3 / 72
①〈フラップ編〉
2『竜や犬が、大きいままとはかぎらない』
しおりを挟む
羽を生やした不思議な生き物は、地べたにあお向けになって倒れていました。
「うーん、でも……どう声をかけよう? 言葉は通じるかな?」
竜ならまだしも、犬の一種だとしたら、人の言葉が分かるとは考えられません。
それに、人間を噛むかもしれない恐れもあります。
安全に事を運ぶなら、茂みのなかでじっと身をひそめたまま、
この生き物が目を覚まして、どう行動するかを観察するところでしょう。
しかしレンは、この生き物が、そこまで危険には感じられませんでした。
「お、おーい、竜くーん。あっ、いや、犬くんのほうがいいかな……?」
どっちの呼び方がふさわしいか決めあぐねていると、
倒れていたその大きな生き物が、パチッと目を覚ましました。
重たそうな上半身をもっそりと起こし、辺りをキョロキョロします。
「うーん、あれ……? ここどこ?」
しゃべりました。
レンは、石になってしまいました。
どうしよう! ここからどうなる? ぼくは、どうなるんだ?
「うわあああ! ニンゲンだあぁぁぁ!!」
生き物は、レンを見るなり震え上がりました。
さらには、こちらさえ驚くようなことが、起こったのです。
シュン……! ぽてん。
その生き物は、こちらがまばたきする間もなく、一瞬にして、
小動物のように小さな体へと縮んでしまったのです。
「えっ、えっ、うそ!?」
レンの頭の理解が追いつかないまま、小さくなったその生き物は、
先ほどまでレンが隠れていた茂みの中へ、弾丸のように飛んでいきました。
「ああっ、待って!」
こんなことは、そうそうありません。
まさか、自分より体がずっと大きい生き物に、恐れられる日が来ようなんて。
レンは生き物を追って、自分も茂みのむこうへ急ぎました。
露出した足につきまとう、ちくちくするような植物の感触にたえて、
ようやく茂みをぬけると……いました。例の生き物が。
小さくなったその生き物は、今度は地べたに腹ばいになって落ちていました。
「……お、お腹、空いたぁ……」
レンはポカンとした顔で、その生き物のそばへゆっくり近づきます。
「ダメだぁ……ぼくは、ここで……死ぬんだぁ……」
生き物は、消え入るようなかすれ声で、みじめに嘆いていました。
熊のようにたくましそうだと思ったら、なぜか人間の姿におびえたり、
急に体が小動物みたいに縮んだと思ったら、脇目もふらずに逃げ出したり。
レンは、だんだんこの生き物が、とても愛おしくなってきました。
「しょうがないなぁ……ぼくの家、連れてってあげるったら」
レンは、小さな生き物を両手でそっと拾い上げ、腕の中に抱きこみます。
大人のモルモットほどのサイズになった生き物は、
バッテリーを消耗したてのスマホのように、はっきりとした温もりがありました。
よほどお腹が空いているのでしょうか。抵抗する気配はちっともありません。
(今日はスケッチの宿題、終わりそうにないなぁ)
それから、林の外にほっぽり出していたスケッチボードを回収するために、
もとの場所へ戻りました。
「あれ? そういえば、いったいどうして――」
あんなに砂ぼこりが舞うほど強烈に落下してきたのに、
草の上にはその衝撃の跡がまったくありません。
クレーターの一つくらいできても、おかしくなかったのですが。
この生物が、あの緑色の球体に入っていたのは間違いありません。
ということは、あの球体に特別な仕組みがあったのでしょう。
どうなっていることやら。
とにかくレンは、一本杉の近くに吹っ飛んでいたスケッチボードを拾い上げ、
それを入れる手さげバッグを林の近くで見つけました。
スケッチに使う鉛筆は、どこかに失くしてしまいましたが。
ああ……創作の世界でしかお目にかかれないような存在が、今自分の腕の中に。
これは、モンスターなのでしょうか? それとも、神獣が天国から降ってきた?
さまざまな想像をふくらませながら、雑木林の通り道をぬけ、
丘のふもとへ下る車道に出ようとした、その時です。
レンの目に映ったのは、丘の上の轟音と砂塵の原因を確かめに来た、
百人を超える町の住民。おまけに、雑木林の前には数名の警察官までいました。
(げげげっ!)
レンはとっさに木の後ろに身を隠しました。
そうするのも当然です。レンは今、得体の知れない珍生物を抱えているのですから。
それに、あんな大爆発の直後なのです。もし警官たちに見られでもして、
何か危険な力を持っていると警戒されたら、かわいそうです。
(だって、この子が人間界を破壊するためにやってきたなら、
こんなふうにお腹を空かせて弱った状態で、空から落ちてくるはずないもの。
この子は……そうだ。何かツライことでもあったに違いないよ)
危険生物であるはずがありません。こんなに愛らしいのだもの。
レンは、人に見つからないように雑木林に紛れて進むと、
歩道前の柵を跳び越えて、自転車が置いてある駐輪スペースに到達しました。
顔じゅうが葉っぱや木の枝に当たったせいで、チクチクします。
「このままじゃ、自転車こげないな」
レンは、不思議な生物を手さげバッグに入れてあげることにしました。
先に入れていたスケッチボードは、脇に抱えて持てば解決です。
「この中に入れば、見つからないはずだから。
……うん、これでよし。ちょっと窮屈だろうけど、しばらくがまんしてて」
「……あのう、人間さん? ぼくをどうしようって言うんです?」
と、不思議な生物がバッグの中から問いかけました。
「大丈夫。取って食うってわけじゃないから。じゃあ、いくぞ」
レンは、ゆっくりと怪しまれないようにこぎ出しました。
車道の対向車線には、野次馬たちの車が渋滞のように何台も駐車していて、
中には警察のパトカーもあります。
あの爆発が、どれほど町の人たちを仰天させたか、レンにも想像できます。
「――すると、空から何か丸いものが投下されたように映ったわけですね?」
「はい、そうです! 飛行機が落ちた感じではなかったです! もう、びっくり!」
四十代くらいのおばさんと、警官のやり取りが、通りがけに聞こえてきました。
この後、警察の人たちは丘の上の原っぱへと、原因を突きとめにいくはずです。
でも、きっと何一つおかしなものが見つからなくて、変に思うことでしょう。
だって、どんなに頭の切れる警官だろうと、思いつきやしませんから。
空から降ってきたのが、竜のような、犬のような生物で、
モルモットのように小さくなって、今、レンの自転車に運ばれているとは。
*
家に帰ると、レンは小さい生き物を、自分の部屋に連れこみ、
床にある四角いクッションの上に降ろしてあげました。
それから、キッチンでエサになりそうなものを、調達しにいきました。
(竜でも、犬でも、食べられるものは、だいたい決まってるからね)
レンは、冷蔵庫の中から、昨日の晩の残り物になったベーコンの皿を取ると、
ラップがかかったまま、レンジで堂々と温めました。
両親は今日も、一階にあるカレー屋のお仕事で晩までいそがしいため、
この光景を見られる心配がなかったのです。
「あちちち。おーい、食べ物持ってきたよー」
生き物は、まだクッションの上でぐったり伸びていました。
「お口に合うかは、分かんないけどさ。今は、これしかなくて」
レンは、お皿のラップを手際よくはがし、生き物の目の前に置きました。
そのとたん、部屋に立ち昇るお肉の香ばしいにおい。心をくすぐる脂の気配。
生き物は、たちまち生気を得たように起き上がると、
「おおお、お肉! いいんですか? いいんですよね!?」
レンの返事を待つことなく、生き物は一切れの肉厚ベーコンにがっつきました。
このあふれだす肉汁の感覚。今まで食べたどの肉よりも、ずっと強い脂の甘み。
そしてこの肉厚感……もうたまりません。
十二センチもあったはずのベーコンは、一分もせずに跡形もなくなりました。
「よく食べるなあ。けっこう熱かったけど、平気みたいだね」
「ええ。ぼく、熱いのはへっちゃらですので! それにしても、助かりましたぁ。
ここに落ちる前、とてつもなくエネルギーを使うこと、やってましたから。
いやあ、ご馳走さまでした!」
パチン! 生き物は、脂まみれの両手を礼儀よくあわせました。
「ほらほら、ギトギトだよ。口元も。はい、手を出して」
レンは、ズボンのポケットからハンカチを取り出すと、
まずは生き物の両手をもむようにふき、それから口元を優しくふいてあげました。
こうして見ると、なかなかに可愛いやつです。
うるっとしたコハク色の瞳、ふさふさなしっぽ、おまけに手にはピンクの肉球。
「あのさ……ストレートに聞くけど、キミって何者?」
「え、ぼくですか? 何者と言われても……見ての通りですが」
生き物は、きょとんとした目でこちらを見上げていました。
質問の仕方が悪かったのでしょう。レンは、短くうなってから、こう聞きました。
「キミは、竜なの? 犬なの? それとも、どっちでもないの?」
「あ、そっか……あなた、ぼくみたいな生き物を知らないんですね」
生き物は、羽をひゅうっと一振ふりして、レンの目線の高さまで飛び上がりました。
「ぼくは、ドラギィです! 親にもらった名前は、フラップっていいます。
以後、どうぞお見知りおきを!」
フラップは、空中舞台の俳優のようにかしこまって、そう名乗りました。
「ドラ、ギィ?」
聞いたことも、見たこともない、へんてこ極まりない名前ではありませんか。
「うーん、でも……どう声をかけよう? 言葉は通じるかな?」
竜ならまだしも、犬の一種だとしたら、人の言葉が分かるとは考えられません。
それに、人間を噛むかもしれない恐れもあります。
安全に事を運ぶなら、茂みのなかでじっと身をひそめたまま、
この生き物が目を覚まして、どう行動するかを観察するところでしょう。
しかしレンは、この生き物が、そこまで危険には感じられませんでした。
「お、おーい、竜くーん。あっ、いや、犬くんのほうがいいかな……?」
どっちの呼び方がふさわしいか決めあぐねていると、
倒れていたその大きな生き物が、パチッと目を覚ましました。
重たそうな上半身をもっそりと起こし、辺りをキョロキョロします。
「うーん、あれ……? ここどこ?」
しゃべりました。
レンは、石になってしまいました。
どうしよう! ここからどうなる? ぼくは、どうなるんだ?
「うわあああ! ニンゲンだあぁぁぁ!!」
生き物は、レンを見るなり震え上がりました。
さらには、こちらさえ驚くようなことが、起こったのです。
シュン……! ぽてん。
その生き物は、こちらがまばたきする間もなく、一瞬にして、
小動物のように小さな体へと縮んでしまったのです。
「えっ、えっ、うそ!?」
レンの頭の理解が追いつかないまま、小さくなったその生き物は、
先ほどまでレンが隠れていた茂みの中へ、弾丸のように飛んでいきました。
「ああっ、待って!」
こんなことは、そうそうありません。
まさか、自分より体がずっと大きい生き物に、恐れられる日が来ようなんて。
レンは生き物を追って、自分も茂みのむこうへ急ぎました。
露出した足につきまとう、ちくちくするような植物の感触にたえて、
ようやく茂みをぬけると……いました。例の生き物が。
小さくなったその生き物は、今度は地べたに腹ばいになって落ちていました。
「……お、お腹、空いたぁ……」
レンはポカンとした顔で、その生き物のそばへゆっくり近づきます。
「ダメだぁ……ぼくは、ここで……死ぬんだぁ……」
生き物は、消え入るようなかすれ声で、みじめに嘆いていました。
熊のようにたくましそうだと思ったら、なぜか人間の姿におびえたり、
急に体が小動物みたいに縮んだと思ったら、脇目もふらずに逃げ出したり。
レンは、だんだんこの生き物が、とても愛おしくなってきました。
「しょうがないなぁ……ぼくの家、連れてってあげるったら」
レンは、小さな生き物を両手でそっと拾い上げ、腕の中に抱きこみます。
大人のモルモットほどのサイズになった生き物は、
バッテリーを消耗したてのスマホのように、はっきりとした温もりがありました。
よほどお腹が空いているのでしょうか。抵抗する気配はちっともありません。
(今日はスケッチの宿題、終わりそうにないなぁ)
それから、林の外にほっぽり出していたスケッチボードを回収するために、
もとの場所へ戻りました。
「あれ? そういえば、いったいどうして――」
あんなに砂ぼこりが舞うほど強烈に落下してきたのに、
草の上にはその衝撃の跡がまったくありません。
クレーターの一つくらいできても、おかしくなかったのですが。
この生物が、あの緑色の球体に入っていたのは間違いありません。
ということは、あの球体に特別な仕組みがあったのでしょう。
どうなっていることやら。
とにかくレンは、一本杉の近くに吹っ飛んでいたスケッチボードを拾い上げ、
それを入れる手さげバッグを林の近くで見つけました。
スケッチに使う鉛筆は、どこかに失くしてしまいましたが。
ああ……創作の世界でしかお目にかかれないような存在が、今自分の腕の中に。
これは、モンスターなのでしょうか? それとも、神獣が天国から降ってきた?
さまざまな想像をふくらませながら、雑木林の通り道をぬけ、
丘のふもとへ下る車道に出ようとした、その時です。
レンの目に映ったのは、丘の上の轟音と砂塵の原因を確かめに来た、
百人を超える町の住民。おまけに、雑木林の前には数名の警察官までいました。
(げげげっ!)
レンはとっさに木の後ろに身を隠しました。
そうするのも当然です。レンは今、得体の知れない珍生物を抱えているのですから。
それに、あんな大爆発の直後なのです。もし警官たちに見られでもして、
何か危険な力を持っていると警戒されたら、かわいそうです。
(だって、この子が人間界を破壊するためにやってきたなら、
こんなふうにお腹を空かせて弱った状態で、空から落ちてくるはずないもの。
この子は……そうだ。何かツライことでもあったに違いないよ)
危険生物であるはずがありません。こんなに愛らしいのだもの。
レンは、人に見つからないように雑木林に紛れて進むと、
歩道前の柵を跳び越えて、自転車が置いてある駐輪スペースに到達しました。
顔じゅうが葉っぱや木の枝に当たったせいで、チクチクします。
「このままじゃ、自転車こげないな」
レンは、不思議な生物を手さげバッグに入れてあげることにしました。
先に入れていたスケッチボードは、脇に抱えて持てば解決です。
「この中に入れば、見つからないはずだから。
……うん、これでよし。ちょっと窮屈だろうけど、しばらくがまんしてて」
「……あのう、人間さん? ぼくをどうしようって言うんです?」
と、不思議な生物がバッグの中から問いかけました。
「大丈夫。取って食うってわけじゃないから。じゃあ、いくぞ」
レンは、ゆっくりと怪しまれないようにこぎ出しました。
車道の対向車線には、野次馬たちの車が渋滞のように何台も駐車していて、
中には警察のパトカーもあります。
あの爆発が、どれほど町の人たちを仰天させたか、レンにも想像できます。
「――すると、空から何か丸いものが投下されたように映ったわけですね?」
「はい、そうです! 飛行機が落ちた感じではなかったです! もう、びっくり!」
四十代くらいのおばさんと、警官のやり取りが、通りがけに聞こえてきました。
この後、警察の人たちは丘の上の原っぱへと、原因を突きとめにいくはずです。
でも、きっと何一つおかしなものが見つからなくて、変に思うことでしょう。
だって、どんなに頭の切れる警官だろうと、思いつきやしませんから。
空から降ってきたのが、竜のような、犬のような生物で、
モルモットのように小さくなって、今、レンの自転車に運ばれているとは。
*
家に帰ると、レンは小さい生き物を、自分の部屋に連れこみ、
床にある四角いクッションの上に降ろしてあげました。
それから、キッチンでエサになりそうなものを、調達しにいきました。
(竜でも、犬でも、食べられるものは、だいたい決まってるからね)
レンは、冷蔵庫の中から、昨日の晩の残り物になったベーコンの皿を取ると、
ラップがかかったまま、レンジで堂々と温めました。
両親は今日も、一階にあるカレー屋のお仕事で晩までいそがしいため、
この光景を見られる心配がなかったのです。
「あちちち。おーい、食べ物持ってきたよー」
生き物は、まだクッションの上でぐったり伸びていました。
「お口に合うかは、分かんないけどさ。今は、これしかなくて」
レンは、お皿のラップを手際よくはがし、生き物の目の前に置きました。
そのとたん、部屋に立ち昇るお肉の香ばしいにおい。心をくすぐる脂の気配。
生き物は、たちまち生気を得たように起き上がると、
「おおお、お肉! いいんですか? いいんですよね!?」
レンの返事を待つことなく、生き物は一切れの肉厚ベーコンにがっつきました。
このあふれだす肉汁の感覚。今まで食べたどの肉よりも、ずっと強い脂の甘み。
そしてこの肉厚感……もうたまりません。
十二センチもあったはずのベーコンは、一分もせずに跡形もなくなりました。
「よく食べるなあ。けっこう熱かったけど、平気みたいだね」
「ええ。ぼく、熱いのはへっちゃらですので! それにしても、助かりましたぁ。
ここに落ちる前、とてつもなくエネルギーを使うこと、やってましたから。
いやあ、ご馳走さまでした!」
パチン! 生き物は、脂まみれの両手を礼儀よくあわせました。
「ほらほら、ギトギトだよ。口元も。はい、手を出して」
レンは、ズボンのポケットからハンカチを取り出すと、
まずは生き物の両手をもむようにふき、それから口元を優しくふいてあげました。
こうして見ると、なかなかに可愛いやつです。
うるっとしたコハク色の瞳、ふさふさなしっぽ、おまけに手にはピンクの肉球。
「あのさ……ストレートに聞くけど、キミって何者?」
「え、ぼくですか? 何者と言われても……見ての通りですが」
生き物は、きょとんとした目でこちらを見上げていました。
質問の仕方が悪かったのでしょう。レンは、短くうなってから、こう聞きました。
「キミは、竜なの? 犬なの? それとも、どっちでもないの?」
「あ、そっか……あなた、ぼくみたいな生き物を知らないんですね」
生き物は、羽をひゅうっと一振ふりして、レンの目線の高さまで飛び上がりました。
「ぼくは、ドラギィです! 親にもらった名前は、フラップっていいます。
以後、どうぞお見知りおきを!」
フラップは、空中舞台の俳優のようにかしこまって、そう名乗りました。
「ドラ、ギィ?」
聞いたことも、見たこともない、へんてこ極まりない名前ではありませんか。
1
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
がらくた屋 ふしぎ堂のヒミツ
三柴 ヲト
児童書・童話
『がらくた屋ふしぎ堂』
――それは、ちょっと変わった不思議なお店。
おもちゃ、駄菓子、古本、文房具、骨董品……。子どもが気になるものはなんでもそろっていて、店主であるミチばあちゃんが不在の時は、太った変な招き猫〝にゃすけ〟が代わりに商品を案内してくれる。
ミチばあちゃんの孫である小学6年生の風間吏斗(かざまりと)は、わくわく探しのため毎日のように『ふしぎ堂』へ通う。
お店に並んだ商品の中には、普通のがらくたに混じって『神商品(アイテム)』と呼ばれるレアなお宝もたくさん隠されていて、悪戯好きのリトはクラスメイトの男友達・ルカを巻き込んで、神商品を使ってはおかしな事件を起こしたり、逆にみんなの困りごとを解決したり、毎日を刺激的に楽しく過ごす。
そんなある日のこと、リトとルカのクラスメイトであるお金持ちのお嬢様アンが行方不明になるという騒ぎが起こる。
彼女の足取りを追うリトは、やがてふしぎ堂の裏庭にある『蔵』に隠された〝ヒミツの扉〟に辿り着くのだが、扉の向こう側には『異世界』や過去未来の『時空を超えた世界』が広がっていて――⁉︎
いたずら好きのリト、心優しい少年ルカ、いじっぱりなお嬢様アンの三人組が織りなす、事件、ふしぎ、夢、冒険、恋、わくわく、どきどきが全部詰まった、少年少女向けの現代和風ファンタジー。
大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。
takemot
児童書・童話
薬草を採りに入った森で、魔獣に襲われた僕。そんな僕を助けてくれたのは、一人の女性。胸のあたりまである長い白銀色の髪。ルビーのように綺麗な赤い瞳。身にまとうのは、真っ黒なローブ。彼女は、僕にいきなりこう尋ねました。
「シチュー作れる?」
…………へ?
彼女の正体は、『森の魔女』。
誰もが崇拝したくなるような魔女。とんでもない力を持っている魔女。魔獣がわんさか生息する森を牛耳っている魔女。
そんな噂を聞いて、目を輝かせていた時代が僕にもありました。
どういうわけか、僕は彼女の弟子になったのですが……。
「うう。早くして。お腹がすいて死にそうなんだよ」
「あ、さっきよりミルク多めで!」
「今日はダラダラするって決めてたから!」
はあ……。師匠、もっとしっかりしてくださいよ。
子供っぽい師匠。そんな師匠に、今日も僕は振り回されっぱなし。
でも時折、大人っぽい師匠がそこにいて……。
師匠と弟子がおりなす不思議な物語。師匠が子供っぽい理由とは。そして、大人っぽい師匠の壮絶な過去とは。
表紙のイラストは大崎あむさん(https://twitter.com/oosakiamu)からいただきました。
鎌倉西小学校ミステリー倶楽部
澤田慎梧
児童書・童話
【「鎌倉猫ヶ丘小ミステリー倶楽部」に改題して、アルファポリスきずな文庫より好評発売中!】
https://kizuna.alphapolis.co.jp/book/11230
【「第1回きずな児童書大賞」にて、「謎解きユニーク探偵賞」を受賞】
市立「鎌倉西小学校」には不思議な部活がある。その名も「ミステリー倶楽部」。なんでも、「学校の怪談」の正体を、鮮やかに解明してくれるのだとか……。
学校の中で怪奇現象を目撃したら、ぜひとも「ミステリー倶楽部」に相談することをオススメする。
案外、つまらない勘違いが原因かもしれないから。
……本物の「お化け」や「妖怪」が出てくる前に、相談しに行こう。
※本作品は小学校高学年以上を想定しています。作中の漢字には、ふりがなが多く振ってあります。
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
※本作品は、三人の主人公を描いた連作短編です。誰を主軸にするかで、ジャンルが少し変化します。
※カクヨムさんにも投稿しています(初出:2020年8月1日)
【完結】カラ梅雨、美津希! ―蛙化女子高生の日常―
ginrin3go/〆野々青魚
児童書・童話
完結しました!
川原美津希(かわはらみづき)は高校一年生。
彼女は憧れの先輩にひとめぼれしてしまい、カナヅチにもかかわらず水泳部へと入部してしまう。
いくら頑張ってもまともに泳ぐことすらできない美津希。
記録会を前にした練習で溺れてしまうという失態を演じ、とうとう退部を決意する。
その日の夜、彼女の身にとんでもないことが起こる。
SF(すこしふしぎ)系のぬるいお話。全11話 約2万2000字の短編です。
※本作は奨励賞を頂戴した長編のプロトタイプ的な作品で、作中、似たシチュエーションがあります。
今回はあえてその部分は変更せず、そのまま公開いたします。
こーる・おぶ・くとぅるー ~ひと夏の呼び声~
AAKI
児童書・童話
父親の仕事の都合で海の見える街へと引っ越してきたショウゴ。引っ越し作業のおりにケガをしてしまい入院することとなったショウゴは、病院でツカサという少女に出会う。浜辺に現れた謎の怪物やショウゴを呼ぶ声の正体とは。ツカサを助けるべく、少年はひと夏の冒険へと挑む。
GREATEST BOONS+
丹斗大巴
児童書・童話
幼なじみの2人がグレイテストブーンズ(偉大なる恩恵)を生み出しつつ、異世界の7つの秘密を解き明かしながらほのぼの旅をする物語。
異世界に飛ばされて、小学生の年齢まで退行してしまった幼なじみの銀河と美怜。とつじょ不思議な力に目覚め、Greatest Boons(グレイテストブーンズ:偉大なる恩恵)をもたらす新しい生き物たちBoons(ブーンズ)を生みだし、規格外のインベントリ&ものづくりスキルを使いこなす! ユニークスキルのおかげでサバイバルもトラブルもなんのその! クリエイト系の2人が旅する、ほのぼの異世界珍道中。
便利な「しおり」機能、「お気に入り登録」して頂くと、最新更新のお知らせが届いて便利です!
魔法のステッキ
ことは
児童書・童話
小学校5年生の中川美咲が今、夢中になっているもの。それはバトントワリングだ。
父親の転勤により、東京のバトン教室をやめなければならなくなった美咲。だが、転校先の小学校には、放課後のバトンクラブがあるという。
期待に胸を膨らませていた美咲だが、たった三人しかいないバトンクラブはつぶれる寸前。バトンの演技も、美咲が求めているようなレベルの高いものではなかった。
美咲は、バトンクラブのメンバーからの勧誘を断ろうとした。しかし、クラブのみんなから、バトンクラブの先生になってほしいとお願いされ……。
【表紙イラスト】ノーコピーライトガール様からお借りしました。
https://fromtheasia.com/illustration/nocopyrightgirl
「私は○○です」?!
咲駆良
児童書・童話
マイペースながらも、仕事はきっちりやって曲がったことは大の苦手な主人公。
一方、主人公の親友は周りの人間を纏めるしっかり者。
偶々、そんな主人公が遭遇しちゃった異世界って?!
そして、親友はどうなっちゃうの?!
これは、ペガサスが神獣の一種とされる異世界で、主人公が様々な困難を乗り越えていこうとする(だろう)物語です。
※まだ書き始めですが、最後は「○○○だった主人公?!」みたいなハッピーエンドにしたいと考えています。
※都合によりゆっくり更新になってしまうかもしれませんが、これからどうぞよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる