9 / 15
9
しおりを挟む
やはり、若い女性が物乞いと話をしているところはあまり見ない。
ある日、綺麗な若い女性が、陽気そうな物乞いのおじさんの前で、財布を開けているところを見た。
(珍しいな。。)
そう思った私は、少し観察をすることにした。
お姉さんは、おじさんの前で立ち止まると、ちょっと考えて、ありったけの紙幣なのだろう、7ドルくらいのお金をおじさんにす、と渡した。
びっくりしたおじさんは、
「お嬢ちゃん、いいのかい?」
と、驚いていた。大抵の物乞いのおじさんは、気がいいのだ。
若いお姉ちゃんが、物乞いのおじさんに、おじさんにとっての大金を差し出しているのだ。
(本当にいいの、どうしたの?)
私も耳をそば立てていた。
お姉さんは、声を震わせながら、
「いいの、今日ね、私彼氏にふられたの。あなたに、お金をもらってもらって、感謝してもらって、せめて、ちょっといい気分になりたいの。」
おじさんは、
「こんなにいい娘さんを振るなんざ、男の方は見る目がないね、きっとすぐに君にふさわしいいい人が現れるよ。」
そう、優しく笑っていた。
お姉さんは、
「そう言ってくれてありがとう、ねえ、ちょっと横に座っていていい?」
そう言って、おじさんの肩にもたれかけて、泣き出していた。
おじさんは、大丈夫だ、いいことあるさ、と歌う様に慰めていた。
ある日、綺麗な若い女性が、陽気そうな物乞いのおじさんの前で、財布を開けているところを見た。
(珍しいな。。)
そう思った私は、少し観察をすることにした。
お姉さんは、おじさんの前で立ち止まると、ちょっと考えて、ありったけの紙幣なのだろう、7ドルくらいのお金をおじさんにす、と渡した。
びっくりしたおじさんは、
「お嬢ちゃん、いいのかい?」
と、驚いていた。大抵の物乞いのおじさんは、気がいいのだ。
若いお姉ちゃんが、物乞いのおじさんに、おじさんにとっての大金を差し出しているのだ。
(本当にいいの、どうしたの?)
私も耳をそば立てていた。
お姉さんは、声を震わせながら、
「いいの、今日ね、私彼氏にふられたの。あなたに、お金をもらってもらって、感謝してもらって、せめて、ちょっといい気分になりたいの。」
おじさんは、
「こんなにいい娘さんを振るなんざ、男の方は見る目がないね、きっとすぐに君にふさわしいいい人が現れるよ。」
そう、優しく笑っていた。
お姉さんは、
「そう言ってくれてありがとう、ねえ、ちょっと横に座っていていい?」
そう言って、おじさんの肩にもたれかけて、泣き出していた。
おじさんは、大丈夫だ、いいことあるさ、と歌う様に慰めていた。
11
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説

Webコンテンツ大賞の戦い方【模索してみよう!】
橘花やよい
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスのWebコンテンツ大賞。
読者投票もあるし、うまく戦いたいですよね。
●応募作、いつから投稿をはじめましょう?
●そもそもどうやったら、読んでもらえるかな?
●参加時の心得は?
といったことを、ゆるふわっと書きます。皆さまも、ゆるふわっと読んでくださいませ。
30日と31日にかけて公開します。

発達障害の長男と母としての私
遥彼方
エッセイ・ノンフィクション
発達障害の長男と母としての私の関わり方の記録というか、私なりの子育てについて、語ろうと思います。
ただし、私は専門家でもなんでもありません。
私は私の息子の専門家なだけです。心理学とか、医学の知識もありません。きっと正しくないことも語るでしょう。
うちの子とは症状が違うから、参考になんてならない方も沢山いらっしゃるでしょう。というよりも、症状は一人一人違うのだから、違うのは当たり前です。
ですからあなたは、あなたのお子さんなり、ご家族の方の専門家になって下さい。
願わくば、その切っ掛けになりますよう。
※私の実際の経験と、私の主観をつらつらと書くので、あまり纏まりがないエッセイかもしれません。
2018年現在、長男は中学3年、次男小6年、三男小4年です。
発達障害だと発覚した頃は、長男3歳、次男6カ月、三男はまだ産まれていません。
本作は2017年に、小説家になろうに掲載していたものを転記しました。
こちらでは、2018年10月10日に完結。
うだつの上がらないエッセイ集(たまに自由研究)
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
今日もうだつが上がらなかった。
でもまあ良いじゃないか。うだつの画像ならネットにたくさんある。うだつが見たければ画像検索すればいい。
そんなうだつとは防火壁のこと。炎上対策は大事だね。
※この作品はエッセイ集のため、気になったページをパラパラめくるとか、好きなところから好きなように読んでいただけると嬉しいです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる