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お泊まり学習 11

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 オオワシがお縄を頂戴して連れて行かれるのを見ている間に、先生達も動き出した。

 言わずと知れた、テン、カラコ、レイの3匹。
 未だに反抗しようとコソコソやっておるが、無駄な足掻きになりそうじゃな。

 


 ふと見渡すとノミーがおらんかった。
匂いで分かるかと、クンクンしておったら、何やら甘ったるい匂いと共に帰ってきおった。
 口元も汚くなっておった。思わず拭ってしもうたわ。気分は保護者じゃ。

「ノミーよ、その菓子はどうしたんじゃ?まさか土産から我慢出来ずに食べたのか?」

「ん?んーん。もらった」

「?貰った?誰に貰ったんじゃ?先生からか?」

「ん?んーん。知らない人」

「は・・・・・・?ナンジャと?知らない人からもらったと言ったか?」

「そう!とっても美味しかったの!」

「あーーノミーそれは不味いんじゃないかなー」

 ナミがワシの顔色を伺いながら言葉を発するも、ノミーは我関せず。

「ノミ?悪そうな感じしなかったし、身体もなんともないよ?」

「そう言う問題ではないわーーーーーーーーーーーーーー!!」

 ケンタ激怒!皆がこちらに注目する。
注目されるのってやだなぁー。(ナミ談)

「毎回毎回なんど言わせれば気が済むんじゃ!!!
 そなたは他のものと違って、体の構造が違うのじゃぞ!だからと言ってなんでも食べていいわけでもあるまい!
 此処は村では無いのじゃ!何かあってからでは遅いんじゃぞ!!もっと危機感を持たんか!!!
 みんながみんな良い人とは限らんのじゃーーーーー!」

「やーーーん、ごめんなさーーーーーい」

 必死にノミーが謝るも、ケンタは丸まった尻尾や、全身の毛を逆立て何故か頭にはツノの幻影・・・
 絶え間無く続く説教に周りの大人も呆然。



「ピーーーーーーー(涙)」

 
 ノミーが悲鳴をあげるもケンタは止まらない。
 みんなのオカンは、かなりおかんむりの様だ。

 しゃーないね、3匹捕まるまで甘んじて受け入れろ?
 そんなナミとノミーの目が合う。心も通じ合う。

「う、う、うわーーーーーーーーん!」


 大きな声でノミーが泣き始めた。
目から流れ出た涙が大きな水たまりを作っていく。
 それは、存在しないものが、存在を主張するかの様に・・・






♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢



 ハイエナ1
「あの仔犬、あの魚の保護者か何かですか?」
 
 ウルフ先生
「いいえ、どちらかと言えばストッパーですね。暴走するノミー、魚をうまく止めてくれるんですよ」

ハイエナ2
「周りの子達が、また始まった。と言う目で見てるのは・・・」

ウルフ先生
「日常茶飯事なんで」

ハイエナ達
「「「あーーー(納得)」」」

ハイエナ隊長
「ところで、何か企んでそうな後の3匹はどうします?捕獲は簡単ですが・・・
 我々が全力で行くとトラウマになり兼ねませんしね~」

ウルフ先生
「ああ、その点は大丈夫です。ノミーの特殊能力が発動した時に捕獲します。
 お手数おかけして申し訳ありません」

ハイエナ隊長
「いえ、こちらも成果がありましたから。ありがとうございました」


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