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秋祭り
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「ユージニア王女殿下におかれましては、ご機嫌麗しく」
ロドニーがひざまついてユージニアの手を取った。
「随分久しいわねロドニー。私が眠る前は、お前はまだほんの子供だったというのに、年月の経過とは本当に恐しい事」
ユージニアはクスリ、とロドニーの顔を見て微笑んだ。
ノエルの許しも得ず、ユージニアは古いソファに腰掛けた。
ふわりと、薬草の匂いが立ち上る。ユージニアは慣れぬ香りに、不愉快そうに顔を顰めた。
「随分と個性的な温室だこと。ここで神仙ユリの栽培に成功したと、エズラ様から伺いましたわ」
ユージニアは珍しそうにあたりを見渡した。
王女の出入る庭園や温室は、見目の良い花々の育成に特化されている。
この温室のように薬効のある植物ばかりを栽培して、特に美しい花が咲いてもいない温室は、ユージニアに取っては珍しいものなのだろう。
「殿下。お加減はよろしいのでしょうか」
「おかげさまで、ご存じのとおりよ。今では体は普通の生活が送れるほどに回復したわ。先週から社交も再開しているし、ダンスのレッスンも昔の通りよ」
そしてニヤリと不敵に笑った。
「眠っていたとはいえ、私に意識があったと知った時のメイド達の顔ったらなかったわね」
「まさか、精神はお目覚めであったとは。却ってお辛い事でしたでしょう」
ノエルはため息をついた。
ユージニアが目覚めて最初に行ったのは、第三王女付きの侍女とメイドの人事。
王女に意識がない事を良い事に、様々な無礼を口にした侍女、ぞんざいな扱いをしたメイドは、その日の内に暇をだされた。逆に、一人ユージニアの回復を毎日その枕元で励まし続け、祈り続けていた平民の下働きの掃除の娘が、新しい侍女に大抜擢されたという。
掃除の娘が、ユージニアの回復を祈って毎日新しいものを摘んでその枕元に捧げていた、どこにでも咲いている黄色いマリーゴールドの花は、今やこの国では病気回復と幸運の象徴だ。
「毒霧に襲われる前にノエルが発動した防御魔法が正しく発動したのです。私の肉体は眠りにつきましたが、精神はノエルの魔法に守られていたため、ずっと目覚めておりましたのよ。不覚の眠りにつく私の枕元で、色んな人間の、様々な会話がありました。ですので一体本当は誰が私達を襲わせたのかも、私はよく知っていてよ」
「やはり、あれは事故ではなかった、誰が襲わせたのか、もご存じと言うことですね」
ノエルは厳しい顔をした。
どれほどこの王女の心を掻き乱す言葉が、その枕元であったのかと考えるだけでノエルは苦しくなる。
「ノエル。お前は多忙な中、本当によく眠る私を見舞ってくれました」
ノエルの厳しい顔に反して、ユージニアは優しい顔をした。
「お前の意識が回復したあの日。涙に暮れながら私の手をとって、必ずエリクサーを完成させると誓ってくれた。お前は自分の不甲斐なさに絶望しながらも、どんな手を使ってでも私を救おうと、死に物狂いでそれから何年も」
「私は、でない声で、動かない体で、頼むからもう諦めてくれと、伝えたかったのです。魔獣に襲われたのはお前のせいではないし、お前も私も、ただ利用されただけ。だというのにこの王国の誰もが諦めた私の命を、お前は眠る間も惜しんで、自分の全てを投げ打って、手を尽くしてくれました。私はお前に、私の価値のない命などさっさと諦めて、早く他の貴婦人と結ばれれば良いと思っていたのです。母上は涙にくれるばかり、友人と思っていた娘達も一人、二人と見舞いに来なくなる中、人にも、運命にも絶望していた私にとって、お前は唯一の希望で、たった一人の誠実な友人でした」
「ベスという娘の整える温室の話をするようになったお前の声が、柔らかくなっていたのには気がついていました。ようやくお前が安心できる場所ができたと。神仙ユリが、あそこであれば開花するかも、と。その温室で信じられないくらい大きななめくじが、好き放題していると。ここ数年聞いたことがないほどお前の声は楽しそうでした」
ユージニアは、温室の端でノロノロしているナナちゃんに目をやる。そして、言った。
「ノエル、ベスという娘に、恋に落ちたのね」
ユージニアは真っ直ぐ、ノエルの目を見た。
ノエルは頷いた。
ゆっくりとユージニアはノエルの方を向いていた体を反転させて、温室の外を見た。
温室の外には、小さな橋がかけてある泉が見える。
朝になれば亀の親子が日光浴に使うだろうと、ノエルが作った橋だ。
ユージニアの頬には、静かに一筋の涙が伝っていた。
この婚約の始まりは、まだ少女であったユージニアのノエルへの、実に少女らしい恋心が始まりであった。
「殿下」
何か言葉をかけようとしたノエルを制して、ユージニアは言った。
「ノエル。私は今後神殿の女神派と手を組んで、王位を狙います。私達を魔獣に襲わせた王と、第一王妃を退位に追い込み、第一王子を廃嫡する。すでに国内の神殿派とは話を通しています」
第一王子を有する神殿派ではあるが、神殿派も一枚岩ではない。
王家派が優勢となる今、第三王女が女神神殿派となる事で王家派を追い立てられるのであれば、女神派ではなく神殿預言者派である第一王子の廃嫡もあり得る。政治の世界だ。
ユージニアはもう泣いてはいなかった。
だが、爛々としたその目には、ノエルに恋していたか弱き少女ではなく、次代の女王としての覚悟と、そして強さが見えた。
「その為には私は王家派に組み入れられたサラトガ侯爵家の長男との結婚ではなく、他国の神殿と婚姻で繋がる必要があります。母の出身である隣国の女神神殿派の有力者と私が婚姻を結べば、それは可能です」
この王女の外国出身の母は、女神神殿派の巫女を母とする。
女神神殿派の後ろ盾を得る事ができれば、政局は変わる。
ロドニーが遠慮がちに言った。
「それは、エリクサーの精製に成功したノエル様が、王家派に翻ったご実家と縁を切って、しかもエリクサーの精製を二度と行わないのであれば、それは可能・・・でも、エリクサーの精製に成功した国の英雄をどうやって」
「ノエルに失脚してもらう必要はありません。簡単な事です。私の祖母の信仰する神殿の女神に、エリクサーが完成して私が目覚めた暁には全てを放棄すると誓った、とでも言えばよろしい。ノエルの奇行を女神への美談に利用しましょう。そして私は元婚約者の誓いによって不覚の眠りから救ってくれた神殿の女神に深い感謝を示して、神殿の女神派となる。辻褄は合います」
涼しい顔をしてナナちゃんを指差したユージニアは言った。
確かに、ノエルほどの貴人が急にこんなナメクジと仲良くしているなど、どう考えても気がおかしくなったか、宗教的な縛りの元の行動にしか見えやしない。
ノエルは、ユージニアの心を察した。
(このお方は、私を自由にするために)
ノエルの頭には、三年前のまだほんの少女だったユージニアが思い出される。
三年の間にこのか弱き少女は大人になり、そして、強く美しい女性へと、その眠りの中で成長していた。
「殿下。私は今日、貴女がこの温室から私を引き摺り出して、婚姻の執行を命ずると、そう思っていました。私が守りきれなかったせいで眠りについた貴女の望みであれば、私はどんな望みでも叶えようとそう考えていました。それが私のせめてもの罪滅ぼしだと」
「ですがそれは私の自惚でした。貴女は私の存在が必要どころか、足手まといになるほどに強く、美しく成長された。私では貴女の夫は力不足だと、そう貴女に告げられるほど。私は貴女を誇りに思う」
だが、三年の眠りの間で、このか弱かった女の子は、ノエルに守られるだけの妻ではなく、戦友となる事を選んだ。
もう弱さゆえに、誰にも人生を振り回させたりはしない。
ノエルは強い覚悟を心に秘めた、この高貴な女性をあおぎみた。
ユージニアはすっと手を出した。
「三年前の私であれば、そうね。そうしたでしょう。でもノエル。私は成長したのです。貴方が成長した様にね。秋祭りで貴方を全てから解放しましょう。それがこの国の王女として、そして貴方の友として、そして元婚約者としての、感謝と餞別です」
ノエルは、ユージニアに差し出された手を取り、友として、握手を交わした。
ロドニーがひざまついてユージニアの手を取った。
「随分久しいわねロドニー。私が眠る前は、お前はまだほんの子供だったというのに、年月の経過とは本当に恐しい事」
ユージニアはクスリ、とロドニーの顔を見て微笑んだ。
ノエルの許しも得ず、ユージニアは古いソファに腰掛けた。
ふわりと、薬草の匂いが立ち上る。ユージニアは慣れぬ香りに、不愉快そうに顔を顰めた。
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ユージニアは珍しそうにあたりを見渡した。
王女の出入る庭園や温室は、見目の良い花々の育成に特化されている。
この温室のように薬効のある植物ばかりを栽培して、特に美しい花が咲いてもいない温室は、ユージニアに取っては珍しいものなのだろう。
「殿下。お加減はよろしいのでしょうか」
「おかげさまで、ご存じのとおりよ。今では体は普通の生活が送れるほどに回復したわ。先週から社交も再開しているし、ダンスのレッスンも昔の通りよ」
そしてニヤリと不敵に笑った。
「眠っていたとはいえ、私に意識があったと知った時のメイド達の顔ったらなかったわね」
「まさか、精神はお目覚めであったとは。却ってお辛い事でしたでしょう」
ノエルはため息をついた。
ユージニアが目覚めて最初に行ったのは、第三王女付きの侍女とメイドの人事。
王女に意識がない事を良い事に、様々な無礼を口にした侍女、ぞんざいな扱いをしたメイドは、その日の内に暇をだされた。逆に、一人ユージニアの回復を毎日その枕元で励まし続け、祈り続けていた平民の下働きの掃除の娘が、新しい侍女に大抜擢されたという。
掃除の娘が、ユージニアの回復を祈って毎日新しいものを摘んでその枕元に捧げていた、どこにでも咲いている黄色いマリーゴールドの花は、今やこの国では病気回復と幸運の象徴だ。
「毒霧に襲われる前にノエルが発動した防御魔法が正しく発動したのです。私の肉体は眠りにつきましたが、精神はノエルの魔法に守られていたため、ずっと目覚めておりましたのよ。不覚の眠りにつく私の枕元で、色んな人間の、様々な会話がありました。ですので一体本当は誰が私達を襲わせたのかも、私はよく知っていてよ」
「やはり、あれは事故ではなかった、誰が襲わせたのか、もご存じと言うことですね」
ノエルは厳しい顔をした。
どれほどこの王女の心を掻き乱す言葉が、その枕元であったのかと考えるだけでノエルは苦しくなる。
「ノエル。お前は多忙な中、本当によく眠る私を見舞ってくれました」
ノエルの厳しい顔に反して、ユージニアは優しい顔をした。
「お前の意識が回復したあの日。涙に暮れながら私の手をとって、必ずエリクサーを完成させると誓ってくれた。お前は自分の不甲斐なさに絶望しながらも、どんな手を使ってでも私を救おうと、死に物狂いでそれから何年も」
「私は、でない声で、動かない体で、頼むからもう諦めてくれと、伝えたかったのです。魔獣に襲われたのはお前のせいではないし、お前も私も、ただ利用されただけ。だというのにこの王国の誰もが諦めた私の命を、お前は眠る間も惜しんで、自分の全てを投げ打って、手を尽くしてくれました。私はお前に、私の価値のない命などさっさと諦めて、早く他の貴婦人と結ばれれば良いと思っていたのです。母上は涙にくれるばかり、友人と思っていた娘達も一人、二人と見舞いに来なくなる中、人にも、運命にも絶望していた私にとって、お前は唯一の希望で、たった一人の誠実な友人でした」
「ベスという娘の整える温室の話をするようになったお前の声が、柔らかくなっていたのには気がついていました。ようやくお前が安心できる場所ができたと。神仙ユリが、あそこであれば開花するかも、と。その温室で信じられないくらい大きななめくじが、好き放題していると。ここ数年聞いたことがないほどお前の声は楽しそうでした」
ユージニアは、温室の端でノロノロしているナナちゃんに目をやる。そして、言った。
「ノエル、ベスという娘に、恋に落ちたのね」
ユージニアは真っ直ぐ、ノエルの目を見た。
ノエルは頷いた。
ゆっくりとユージニアはノエルの方を向いていた体を反転させて、温室の外を見た。
温室の外には、小さな橋がかけてある泉が見える。
朝になれば亀の親子が日光浴に使うだろうと、ノエルが作った橋だ。
ユージニアの頬には、静かに一筋の涙が伝っていた。
この婚約の始まりは、まだ少女であったユージニアのノエルへの、実に少女らしい恋心が始まりであった。
「殿下」
何か言葉をかけようとしたノエルを制して、ユージニアは言った。
「ノエル。私は今後神殿の女神派と手を組んで、王位を狙います。私達を魔獣に襲わせた王と、第一王妃を退位に追い込み、第一王子を廃嫡する。すでに国内の神殿派とは話を通しています」
第一王子を有する神殿派ではあるが、神殿派も一枚岩ではない。
王家派が優勢となる今、第三王女が女神神殿派となる事で王家派を追い立てられるのであれば、女神派ではなく神殿預言者派である第一王子の廃嫡もあり得る。政治の世界だ。
ユージニアはもう泣いてはいなかった。
だが、爛々としたその目には、ノエルに恋していたか弱き少女ではなく、次代の女王としての覚悟と、そして強さが見えた。
「その為には私は王家派に組み入れられたサラトガ侯爵家の長男との結婚ではなく、他国の神殿と婚姻で繋がる必要があります。母の出身である隣国の女神神殿派の有力者と私が婚姻を結べば、それは可能です」
この王女の外国出身の母は、女神神殿派の巫女を母とする。
女神神殿派の後ろ盾を得る事ができれば、政局は変わる。
ロドニーが遠慮がちに言った。
「それは、エリクサーの精製に成功したノエル様が、王家派に翻ったご実家と縁を切って、しかもエリクサーの精製を二度と行わないのであれば、それは可能・・・でも、エリクサーの精製に成功した国の英雄をどうやって」
「ノエルに失脚してもらう必要はありません。簡単な事です。私の祖母の信仰する神殿の女神に、エリクサーが完成して私が目覚めた暁には全てを放棄すると誓った、とでも言えばよろしい。ノエルの奇行を女神への美談に利用しましょう。そして私は元婚約者の誓いによって不覚の眠りから救ってくれた神殿の女神に深い感謝を示して、神殿の女神派となる。辻褄は合います」
涼しい顔をしてナナちゃんを指差したユージニアは言った。
確かに、ノエルほどの貴人が急にこんなナメクジと仲良くしているなど、どう考えても気がおかしくなったか、宗教的な縛りの元の行動にしか見えやしない。
ノエルは、ユージニアの心を察した。
(このお方は、私を自由にするために)
ノエルの頭には、三年前のまだほんの少女だったユージニアが思い出される。
三年の間にこのか弱き少女は大人になり、そして、強く美しい女性へと、その眠りの中で成長していた。
「殿下。私は今日、貴女がこの温室から私を引き摺り出して、婚姻の執行を命ずると、そう思っていました。私が守りきれなかったせいで眠りについた貴女の望みであれば、私はどんな望みでも叶えようとそう考えていました。それが私のせめてもの罪滅ぼしだと」
「ですがそれは私の自惚でした。貴女は私の存在が必要どころか、足手まといになるほどに強く、美しく成長された。私では貴女の夫は力不足だと、そう貴女に告げられるほど。私は貴女を誇りに思う」
だが、三年の眠りの間で、このか弱かった女の子は、ノエルに守られるだけの妻ではなく、戦友となる事を選んだ。
もう弱さゆえに、誰にも人生を振り回させたりはしない。
ノエルは強い覚悟を心に秘めた、この高貴な女性をあおぎみた。
ユージニアはすっと手を出した。
「三年前の私であれば、そうね。そうしたでしょう。でもノエル。私は成長したのです。貴方が成長した様にね。秋祭りで貴方を全てから解放しましょう。それがこの国の王女として、そして貴方の友として、そして元婚約者としての、感謝と餞別です」
ノエルは、ユージニアに差し出された手を取り、友として、握手を交わした。
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