…っ!」
ある1点に触れると、薄い吐息を漏らすだけだったレヴィルが突然声を上げた。
ぱっと顔を上げると戸惑うレヴィルと目が合う。僕はもう一度確かめるようにそこを撫で上げた。
「っ…っ…んんっ、あ、あっ…!」
レヴィルは自分の声に驚いた様子で、自分の口元を塞ぎ、腕を噛んだ。僕は慌てて左手を伸ばす。
「レヴィル、噛まないで。」
「…、や…っ。」
「ここ、変な感じがする?」
レヴィルは瞳を潤ませてこくこくと何度も頷く。
「あ、あっ…怖い…っ……触らないでくれっ。」
「でも」
ここ、すごく気持ちよくなれると思うよ。と僕が言うと、レヴィルはふるふると首を横に振った。
「っ…いやだ…っ、…あっ…、っ。」
「そう…。」
セックスをするのに気持ちいいのが嫌だと言われてしまうと、さすがに困ってしまう。茹った頭でぼんやりと悩み。ゆっくりと指を引き抜いた。
「は…っ、あ、あっ…っ。」
レヴィルから切なげな声が漏れる。言葉とは裏腹に、彼の中は僕の指を逃がさないようにきゅっと吸い付いてくる。名残惜しく思いながらも指を抜き去り、少し体勢を変えて自分のペニスに触れた。
僕のものは精通前なのにここまで大きくなって大丈夫なのか心配になるほど、ガチガチに勃起していた。香油を全体につけて、彼の秘部へ押し当てる。そして誘うようにそこに擦り付けた。ペニスが動くたびにくちゅ、と卑しい音を立てる。
「っあ…。」
「…指だと怖いなら…僕ので触れてもいいかな…、きっと一緒に気持ちよくなったら…怖くないよ。」
僕はまるで言い聞かせるようにそう言った。正直支離滅裂だが、もうそれしか考えられなかった。ね、と甘い声で囁き、何度も彼のそこへペニスを擦り付ける。
レヴィルは快感で熱を孕んだ瞳を僕に向け、頷く。
「ん…それなら…いい、…お前のがいい。」
「…っ。」
汗ばんだ彼は薄く微笑んでいるように見えた。それまで散々嫌だと言われていたのに、僕を受け入れる事はあっさりと認められて、もう堪らなかった。
彼の脚を掴み、ぐっと広げ、腰を寄せる。
「…っ入れるよ。」
「あっ…。」
もう彼の返事を待っている余裕もなかった。
腰を進め、先端を埋めると、彼は吐息混じりに喘いだ。レヴィルのそこはやはりきついが、中は信じられないほど熱くて蕩けるようだ。
「…っ、っ……。」
「っ、レヴィル…力抜けるっ?」
すぐに突き入れたい衝動を抑え、彼のそこが緩む隙を見て、何度かに分けて慎重に進む。僕の額から汗が伝い、ぽたりとレヴィルの腹に落ちた。
「ゆっくり…して…くれ…っ」
「うん、っ…ゆっくり…するから…っ。」
何とか半分ほど進んだ所で、馴染ませる様に小刻みに前後させる。すると彼から甘い嬌声が上がり始めた。
「…っあ、あ、…あっ………っ…。」
「……ああ、すごい。」
彼の中は信じられないほど気持ちが良かった。僕はレヴィルの様子を見ながら小刻みに揺れる。
「あっ…、ティトっ、あ、っティト…。」
「っうん…。」
しばらくそうやって馴染ませる様に甘い感覚を楽しんだ後、僕は一度ぐっと腰を引いた。
「…ひっ……。」
切なげな声が漏れる。レヴィルが困窮する顔で僕を見ていた。
彼のそこは一度咥え込んだものを求める様に口を開いていた。その隙を見てまた一気に腰を進める。
「ああっ、っ、…っ、っ……ぁっ…。」
突然の事に驚いた彼は口をあ、の形にしたまま首を反らせていた。僕は汗に濡れた額の髪をかき分け、キスを落とす。
「っ気持ち、…いいね。」
「……っ、ん、気持ち、いい……っ。」
「うん、っうん。」
彼の言葉は僕をひどく安心させた。そしてもう一度腰を引き、今度はさっきよりも深く腰を進める。
「あっ、あっ、…っ…。」
何度かそうやって出し入れを繰り返すと、レヴィルも僕の意図が分かったのか、力が抜けて甘い嬌声を上げ始めた。彼の中は彼の魔力で満たされていて、余りにも気持ちが良かった。
僕は彼に覆い被さり何度もキスをしながら、腰を揺する。レヴィルは僕の背中に手を置き、脚を僕の腰に回した。気持ち良さに身を委ねる彼は、完全に僕を信頼してくれている様に思えた。
「うう…っレヴィル…っ」
好きだ。
堪らなくて、腰を動かしながら何度も何度もその言葉を繰り返す。セックスの間の言葉なんて信用ならないと思われるかもしれないが、それでも言わずにはいられなかった。
「ん、んっ……ぁっ……。」
「レヴィル…っ好き…好きだ。」
「あっ、あ、……ティトっ、…っ。」
気がつけばお互いに限界が近かった。僕は彼の弱い所に触れながらひたすらに最奥を突く。
自分がまだ精通していないのがこんなに残念だとは思わなかった。彼の最奥にたっぷりと魔力を注ぎ、間違いなく僕のものにしたいという欲望で僕の頭はいっぱいだった。
「……っティト、っも…っ、いく…。」
「っうん。」
レヴィルからそう声が上がり、僕の腕の中で彼がガクガクと震えた。
僕とレヴィルの腹の間で揉みくちゃにされていた彼のペニスからびゅ、と温かいものが出て、下腹部にかかる。
僕でイッたんだと思うと、それだけでゾクゾクと背筋に快感が走った。きゅう、と収縮する彼の中は堪らず、奥歯を噛み締める。
「っ…レヴィルっ」
僕は必死でレヴィルを抱きしめた。僕が達したのは彼とほぼ同時だった。
僕は全ての衣服を脱ぎ去り、彼の身体を確かめるようにそっと彼の胸元から腰のあたりまでを撫でた。バランスよく良質な筋肉がついた美しい身体だ。
彼は僕の手を受け入れ、感覚を追っているようだった。気持ちが良いのか、時折彼の吐息が薄く漏れる。僕は思わず食い入るようにレヴィルを見つめた。
「……どうした?」
「あ…、いや…レヴィルが協力的なのが…慣れなくて…。」
今までキスは許してもらっていたが、それより先は頑なに拒否されていた。素肌を合わせて寝たのが唯一くらいだ。こうもすんなりと受け入れられるとなんだか戸惑ってしまう。
彼は少し目を見開いて、ふっと笑った。
「…これからはずっとこうだ。」
「うん…。」
この先ずっと彼とこんな風に過ごせる事を想像すると、じわじわと幸せな気持ちがこみ上げてくる。
「ずっと…大切にします。」
僕がそういうと、彼は目を細めて僕の頬を撫でた。
「…お前は…可愛いな。」
「……かわいい…か。」
僕が不服なのが分かったのか、レヴィルはまた、ふっと笑った。
そして誘うように僕の胸元を撫でる。
「…ティト、触ってくれ。」
「…うん。」
僕は彼の手に導かれて、下腹部へ手をやる。彼の美しい筋肉をなぞり、そのまま彼のものを緩く握った。
「…んっ…。」
どこか気弱なレヴィルを安心させるように、ゆるゆると扱くと、彼からはぁ、っと甘い息が漏れる。彼が感じているのに合わせて、少しフェロモンの匂いが濃くなった。
ちゅっちゅっと、お互いの様子を確かめ合うように軽いキスを重ねながら、彼のものを扱く。やがて、しっかりと質量を増してきた。
「っ、…っん……っ。」
「…大きくなってきたよ。」
僕は彼を誉めるように耳元にキスを落とした。すると驚いたように僕を見て、じわじわと首筋が赤くなっていく。
「っ…言わなくても…いい。」
そう言って恥ずかしそうに顔を反らした。
僕は少し苦笑し、分かったと答え、彼を宥めるように髪にキスをした。彼の身体は緊張しているのか、少し力が入っている。本当にこういうことに慣れていないらしい。
あえて聞く気はないが、もしかするとこの様子だと社交デビューの催事以来、誰にも身体を触れさせていなかったのかもしれない。
ずっと僕を待っていてくれていたのかと思うと、愛しい想いに満たされる。
「どうしよう……。」
「っ…、……なんだ…。」
「レヴィルの事が…すごく好きだ…。」
どうしたら伝わるだろう…と独り言のように呟いた。
「…、…っ…。」
レヴィルは何も言わずに吐息を漏らし、ふるりと身体を震わせた。
彼は耳元まで赤くなっていて、僕から表情を隠す様にシーツに顔を向けていた。僕の手の中にある彼のものは、先ほどよりも質量を増している。明らかに僕の言葉に反応をしたようだった。
僕は彼が僕の言葉に反応してくれた事が嬉しくて、たまらなかった。もしかすると僕の好きという言葉を全く信頼していない訳ではないのかもしれない。僕は届くといいと願いながら、もう一度好きだと囁き、彼の頬にもう一度キスをした。
「んっ……。」
僕は恥ずかしそうにするレヴィルの髪を撫で、首筋に顔を埋める。彼の首元からはうっとりするようなフェロモンの香りがした。
僕はそのまま鎖骨から胸元にかけてキスをし、そのまま音を立てて彼の乳首を口に含む。
「ぁ……。」
レヴィルから小さな声が漏れた。彼が少し恥ずかしそうに身を捩らせるのに構わず、まだ心許ない乳首を舌先でゆっくりと刺激する。舌で彼の乳首を押しつぶしたり、舌先を尖らせて乳首周りをちろちろと舐める。
「…ん…、…っ…。」
小さく声を漏らすレヴィルは少し眉をひそめていた。それでも彼の手は僕の肩辺りに所在なく置かれ、拒絶している訳ではなさそうだった。もしかすると淡い感覚がもどかしいのかもしれない。
「…ここでも気持ちよくなれるように、ちゃんとするからね。」
「…っなにを…?」
「こうやって」
僕はちゅっと音を立てて彼の乳首を吸い上げた。彼のペニスから手を放し、もう片方の乳首を親指の腹で優しく押しつぶす。
「……っは、あ…っ。」
「きっと…こうやって何度も触れてると……段々すごく気持ちよくなっていくよ。時間を掛けて何度もしよう。」
これからずっと。
僕は自分でもびっくりするくらい甘い声でそう言った。
「…っ、…いやだっ…。」
「……どうして?」
「そんなのっ…怖い…だろ…。」
そう言って彼は小さく首を横に振った。
彼は僕や領民のためにずっと自分を律して生きてきた。きっと突然に快楽に身を委ね、塗り替えられていく事はとても怖いのだろう。
「そうか…っじゃあ…怖くなったら教えて?一緒に怖くないようにしよう。」
そう言って僕は空いていた左手で彼と手を繋ぐ。きっと彼がすっかり僕を信頼してくれるには時間がかかる。僕が過ごす夜に怖い事は一つもないと、何度も伝える必要がありそうだった。
不安そうに僕を見上げる彼と目があう。彼の身体はまだ少し力が入っている。
僕は安心させるようにもう一度彼とキスをした。
「レヴィル、ここには僕しかいないから…いつもと違う姿を見せても大丈夫だよ。」
「っ…お前に…っ嫌われるのは…嫌だ…。」
「嫌わないよ」
むしろもっと好きになって僕も怖いくらいだ。と言って笑う。
彼はまた目を見開いたが、それには答えずさらにキスを強請った。僕たちは何度も角度を変えながらキスをする。
「……っ、…ん…。」
キスに夢中になり、次第に彼の身体から力が抜けてくる。僕はそんな彼を誉めるように髪を撫でた。
彼がまた緊張してしまわないように、少しでも僕の肌の温度を覚えて欲しくて肌を密着させる。ただ肌を合わせただけなのに気持ちが良くて、僕はふぅ、と悩ましげに吐息を吐いた。
「…ティト…。」
「ん…?」
「っ中には…触れない…のか…。」
レヴィルは戸惑いがちに目を伏せながらそう言った。
まさかレヴィルから言い出してくれるとは思ってもいなくて、僕は息をつまらせる。さっきから相当な我慢をしているが、すでに僕のペニスは痛いほどに昂っていた。
「っ…今から。」
僕が何とか興奮を収めようと短く息を吐きながらそう言うと、彼はすぐに小さく頷いた。
僕は少しだけ身を起こした。彼の膝に手をかけ、ゆっくりと脚を開かせる。思わずゴクリと唾を飲んだ。
「…っ。」
ぶわりと濃密なフェロモンが香る。
彼は全てを僕に曝け出す恥ずかしさに耐えかねたのか、腕を口元にやり、顔を背けてしまった。それでも彼の身体は一瞬強張っただけで抵抗はなかった。僕を受け入れてくれようとしている事にとてつもない興奮が湧く。
僕は暴れだしそうになる欲望を抑え、深く深呼吸をした。ここで焦ってしまえば、きっと彼は怖がる。
「…レヴィル、少し腰を上げるよ。」
「……ああ、…っ。」
彼の脚に手をかけ、グッと腰を上げさせる。彼の秘部が僕の前に露見された。彼のそこは慎ましく閉じている。
僕はそこに吸い付いてしまいたい衝動を何とか抑え、枕を差し入れた。すでに僕の息は荒く、額には汗が浮かんでいた。まだ何もしていないのにすでに限界が近い。
僕は何度もはぁと息を吐いてベッドサイドに置かれた香油の瓶を手に取った。
「まだ…フェロモンがちゃんと出ないからこれを使うね。」
レヴィルは小さく頷いた。
僕は香油を手に取り、少し温めてから彼の秘部へそっと触れて、優しくゆっくりと撫であげる。そして、しばらく緩やかな愛撫をした後、痛みがない様に細心の注意を払って指を挿入した。
「…んっ……。」
彼が小さく吐息を漏らした。
吸い付くように狭い入り口とは違い、中の粘膜は蕩けるように柔らかい。
「は………っ、あ、っ…。」
「痛くない…?」
「…、っ大丈夫…だ……っ……。」
レヴィルはじっとりと汗ばんで、僕の腕の中で悶えていた。彼の中には僕の指が入っている。僕の手によって彼がこんな姿になっているかと思うとそれだけで頭がぐらぐらと湧き立ちそうだった。
入り口をほぐすようにゆっくりと円を描く。体温で滑りが良くなった香油がくぷくぷと卑猥な音を立てた。
「んっ…、っ…、ティト……。」
「うん。」
レヴィルは眉を寄せ、膝に手をかけていた僕の左手に触れた。そっと彼の手を握り、大丈夫だよと声をかける。
様子を見て、徐々に指を増やす。セックスが怖いものだと思わないように、彼には気持ちいい事だけを感じて欲しかった。僕は彼の反応を見ながらゆっくりと中を探る。
「あっ…、っ!…っ!」
ある1点に触れると、薄い吐息を漏らすだけだったレヴィルが突然声を上げた。
ぱっと顔を上げると戸惑うレヴィルと目が合う。僕はもう一度確かめるようにそこを撫で上げた。
「っ…っ…んんっ、あ、あっ…!」
レヴィルは自分の声に驚いた様子で、自分の口元を塞ぎ、腕を噛んだ。僕は慌てて左手を伸ばす。
「レヴィル、噛まないで。」
「…、や…っ。」
「ここ、変な感じがする?」
レヴィルは瞳を潤ませてこくこくと何度も頷く。
「あ、あっ…怖い…っ……触らないでくれっ。」
「でも」
ここ、すごく気持ちよくなれると思うよ。と僕が言うと、レヴィルはふるふると首を横に振った。
「っ…いやだ…っ、…あっ…、っ。」
「そう…。」
セックスをするのに気持ちいいのが嫌だと言われてしまうと、さすがに困ってしまう。茹った頭でぼんやりと悩み。ゆっくりと指を引き抜いた。
「は…っ、あ、あっ…っ。」
レヴィルから切なげな声が漏れる。言葉とは裏腹に、彼の中は僕の指を逃がさないようにきゅっと吸い付いてくる。名残惜しく思いながらも指を抜き去り、少し体勢を変えて自分のペニスに触れた。
僕のものは精通前なのにここまで大きくなって大丈夫なのか心配になるほど、ガチガチに勃起していた。香油を全体につけて、彼の秘部へ押し当てる。そして誘うようにそこに擦り付けた。ペニスが動くたびにくちゅ、と卑しい音を立てる。
「っあ…。」
「…指だと怖いなら…僕ので触れてもいいかな…、きっと一緒に気持ちよくなったら…怖くないよ。」
僕はまるで言い聞かせるようにそう言った。正直支離滅裂だが、もうそれしか考えられなかった。ね、と甘い声で囁き、何度も彼のそこへペニスを擦り付ける。
レヴィルは快感で熱を孕んだ瞳を僕に向け、頷く。
「ん…それなら…いい、…お前のがいい。」
「…っ。」
汗ばんだ彼は薄く微笑んでいるように見えた。それまで散々嫌だと言われていたのに、僕を受け入れる事はあっさりと認められて、もう堪らなかった。
彼の脚を掴み、ぐっと広げ、腰を寄せる。
「…っ入れるよ。」
「あっ…。」
もう彼の返事を待っている余裕もなかった。
腰を進め、先端を埋めると、彼は吐息混じりに喘いだ。レヴィルのそこはやはりきついが、中は信じられないほど熱くて蕩けるようだ。
「…っ、っ……。」
「っ、レヴィル…力抜けるっ?」
すぐに突き入れたい衝動を抑え、彼のそこが緩む隙を見て、何度かに分けて慎重に進む。僕の額から汗が伝い、ぽたりとレヴィルの腹に落ちた。
「ゆっくり…して…くれ…っ」
「うん、っ…ゆっくり…するから…っ。」
何とか半分ほど進んだ所で、馴染ませる様に小刻みに前後させる。すると彼から甘い嬌声が上がり始めた。
「…っあ、あ、…あっ………っ…。」
「……ああ、すごい。」
彼の中は信じられないほど気持ちが良かった。僕はレヴィルの様子を見ながら小刻みに揺れる。
「あっ…、ティトっ、あ、っティト…。」
「っうん…。」
しばらくそうやって馴染ませる様に甘い感覚を楽しんだ後、僕は一度ぐっと腰を引いた。
「…ひっ……。」
切なげな声が漏れる。レヴィルが困窮する顔で僕を見ていた。
彼のそこは一度咥え込んだものを求める様に口を開いていた。その隙を見てまた一気に腰を進める。
「ああっ、っ、…っ、っ……ぁっ…。」
突然の事に驚いた彼は口をあ、の形にしたまま首を反らせていた。僕は汗に濡れた額の髪をかき分け、キスを落とす。
「っ気持ち、…いいね。」
「……っ、ん、気持ち、いい……っ。」
「うん、っうん。」
彼の言葉は僕をひどく安心させた。そしてもう一度腰を引き、今度はさっきよりも深く腰を進める。
「あっ、あっ、…っ…。」
何度かそうやって出し入れを繰り返すと、レヴィルも僕の意図が分かったのか、力が抜けて甘い嬌声を上げ始めた。彼の中は彼の魔力で満たされていて、余りにも気持ちが良かった。
僕は彼に覆い被さり何度もキスをしながら、腰を揺する。レヴィルは僕の背中に手を置き、脚を僕の腰に回した。気持ち良さに身を委ねる彼は、完全に僕を信頼してくれている様に思えた。
「うう…っレヴィル…っ」
好きだ。
堪らなくて、腰を動かしながら何度も何度もその言葉を繰り返す。セックスの間の言葉なんて信用ならないと思われるかもしれないが、それでも言わずにはいられなかった。
「ん、んっ……ぁっ……。」
「レヴィル…っ好き…好きだ。」
「あっ、あ、……ティトっ、…っ。」
気がつけばお互いに限界が近かった。僕は彼の弱い所に触れながらひたすらに最奥を突く。
自分がまだ精通していないのがこんなに残念だとは思わなかった。彼の最奥にたっぷりと魔力を注ぎ、間違いなく僕のものにしたいという欲望で僕の頭はいっぱいだった。
「……っティト、っも…っ、いく…。」
「っうん。」
レヴィルからそう声が上がり、僕の腕の中で彼がガクガクと震えた。
僕とレヴィルの腹の間で揉みくちゃにされていた彼のペニスからびゅ、と温かいものが出て、下腹部にかかる。
僕でイッたんだと思うと、それだけでゾクゾクと背筋に快感が走った。きゅう、と収縮する彼の中は堪らず、奥歯を噛み締める。
「っ…レヴィルっ」
僕は必死でレヴィルを抱きしめた。僕が達したのは彼とほぼ同時だった。
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ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
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