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②〈フリーナ編〉
プロローグ
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『おいたも大概になさい!!』
バケツの水をひっくり返したような怒号が、真っ暗な広間をぶるりと震わせました。
ポツンと降りそそぐライトの下には、怒鳴り声にも動じることなく笑顔をふりまく、
一頭のドラギィが立っていました。
「あっちゃ~。シッパイしちゃったかあ~」
全身にはやわらかな毛、背中にはコウモリの羽。
先端にふわふわな房がついた尻尾は、竜の胴体を思わせるしなやかさ。
しかし頭の二本角は、稲光さながらにギザギザしていました。
「この方法なら、成績最悪のあたしでも、許してもらえると思ったのにな~」
『そんなわけないでしょう!
ああもう、なんですかあなたは。校長である私にここまでの無礼を……
電気クラゲに触ってしびれたことすらなかったのに!』
何やらこのドラギィと、校長と名乗る影との間で、ひと騒動起きたようです。
校長は、ドンドンドン! と木づちをふるい、ドラギィに言い放ちました。
『明々白々ですわ。あなたも〈下界落とし〉を受けてもらいます!
いい加減、その強すぎる能力を制御できるようにしていらっしゃい!
人間界という恐ろしい場所が、嫌でもそうさせることでしょう』
「それはヤダな~。スカイランドの雷が食べられなくなっちゃうよ。
――ねえねえ、人間界にもオイシイ雷は落ちる?」
『あなたという子は……ええ、まあ、美味しいどころか、
空島の雷よりも濃厚で、魅力的な味わいだと聞きますよ』
校長は適当な口ぶりでしたが、それを聞いたドラギィは嬉しそうに跳びはねました。
「ホントぉ? わあーい! だったら行くー! 人間界~!」
まるで遠足にでも行くような騒ぎよう。
ドラギィは、たちまち緑色の半透明の球体に閉じこめられ、
足元にぽっかりと開いた穴から、はるかな地上世界へ墜ちていくのでした。
バケツの水をひっくり返したような怒号が、真っ暗な広間をぶるりと震わせました。
ポツンと降りそそぐライトの下には、怒鳴り声にも動じることなく笑顔をふりまく、
一頭のドラギィが立っていました。
「あっちゃ~。シッパイしちゃったかあ~」
全身にはやわらかな毛、背中にはコウモリの羽。
先端にふわふわな房がついた尻尾は、竜の胴体を思わせるしなやかさ。
しかし頭の二本角は、稲光さながらにギザギザしていました。
「この方法なら、成績最悪のあたしでも、許してもらえると思ったのにな~」
『そんなわけないでしょう!
ああもう、なんですかあなたは。校長である私にここまでの無礼を……
電気クラゲに触ってしびれたことすらなかったのに!』
何やらこのドラギィと、校長と名乗る影との間で、ひと騒動起きたようです。
校長は、ドンドンドン! と木づちをふるい、ドラギィに言い放ちました。
『明々白々ですわ。あなたも〈下界落とし〉を受けてもらいます!
いい加減、その強すぎる能力を制御できるようにしていらっしゃい!
人間界という恐ろしい場所が、嫌でもそうさせることでしょう』
「それはヤダな~。スカイランドの雷が食べられなくなっちゃうよ。
――ねえねえ、人間界にもオイシイ雷は落ちる?」
『あなたという子は……ええ、まあ、美味しいどころか、
空島の雷よりも濃厚で、魅力的な味わいだと聞きますよ』
校長は適当な口ぶりでしたが、それを聞いたドラギィは嬉しそうに跳びはねました。
「ホントぉ? わあーい! だったら行くー! 人間界~!」
まるで遠足にでも行くような騒ぎよう。
ドラギィは、たちまち緑色の半透明の球体に閉じこめられ、
足元にぽっかりと開いた穴から、はるかな地上世界へ墜ちていくのでした。
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