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お泊り学習 5
しおりを挟む朝ご飯を食べて、ホテルを出る準備をする。
今朝のナミはちょっと回復しておったのか、顔色が良さそうじゃった。でも、朝食の量は少なかった。何事もなければ良いがな。
お世話になる家の方達が迎えに来てくれたので、みんなそれぞれに分かれて、海まで行く。
今回は川ではできないマリンスポーツとやらを体験するのが目的なのじゃ。
バナナボート、ガラスボート、シュノーケリングの3つじゃ。
バナナボートとは、バナナの形をしたゴムボートで、モーターボートやジェットスキーで引っ張ってもらうんじゃよ。スピードが出てきたら振り落とされない様にせねばならんがな。
ガラスボートは、真ん中の床がガラス張りになっておって、澄んだ海なら底の方まで見えてとても綺麗なんじゃ。
ナミは潜るのも、捕まっとくのも面倒と言って、これに乗っとくと言っておったな。
シュノーケリングは、シュノーケルという水中において呼吸を行えるようにするための用具を用いて海に潜るのじゃ。
ノミーには関係ない物じゃがな。あやつ潮に流されてどっか行ってそうじゃな。
みんなが思い思いの場所に集まり準備をする。
ふと見ると、ノミーがバナナボートに乗っておった(?)。
ノミー、浮いてる・・・
そう、本当の意味でノミーは浮いていた。身体には布が巻かれ紐まで付けられている。
そして・・・その後ろにはライオンのリオが。その後ろには何故がウホ先生が。中々にカオスであるし、片方に重量級が偏るとバランス悪いんじゃよ。
面白そうだと思い、ガラスボートに乗り込み、バナナボートを追ってもらった。
遠目でしか見えなんだが、スピードが乗ってくるとノミーが吹き飛ばされそうになっている。
「リオが口開けて入ってくるの待ってるね」
ナミが面白そうに言った。
「丸呑みすると思う?」
「後ろにウホ先生がおるからのー。くちにすら入らんのじゃないか?」
どんどんバナナボートを牽引するボートの速度が上がって行く。
「ひゃーーー」
と、ノミーの嬉しそうな悲鳴。勢いよく飛ばされたその後ろには大きく口を開いたリオ。
ノミーがリオの口に吸い込まれそうになった瞬間
ドゴーーーン!!!!
強烈な水飛沫がリオとノミーを襲う。
リオは身体に打ち付ける水滴に思わず口を閉じてしまった。そして・・・・・閉じた口に飛んできたのは、勿論ノミー!
ゴーーーーーン!!!!
という衝撃とともに、リオは手を離して仰け反ってしまった。だが、絶妙なバランスでリオを支えるのは後ろに座っているウホ先生。
何事もなかったかの様にしれっと気遣う。
「大丈夫か?前方不注意だぞ。しっかり捕まっておけ」
「す、すいません」
一連の出来事が理解できずに呆然と答える。
リオに突っ込んだノミーはウホ先生の隣で楽しく飛んでいる。痛いのはリオだけだったようだ。
※ここでもう一度見てみよう。
ノミーが飛ばされた。
リオ口を全開にして待っている。
その後ろでウホ先生が達人の勢いで海面に角度をつけて手刀を打ち込む。
激しい水飛沫がリオを襲う。
あまりの衝撃にリオが口を閉じる。
ノミーがそのままリオに突っ込む。
リオが持ち手を離してしまい、仰け反ってしまい海に落ちかける。
ウホ先生が助ける、そして注意する。
ノミーがウホ先生の隣で楽しく飛んでいる。
以上ガラスボートからの中継でした。
「ウホ先生って相変わらず凄いよね。何をどうやったらあんなことできるんだろ?」
「「「さーーー?」」」
ナミの素朴な疑問にみんなが首をかしげる。ほんに凄いの一言に尽きる。
その後のノミーはシュノーケリングをしておった。勿論身体にはロープが巻かれておる。流されない為の・・・な。
そんなこんなしておったら、本当に流されておった様で、リールで引かれておった。
そして勢いよく引かれてトビウオのように海面に跳び上がった!!!!
それに続くように数頭のイルカが背後を飛んだ!!!!!!
更にクジラまでもが跳んだ!!!!!!!
「ノミーすげー!水族館の係の人みたいな!!」「てかアイツ超音波出せたのか?イルカって超音波だろ?」「魚類の共通語とか有るのかなー?」
みんなが感嘆の声を上げておるが、落ち着け!色々間違ってるし、問題大ありじゃろ!
そんなワシの声を聞いたかのように、ナミがボソッと呟いた。
「ま、ノミーだしね(なんでもありでしょあの子は。・・・多分)」
「そうだな、ノミーだしな(大抵の者に好かれる奴だしな)」
それに先生たちが続いた。
いや、それで良いのか?
お世話になる家に着いても悶々としていたワシであった。
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